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人と人を繋ぎ、街の流れを作り出す「西川パフォーマー事業」/岡山市庭園都市推進課街なかにぎわい推進室 服部さん

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“晴れの国”と呼ばれ温暖で降水量が少ないことで有名な岡山県、その中心地であり交通の結節点として利便性にも富む岡山市。近年は人と自然に優しいことをうたった緑道整備などが全国で盛んに行われているが、岡山市では高度成長期のさなかに「水と緑の回廊」として緑道整備された区間がある。それが「西川緑道公園」だ。現在まで幾度となくリニューアルが行われ、その整備事業と並行して行われてきたユニークな「西川パフォーマー事業」。その詳細を岡山市担当者にうかがった。

いちはやく取り組んだ 都市のなかでの自然と人との関係

「水と緑の回廊」として整備された「西川緑道公園」

――はじめに「西川緑道公園」が整備された経緯や概要について教えてください。

服部さん:1974(昭和49)年から1982(昭和57)年までの9年間、“緑と花・光と水の街づくり”というコンセプトで市内中心部の約2.4㎞の区間を「水と緑の回廊」として整備したのが始まりです。高度成長期に入ると全国各地で用水を埋め立てて道路にする整備が行われましたが、岡山市では水や緑の景観にも配慮しながら市民の憩いの場にしようと考えました。

――再整備事業ではどんな整備が行われたのでしょうか。

服部さん:再整備は時期や内容によって何段階かに分けて行われてきました。大きなものだと1989(平成元)年に、「下石井公園」など沿道近くの大きな公園の整備やリニューアルを行いました。もうひとつ大きなものでは2007(平成19)年から2011(平成23)年に、老朽化した施設を撤去し、必要な樹木を移植して街路灯を整備することで、安全で見通しのいい歩道空間を確保しました。

一時期はうっそうと樹木が茂り暗く歩くのが怖いというような声も聞いていましたが、明るく開放的な空間になったことで再び市民の憩いの場として復活させることができました。

市民主体で作る新しい都市環境の価値

「西川パフォーマー事業」のひとつ、「ハーモニーフェスタ」

――「西川パフォーマー事業」が始まった経緯について教えてください。

服部さん:「西川パフォーマー事業」とは市民が「西川緑道公園」を活用して自主的・主体的に企画・実施するイベントを市が公募して選考し、認定した事業です。「西川緑道公園」の活用を促して魅力を高め、まちなかに質の良い継続した賑わいを創出することを目的とする市民活動の一環、という位置づけです。

契機となったのは、2009(平成21)年に、「第26回全国都市緑化おかやまフェア」が開催されたことです。「西川緑道公園」や「後楽園」、「岡山城」など岡山を代表するスポットで様々なイベントを行ったのですが、その後も「西川緑道公園」を賑わいの場として活動を続けたいという声が上がりました。そうした声を受けて、翌年の2010(平成22)年度に「西川パフォーマー事業」を立ち上げました。企画・運営は市民が行い、手続き・広報は市が行うという形態で、現在登録されているパフォーマー団体は41団体になっています。

「有機生活マーケットいち」

――具体的な事業をご紹介してくださいますか。

服部さん:「有機生活マーケットいち」は“循環可能なまちづくり”がコンセプトになっているマルシェです。東北の震災を期に食の安全を中心につなぐ場として開催しています。人がマーケットで顔を合わせて繋がり、繋がった人たちが街中で繋がる、この2つが循環することで優しくて新しい暮らしを増やそうというものです。30店舗余りが「西川緑道公園」の沿道に並んで活気のあるマルシェになっています。

「満月BAR」は4月から10月の満月に近い土曜日の午後5時から午後9時まで、「西川緑道公園」で生演奏を聴きながらお酒や料理を楽しめるイベントです。2012(平成24)年6月から始まったもので、運営は20代や30代の若者が中心となっています。

「満月BAR」

――「西川イルミ」「花・緑ハーモニーフェスタin西川」「ホコテン!」などの事業も行われているのですね。

服部さん:「西川イルミ」は「西川緑道公園」をLEDでライトアップするイベントです。2016(平成28)年には8万個だったLEDの数が、2017(平成29)年は「光のオーケストラ」と題して12万個とより豪華に、期間も前年より1か月延長して11月中旬から2月中旬までの4か月間とグレードアップして行いました。

「花・緑ハーモニーフェスタin西川」は年に3回程度、ステージでの生演奏やバザール、各種ワークショップなどを行う催しです。「ホコテン!」は道路空間の使い方の提案ということで「西川パフォーマー事業」とは趣旨が異なりますが、「西川緑道公園」に沿った片側道路240m区間を歩行者天国にして他のイベントの期間に同時開催されることもあります。

歩行者に優しくなると街にも活気が生まれる 歩行者先進都市岡山を目指して

歩行者天国にもなる「西川緑道公園」沿いの道

――市として、この事業を継続していくねらいはどこにあるのでしょうか。

服部さん:中心市街地にありながら、水と緑が豊かな「西川緑道公園」の魅力を活かし、街なかのにぎわいと回遊性の向上を目指すことを目的としています。今は、車中心の社会です。車で目的地を訪れて、目的を果たせば帰るといったような状況であれば、まちの回遊性やまち全体のにぎわいは生まれません。にぎわいであったり、「歩いて楽しい」仕掛けを作って人の徒歩での回遊性に期待しているという部分があります。

――県外から「西川パフォーマー事業」を目的に訪れる方はいらっしゃいますか。

服部さん:イベントの時にアンケートを取ったことはありますが、観光でいらした方が「西川パフォーマー事業」が目的だったのか、岡山観光のついでという形だったのかという明確な意図まで拾い上げられていないのが現状です。これからの情報収集や、観光目的につながる魅力のアップにも期待して市も応援していきたいと考えています。

“晴れの国”岡山のさらなる魅力アップを目指して

「歩いて楽しい街づくりを実現していきたい」と語る服部さん

――今後のますますの活性化に向けて、展望をお聞かせください。

服部さん:このエリア一帯が「おもしろいな」「ここに来ればなにかやっているな」というイメージが定着する、賑わいのある街づくりを目指していきたいと思います。徒歩で行動しやく、歩いて楽しい街づくりを実現していきたいですし、もっとこんな風にしてほしいという声が挙がることにも期待しています。これからも「西川パフォーマー事業」が継続・発展していくように市民の皆さんと協力していきたいですね。

――岡山市の街の魅力はどんなところだと感じますか。

服部さん:岡山といえば“晴れの国”と言われるほど温暖で天候が良い街です。そして交通の便がよく、近畿と九州、山陰と四国を結ぶ交通の結節点に位置していて、鉄道・高速道路・空路などの交通網が集中しています。新幹線は「のぞみ」も「ひかり」も「こだま」も全て停まりますし、ほとんどが平野部で坂が少なく自転車で移動がしやすいのもポイントですね。桃やマスカットなどが名産でフルーツ王国とも言われています、本当においしいですよ。

温暖で天候が良いのが岡山の魅力

――これからこの街に住む方へのメッセージをお願します。

服部さん:私自身ずっと岡山育ちですが、どこかに行くたびに岡山っていいなとあらためて思います。温暖な気候で、買い物や交通アクセスも便利です。新しく住まわれる方にもその魅力が伝われば良いなと思います。ぜひ一緒に岡山を盛り上げていきましょう。

岡山市役所 服部さん

岡山市 庭園都市推進課 街なかにぎわい推進室

服部さん
所在地:岡山市北区大供1-1-1
電話番号:086-803-1393
URL:http://www.city.okayama.jp/toshi/teien/teien_00024.html
※この情報は2018(平成30)年8月時点のものです。

人と人を繋ぎ、街の流れを作り出す「西川パフォーマー事業」/岡山市庭園都市推進課街なかにぎわい推進室 服部さん
所在地:岡山県岡山市北区大供1-1-1 
電話番号:086-803-1000
開庁時間:8:30~17:15
休庁日:土・日曜日、祝日、年末年始
http://www.city.okayama.jp/index.html


いつでも使える安心・安全な環境に、楽しさをプラス。 毎日元気な声が響きわたる、子どもたちのための居場所/二子こども文化センター 館長石井いずみさん

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東急田園都市線「高津」駅から、府中街道を南へ5、6分ほど行った辺りにある「二子こども文化センター」は、大通りから一歩入った閑静なロケーションにある児童福祉施設。市内に58か所あるセンターのうちのひとつであり、児童福祉法に基づく「児童館」と同じ位置づけだ。

今回ご紹介する「二子こども文化センター」は、主に坂戸小と東高津小学校の子どもたちが利用している。駅から徒歩圏内ということもあって、親子連れや地域の団体の貸室利用もさかんで、館内からは毎日元気な声が聞こえてくる。今回はこちらの館長であり、とっても笑顔が素敵な優しい石井いずみさんにお話をうかがった。

「二子子ども文化センター」外観。黄色い建物が目印

――まず、「二子こども文化センター」の概要や特徴について教えてください。

石井さん:ここ「二子こども文化センター」は、昭和61年の4月に川崎市によって開設された施設で、0歳から18歳未満のお子様を対象にした児童福祉施設です。昨年ちょうど、30周年を迎えたところでして、今年で31年目となります。

特色としては、高津駅から歩いて5、6分くらい、溝の口駅からも徒歩圏という立地の良さと、周りには緑も多く、静かな住宅地にあるという点があるかと思います。小中高の子どもたちの居場所と、地域の子育て支援活動の場を提供するということで、毎日運営をしています。また、地域の子育てグループの情報発信の場でもあります。

館内受付

――館内にはどんなスペースがありますか?

石井さん:入るとまず、受付や遊具の貸し出しをする「事務室」がありまして、その隣が、子どもたちが遊具などで遊ぶ「遊戯室」になっています。

この館の特徴のひとつに「テレビゲームができる」という点がありますが、登録制となっていて、登録して「ゲームカード」というものを作れば、1年間、テレビゲームができます。テレビゲーム以外にも、事務室で貸し出した遊具を使ったり、カードゲームをしたり、いろいろな遊び方ができる部屋となっています。

隣は「図書室」です。図書は貸し出しもしていて、ひとり4冊まで、2週間以内で借りることができます。幼児向けの本は寄付で頂くことも多いのですが、それ以外の本については、私ども「公益財団法人 かわさき市民活動センター」が、こども文化センターの図書室を、“街の小さな図書室”にしようという試みをしておりますので、毎年新しい本を追加購入しています。

図書室。漫画も揃っている

「学習室」は、中高生が試験勉強をしたり、小学生は宿題やドリルをする部屋になっています。

2階に上がると「児童室」がありまして、こちらは乳幼児の専用室です。未就学児が保護者の方と一緒に遊ぶ場所となっています。授乳やおむつ替えもできます。乳幼児向けのイベントなども、ここで行っています。

1階に降りて、「集会室」は、子どもたちが身体を動かすためのお部屋です。ボール遊び、バドミントン、卓球などで遊ぶことができます。

――地域のサークル等に部屋の貸し出しもされているそうですね。

石井さん:子どもたちが学校に行っている間のお部屋の有効活用ということで、地域の団体さん、サークルさんにも、団体登録をして予約をしていただければ、お部屋の貸し出しをしています。集会室については、ヨガのサークルさんや、卓球のサークルさんなどが活用されていますし、学習室は絵手紙のサークルさんや、地域の太鼓のサークルさんが活用されています。

集会室

――センターの利用方法を教えてください。

石井さん:まず開館時間ですが、年末年始を除いて毎日開館していまして、平日は9時半から21時までとなっています(小学生は18時まで・乳幼児は保護者同伴)。日曜日と祝日は18時までです。その時間内であれば、18歳未満のお子さんであれば自由に利用できます。来館したら受付で名前と電話番号、小中高校生の区分を書いて、あとは自由に過ごしていただけます。

――実際の利用状況はいかがですか?

石井さん:平日の午前中は乳幼児の親子さんと、団体利用の方が多いです。午後、学校が終わる時間になりますと、小学生の利用が多くなり、夕方から夜間にかけては中高生が多くなる、という住み分けになっています。お住まいの地域や学区については、正確には把握していませんが、小学生に関しては坂戸小学校と東高津小学校のお子さんがほぼ、8、9割くらいを占めていると思います。

入館表

――日々、たくさんの楽しいイベントもあるそうですね。

石井さん:毎日の取り組みとしては、「みんなのじかん」というものを、午後の4時半から5時まで30分間取っています。小学生だけが入れる日と、中学生も一緒に入れる日があるのですが、学校とや年齢を超えた交流をできれば、という狙いがあります。「みんなできる遊び」というのが原則で、ドッジボールや大縄跳び、「天下」となどをやることが多いですね。

毎月の取り組みとしては、私どもが出している「こども文化センターだより」にも毎月掲載していますが、「二子ニコ(にこにに)チャレンジ部」という名前で、工作行事を毎月やっているほか、「二子ニコシアター」というミニ上映会をやったり、いろいろ工夫を凝らした行事を行っています。だいたい土曜日に行うことが多いですね。夏休み、冬休みについては、もっといろいろやっています。

乳幼児専用の児童室

年間通じての大きな行事としては、地域の方を構成メンバーとした「二子こども文化センター運営協議会」と共催で、11月に、「二子ニコフェスティバル」という、こども文化センターまつりを行っています。この後、12月になりますと、「華麗なる大掃除」ということで、大掃除をしたり、1月にはお餅つきのイベントも開いています。この大掃除などは、部屋を貸出利用されている団体の方もみなさん来ていただいて、一緒に大掃除をして、終わった後にはみんなでカレーを食べて楽しんでいます。

――管轄施設である小学校内の「わくわくプラザ」について教えてください。

石井さん:私どもの施設では坂戸小と久本小の「わくわくプラザ」も管轄していまして、どちらも、小学校の敷地内にある、プレハブの2階建ての建物です。一般的に「学童」と言われている、放課後にお子さんをお預かりする施設に近いものですね。普通の学童とちょっと違うのは、登録制なのですが、登録すれば人数制限なく誰でも使っていただけるという点です。これは、川崎市独自の施策かと思います。

利用できるお子さんは、開設している小学校に在学しているか、その学区内に住んでいるお子さんで、1年生から6年生までであれば誰でも使えます。

階段アート

――「こども文化センター」と「わくわくプラザ」の違いはどんな点でしょうか?

石井さん:「こども文化センター」は児童福祉法に基づく児童館ですので、自由来館で、自由に帰るというのが原則です。「わくわくプラザ」は登録制となっており、定期利用と自由利用という2種類の利用方法があります。定期利用については、利用予定を把握し、利用の確認をします。「わくわくプラザ」は18時までが活動時間で、それ以降、有料となりますが最長19時までのお預かりもしています。

「わくわくプラザ」については就労されているご家庭の、1年生から3年生までの低学年のお子さんが多く、「こども文化センター」は、もっと幅広い年齢層で、高学年の児童の利用が多く、中学生・高校生の利用もあります。

――センターの皆さんが子どもたちと接するにあたって、心がけていることは何ですか?

石井さん:やはり、安全に、安心して遊んでいただける環境を整えることですね。学校や学年を超えて、みんながここで仲良く遊んでくれて、それが、今後の交流にもつながっていけばいいな、と思いながら活動しています。

豊富なおもちゃ

――最後に、高津エリアの子育て環境の魅力について教えてください。

石井さん:やはり、近くに溝の口という大きな駅があって、都心へも本当に利便性が良いですし、駅周辺には商業施設も充実していますし、すごく便利な街だと思います。かと思えば、住宅地に入ると公園がたくさんあって、近くには多摩川もあって、ということで、自然環境も豊かですから、子育てしやすい環境だと思います。

制度の面にしても、高津区は転入する方が多い区なので、子育て世代の転入者向けの交流会等も、行政のほうで主催していまして、引っ越して来られる方にも優しい街だと思います。

地域の雰囲気が良いというのも魅力だと思います。私どもも、館を運営していくうえで、地域の理解や連携というのは欠かせないもので、本当に、地域の皆さんのご理解があってのことだと感じています。そういった、子ども達に対する目線が温かい地域ですから、子育て世代にもおすすめです。

二子子ども文化センター

公益財団法人 かわさき市民活動センター

二子こども文化センター
館長 石井いずみさん
所在地 :神奈川県川崎市高津区二子5-14-61
電話番号:044-844-6818
URL:http://www1.kawasaki-shiminkatsudo.or.jp/
※この情報は2017(平成29)年8月時点のものです。

いつでも使える安心・安全な環境に、楽しさをプラス。 毎日元気な声が響きわたる、子どもたちのための居場所/二子こども文化センター 館長石井いずみさん
所在地:神奈川県川崎市高津区二子5-14-61 
電話番号:044-844-6818
開館時間:9:30~21:00、日曜・祝日 9:30~18:00
休館日:年末年始(12月29日~1月3日)
http://www3.kawasaki-shiminkatsudo.or.jp..

多様な教育研究と金管バンドが盛ん/さいたま市立大谷場小学校 三上良正校長先生

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「さいたま市大谷場小学校」は、来年創立65年目を迎える歴史のある小学校。毎年さいたま市からの委嘱を受け、研究授業に取り組む熱心さが、先生たちの意識を高め、結果として授業の質の向上につながっているという。教育・文化・芸術に造詣の深い地域にある小学校の日々の取り組み、子どもたちの様子について、校長の三上良正先生にお話をお伺いした。

授業の基本の流れを身に付けた先生たちによる質の高い授業

校舎

――学校の沿革についてお教えください

三上校長先生:本校は1954(昭和29)年に「浦和市立大谷場小学校」として開校し、今年で64年目を迎える歴史のある学校です。2001(平成13)年に浦和市・大宮市・与野市が合併してさいたま市となったことで、「さいたま市立大谷場小学校」となりました。「~ひとみが輝く子~ かしこく・やさしく・たくましく」を教育目標に、日々教育活動をしております。

入学式(大谷場桜)

――特色のある取り組みなどはありますでしょうか?

三上校長先生:さいたま市教育委員会などから、ほぼ毎年研究委嘱を受け、研究と実践を積み重ねている教育研究の盛んな学校であることです。「研究授業」は子どもや保護者たちからすると、「県内外の教育関係者が見学に来る授業」というイメージしかないかもかもしれませんが、教職員がその科目を研究し実際に授業を行うことで、導入(子どもたちの心を掴み)→展開(実際の授業を進め)→まとめ(振り返りまとめる)の流れが身に付き、その教職員の授業レベルは格段にアップします。先生の技術が上がることは授業の質向上を意味しますので、子どもたちの基礎学力にも直結する非常に意義のあることです。
本校では2013~2014(平成25~26)年度は国語、2015~2016(平成27~28)年度は算数、2017(平成29年)年度は生徒指導と教育相談の研究を行っています。小学校では教育活動のメインである教科・行事・生活の指導はほぼ全て担任に任されていますので、保護者対応や教育相談も先生の個別の対応力が求められます。だからこそ今年は生徒指導と教育相談に関してケーススタディなどを通して、教職員一同で研究を深め、生活指導力・教育相談力をアップさせていきたいと考えています。

校内の様子

コミュニケーション力向上のための 「人間関係プログラム」の実施時期にも工夫

――人間関係プログラムに関してもお教えください

三上校長先生:さいたま市が教育特区の認定を受け、子どもたちのコミュニケーション能力の育成と自己開示・自己表現が安心してできるクラスづくりを目指して実施しているものです。具体的にはゲームやエクササイズなどに取り組み、そのなかで自分の意見を言ったり、相手の気持ちを推し量ったり、基本的なコミュニケーションのトレーニングをします。そして「表情」「話し方」「声の大きさ」「目線」など言葉以外のスキルなども学びながら、誘いを上手に断ったり、伝えにくいことを伝えたり、さらに一歩進んだコミュニケーション法を学びます。
最後には「評価」ではなく、頑張れたかどうかを確認し、次に活かせるようにつなげます。このプログラムは各学期ごとに6時間ずつ行うようになっていますが、新学期や夏休み明けなど、子どもたちが「クラスに馴染みにくいな」「学校に行きづらいな」と感じやすい新学期に集中させて行うように工夫しています。何気ないことのようですが、このプログラムを行った後は目に見えて子どもたちの様子は変化し、クラス全体が和やかで穏やかな雰囲気になります。都市化、情報化、核家族化など子どもたちをめぐる環境も時代と共に変化し、コミュニケーションが苦手な子どもが増えているように感じます。人との交流が楽しい・コミュニケーションが楽に取れるということは、基礎学力を支える人間としての大切な資質です。やはりコミュニケーションは勉強するものではなく、実際に話して交流してみて前進するものなので、本校ではこの時間を有効に活用していきたいと思っています。

三上校長先生

――金管バンドの活動も盛んだとお聞きしました

三上校長先生:4月から3月までの1年間で発表する機会が年8回と、とにかく演奏回数が多いのが特徴で、特に9月の運動会ではドリルといって演奏しながらフォーメーションの動きを発表するので、夏休み中は暑い中、屋外で練習をして運動部のような雰囲気ですね。音楽が得意でない児童が「苦手意識を克服したい」と金管バンドに参加することもあり、音楽に対する取り組み方が変化して成長している様子を見ると、音楽の力・子どもの持つ力の強さを感じます。
毎年「グリーンコンサート」という育成会主催の演奏会があるのですが、今年から「さいたま市立大谷場中学校」の吹奏楽部との合奏に挑戦しています。実は吹奏楽と金管が一緒に演奏するのは楽譜の書き換えが非常に困難で、ただ同じ曲を一緒に弾けばよいという単純な話ではないんです。今回は本校と中学校の顧問が奮闘して楽譜を書き直し、やっとのことで実現しました。実際にその音を聞きましたが迫力があって本当に素晴らしく、とても感動しました。本校の生徒の約8割が「さいたま市立大谷場中学校」に進学することもあり、多くの金管バンド経験者が吹奏楽部に入っているので、先輩後輩たちが久しぶりに同じ曲を演奏している姿を見て感慨深い思いがしました。

グリーンコンサート(育成会主催)大谷場中と合同演奏

地域の方々に支えられている季節行事

――地域のみなさんと連携して取り組んでいらっしゃることなどはありますか?

三上校長先生:本校では、土曜日や月曜日の校外授業に地域の方々の参画を得て、子どもたちの自主的な学習やスポーツ、文化活動、地域との交流活動等の取り組みを行っています。具体的には、ダンスや歌、そろばん、パソコンなど体験的な授業を年間33回ほど行っています。
また自治会とは別に「育成会」というものがあり、本校卒業生や元PTAなど近隣のさまざまな年齢の方が所属しておられるのですが、こちらの方々も学校の教育活動に積極的に関わってくださいます。例えば1月のかるた取り大会や凧揚げ、3月の人間雛など、季節の行事の多くはこの育成会の方々が取り仕切ってくださるんです。凧揚げに使用する凧はチャレンジスクールの中で地域の方に教わって子どもたちが手作りしたものですし、場所も校庭では狭いだろうと、近くの「浦和競馬場」の芝生部分を借りて伸び伸びとあげさせてもらっています。
3月の人間雛では、立候補した子どもたちから15人程度が選ばれ、内裏雛や三人官女、五人囃子などの装束を実際に着て、お雛様になるというものです。このときは育成会の方々に加え、教職員たちも手伝って大掛かりなイベントになりました。私も教師人生は長いですが、ここまで地域の人たちが子どもにいろいろな体験をさせてくださるというのは珍しいと思います。これはやはり地域の力、「地域で子どもを育てよう」という思いの強さの表れだと思い、非常に有難く感じています。
また、金管バンドのコンサートでも育成会主催のものがありますし、学校内の見守りということで地域ボランティアの方々は毎日学校に足を運んでくださいますし、まさに学校と地域が一体になって教育活動をしているという感じです。

岩槻木目込み人形作り体験授業

――保護者や子どもたちはどのような雰囲気でしょうか?

三上校長先生:学校まで歩いていらっしゃると分かると思いますが、本校は閑静な住宅街にあり、そういった環境から通う子どもたちが多いせいか、素直で明るい児童が多いと感じます。校長の私にも笑顔で話しかけてくれますし、屈託がなく堂々とした雰囲気です。本校は地域に根ざした信頼される学校を目指しているので、自然とそのような子どもたちに育っていくのだと思います。
同時に運動も頑張る子が多く、毎年6年生が学校代表として出場するバスケットの大会では先日、南区Aブロック大会で優勝、昨年はさいたま市のサッカー中央大会では女子の部で優勝もしました。何に対しても一生懸命なところは、まっすぐで素直な気質がそのまま出ていると思います。
もともとこの辺りは「東京帝国大学」への登竜門であった旧制高等学校や現在でも日本有数の進学校である「埼玉県立浦和高校」などを有する文教エリアです。また「関東大震災」後は震災被害がほとんどなかったことから、県内外から人々が移住し「鎌倉文士に浦和画家」と言われたほど、文化・芸術コミュニティが発達し造詣が深い地域性があります。そのせいか教育には熱心な土地柄であり、保護者の方々も非常に協力的で学校に対しても関心が高いと思います。

校内のグラウンド

――小学校周辺エリアの魅力についてお教えください

三上校長先生:毎年凧揚げに利用させてもらっている「浦和競馬場」は、実は開催日以外は一般に開放されて自由に入ることができる場所です。私も散歩に訪れることがあり、びっくりするほど広くて清々しくて気持ちのよい場所です。昔は競馬場というとあまりよいイメージがなかったかもしれませんが、今はあらゆる所に警備員さんが配置され、掃除や見張りがしっかりなされていて逆に子どもたちの様子も見てくださって安心なくらいです。この周囲にはオープンな気風があって、近隣の方々も子どもたちも保護者の方々も明るい雰囲気です。
小学校から「浦和」駅までは徒歩17分程度、「南浦和」駅までなら8分程度と利便性の高い立地で、都心までも30分足らず。都内への通勤や通学も負担は少ないと思います。静かなのに便利な街というのも大きな魅力ですね。

こいのぼり

さいたま市立大谷場小学校 校長 三上良正先生

さいたま市立大谷場小学校

校長 三上良正 先生
所在地:埼玉県さいたま市南区南浦和1-18-3
電話番号:048-882-2555
URL:http://oyaba-e.saitama-city.ed.jp
※この情報は2017(平成29)年9月時点のものです。

多様な教育研究と金管バンドが盛ん/さいたま市立大谷場小学校 三上良正校長先生
所在地:埼玉県さいたま市南区南浦和1-18-3 
電話番号:048-882-2555
http://oyaba-e.saitama-city.ed.jp/

保育士ママが“親子でにっこり”を応援!/アプリコット 代表 山崎明佳さん

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越谷レイクタウンは、日本最大級のショッピングセンター「イオンレイクタウン」をはじめ、様々なショッピング施設や公園などの憩いの場所が多く、その便利さと住みやすさから人気のあるエリアです。「越谷レイクタウン」駅近くの会場で行われている「アプリコット」は子育てママの為の育児応援教室で、夜泣き解消の悩みはもちろん、「来るだけでリフレッシュになる!」と話題。「アプリコット」の代表を務め保育士の経験も豊富な山﨑明佳さんにお話を伺いました。

お話を伺った山﨑明佳さん

保育士の経験を生かして、みんな気軽に友達づくりを!

――教室を始めたきっかけや活動について教えください

山﨑さん:私は元々保育士をしており、現在6歳になる子どもがいます。子どもが生後2ヶ月の時に便秘になったりして子育てに悩んだ時期がありまして、その時初めてベビーマッサージ教室に通いました。そうしたら子どもは便秘が治って健康になるし、教室は楽しいし、ママ友だちもできてこれはいいなあって思ったんです。育児に対する知識と悩みを共有できるママ友だちがいることで、その時は本当に心が救われました。越谷は地方から引っ越してくる方も多くて知り合いも親戚もいないし、子どもも友達ゼロから始める人も珍しくありません。そこで、私が教室を始めて、気軽に安心して子どもたちが友だちをつくる場、ママ友ができる場をつくりたいと思いました。

子ども同士もとっても仲良し

山﨑さん:教室では私が保育士だった経験を生かして、育児も成長も健康も気軽に話して聞いて、子どもの成長をお互いに見守ることができる場になるように心がけています。「アプリコット」は、ママの育児応援の為の教室で、ママたちのおしゃべりと赤ちゃんの笑顔で、いつもにぎやかです。子育ての気になるアレコレや夜泣き解消、スキンケアなどの赤ちゃんママ対象の講座も行っています。また、消防署に依頼をして「乳幼児救急救命訓練」や「子育て家庭の防災講座」、「助産師さんの断乳講座」なども開催して、本当に役立つ知識や場作りの提供をしています。さらに地域のママと赤ちゃんの交流会「あんず会」では、ハロウィンやクリスマスパーティーなどの季節のイベント開催や、幼稚園・保育園選びの情報交換会を行っています。今日の交流会もそうですが、ここ「見田方遺跡公園」は広い芝生があるので、子どもとママの絶好のピクニックスポットになっています。

元気いっぱい!

ママ友同士で子育て相談も気兼ねなく、教室はホッとする空間

――教室の様子について教えて下さい

山崎さん:参加者はレイクタウン近辺にお住いの方を中心に吉川市、三郷市、八潮市、川口市などからお越しいただいています。普段は自宅で教室を開催し、交流会はマンションのパーティルーム等をお借りして行っています。最初はみんな知らない人同士がブログやインターネットを介して集まるのですが、実際に教室に参加するといつの間にか友だちになって、「次はいつ教室やるんですか?」と、みなさん楽しみにしてくれています。子育ては大変で、ママが一人でいるとつい眉間にシワが寄っちゃうようなこともたくさんあるのですが、教室に参加することで気持ちを発散する場所ができて、ママの笑顔が増えていると実感しています。教室では「うちもよー!」「そうなの!?」なんて会話をして私は一人じゃないんだ、って感じてホッとしてもらえれば嬉しいですね。ママが笑顔だと子どもも「あ、今日はママ機嫌がいいぞ!」って気づき笑顔になりますし。

悩みも抱えこまず相談できます

山﨑さん:支援センターの教室ですと、知り合い同士が固まってしまって輪に入れずしょんぼり…、なんてこともありますが、「アプリコット」ではみんなオープンマインド。ひとりぼっちでいる参加者がいたら「こっちおいで!おいで!」って私が声かけちゃいますね(笑)。参加者のみなさんは、和気あいあいとお話をして今度ランチしましょう!家に来ませんか?と交流を深めている様子です。

参加者みんなすぐに仲良しに

参加者も効果を実感、子育てが楽しいと思える教室にしたい

――参加者の反応はいかがでしょう?また今後どのような教室にしていきたいとお考えでしょうか?

山崎さん:夜泣き解消の教室では、夜中に30分ごとに起きてママを困らせていた赤ちゃんが5時間ぐっすりと眠ってくれるようになったと、嬉しい報告をいただいています。また、男の子のデリケートゾーンケアに関する教室も大変好評で、リクエスト開催の要望も多くいただいています。交流会も、みなさん自然とママ友だちができて、その後何年もお付き合いが続き、子ども同士の成長をお互い見守っていくママも多く人気です。教室では、ママと子どもたちにとって、より良い場を提供できるように心がけていて、大切な赤ちゃんに安心して参加していただけるように、会場の衛生面や安全性はもちろん、できるだけママ達の要望や世相にも合わせて教室を開催できるように努めています。

たんぽぽ見つけたよ!

山﨑さん:子育ては四季の移り変わりに例えるなら「夏」の季節。ママがパパと出会って成長するのが「春」で、子育ての「夏」を経て、家族の実りの季節を迎えるのが「秋」です。人生の「夏」という素敵な季節に、子育てが大変でなんとなく終わっちゃうのはもったいない。これからもみなさんがもっと人生を楽しめるようなアイディアやマインドを盛り込んで教室運営をして、子育てを楽しんでいただきたいと考えています。

たかいたかーい!

近代的な街並みと自然環境が同居、子育て世代にもシニア世代にもオススメの街

――越谷レイクタウンエリアの魅力について教えてください

山崎さん:レイクタウンはまだ新しい街ながら、昔は宿場街として栄えた歴史がある街です。整備されたキレイな街ですが、少し足を伸ばせば昔ながらの街並みや美しい田園風景が広がる環境です。駅前には広い「見田方遺跡公園」や近隣にも公園が点在していて、大相模調整池や桜並木もあり豊かな自然環境が身近です。「イオンレイクタウン」は日々の買い物にはもちろん、雨の日には子どもとの散歩にも利用できてとても便利です。子ども向けの店舗や遊び場、イベントも多く楽しいショッピングゾーンですね。

頼れる先輩お母さんもたくさんいます

山﨑さん:レイクタウンの街全体がバリアフリーを意識した作りになっているので、ベビーカーでの移動もラクラク。子育て世代にもシニアにもオススメです。保育園もここ数年毎年増設されていますし、幼稚園も増える予定でますます便利で安心な街になると聞いています。インフラ整備も進み街の形ができていて住みやすい街だと思います。子育てをしていると安全や安心、便利さはとても大切。その一方で自然環境や古き良きものにも触れ合えるところがレイクタウンの魅力ではないでしょうか。

教室の様子

山崎さん

アプリコット

代表 山崎明佳さん
所在地:埼玉県越谷市レイクタウン8-6-1 ブリリア越谷レイクタウン1402
電話番号:048-987-4978
URL:http://apricot-lake.com/
※この情報は2018(平成30)年4月時点のものです。

世界に通じる次世代リーダーの育成に取り組む/神奈川県立横浜翠嵐高等学校 佐藤到校長

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「横浜」駅の北、小高い丘の上の住宅街にある「神奈川県立横浜翠嵐高等学校」は、学力向上進学重点校に指定され、世界に通用する人材を育てている。予備校に行かなくてもいい、学校だけで完結する進路指導が行われ、神奈川県中から多くの学生が受験する人気の進学校だ。そんな「神奈川県立横浜翠嵐高等学校」について佐藤到校長先生にお話を伺った。

戦後とともに歩み、受け継がれる教訓

校門

100年前というと1913(大正2)年。その年に学校の設置が決まり、翌年の1914(大正3)年に開校しました。当時は「県立第二横浜中学校」という名前でしたが、それから校名が2回変わり、現在の「神奈川県立横浜翠嵐高等学校」になったのは1950(昭和25)年4月のことです。戦後とともに歩んできた学校ということになります。定時制が設置されたのは1964(昭和39)年で、2014(平成26)年に、ちょうど50年を迎えました。

初代校長 滝沢又市先生

「翠嵐」という言葉は、樹木の青々とした様を表す漢語であり、それが本校の「翠嵐」を示す語源となっています。初代校長の滝沢又市先生は「平凡主義」という教育方針をずっと掲げており、それが今に語り継がれ、上に大をつけて「大平凡主義」という校訓が脈々と息づいています。当たり前のことを当たり前にできる人間に育てたいというのが滝沢先生のお考えでした。そして今の時代、「翠嵐生の当たり前とは何か」を考えさせています。「当たり前」のレベルをいかに高めていけるか、私がいつも生徒に話していることです。この学校は自由な校風で、自主自立を掲げていますが、その背景にあるのは「平凡主義」という方針です。

文武両道に通ずる環境づくり

バドミントン部 練習風景

本校の全日制に通う生徒は、勉強と部活を両立させることから、平日は1日、土日はどちらか1日を活動休止にしていますが、部活の加入率は90%を超え、とても活発に活動しています。定時制は「全国高等学校定時制通信制体育大会」という全国大会があり、バスケットは神奈川県大会で優勝、バレーボールも全国大会に出場し、バドミントンは神奈川県の選抜チームの中に、本校の生徒が1人メンバーに入っており、全国で準優勝という快挙を成し遂げています。陸上も個人で全国6位と実績があります。

キーワードは「グローバル人材」

赤本

「学力向上進学重点校」は2007(平成19)年から始まりました。県内では18校が指定されており、その中でもアドバンス校というのは18校をけん引する役目ということで、本校と「神奈川県立湘南高等学校」の2校が指定されています。

個別学習ブース

取り組みの目的は、学問をとおして人間的な成長や、国際社会で生き抜いていく力をつけていくということです。その道を究めるにはまだまだ甘いかもしれませんが、その過程で多くのことを学んでいます。 具体的には、校内に自習室を完備し、一人ひとりの個人ブースを2教室で約60台整備し、自学自習を推進しています。朝7時から夜7時まで開いています。近年予備校に通う学生も多いですが、本校では、予備校にあるものは既に学校にあるという考えのもと、予備校に行かなくていい進路指導を行っています。土曜日は休みですが、土曜講習を行っています。毎週ではないですが、自由参加で90%以上の生徒が参加しています。授業については95分授業を基本としていて、求められている知識だけでなく、思考力や判断力をつけさせるような授業を取り入れています。また、外部模試を導入し、分析も学校で行っています。教員が分析でき、一人ひとりに応じた進路指導を行っているので、予備校に行かなくてもしっかり力をつけることができます。

教室風景

ただ進学実績を出すことだけが、本校の目的ではありません。キーワードは「グローバル人材・次世代リーダー」を育てていくことです。国際社会全体で考えて解決していかなければいけない問題が年々増えていますよね。そういう時に物怖じせずに自分の考えを自分の言葉で相手に伝えられるような人間を育てたいと考えています。国際交流という点については、アメリカのメリーランド州の学校と姉妹校交流を提携しており、相互交流を1989(平成元)年から続けています。英語が得意な生徒ばかりが行くのではなく、全生徒が派遣選考の対象です。できなくても、失敗しても構わない。要は自分の考えをしっかり持って、アメリカ人と世界平和について議論するなど、そのような人間を育てたいのです。また本校の近くには「神奈川朝鮮中高級学校」があり、翠翔祭(文化祭)では民族衣装で踊りを披露してくれるなど、交流を深めています。

地域に開けた翠翔祭

生徒会室の様子

本校特有の行事はありませんが、体育祭や文化祭(翠翔祭)には力を入れています。体育祭は土曜日に開催するので、卒業生や保護者の方も見に来られます。文化祭も地域の方にも開放していて、2015(平成27)年は2日間で7,500人の方が来校されました。文化祭は、文化系の部活動の発表やクラスや有志団体による企画(模擬店、ゲーム、劇など)で大いに盛りあがり、体育祭は誕生月で分かれた赤、白、黄、緑の4つの組が、騎馬戦や棒倒しなどの各種競技、応援、ダンス、パネルで競い合います。

礼儀正しく、のびのび育つ生徒へ

廊下

神奈川県は学区がないので、本校は平塚や川崎、相模原の方から通う生徒もいます。「横浜」駅から歩いてくる生徒、ブルーラインやバスに乗ってくる生徒など多方面から通ってきますね。印象については、おかげさまで地域の皆さんからの評判はよく、あいさつやマナーは好評をいただいています。礼儀正しく、勉強や部活動をともに頑張る文武両道の生徒が多いですね。

地域に貢献できる学校に

住宅街風景

「横浜」駅からこれだけ近いにもかかわらず、高台で緑が多く、落ち着いた静かな環境です。子育てや教育環境にはとても適している地域だと思いますね。住んでいる方々が非常にあたたかく、先日、正門の前に営業の車が止められて、バスが通れなくなってしまったところ、近所の方がナンバーを控えてくださり、営業の会社に連絡をしてくれました。そうした地域全体でこの街を作っていこう、守っていこうという方が多いように思います。昔は学区があったため、この地域には本校出身者の方がたくさんいらっしゃいます。地域の方は本校に対して、とても愛着を持ってくれており、学区がなくなった今でも温かく見守ってくださっています。

小学校と連携して取り組む「地域貢献デー」

学生と校舎

これは神奈川県の取り組みですが、年に1回「地域貢献デー」を設けて、地域のために生徒が活動をすることになっています。坂を下りると「横浜市立三ツ沢小学校」がありますが、町内会も含めて合同で毎年地域清掃を行っています。

「翠嵐」にふさわしい環境

青々とした樹木

まさに「翠嵐」という名前の由来です。樹木の青々とした様子をたたえる言葉「翠嵐」にふさわしい場所だと思います。近所に「三ツ沢公園」があり、また横浜F・マリノスのホームグラウンドでもあって、本当にいいところです。

校長

神奈川県立横浜翠嵐高等学校

佐藤 到 校長
神奈川県横浜市神奈川区三ツ沢南町1-1
045-311-4621
http://www.yokohamasuiran-h.pen-kanagawa.ed.jp/zen/zen.html
※この情報は2015(平成27)年9月時点のものです。

世界に通じる次世代リーダーの育成に取り組む/神奈川県立横浜翠嵐高等学校 佐藤到校長
所在地:神奈川県横浜市神奈川区三ツ沢南町1-1 
電話番号:045-311-4621
http://www.yokohamasuiran-h.pen-kanagawa..

馬と心を通わせることで生まれる「無心の時間」/横浜市馬術協会 会長 武石敏勝さん

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横浜市三ツ沢、第三京浜の脇にある「三ツ沢公園」。テニスコートのある辺りから少し坂道を下った場所に、横浜市より業務管理を委託され、厩舎と馬術練習場の運営管理・活動を行っている「NPO法人 横浜市馬術協会」がある。この地に戦後間もなくから続く、伝統の長い乗馬クラブだ。乗馬のベテランから近隣に住む初心者の“馬好き”の方々まで、総勢200名以上が活動しているという、横浜市内でも随一の規模のクラブである。
今回は一般市民も観覧できる秋の恒例イベントのひとつ、「ホースショー」にお邪魔して、会長の武石敏勝さんにお話を伺った。

個人の遊びから始まった馬術協会

ホースショーに臨む人々

「NPO法人 横浜市馬術協会」の始まりは、今から69年前の1946(昭和21)年、戦後間もなくのことです。当時、この近辺で、馬と一緒に遊んでいた方々が何人かいたそうです。しかし、この場所だと危ないので、安全に遊べる場所として、横浜市より現在の場所を借用できることになり、ここで活動するようになったそうです。その後、その方たちが前身となる「横浜市馬術協会」という組織と、「横浜乗馬倶楽部」という乗馬クラブを作り、あくまでも市の土地なのですが、市から委託を受けて、馬場の管理をするという形になりました。

ホースショーの様子

最初の頃は自分たちだけで楽しんでいた遊びが、徐々に個人的な遊びだけではなく、「横浜市民に対して、安い値段で乗馬を普及していこう」という目標になり、「横浜市馬術協会」が組織されたということです。

ホースショーに臨む人々

その後は2005(平成17)年にNPO法人を立ち上げ、「NPO法人 横浜市馬術協会」としての活動が始まりましたが、目的は当初と変わらず、「より広く、横浜市民の皆様のために、馬について普及していく」ことを目指している団体です。

子どもから大人まで楽しめる大会

馬術練習場の様子

昔は会員制の「倶楽部」でしたが、今はNPO法人になりましたので、一応会員制のようなものですが、NPO法人に入っていただいた方が利用できるという形になっています。会員はほとんどが、横浜市民の方ですね。ただ、横浜市外の方でも利用できるので、ほかのエリアにお住まいの方も参加していただけます。

大人も子どもも一緒に楽しめる

活動としては主に、「部班」という3人程度のグループ練習を中心に活動を行っています。その中でいろいろな競技の練習をするのですが、中には「ホースショー」で行っているような障害や、カドリールなどもあります。

観客を楽しませるパフォーマンス

その成果は障害の大会や部班の大会など、それぞれの種目別の大会が年に何回かありますので、そこで競うということになります。大会になると、参加する方も協会内だけではなく、市内にあるほかの団体も招へいしますし、あるいは市外の方でも、誰でも参加できますよ、という形で行いますので、たくさんの方に参加していただいています。

乗馬の練習風景

近年は根岸の少年団も来て、試合で戦っています。子どもも大人も一緒に、ハンデなしの大会なのですが、子どもも大人も変わらないぐらい、それぞれ実績を残されています。

馬の魅力を知ってもらうために

乗るための準備(馬装)をする人

乗馬の体験イベントについては、歴史が古くて、月に1回の「無料体験乗馬」を開催しています。これは参加資格は3歳以上で、馬が好きな方なら、どなたでも乗っていただけます。

この体験乗馬については、一応「引き馬」という形になりますが、乗る方の体格によって、サラブレットに乗ってもらうことも、ポニーに乗ってもらうこともあります。開催日など詳しい情報はホームページで公開していますので、そちらを見ていただければと思います。

ホースショーに参加する方々と市民

また、障がい児、障がい者の方も一緒に参加することができます(※希望の方は応相談)。これは今でも個人経営のクラブでは珍しいケースかと思いますが、馬術協会では、前身の「横浜乗馬倶楽部」の頃から、障がい者の方を受け入れていこうということで積極的に取り組んでいます。

それ以外に、要請があれば近郊の公共施設や幼稚園、小学校などに、ポニーを連れていって、引き馬体験などもやっていますし、この間は大学の同窓会から要請があったので、そこに馬を出すということもしました。要請があれば、可能な範囲で対応するようにしていますね。

一から指導して、乗馬をサポート

乗馬の練習風景

本格的に取り組みたいという方は、まずは体験に来ていただくことですね。そのうえでオリエンテーションを受けて、希望者は入会ということになります。経験がないという方についても、一から指導して乗れるように導きますので、未経験の方もぜひチャレンジしていただきたいですね。

ビジター乗馬についても、今ではどなたでも参加できる形で行っていますので、経験者の方はそちらからビジター乗馬もしていただけます。万が一ということもありますから、最初に登録をして、簡単な質問をしたうえで乗っていただいています。

幅広い年齢層が会員

乗馬を練習する参加者

年齢層は幅広いですね。一応今は、体験乗馬をしていただいた後、オリエンテーションをしまして、それから入会という形にしていますが、来年度以降はここの運営主体が変わる予定なので、横浜市が公募で選定した業者がここを管理・運営をしていくという形になるかと思います。

競走馬としても活躍していた馬たち

馬術協会で管理している馬

馬は会有馬、預託馬などいろいろな形なのですが、全部を合わせると29頭です。ポニーが4頭で、それ以外はサラブレッドです。競走馬として活躍していた馬も多いですよ。

今の世の中に必要な「無心になれる時間」

馬とともに楽しむ

馬に乗ることで、本当に「無心になれる」ということでしょうね。心が「無」になれるんです。今の世の中、集中できる時間ってなかなかないじゃないですか。でも、馬に乗っていると、馬に乗ったことだけに集中できますから、心がリフレッシュされて、健康状態もすごく良い状態になれるんですね。「無心になれる」という時間が欲しい方には、乗馬はお薦めですよ。

私もいろいろと、ほかのスポーツにも取り組んできましたが、なかなか雑念といいますか、いろんな気持ちが入ってきてしまうんです。ところが馬というのは不思議なもので、乗っていると、馬と話し合う、コンタクトしあうということだけに集中できるんですね。ここではいろんな馬に乗れますので、コンタクトの取り方も馬によってまたバラバラです。その日の状態によっても違うんです。「人馬一体」という言葉もありますが、そうなれた瞬間は最高です。

暮らしを堪能できる住環境

三ツ沢公園

まずこの「三ツ沢公園」を中心に、公園全体にいろんなものがあるので、それを楽しんでいただきたいですね。サッカー場もあって、運動公園もあって、テニスコートもあって、いろんなスポーツが楽しめます。ジョギングをしている方も多いですね。また一方では、豊顕寺(ぶげんじ)の森は、すごく静かなところで、おすすめです。滑り台もあるので、お子さんにも楽しめるところだと思います。

街に向かうと、古いお蕎麦屋などもあれば、最近できたインド料理屋、ハンバーグ屋など、そういったオシャレな店もあり、楽しめると思います。「横浜」駅前も近いですし、お散歩ついでに、食事や買い物も楽しめるというのはいいですね。

もっともこのエリアの魅力は、「横浜」駅に近く、便利という点ではないでしょうか。その割には緑が豊かで、静かな環境があるので、とても住み良いところだと思いますよ。

今回お話を聞いた人

NPO法人 横浜市馬術協会
会長 武石敏勝さん
NPO法人 横浜市馬術協会
http://www.horse-yrc.com/
※この情報は2015(平成27)年10月時点のものです。

梅林とともに歩んできた環境教育の実践校/調布市立布田小学校 江原幸一校長先生

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多摩川から歩いてわずか5分と、風光明媚な場所にある「調布市立布田小学校」。調布市内では若い公立小学校にあたり、開校時に植えられた梅林とともに歩んできた。今では古木に成長した梅の木や多摩川の自然の恵み、周囲に残る農園などを活かして体験的な環境教育を実践。保護者とのつながりも強く、父兄による「おやじネット」の活動も10年を数えるほど。子ども時代を布田周辺で過ごし、2015(平成27)年度に校長に赴任された江原幸一校長先生に、学校の取り組みや地域の魅力について伺った。

「梅の心」、知恵と勇気とやさしさを育む

学校を象徴する梅林

――貴校の歴史と概要について教えてください

江原先生:本校は統廃合を除くと、調布市内で最後にできた学校です。1981(昭和56)年に近くの富士見台小・杉森小・二小から児童が移籍して開校し、昨年は35周年を迎えました。校舎の北側には開校間もなく植えられた紅白の梅林があり、校章も梅を象っています。児童数は全15クラス457名で、今後数年は横ばいが続く見込みです。
教育目標は、「よく考えくふうする子」を今年度の重点目標に、「なかよく助け合う子」「明るく元気な子」とあわせた三本柱です。本校では開校当初から、知恵と勇気とやさしさを「梅の心」として育成目標に掲げておりますが、教育目標はこれを土台としています。寒い季節に咲く「梅の心」を持って成長してほしい、という願いを込めています。

3つの教育目標

――施設や設備の特徴はございますか?

江原先生:体育館は市内の小学校で一番大きく、のびのびと活動できます。放課後開放では、たくさんの団体に利用されていますね。校庭もかなり広く、休み時間には最近の学校では珍しくボールを蹴って遊んでいます。校庭の一部は芝生化されているので、子どもたちは気持ちよさそうに転がっています。校舎の屋上にはソーラーパネルが設置されていて、学校で使う電力の一部を賄っています。

ビオトープではアユの稚魚を放流

梅林の近くにはビオトープがあり、多摩川漁協からいただいたアユの稚魚を放流しています。井戸水をくみ上げて循環させているため、水質がよく、アユものびのびと泳いでいます。うまくいけば、産卵させて多摩川に稚魚を放流する計画です。
また、調布市の「科学センター」が校内にあり、本校を活動の拠点として市内の小学生向けに実験・観察会を開いています。理科の教材が充実していますし、「科学センター」の方が理科の実験をサポートしてくれることもあります。

環境を活かした自然との触れ合い

「梅まつり」の様子

――梅林を活かした取り組みは貴校ならではですね

江原先生:北側の梅林には約20本、さらに南西側にも約20本の梅の木が植えられています。売り物にできるほどたくさんの実がなるので、3年生は総合的な学習の時間で毎年5~6月頃に梅の実を収穫します。収穫した梅でジャムづくりをしたり、梅シロップをつくって梅ジュースにして飲んだりしています。梅林は歩道に面していて香りが漂っているので、住民の方も楽しむことができますよ。 それから、梅の名に因んだ行事として9月下旬の「梅まつり」があります。全校挙げての学園祭のようなもので、3~6年生がクラスごとにゲームやチャレンジコーナーを企画し、子どもたちが互いのクラスを行き来して遊びます。

田植え体験をする生徒たち

――そのほかにどのような環境教育を行っていますか?

江原先生:4年生になると、総合と理科の学習で多摩川の自然について学びます。「ガサガサ」と呼んでいますが、網を持って川の中に入り川岸を探って生き物や魚を獲ります。「多摩川塾」を主宰している俳優の中本賢さんが教えに来てくれる時もあります。
昔に比べたらだいぶ減ったものの、学校の近くにはまだ田んぼがあり、5、6年生は総合的な学習の時間に田んぼの一部を借りて農業体験をしています。5~10月に、籾まき、田植え、稲刈りまで体験します。子どもたちは素足に触れる土のあたたかさや稲を刈る感触が面白いらしく、楽しみながらやっていますね。収穫したコメは精米をしてもらって、給食時にみんなでいただきます。

「おやじネット」も活躍! 地域活動の拠点として

ユネスコスクールに認定されている

――ユネスコスクール、オリンピック・パラリンピック教育推進校にも認定されていますね

江原先生:ユネスコスクールとして環境への関心を養うため、梅林や多摩川など、環境を題材にした学習を積極的に取り入れています。多摩川の学習については、専門家である多摩川漁協の方に指導していただくなど、安全性に配慮しながら行っています。また、節電・節水、PTA主導の牛乳パックのリサイクル運動など、省エネ学習にも取り組んでいます。
オリンピック・パラリンピック教育推進校の指定は2015(平成27)年から。今年度は体育科を授業研究のテーマとし、授業改善による運動時間の向上、コーディネーショントレーニングの実践、マラソン週間や大縄跳び集会の開催などで体力作りを進めています。 また、体力作りと並行し、日本の伝統文化を理解するための取り組みも行っています。有志の子どもたちがお琴と尺八を習って発表会を開き、昨年末は「日本の伝統文化理解教室」として、舞妓さんを招いて京舞を披露してもらいました。京舞を見る機会は大人でもなかなかありませんが、子どもたちも非常に喜びました。今後は、障害者理解のための取り組みも進めていきます。

10月の地域運動会の様子

――学力向上に向けてはどのように取組んでいらっしゃいますか?

江原先生:週3回の朝学習で国語と算数の時間を充実させ、算数の授業は習熟度別のクラスに分けて行っています。夏休みには全学年を対象に補習教室も開いています。
本校は2013・2014(平成25・26)年度に理数フロンティア校に指定され、科学的な思考を深めるための学習形態を研究してきた実績があるので、理科、数学ではそれを活かした授業づくりをしています。理科教材の充実や算数の習熟度別授業も、その一環です。

――校長先生が赴任されてから取り組まれたことはおありですか?

江原先生:平和教育に力を入れ、12月に6年生が調布市戦時記録保存会の方から戦争体験を聞く機会を設けています。戦争体験者がいなくなってしまう前に、実際に体験した方から戦争当時の暮らしや戦争の恐ろしさを話していただき、日本で戦争があったという歴史を学んでいます。

戦争体験を聞く会

――地域行事や保護者との連携はいかがですか?

江原先生:7月中旬の土日の2日間、学校開放委員、地区協議会、PTA、学校が協力して、地域の盆踊りを開催しています。毎回、校庭に鉄骨を一から組んで立派なやぐらを建て、たくさんの模擬店が出ます。近隣の人たちが1日700~800人ぐらいいらして、売り物がなくなってしまうほど賑わいますよ。10月には地域運動会もあり、パン食い競争や借り物競争などの種目を大人と子どもが一緒になって楽しみます。 保護者との連携では、「おやじネット」という集まりがあります。学校に協力したいというお父さん方が、学校行事や地域行事の際に手伝ってくれ、子どもたちへのお楽しみイベントを開いてくれます。秋のお楽しみ会「オモロー」では、飯盒炊飯体験を企画してくれました。
「おやじネット」の主目的は、お父さん方の横のつながりを作ること。話題を共有し、お子さんの様子を知ることができます。担任の先生の名前を知っていたり、学校との距離も近くなりますね。今は現役で40人ぐらいのお父さん方が活動され、卒業生の親御さんもOBとして参加されています。
本校は地域の方や保護者の活動・情報拠点であり、地域の中心的な存在です。閑静な住宅街の中で唯一子どもの声がにぎやかに聞こえる、明るい場所。何かあれば人が集まってきて、人と触れ合える場所となっています。

多摩川が織りなす雄大な景色に街並みが調和

梅の花を象った校章

校長先生からご覧になった、染地・布田・国領エリアの魅力について教えてください

江原先生:多摩川がもたらす開放感と時折見える富士山、やはりこれが一番の魅力ではないでしょうか。野鳥をはじめいろいろな生き物が見られるなど、多摩川の自然の恵みが感じられます。そこに街並みがうまく調和し、この地域ならではの落ち着いた雰囲気を醸し出しています。駅から離れているので交通量が比較的少なく、多摩川ではさまざまなスポーツで体を動かすことができます。その一方で、「調布」駅の徒歩圏内にあり、小田急の狛江や京王多摩川といった近隣の街へ出やすいなど、利便性もいいエリアです。

広々とした体育館

――これからこの街に住まわれる方へメッセージをお願いします!

江原先生:自然に触れることができて、都心へのアクセスもよく、便利で住みやすい住環境に恵まれています。また、調布市は教育や保育にかける予算を割くなど、市がそこに暮らす人に対してきちんとお金をかけてくれる街でもあります。人を育てようという土壌があるので、安心して住めるし、子育てにもよく、今後もまだまだ発展していく可能性にあふれています。

調布市立布田小学校 江原校長

調布市立布田小学校

校長 江原幸一先生
所在地 :東京都調布市染地1-1-85
TEL :042-481-7652
URL:http://www.chofu-schools.jp/fuda-sho/
※この情報は2017(平成29)年1月時点のものです。

梅林とともに歩んできた環境教育の実践校/調布市立布田小学校 江原幸一校長先生
所在地:東京都調布市染地1-1-85 
電話番号:042-481-7652
http://www.chofu-schools.jp/fuda-sho/

豊かな街の資源と独自の保育メソッドを活かす/ココファン・ナーサリー国領 矢原尚美園長先生

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甲州街道の宿場町として江戸時代から栄えてきた国領エリア。昔ながらの商店街も残しつつ、駅前は再開発によってスーパーマーケットや行政窓口などが揃う便利な街へと生まれ変わった。その国領に開園して3年目、一歩ずつ地域に溶け込んでいる「ココファン・ナーサリー 国領」は、子どもたちの本来持っている力を生かす取り組みで、のびのび・すくすくと子どもたちが育っている。今回は園長の矢原先生に、日々の生活や取り組みについてお聞きした。

ココファン・ナーサリー 国領

――園の概要を教えてください。

矢原先生:本園は2015(平成27)年4月に開園し、「ココファン・ナーサリー」のなかでも比較的新しい保育園です。現在は70名ほどの子どもたちが毎日元気に通っています。「子どもの養護と教育を両輪とした、子ども主体の心と体の育ちの支援」「子ども一人ひとりの認知・発達に応じた個別の発達支援」「地域社会すべての子育て家庭に対する様々な取り組みによる育児支援」を基本的な保育方針とし、先生たちは保育計画を年間・月間・週間とそれぞれのレベルで細かく立て、毎日の保育に取り組んでいます。

園長の矢原尚美先生

――園の1日の流れを教えてください。

矢原先生:園は朝7時から開いています。まずは1階の1歳児クラスの部屋で自由あそびをします。8時過ぎから準備各クラスに分かれ、9時からは朝の会、0~2歳児は軽くおやつを食べてから外遊び、室内遊び、クラス活動の時間になります。0歳児は一人ひとりの生活リズムに合わせて活動し、無理にスケジュールを組まないようにしています。

1~5歳児は遊びから帰ってきたら食事、オムツ替えやトイレ、着替えてお昼寝になります。お昼寝から起きたらおやつを食べて、その後降園時間まで自由遊びです。基本的に18時までのお預かりですが、ご希望があれば20時まで延長保育も行なっています。その場合は18時15分頃に補食や夕食を出しています。

園内の様子

――外遊びはどんなところへ行くのですか?

矢原先生:この辺りは公園がとても多く、特に近隣の多摩川住宅の中に「お山公園」「恐竜公園」「汽車公園」と子どもたちが愛称をつけて親しんでいる公園が点在しているので、天気がよければほぼ毎日遊びに出かけています。また4~5歳児になると少し長めの距離も歩けるようになりますので、大きなアスレチックが大人気の「前原公園」にもよく行きます。先日は子どもから「新しい公園ができたよ!」という報告を受け、まずは先生方と視察に行って安全性などの条件面も大丈夫だったので「緑の丘児童公園」をレパートリーに加えました。今でも数や種類はたくさんあるのですが、新しい公園を開拓したいと先生方と常にアンテナを張っています。

春の遠足の様子

――毎日先生方がブログをアップされていると聞きました。

矢原先生:各クラス担任が午前の遊びの様子を写真に撮り、クラスごとに毎日発信しています。普段の園での様子が少しでも保護者の方々に伝わるといいなと思い、日々頑張ってもらっています。給食室のブログもあって、ご飯やおやつの写真、給食のメニューなども発信しています。

基本的にお昼寝の間にブログアップの作業は行うのですが、時々「お昼寝の間、先生方は何をしているんですか?」という質問を受けるので、少しご紹介すると……まずお昼寝の間は子どもの呼吸チェック(SIDSチェック)を、0歳児は5分おき、1~2歳児は10分おき、3~5歳は15分おきに実施しています。あとは子どもたちの様子を保護者の方に伝える連絡帳の記入や保育計画表の作成など、この時間を有効利用して事務作業などをしています。

園内の様子

――ココファン・ナーサリーとしての特徴はどんな部分ですか?

矢原先生:学研グループの保育園ですので、文字・数・知恵のオリジナルワークに週1回、子どもたちに無理のない範囲で取り組んでいます。「小学校入学前に名前が書けるようになる」など大きな目標もありますが、「きちんと座って話を聞けるようになる」という基本的な姿勢を身につけることを中心にしています。

学研独自の保育メソッド「学研アプローチ」に、「興味のあるときに興味のあるものを教えることが子どもの持つ力を最大限に伸ばす」、という考え方があります。教える側の人間が「○○歳になったから」「早く教えた方が有利だから」といった理由で、子どもの興味がないうちに教えようとしても徒労に終わることが多いんです。ですから担任はクラスの様子を見ながら、興味がわく時期を待ち、適した時期にスタートさせるようにしています。

園の先生による読み聞かせの様子

――国領園ならではの取り組みがあれば教えてください。

矢原先生:月に1回、「花育」と称して生け花の先生をお呼びし、花に親しむ時間をつくっています。2歳は一輪挿し程度、3歳はメインのお花とかすみ草程度、4歳ではもう少し花材を増やし、5歳では大人とほとんど変わらない花材を使用します。年長さんになるとお花の選定や切り方から花を回して顔を探す姿など、生け花の基本的なことは習得していると感じます。卒園記念では陶芸教室へ行き、自分で花器をつくり、そこに花を生けるのですが、大人顔負けの立派で美しい作品を完成させます。四季折々の花に触れられますし、花の種類も覚え、生け花を中心に親子の会話が広がっているようです。

また、花育の先生のアドバイスで2Lのペットボトルを切った簡易植木鉢で朝顔も育てはじめました。花に興味を持つ子どもが増えたこともあり、種から育てる挑戦もしています。こういった日々の取り組みは、各園に任されているので、先生方と相談して子どもの興味が向くものを選び、伸ばしていきたいと思っています。

子どもたちの作品

――食育の時間にも力を入れていらっしゃると聞きました。

矢原先生:給食室にいる栄養士が国領で生まれ育った人で、農家の方を紹介してもらって、田植えや収穫などの体験をさせてもらっています。田植えは先日終わったのですが、子どもたちは元気に泥んこになりながら楽しんでいました。園の周辺には田んぼはあまりなく、貴重な体験となりました。秋の収穫も楽しみです。

また、月1回行われている「食育」の時間も大切にしていて、小さい子たちはキャベツを手でちぎったり、クレープやクッキーなどの簡単なお菓子をつくったり、大きな子たちは栄養のお話を聞いたり、先日はスズキの解体を見せたりしました。泳いでいる魚と食べている魚がまだ結びつかない子どもが多いなか、「命をいただいて自分たちは生きているんだ」という感謝の気持ちが少しでも生まれればと思い、実施した活動でした。栄養士から、いただきますの意味や食べる・食べられる関係の話をしてもらい、子どもたちには少し難しいかなと思いましたが、真剣に話を聞き、何か感じていたようです。

食育にも力を入れている

――近隣の福祉施設訪問など、多世代交流にも積極的ですね。

矢原先生:学研グループはもともと「ココファン」というサービス付き高齢者向け住宅を設立し、その後保育事業として「ココファン・ナーサリー」を立ち上げたので、子どもと高齢者の交流には積極的なんです。同じ建物内に高齢者向け住宅、保育園、病院、住宅などが集まり、多世代が交流しながら生活できる複合拠点にも取り組んでいます。この近くにはたまたま「ココファン」がなかったので、近所にある福祉施設に直接お願いしに行き、訪問させてもらっています。今では子どもたちの訪問を楽しみにしてくださっている方も増え、徐々に交流の輪が広がっています。

園内の様子

――調布市は地域、行政、園のつながりが強いエリアだと感じていらっしゃるとか?

矢原先生:はい。調布市では毎月、「民間施設長会」という市内の私立保育園の園長会が開かれています。地域ごとに分科会もあり、小さなグループになって近隣の園長先生たちと話し合う時間も設けられています。そこでは先輩園長先生たちの話が聞けたり、悩み事が相談できたりと、普段はなかなかない、貴重な機会をいただいたいます。

そのお陰で、私と市役所担当者、調布市、近隣保育園、この全てが日頃からつながり、何か起きてもすぐに相談できる環境とスピーディに物事が進む人間関係も整っているともいえます。人間同士、顔を合わせて話す以上のベストなコミュニケーションはありませんし、特に「保育」という迅速で適切な判断が求められる現場で、この仕組みは実に心強いです。

園内の様子

――今後、園として取り組みたいことなどはありますか?

矢原先生:開園3周年を迎え、これまでも少しずつ自分たちらしさを育ててきましたが、今年度は近隣の子育て家庭のサポートなど、「地域の子育て支援」に力を入れていきたいと思っています。具体的には、夏に外部から講師の先生をお呼びして子育て講座を開き、在園児のみならず地域の子どもたちとその保護者にも園に足を運んでもらいたいと思っています。

――国領の街の魅力を教えてください。

矢原先生:駅前に生活のために必要なものが全て揃う環境で、暮らしやすいと思います。それなのに静かで治安がよくて、とにかく住んでいる人たちが温かいです。花育のためのお花の買い物に子どもたちと行く際も、消防署の方たちもみなさんよく声をかけてくださって有難いです。先ほどもお話しましたが公園も緑も多いので、子育てしやすい環境だと思います。

園長先生

ココファン・ナーサリー国領

園長 矢原尚美先生
所在地:東京都調布市国領町7-17-3
電話番号:042-490-3230
URL:http://nursery.cocofump.co.jp/nursery_school/kokuryou/
※この情報は2017(平成29)年6月時点のものです。

豊かな街の資源と独自の保育メソッドを活かす/ココファン・ナーサリー国領 矢原尚美園長先生
所在地:東京都調布市国領町7-17-3 
電話番号:042-490-3230
http://nursery.cocofump.co.jp/nursery_sc..


子どもセンターあおぞら 阿部和樹さん

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2018(平成30)年4月にオープンした「子どもセンターあおぞら」は、子どもたちが遊びや文化的な活動を通して、健康で心豊かに育つことを目的とした施設である。前身となる「滝山児童館」から機能移転し平日は約150人、週末は約300人と、すでに地域における認知度は高い。0歳から18歳までの幅広い年齢層を受け入れる「子どもセンターあおぞら」の魅力と、これからの目標について施設を管理する阿部和樹さんにお話を伺った。

阿部さん

ボルダリングやバンド活動といった新たなニーズに応えられる施設

――「子どもセンターあおぞら」誕生の経緯をお教えください

阿部さん:東久留米市には、「子どもセンターあおぞら」のほか、「けやき児童館」「中央児童館」「子どもセンターひばり」と4つの児童館があります。当館は、私立幼稚園の跡地利用を目的に、住民の方の意見や行政が検討した上で、老朽化した「滝山児童館」から機能を移行する形で建設が決まりました。職員の中には「滝山児童館」から異動した方も多く、スタッフ全員で「滝山児童館」時代の良さを残しつつ、新しい「子どもセンターあおぞら」が持つ設備や機能を生かせるよう、日々模索しているところです。

子どもセンターあおぞらの外観

――「子どもセンターあおぞら」の施設面の特長についてご紹介ください

阿部さん:施設には「図書館」、「工作室」、乳幼児向けのおもちゃが揃っている「児童室」、鏡付きの「防音室」、室内遊びができる「集会室」、天井が高くバスケットやバドミントンもできる「遊戯室」があります。その中でも特徴的なのが「防音室」と「遊戯室」です。「防音室」には、ドラムセットもあり、アンプの接続もできるので、中高生のバンド活動やダンスの練習などにも使用できます。また、広い「遊戯室」にはボルダリングの設備もあるので、ボルダリング専門のスタッフによる「ボルダリングの日」も開催しています。「遊戯室」の使い方やイベント、遊び方などは、現在、子どもたちの安全性に配慮したルール作りに注力しています。

遊戯室

「集会室」には「滝山児童館」で使用していた人気のボードゲームがたくさんあって、ジェンガやオセロ、ウノなどスタンダードな物はもちろん、ドイツなど海外のゲームの種類も豊富で、他にはないバリエーションだと思います。私自身、知らないゲームがたくさんありました。計算を必要とするゲームもあって、子どもたちに教えてもらって私もチャレンジしてみましたが、勝てませんでしたね。

様々なゲーム

「図書館」の本はこれから少しずつ増やしていく予定です。現在は読み聞かせの時間もあることから乳幼児向けの本が充実していますが、今後は中高生向けの本や漫画など、幅広い年齢層がゆったり読書できる環境を整えていきたいと考えています。また、保護者の方が子どもを遊ばせる傍らで読めるような、ママ向けの雑誌も用意できれば、周辺地域の幅広い世代の人たちに親しんでもらえる施設になると思うので、一つひとつそうしたアイディアを形にしていきたいと思っています。

図書館

――屋外の施設についてはいかがでしょうか?

阿部さん:「屋外広場」や砂場、鉄棒があり、向かいの「滝山公園」の緑を眺めながら、ボール遊びや一輪車といった外遊びができるようになっています。グラウンドでの遊び方や安全面に配慮したルール作りも検討中です。ルール作りにおいても、できるだけ子どもたちの意思を尊重し、職員はそれを実現するための安全性を考えるというスタンスです。この“子供主導”というスタンスは「子どもセンターあおぞら」が行う活動の核となっています。

ボルダリングのイベントの様子

その一例として、「屋外広場」の半分はただの土だけの部分があって、そこで泥遊びをしたり、花を植えたり、野菜を作ったりといった“使い方”は自由。子どもたちと一緒にその“使い方”を考えていくために、あえて土のまま残したんです。そのための第一歩は、普段の子どもたちとのコミュニケーションです。子どもたちのニーズや考え方を知るためには、私たちの方から積極的に子どもたちに声を掛け、会話していくことで、さまざまな意見を出してくれる関係が構築されます。自分たちの意見を反映した遊びを提供できれば、子どもたちもここを“自分の居場所”として認識してくれると思うんです。

屋外広場

子どもたちの意見や希望を尊重した遊び方をサポート

――地域住民の方や子どもたちとのコミュニケーションはどのようなアプローチを行っておられるのでしょうか

阿部さん:この地域の子どもたちは素直な子が多いですね。みんなで仲良く遊べる子どもも多い。ちょっとはめを外しても、注意すれば素直にルールを守ってくれます。「遊戯室」や「集会室」など時間制なのですが、交替でもめることもありません。たとえば、卓球は1組15分というルールがあり、私たちもルールの声掛けは行ってるのですが、みんなが仲良く使えるよう、子どもたちも時計を見ながら遊んでいて、そこからルールを守ることや、社会性が自ら身に付いているようです。

卓球台

私たちは館内での見守りだけでなく、利用後の見送りも心掛けています。小学生が帰る17時頃は入り口に出て見送るだけでなく、車が多い道を通る子どももいるので「横断歩道を渡ってね」と声掛けもしています。各年齢に特化した児童館もある中、当館は年齢による縦割りではなく、乳幼児から中高生まで、幅広い年代の子どもたちが利用しているので、とくに小中学生に対しては、当館への往復の安全性にも気を配っています。幅広い年齢層の子どもたちのふれあいや、それによって受ける刺激は子どもたちの成長にもつながるため、東久留米市全体でも“幅広い年代の子供たちが楽しめる環境づくり”に取り組んでいます。今後、乳幼児と保護者の方に対する活動を強化していきたいですね。

防音室

地域全体で子どもたちの成長を見守る環境

――今後展開していきたい活動や目標はございますか?

阿部さん:幅広い年齢の子どもたちが楽しい時間を過ごせるような、年齢ごとのすみ分けやルール作りが課題となっています。今のところ、平日午前中は乳幼児と保護者の方、午後の放課後は小学生、17時以降は中学生優先としています。小中学生については、「第七小学校」「第九小学校」「西中学校」の児童や生徒の利用が多くなっています。19時半以降の使用については、現在、行政と検討中という段階です。

年齢ごとのおたより

土日は保護者でも父親との来館も多く、子育て環境が整っているエリアだと思います。もともと地域のつながりが強く、「滝山児童館」の頃からボランティアの方が多かったそうです。民生委員が乳幼児の活動に手伝いに来てくれたり、絵本の読み聞かせのボランティア活動も盛んですし、祭りのお手伝いなど、すでに地域の協力体制が確立されています。「滝山児童館」時代から将棋を教えてくれるボランティアの方もいらっしゃって、5月から本格始動するイベントも「将棋教室」です。今、注目のジャンルだけに楽しみなイベントですね。

今後は「将棋教室」をはじめ、「卓球大会」、「音楽の日」、「大学生と交流」など、さまざまなイベントを予定しています。“自分の居場所”として毎日来館する子もいれば、イベントや大会だけ参加する子もいるので、そういった子どもたちにも「子どもセンターあおぞら」ならではのイベントを提供して楽しませてあげたいですね。夏のお祭りは「滝山児童館」時代から人気だったという、お化け屋敷「スリラー館」を実施したいと考えています。イベントについても「滝山児童館」の良さを踏襲していく方針です。また、乳幼児と保護者による運動会は、東久留米市の4つの児童館合同で行っているので、参加する予定です。

様々なイベント

――最後に、地域の方々へのメッセージをお願いします

阿部さん:一人でも、初めてでも、気軽に立ち寄れる環境を用意しています。子どもが遊べる場所、放課後の“居場所”作りに貢献したいと考えています。乳幼児を育てている保護者の方の中には、当館で日々の育児を休憩する場所として利用されている方もいらっしゃいますので、保護者の方の“寛ぎの場”にもしていただけたらうれしいです。月曜日から土曜日の11時30分からは、毎日10分程度の体操や読み聞かせを行っているので、興味があればそのタイミングで是非ご参加ください。繰り返し参加している内に、保護者同士のコミュニケーションも生まれる場所になっていくと思います。お気軽にお立ち寄りください。

子どもセンターあおぞら

子どもセンターあおぞら

阿部和樹さん
所在地:東久留米市前沢4-25-8
電話番号:042-471-7071
利用時間:乳幼児・小学生9:00~17:00、中高生9:00~21:00(日曜日、祝日9:00~18:00)
休館日:館内整理日(毎月、月末の平日)、年末年始
URL:http://www.city.higashikurume.lg.jp/shisetsu/kodomo/jidou/1011080.html
※この情報は2018(平成30)年4月時点のものです。

子どもセンターあおぞら 阿部和樹さん
所在地:東京都東久留米市前沢4-25-8 
電話番号:042-471-7071
利用時間:乳幼児・小学生9:00~17:00、中高生9:00~21:00(日曜日、祝日9:00~18:00)
休館日:年末年始、館内整理日
http://www.city.higashikurume.lg.jp/shis..

さくら坂VIVACE オーナー 後藤健一郎さん

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茨城県守谷市は、緑が多く閑静な住環境が魅力の街で、都心へのアクセスも良好。「東洋経済新報社」が行った「住みよさランキング」においても、守谷市が総合第1位を獲得しています。長閑な田園風景が広がる丘の上に佇む古民家カフェトラットリア「さくら坂VIVACE」は、イタリアの街並みを思わせる非日常空間と本格イタリアンが人気の店で、守谷市内はもちろん、遠方からも多くの人が訪れています。同店を訪れ、オーナーの後藤健一郎さんに「さくら坂VIVACE」について、そして守谷の魅力について伺いました。

老舗寿司店がイタリアンの名店に

わくわくする「さくら坂 VIVACE」のガーデン入口

――「さくら坂VIVACE」、素敵なお店ですね。

後藤さん:元々この場所は、私の父が42年間、守谷市内で経営をしていた寿司店「小平治」の離れの店舗「離れ小平治」として営業していました。私は守谷市生まれで、約4年間イタリアで料理の勉強後に帰国し、「小平治」で和食の料理人として務めながら、お客様に予約限定でイタリアンを提供していました。

2010(平成22)年、私が30歳の時に自分の店を持ちたいと思い、守谷市内の物件等も探していましたが希望のものが見つからず…、試行錯誤した結果、ここを使って新たな店を開くことを決意し、この店をオープンさせました。オープン当初は寿司店を営業していたレストラン棟のみでしたが、増築に増築を重ね現在の姿になり、至る所にイタリアを感じられる、ちょっと日常から離れた異空間が完成しました。

オーナーの後藤さん

――店名にはどのような意味がこめられていのでしょうか。

店の名前にもある“VIVACE”は、イタリア後で”元気に、生き生きと“という意味。イタリアでオリーブオイルのソムリエのスクールに通っている時に出会った言葉で、とても印象に残っていたので店名にしました。おかげさまで「さくら坂VIVACE」は、守谷市内だけではなく遠くからもたくさんのお客様に来店いただき、好評をいただいております。ぜひ皆さんに店の目の前に広がる緑を眺めながら、ゆっくりと食事を楽しんでいただきたいですね。

テラスから臨む風景

イベントは笑顔が絶えない交流の場。

――田園風景が美しいですね。イベントも多数開催しているとお聞きしました。

後藤さん:「もりあぐ(もりや循環型農食健協議会)」との共同開催で、地元の農家さんとの農業イベントを開催しています。「もりあぐ」は、茨城県守谷市の農産物や加工品の応援活動をする団体で、毎月第1日曜日は「ふるさ都市もりや朝市」、第2日曜日には「さくら坂メルカート」、第3日曜日には「ふるさとみずき朝市」へ出店しています。加えて、守谷の魅力を体感してもらうグリーンツーリズムの企画・運営や、守谷の素材を使用した商品開発なども主な活動ですね。店の下に見える広大な田んぼでは、お米を収穫して地元の人とお客様が一緒になって食事をして交流を深めることができる収穫体験も行っています。

メルカートの様子

前述の「さくら坂メルカート」は、当店を会場にして開催する“イタリア風青空市場”です。地元で収穫された新鮮野菜や焼きたてのパン、スイーツ、地域の加工品、かわいい雑貨など30店舗が軒を連ね、多くの人で賑わいます。

イベント開催は、お客様との交流はもちろんですが、作り手同士の大事な交流の場でもあり、良いものを作るためにも地域を盛り上げるためにも重要です。今後も地域に根ざした、楽しいイベントの開催をしていきたいと思います。

非日常の空間を気軽に楽しんでほしい。

異国に迷い込んだかのような小路

――お店のこだわりについてお聞きします。

後藤さん:こだわりのポイントはずばり“イタリア”です。イタリアでは、「今日は天気が良いから、テラスでお茶を飲みましょう。」というのが日常ですが、日本では非日常です。至る所にイタリアを感じるそんな非日常の空間を、お客様には日常に使っていただけたらと思い、イタリアの雑貨等を随所に取り入れてデザインしました。

彩り鮮やかな料理の品々

――お料理についてはいかがでしょうか。

料理のポイントは、日本一の野菜生産量を誇る茨城県の野菜を使用していること。守谷には美味しい野菜がいっぱいありますし、イベントでは多くの農家さんに出店していただいていますので、その野菜をふんだんに使用しているのが特徴です。さらに今年からは、私の畑でシシリアンルージュ・トマトの栽培も始め、このトマトソースを使った料理を考案。その他のメニューでは、地元ブランド・常陸牛を使ったタリアータも好評ですね。

お店から眺める田園風景

日常から離れた場所で季節を感じ、自然に触れながら美味しいものを食べて心の中から元気に。心も体も元気になるそんな空間を演出できればと思います。

世代間交流も盛んな元気な街へ。街に人に会いに来てほしい。

四季折々の表情が楽しめる

――今後新たにチャレンジしてみたいことはありますか?

後藤さん:今後も畑での栽培、収穫の流れが確立されていけば、私の店ではシニア世代の雇用も積極的に行い地域を盛り上げていきたいと考えています。就農する若者とシニア世代同士が様々なことを学び会話をし美味しい野菜を育て、まかない飯を囲んで交流を深める…、そういう温かい職場が実現すれば良いなあと思います。

さくら坂 VIVACE

――最後に守谷の魅力についてお願いします!

後藤さん:守谷は近い距離に大型のショッピングセンターやスーパーなどがあり、買い物にも住むにも便利なコンパクトシティーです。街には緑が多く、都心へのアクセスも良好。住みよさランキング1位を獲得するなど、住環境の良さが自慢です。

「さくら坂メルカート」は始めて守谷に来た人でも、ご近所さんだけではなく地域住民と知り合うきっかけができてオススメ。上辺だけでは見えない、守谷の良さ・人の温かさに気づいていただけると思います。守谷に来て良かった!と、そう思っていただけるきっかけにこの店がなれば良いなあと思います。

お店の外観

さくら坂VIVACE

オーナー 後藤健一郎さん
所在地:茨城県守谷市板戸井1751-1
電話番号:0297-48-2513
URL:http://www.sakurazaka-vivace.com/shop/
※この情報は2018(平成30)年10月時点のものです。

さくら坂VIVACE オーナー 後藤健一郎さん
所在地:茨城県守谷市板戸井1751-1 
電話番号:0297-48-2513
営業時間:11:00~18:00(冬期は17:00まで)
(予約をすればディナーの利用も可能)
定休日:日曜日
http://www.sakurazaka-vivace.com/

新座市こども未来部 こども支援課 こども政策係 係長 渡辺潤子さん 主事 田村佳美さん

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「子育て中の親子が歩いて行ける身近な場所への配置」という目標のもと、市内13箇所に「地域子育て支援センター」を配置した新座市。“寄り添いの気持ち”を第一に、スタッフが優しく迎えてくれるセンターは、毎日多くの親子連れが訪れているといいます。市民による市民のためのお祭りも多く開催され、暮らしやすく温かな街・新座市の子育て環境について、新座市こども未来部こども支援課のお二人にお伺いしました。

子育て家族に寄り添う「地域子育て支援センター」

こども政策係長 渡辺さん(左)と主事 田村さん(右)

――新座市で力をいれている、特徴的な子育て支援策はありますか?

渡辺さん:新座市では「子育て中のママさんたちが徒歩や自転車で気軽に行けるように」と、市内13箇所に「地域子育て支援センター」を配置しています。地域のつながりが希薄になり、家族や地域で子育ての知恵や経験を共有しづらくなっている今、育児の悩みや不安を一人で抱え込まないでほしいとの思いから、市全体で力を入れている事業です。

保育園に併設する形の支援センターが多いため、いろいろな相談もできますし、何より同じ月齢・年齢のお子さんを育てるママ・パパたちと気軽に交流できるのがポイントだと思います。

「雑木林とせせらぎの街」をテーマにした新座市のキャラクター「ゾウキリン」

スタッフも、ママ・パパさんたちのお話を聞いたり一緒に考えたり、寄り添うような支援を目指していますので、気軽に立ち寄ってもらえたら嬉しいですね。

田村さん:野火止地区には、JR武蔵野線「新座」駅を中心に、「すぎのこ保育園」内の「つぼみ」、「すこやか保育園」内の「のびのび」、「白梅第二保育園」内の「あすなろ」、「みどりの丘の保育園内」の「グラン・マ」の計4か所の地域子育て支援センターがあります。みなさんイベントが開催されるセンターを巡るなど、様々な使い方をしていらっしゃるようです。孤独な育児にならないように、これらのセンターを利用してもらえたら嬉しいですね。

地域子育て支援センター「つぼみ」が併設されている「すぎのこ保育園」

渡辺さん:基本的には未就学児とその保護者を対象にした、無料の親子の居場所です。妊娠時期からの利用も可能です。開所時間は施設によって異なりますので、各施設のHPを確認してください。基本的には朝9時または9時30分から、お昼休みで12時から13時までクローズするところもあります。月曜日~金曜日のウィークデイのみのところが多いですが、「グラン・マ」など隔週土曜日にオープンしているところもありますので、チェックしてみてください。

田村さん:ベビーマッサージや年齢別リトミック、ハンドメイド、工作、保育園園児との交流など、それぞれのセンターが工夫してプログラムを組んでいます。センターによっては、ママたちが主体的に集まってサークルのような活動をしたり、得意分野のある人が先生になって講座を開いたり、その施設ごとの特色もあるようです。各施設ごとにイベントカレンダーが発行されていて、HPでも見られるようになっていますので、「今日は何をしようかな」という時でもすぐに催しの内容と場所が分かって便利です。

渡辺さん:支援センターは市の委託業務なので、各センターのスタッフと行政の意思疎通・共通認識のため、また専門機関への顔つなぎなどの目的で、年4回、市主催の研修を行なっています。研修では、子どもの発達や育て方のコツ、特別ニーズなどの講義のほかワークショップなども行なっています。

地域の大学でも独自のサロンを展開

「+(プラス)ママの子育てサロン」のチラシ

――「十文字女子大学」でも子育てサロンがあるのですね?

田村さん:新座市野火止地区にキャンパスのある「十文字学園女子大学」では、幼児教育学科の卒業生で現在子育て中の方々が、0歳~未就園児のお子さんと保護者を対象に子育てサロン「+(プラス)ママの子育てサロン」を大学内で開いています。スタッフとして活動しながらご自身のお子さんも連れて来ていらしているようです。ママであり幼児教育を専門に学んだ方々ですから、遊び方や子どもへの対応など、ママたちにとっては参考になる部分も大きいでしょうね。

開催日は不定期のようですが、参加費が無料(保険料は大学が負担)で、広い芝生広場でお昼を食べたり、学食のカフェテリアも利用できたりととても楽しそうです。市内のいろいろな場所でチラシが配布されていますので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

プラネタリウムがある「新座市児童センター」

――このほかにも子育て中の家族が楽しめる場所などはあるのでしょうか?

渡辺さん:新座市には「児童センター」が2館あり、本多のセンターにはプラネタリウム設備もあります。各種イベントなども積極的に開催しており、情報処理の学科がある高校と連携したプログラミング教室や科学系ワークショップを開いたり、小学生以上のお子さんが楽しめるイベントも多数開催しています。この児童センターでは中高生タイムも設けられていて、放課後の子どもの居場所としての役割も果たしています。

――新座市の未就学児数の推移などはいかがですか?

渡辺さん:新座市は市外からの転入者が多く、人口自体は増えていますが、0~6歳児の人口は微減が続いています。はっきりした理由までは分かりませんが、小学校転入を機に都内などから引っ越しされる方も多いので、特に小さいお子さんの人口増加につながっていないのかもしれません。

毎年新座市で出生する0歳児は年間1300~1400人ほどで、その数には大きく変化はありません。保育園に関する要望も多いのですが、保育園施設の増設は時間もかかりなかなかハードルが高いのが現状ですので、小規模保育施設を積極的に増やすなど、市でもその対策・対応は考えていきたいと思っています。

市からの情報を漏れなく受け取る「応援メール」も

子育てに役立つ情報満載の「にいざ子育て情報誌」

―― 新座市の子育て情報を知るためのツールは、何かありますか?

田村さん:2018(平成30)年8月から新たに子育て家庭向けに「にいざ子育て応援メール」の配信を開始いたしました。これはHPから登録していただければ、市の保健センターやこども給付課、こども支援課、保育課などから子育てに関する情報が受け取れるというものです。児童手当などの現況届の提出期限や予防接種のスケジュール、イベント情報など、子育てに関する情報が網羅されています。子育て情報を積極的に発信していますので、ぜひご利用ください。

また毎月発行されている広報紙にも、スペースを確保して「子育て通信」とし、各地域の子育て支援センターや児童センターのイベントや教室のお知らせを掲載しています。毎年発行している「にいざ子育て情報誌」も、子育てに役立つ情報が漏れなくコンパクトにまとめられているので、各ご家庭に一冊置いていただけると、とても役に立つと思います。

用水路脇の道や河川敷なども週末は親子の遊び場に

柳瀬川河川敷

―― 「新座」駅周辺で親子で楽しめるスポットやイベントがあれば、教えてください。

田村さん:まず「新座」駅から徒歩10分のところにある「ふるさと新座館」には、「野火止公民館」と「ふるさと新座館ホール」、JAの直売所が入っています。公民館では絵本の読み聞かせや紙飛行機をつくる会などの教室や講座が開かれていて、夏の間は子どものための「じゃぶじゃぶ池」も開放されているので、親子でも楽しく過ごせる場になっています。ホールでは演奏会や映画会が開かれており、多くの市民の方々も足を運んでくださっています。

渡辺さん:お祭りも盛んで、毎年夏には「大江戸新座祭り」が開催され、「ふるさと新座館」を中心に屋台村ができたり、阿波踊りの演舞が披露されます。今年で4年目を迎えたこのお祭りも、新座の新たな夏の風物詩として市民の皆さんの心に根付いてもらえたらと思います。

毎年夏に開催される「大江戸新座祭り」

お祭りといえば柳瀬川河川敷で花火を打ち上げる「柳瀬川ふれあい祭り」は、毎年8月末に9つの町内会と市が合同で開催するお祭りです。「新座市立第四中学校」の校庭を開放して、町内会が出す安くておいしい露天が並び、盆踊りがあったり、地元小中学校の吹奏楽部パレードがあったり、盛りだくさんの内容です。このお祭りのフィナーレは1,500発の打上花火で、市民から募集したプロポーズや日頃の感謝を伝える「思い出花火」も毎年恒例になっています。都心の花火大会ほど混雑せず落ち着いた雰囲気で見られることから、家族連れ・赤ちゃん連れでも安心して参加できます。

新座市では、こんな風に市民主導の楽しくて温かいお祭りも多く、市民の皆さんの積極的で明るいお人柄が伝わってくるイベントがたくさんあります。私たちもそんな活動を応援していきたいと思います。

―― 新座市の子育て環境について教えてください。

田村さん:新座市の野火止地域ははスーパーマーケットやドラッグストア、市役所や支援センターなどの公共施設がコンパクトにまとまった場所です。JR武蔵野線「新座」駅や「北朝霞」駅、東武東上線「志木」駅や「朝霞台」駅、西武池袋線「ひばりヶ丘」駅や「東久留米」駅など、どの路線にアクセスするにも便利で通勤・通学の負担は少ないと思います。住みやすさと利便性の両方を兼ね備えているにも関わらず、静かでのどかな環境が整っているという点でも、暮らしやすく子育てしやすい街だと思います。

柳瀬川河川敷

渡辺さん:市内には目黒川や綾瀬川があり、川沿いの道も整備されているので、週末は家族連れで散歩する姿などがよく見られます。江戸時代に引かれた野火止用水の水路脇も、水のせせらぎを聞きながら散策できる道です。「ふれあい祭り」の花火の打ち上げ場所にもなっている柳瀬川は、自然が残るのどかな風景が広がり魚を釣っている人やバーベキューを楽しむ人、犬の散歩をする人もいて、市民が日常的に集う場になっています。また、春には桜がとてもきれいです。

関越自動車道や外環道路の出入口にも近いので、車で市外へ出たり旅行に行く際のアクセスも便利です。和光や所沢、秋ヶ瀬には大型の公園があるのですが、車で走ればすぐに着きますので、子育てファミリーの週末の過ごし方の選択肢はたくさんあると思います。

こども政策係長 渡辺さん(左)こども政策係主事 田村さん(右)

新座市こども未来部こども支援課こども政策係

係長 渡辺潤子さん/主事 田村佳美さん
所在地:埼玉県新座市野火止1-1-1
電話番号:048-477-1111(代表)
URL:http://www.city.niiza.lg.jp
※この情報は2018(平成30)年9月時点のものです。

新座市こども未来部 こども支援課 こども政策係 係長 渡辺潤子さん 主事 田村佳美さん
所在地:埼玉県新座市野火止1-1-1 
電話番号:048-477-1111
開庁時間:8:30~17:15
休庁日:土・日曜日、祝日、年末年始
http://www.city.niiza.lg.jp/

スミレ幼稚園 小泉由美先生

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小田急線「南林間駅」から徒歩10分。「スミレ幼稚園」は、1951(昭和26)年に開園した歴史ある幼稚園だ。「学校法人聖トマ学園」が運営母体で、敷地内に教会を併設。カトリックの精神に基づき、思いやりと感謝の心を大切にした保育に取り組んでいる。主幹教諭である小泉由美先生に、同園の特長と周辺エリアについて伺った。

園児一人ひとりに寄り添う保育

園舎外観

――まずは園の概要について教えてください。

150名の園児が通っています。年少・年中・年長が2クラスずつで全6クラス。2015(平成27)年にホールの建て替えや保育室の改装を行い、耐震や防音の設備を整えました。エアコンや防犯カメラも設置し、より安心できる環境になりました。当園では小学校での集団行動を見据えて、クラスで共通の課題や活動に取り組む一斉保育を行っています。

ホールで輪になって踊る園児

――園児と接するにあたって心がけていることなどをお聞かせください。

それぞれの個性を大切に、園児一人ひとりに寄り添ってじっくり保育することを心がけています。そして、親御さんとのコミュニケーションを大事にしています。幼稚園の教育は、あくまでも家庭教育の補足ですから。毎日のお迎えの時に「今日はこんなことが出来たので褒めてあげてください」などしっかり情報を伝え、毎年の家庭訪問や年2回の面談を通して信頼関係を築いています。

特別カリキュラムと課外教室も充実

外遊びやお弁当など多目的に使える、ホール屋上の広場

――専門講師のついた特別カリキュラムを実施しているようですが、それぞれどのような内容かご紹介ください。

「モンテッソーリ教育」「体育」「お茶ごっこ」「神様のおはなし」の4つを用意し、保育時間内に行っています。「モンテッソーリ教育」は、カードやパズルなどの教具を使って個の力を伸ばすもので、「体育」は鉄棒やマット運動などの全身運動です。「お茶ごっこ」では裏千家の先生からおもてなしの心や作法を学び、「神様のおはなし」ではカトリック教会の司祭でもある園長先生から神様についての話を聴きます。

モンテッソーリ教育を受ける園児

――充実した課外教室についてもご紹介ください。

サッカー、体操、チアダンス、エンピツらんど、バレエと5種類あり、どれも人気があります。エンピツらんどは文字の読み書きや算数を楽しく学ぶものです。敷地内での移動には各教室の先生が付きそうので、親御さんが送迎する必要はありません。習い事はさせてあげたいけど送迎は難しいという親御さんには、大きなメリットでしょう。

未就園児の受け入れや育児相談も

複合遊具や砂場、ブランコなどがそろった広い園庭

――子育て支援の一環として未就園児の受け入れもされているそうですね。利用状況などを教えてください。

未就園児クラスは、1~2才児向けの「エンジェルルーム」と2~4才児向けの「スミレプレイルーム」の2つをご用意しています。どちらも希望者は多いのですが、できるだけ引き受けられるよう努めています。「エンジェルルーム」の内容は、手遊びや読み聞かせ。初回だけ500円の登録料がかかります。スミレ幼稚園への入園を決めていない方もご利用いただけます。「スミレプレイルーム」ではモンテッソーリ教育をはじめ、お絵描きや工作、運動などを行います。1回1,000円。11~3月はスミレ幼稚園に入園手続きをされた方を対象とした慣らし保育となりますが、5~10月は入園手続きをされていない方でもご利用いただけます。

先生の巧みな話術に引き込まれる園児

――無料で育児相談も受けていると聞きました。

はい。細やかな配慮が必要な悩みにも対応できるようにと、予約制の個別相談も設けていますが、実際は日常のちょっとした悩み相談が多いですね。未就園児クラスに通われているお子さんの親御さんを中心に、気軽にご相談いただいています。少しでもみなさんの不安解消につながればと思います。

園児の作品がいっぱいの教室

――預かり保育と園庭開放について教えてください。

朝7時半からの早朝保育と、降園後から18時半までの延長保育を行っています。お勤めの方に限らず、1時間250円で利用できます。火~金曜日は15時まで園庭を開放。保護者同士の交流の場として活用いただいています。

静かで治安の良いエリア

幼子イエスを抱く聖母マリア像

――最後に、園周辺の街の魅力について教えてください。

住宅地なのでとても静かですね。もちろん園児は元気いっぱいですが、ありがたいことにクレームなどはありません。近隣は昔から住んでいる方が多く、教会に通っていらっしゃる方もいるので、とても理解があるんです。学校も多く、治安の良い場所だと思います。よく園児を連れて行く「南林間中央公園」をはじめ、ターザンロープのある「南林間西北公園」など、子どもが楽しめる場所がたくさんあるのも魅力だと思います。

スミレ幼稚園

学校法人 聖トマ学園 スミレ幼稚園

小泉由美先生
所在地:神奈川県大和市南林間7-4-1
URL:http://sumile-k.sakura.ne.jp
※この情報は2018(平成30)年10月時点のものです。

スミレ幼稚園 小泉由美先生
所在地:神奈川県大和市南林間7-4-1 
電話番号:046-274-9222
教育時間:9:00~14:00(第1・3・5水曜日9:00~11:30)
預かり保育時間:7:30~8:45、降園~18:30
http://sumile-k.sakura.ne.jp/

東京都荒川区 子育て支援課 伊藤節子さん

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都心へのアクセスが良く、昔ながらの下町の風情が残る荒川区。近年、その暮らしやすさに熱い視線が注がれています。その中には共働きの夫婦など、出産や育児を考える若い世代も多いのが特徴です。今回は、荒川区子育て支援課の伊藤課長に、同区で力を入れて取り組んでいる子育て支援策や、周辺エリアの魅力について話を伺いました。

産後ケアや母子手帳アプリで支援

子育て支援課の伊藤さん

荒川区では、多様な保健サービスの提供や保育園の待機児童解消、在宅育児支援、学童クラブの整備など、これまでの取り組みのさらなる深化を図るため、2015(平成27)年3月に「荒川区子ども・子育て支援計画」を策定。「荒川区に住んで良かった」と思ってもらえるように、さまざまな施策を展開して、切れ目ない支援を重視し、妊娠期、出産時、子育て期と対象者に合ったサービスの提供を心がけているそうです。

イメージ

そんな荒川区が、現在特に力をいれている取り組みが、2017(平成29)年度から始めた産後ケア事業です。これは出産後、病院で授乳や沐浴の仕方、オムツの変え方、赤ちゃんへの接し方などを指導し、お母さんの不安を解消するもので、宿泊型と日帰り型の2種類があり、宿泊型は最大3泊4日、日帰り型は最大4日間、計8日間利用可能となっています。

これまでも病院独自の産後ケアはあったそうですが、高額な上に病院によって内容がまちまちでした。現在は費用の8割を区が負担してくれて、利用者の負担額は宿泊型でも一日当たり6,000円(税抜)となっています。

また、当初は初産婦のみ対象でしたが、2018年度からはすべての妊婦が対象となりました。経産婦は上の子の世話があって宿泊が難しい場合が多いため、日帰りも選べるようになっています。対象期間は妊娠8カ月目から産後4カ月未満までとなっています。

子育て支援課で配布している各種冊子

さらに、もうひとつ力を入れて取り組んでいるものが、2018(平成30)年11月から開始された母子手帳アプリです。妊娠週数や子どもの月齢といった利用者の状況に応じて、必要な手続きや支援制度などの情報を届けてくれます。予防接種のスケジュール管理や子どもの成長記録などにも使えて便利なアプリで、荒川区の公式サイトから、無料でダウンロードすることができます。

保育園が10年で倍増!待機児童の解消へ

荒川市役所

ソフト面だけでなく、ハード面も充実しています。区内には17カ所の「子育て交流サロン」があり、乳幼児親子がおもちゃや絵本が置いてあるフリースペースを、予約不要で無料で利用することができます。専任スタッフが常駐しているため安心して利用でき、育児相談も受け付けています。

荒川自然公園

近年、全国で問題となっている待機児童問題でも、荒川区はここ10年で保育園の数を倍増させ、定員を2,000人増加。保育園の建設にあたって住民から反対や否定的な意見はほとんどなかったそうです。

荒川区全体と尾久周辺エリアの魅力

喫茶店やラウンジなどを併設した「ゆいの森あらかわ」

最後に、周辺で親子にオススメのお出かけスポットを教えていただいたところ、2017(平成29)年3月にオープンした「ゆいの森あらかわ」を教えていただきました。幼児施設の機能も備えた中央図書館で、開館から1年5カ月で来館者が100万人を突破。3万冊もの絵本がそろっているほか、2時間1,000円で一時預かりも実施しているそうです。

また、尾久周辺では、祖父母と一緒に楽しめる遊園地として知られる「あらかわ遊園」がおすすめとのこと。2018(平成30)年12月から始まる工事で観覧車やメリーゴーラウンドが刷新される予定で、2020年のリニューアルオープンが今から楽しみです。「あらかわ子育て応援店」に認定されている飲食店や美容院、若いママに人気のカフェなどもたくさんあるそうなので、お気に入りのお店を見つけてみてはいかがでしょうか。

あらかわ遊園

荒川区子育て支援部

子育て支援部参事 子育て支援課長事務取扱 伊藤節子さん
所在地:荒川区荒川2-2-3
URL:https://www.city.arakawa.tokyo.jp/kosodate-kyoiku/index.html
※この情報は2018(平成30)年11月時点のものです。

東京都荒川区 子育て支援課 伊藤節子さん
所在地:東京都荒川区荒川2-2-3 
電話番号:03-3802-3111(代)
開庁時間:8:30~17:15
※水曜日は一部窓口の延長あり(祝日を除く〜19:00)
※第2・第4日曜日は9:00~12:00まで一部窓口を開設
休庁日:土・日曜日、祝日、年末年始
http://www.city.arakawa.tokyo.jp/

世田谷区立山野小学校 校長 大字弘一郎先生

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小田急小田原線「祖師ヶ谷大蔵」駅南口を出て、線路沿いを環八通りに向かって歩くこと数分。線路の南側に広大な敷地を持っている小学校が、世田谷区内でも屈指の大規模校である「世田谷区立山野小学校」だ。
この学校は環八通りから「祖師ヶ谷大蔵」駅周辺までの閑静な邸宅地を学区に持ち、創立はおよそ半世紀前の1963(昭和38)年。現在は老朽化した校舎の建て替えプロジェクトの真っ最中で、2016(平成28)年夏の着工、2018(平成30)年の竣工を目指して事業が進んでいる。
今回はこちらの校長先生を務められている大字弘一郎校長先生を訪ね、学校の特徴や新しい校舎のこと、地域の魅力などについて、幅広くお話を伺った。

世田谷区内屈指の大規模校

世田谷区立山野小学校

―― まず始めに「世田谷区立山野小学校」の概要、沿革について教えてください。

大字校長先生:本校は1963(昭和38)年の開校ですので、2016(平成28)年で52年目を迎えました。住宅地として開発されていく中で、世田谷通り近くの「世田谷区立砧小学校」から分かれて新しく本校を開校したと聞いています。およそ140年の歴史をもつ「世田谷区立砧小学校」に比べるとまだまだ、新しい学校ですね。

児童数は現在、923名が在籍しています。これは世田谷の小学校では3番目の規模で、児童数はここ数年、だいたい900名前後で推移しています。1学年が4から5クラスという規模です。また、現在新しい校舎の工事に入ろうという段階でして、2016(平成28)年4月からは一部仮校舎でのスタートになります。新しい校舎は2018(平成30)年4月に完成する予定です。

―― 学校目標や教育目標、その実現のための具体的な取り組みについて教えてください。

大字校長先生:教育目標としては、「やわらかく、まんまるく、のびやかに」ということで掲げています。「や・ま・の」ですね。これがそのまま「知・徳・体」に結びつく形になっています。これは、私が就任する前から続いている、本校の伝統的な目標です。

大字校長先生

本校が一番大切にしていること、それは「授業」です。児童には「とにかく授業をしっかりやろうね」ということをいつも伝えていますし、先生方についても、一方的に教えるような授業ではなく、子どもたちがお互いに学び合うような場面をたくさん設けよう、と「授業の質の向上」を心がけています。

もうひとつは「行事」ですね。本校には「3大フェスタ」という、非常に特徴的な3つの「フェスタ」があります。「スポーツフェスタ」「山野フェスタ」「ミュージックフェスタ」と呼んでいて、毎年、運動会、学芸会・展覧会、音楽会を開催しています。

これらの行事についても非常に熱心に取り組んでいまして、子どもたちも意欲的に参加しています。見に来られる保護者や地域の方々からも、とても評判がいいですね。『授業が「知」ならば、行事は「徳」を育てる』ことに重点を置きながら、授業も行事も楽しく取り組んでいます。

「体」ということだと、もちろん体育の授業や「スポーツフェスタ」もそのひとつですし、「食育朝会」という朝会を開催しているほど、「食育」に対して力を入れているのも特徴的かと思います。ほかにも、持久走や縄跳びなども熱心に行っており、知・徳・体をバランス良く育てることができるよう、一丸となって取り組んでいます。

子どもたちの背中を見て、学びを得る

子どもたちによる作品

――「3大フェスタ」は、子どもたちだけでなく、地域の方々や先生方も楽しみにされている行事なんですね。

大字校長先生:「スポーツフェスタ」は、1学期に開催していて、いわば運動会のようなものです。ただ、普通の学校の運動会には「演技」の種目があると思いますが、本校ではそのような種目は一切ありません。「競技」だけに特化しているんです。「時には思い切り競い合わせる場面も必要」という考えで「競技」のみに絞っています。

「競技」だけでなく、応援もまた、とても迫力のあるもので毎年圧倒されますね。競技は4色対抗で競い合いますが、それぞれが工夫を凝らした応援合戦を繰り広げています。競技で「優勝」があるように、応援でも「応援大賞」をとるために、子どもたちは頑張っています。

元気に運動する子どもたち

「山野フェスタ」というのは、2学期に開催しており、イメージとしては高校の文化祭に近いものです。小学校の学芸会というと、学年で1本の劇を発表するイメージだと思いますが、本校の場合は、3、4年生以上になると、1学年1演目ではなく、クラスと同じ数の演目を発表しますし、5、6年生になると、さらに学年全体を分解して、有志を集い、いろいろな演目をステージで発表します。

これは子どもの希望に応じて演目数を増やしていくので、5、6年生だけでも全部で数十の演目数になります。お笑いがあったり、バンドがあったり、演武があったり、まさに高校の文化祭ですね。本当にいろいろあるのですが、子どもたちが自分たちがやりたいものを、一生懸命に取り組むので、練習を見ていても日を追って上手になっていきます。そのような姿は、私たち教員も感銘を受けていますね。

「ミュージックフェスタ」は3学期に開催している音楽会で、これは5、6年生が中心に行っています。クラスごとに楽曲を選び、クラス全員で合奏をするのですが、3、4年生はその聞き役として、5、6年生に混じって参加します。これは3つのフェスタの中では一番新しいもので、5、6年前から始まったものです。今後も続けて、伝統行事にしていきたいですね。

地域に愛されているからこそ叶う、地域連携行事

子ども達の作品で飾られた登校口

―― 学校行事や地域行事、普段の授業の中でも、地域の方々との交流、連携を大切にしていらっっしゃるそうですが、どのような行事や交流があるのでしょうか?

大字校長先生:一番にご紹介したいのが、「山野てっぺんまつり」という地域のお祭りです。このお祭りは、本校を会場として開催されているお祭りです。地域の方に学校に集まっていただき、お店を出したり、地域サークル等の発表会を行ったりと、まさに「地域のお祭り」です。

2015(平成27)年は、「山野おやじネット」でバンドの演奏をしたり、PTAコーラスの発表があったり、町会の方々が、わた菓子のお店を出してくれたり、教員は焼きそばを焼いたり、と色とりどりの出し物が揃います。もちろん、子どもたちもたくさん参加しており、2015(平成27)年は、地域の方々も含めて、およそ2,200人の来場者がありました。

委員会活動の掲示

これ以外の地域行事についても、子どもたちは多く参加しています。その背景には、やはり本校が地域の方々に、とても愛されている学校で、普段から密接な関係を持っている、ということがあると思います。この地域ありきの本校ですね。

「地域の方が学校に来て下さる」という形だと、1ヵ月に1度、土曜日に開催している「てっぺん教室」が代表的なものです。また、1年生が入学してきた当初に、給食のお手伝いに来ていただいたり、月曜日の朝には町会の方が、10のつく日には保護者の方が通学路に立ち子どもたちの投稿を見守って下さったり、さらに、日常的に「わんわんパトロール」が行われていたりと、いろいろな方がいろいろな形で子どもたちを見守ってくださっています。

逆に、子どもが地域の行事に参加するということについては、地域のお祭りで子どもたちが「山野太鼓」を披露したり、合唱団が地域の行事に参加して合唱を披露したり、というものが代表的なところでしょうか。

―― お話に出てきた「てっぺん教室」とは何でしょうか?

大字校長先生:これは、およそ1ヵ月に1度、土曜日に開催している自由参加の講座で、地域の方に講師に入っていただき、普段の授業では経験できないことに取り組んでいます。例えば将棋、折り紙、スポーツ鬼ごっこ、墨絵、英語、かるた、ダンス、ヨガ、体操など。本当にいろいろありますよ。夏休みなどは教員も講師として講座を開きます。私は体育が専門なので、ミニバスケットや卓球の講師をやっています。

地域運営学校の取り組みが生み出した成果

授業風景

―― 世田谷区では地域が学校の運営をサポートする「地域運営学校」という取り組みが進められていますが、「世田谷区立山野小学校」ではどのような実践がされていますか?

大字校長先生:世田谷区はすべての小中学校が「地域運営学校」となっていますが、本校はもともと、地域との連携がとても濃い学校で、区の中でも地域連携活動が充実している学校のひとつかな、と思っています。

先ほどの「てっぺんまつり」や「てっぺん教室」をはじめ、学校に泊まる体験をする「山野キャンプ」や、授業に地域の方が入ってくださる「ふれあい寺子屋」など、これらすべてを地域の協力のもとで行っています。これほど充実した活動をしている学校は、区内でもそれほど多くないと思います。

こういった連携活動を仕切る「地域運営委員会」については、毎月1回のペースで開いており、さらに年3回、その裾野をさらに広げた「学校協議会」という、地域の26の団体が参加する委員会も開いています。そういう場面で、企画中のプロジェクトのお願いを呼びかけたり、お互いの情報共有をしながら、活動を進めています。

現校舎と仮校舎

――「地域運営学校」になって6年になりますが、どのような変化を感じていますか?

大字校長先生:私は着任1年目なので、そこまで詳しくお話できませんが、長く務めている副校長に聞いてみたところ、連携プロジェクトがとても充実してきたこと、また地域の方々の間に「学校に負担をかけないようにしよう」という意識が年々強まってきている、ということを話していました。

地域の方が「先生たちは先生たちの仕事を頑張ってほしい」と、できるだけ自分たちの手で、いろいろなことを進めていこうとしてくださっているんですね。学校としては非常に助かっていますし、本当に素晴らしい地域の方々に恵まれていると日々感じています。

先日、現在の6年生に学力調査を行ったところ、「学校が楽しい」と答えた子どもが、何と96.6%もいました。これはすごいことですよ。地域と学校が一体になって活動してきた成果が、このような形で表れ、教員一同大変嬉しく思っています。今後も、お互い支え合いながら取り組んでいきたいと思います。

卒業しても、大人になっても、一生続くような教育を

真剣に授業を受ける子どもたち

―― 日頃、先生方が大事にしていることは何でしょうか?

大字校長先生:私から教職員にお願いしているのは、「できるだけその子をありのままに受け止めようね」ということです。それが子どもたちを育てるうえで、第一段階だと思っています。ありのままに受け止めれば、その子の良さも見えてきますし、その子も「大切にされている」と思うので、とても自己肯定感が高まります。なので、それをまず第一に考え、取り組んでいますね。

もうひとつは、6年間だけの関係ではない、「卒業しても、大人になっても、一生続くような教育をしよう」ということも伝えています。表現には例えを使っていますが、そういう気概を持って、本気で子どもと向き合おう、ということが根底にあります。

まずは子どもに寄り添って、その子のいいところを見つけて、肯定的に言葉がけをする。そして、悪いところを見つけて怒るのではなく、いいところを見つけて褒めてあげる。そこが一番大事にしているところです。

「山野の教育活動を生かせる」新校舎を目指す

現校舎の模型

―― 新校舎はいつごろ、どんな校舎が完成するのでしょうか?

大字校長先生:いま(平成28年1月)、ちょうど校庭に仮設校舎が建ったところですが、4月にこの仮設校舎に引っ越しをして、引っ越しが終わると校舎の取り壊しが始まります。その後は、2016(平成28)年の夏以降に新校舎の建築が、2018(平成30)年の4月に新校舎での授業が始まる予定です。

新校舎の一番のポリシーは、「山野の教育活動を生かせる」ということを考えています。たとえば、「3大フェスタ」が充実するような校舎という意味では、新たに「小ホール」という場所をつくって、いろいろな発表の場として活用できるようにし、体育館も校舎の2階に建設し、どの教室からもアクセスしやすい造りになります。当然収容人数も増えますので、行事はもちろん、全校集会や式典などでも、余裕ができてくると思います。

子どもたちのポーズが描かれた廊下

全体像としては、旧校舎は「コの字型」の3階建てだったのですが、新しい校舎はL字型の4階建て校舎になります。今よりも、もっと広くなりますし、校庭も今までよりも広く取れるようになります。教室数も26から34に8クラス分増えますので、今後の人口増にも十分に対応できるはずです。

ほかには、プールが屋上に移ってより安全なものになりますし、屋上の広場も旧校舎のものよりも広いスペースが取られて、鬼ごっこをしたり、縄跳びをしたり、集会をしたりと、いろんなことに使ってもらえるかと思います。

―― 今の校舎の取り壊しが迫っていますが、思い出づくりの活動もいろいろとされているようですね。

大字校長先生:そうですね。学校運営委員会の方が中心になってくださって、本校の代表委員会と一緒に、「思い出プロジェクト」というものを進めているところです。これは、子どもたち全員が、自分のいろんなポーズの人型を、いろんなところに書いて、それを残していこうというプロジェクトです。一人ひとりの姿を校舎に残して、その様子を写真に撮って、アルバム作りをしています。

思い思いのポーズを残す子どもたち

3月には校舎のお別れ会も開催する予定でして、この時には歴代の校長先生にも来てもらったり、各学年の代表にお別れの言葉を発表してもらったり、思い出プロジェクトのスライドショーを流したり、代表委員会を中心に、いろいろ企画を練っているようです。引っ越しが終わった4月の最初の週末あたりには、地域の方々や卒業生に来ていただく機会も持とうと企画しています。

地域行事も盛りだくさん!子育てにピッタリの砧エリア

砧公園

―― 砧エリアの魅力についてお聞かせください!

大字校長先生:この辺りは公園や運動場など、とても広い場所が多く、緑も多いのが印象的ですね。そういった面は特に素晴らしいと感じています。 それから、暮らす方々も落ち着いた、穏やかな雰囲気の方が多いと思います。子どもも穏やかな子が多いですね。それでいて、地域行事が非常に多いという点も魅力ではないでしょうか。特に子育てをする年代の方々にとっては、とても良い環境が整った地域だと思います。

―― 最後に、校長先生の個人的なお気に入りスポットがあれば教えてください!

大字校長先生:「砧公園」や「大蔵運動場」はもちろんですが、私自身、昔ウルトラマンの大ファンだったので、祖師谷大蔵の「ウルトラマン商店街」を推したいですね。今でも行くとワクワクします。活気もあって素晴らしい商店街だと思います。

ウルトラマン商店街

 

世田谷区立山野小学校

世田谷区立山野小学校 校長 大字弘一郎先生
所在地 : 東京都世田谷区砧6-7-1
TEL : 03-3417-3322
URL:http://school.setagaya.ed.jp/yano/
ブログ:http://school.setagaya.ed.jp/weblog/index.php?id=yano
※この情報は2016(平成28)年2月時点のものです。

世田谷区立山野小学校 校長 大字弘一郎先生
所在地:東京都世田谷区砧6-7-1 
電話番号:03-3417-3322
http://school.setagaya.ed.jp/yano/

海老名市立海老名小学校 校長 谷川利恵子先生

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「海老名小学校」は市内で2番目に古い歴史のある学校で、2019年に110周年を迎えます。校庭中央部分にそびえ立つ銀杏の木は、1909(明治42)年11月1日の開校前からすでにあったといいます。今回は、その銀杏の木が黄色をまとった黄葉の時期に学校に伺い、このシンボルツリーにまつわるエピソードや、同校の歴史や校風、地域との関りなどについて谷川校長にお話を伺いました。

今回お話を伺った谷川校長先生

学校の歩みとシンボルツリー

――「海老名小学校」は、来年で110周年を迎えられるそうですね。まずは、学校の歴史から聞かせてください。

谷川校長先生:本校は1909(明治42)年11月1日に開校しました。市内には13もの小学校がありますが、本校は「有馬小学校」に次いで2番目に古い学校です。そうした歴史を象徴するシンボルのひとつが、創立前からすでにあった校庭の銀杏の木です。我々にとって特別な存在で、本校に勤務していた教員が「いちょうの木」という曲を作曲したくらいです。

歴史ある伝統校「海老名小学校」

また、今年度から10月の2週間を「いちょうウィーク」とし、銀杏を題材にした取り組みを始めました。例えば、図工の時間では絵画に取り組んだり、国語では俳句づくりに取り組んだりして、校内に展示しました。さらに開校記念日前日の10月31日は、開校当時にチャイム代わりに使用していた鐘を銀杏の木につるし、6年生がそれを鳴らすというのが習わしです。この鐘の涼やかな音色に耳を傾ける子どもたちの様子は、本校の築き上げてきた伝統と歴史そのものであるように感じます。

銀杏につるされた鐘

――学校の歴史もさることながら、周辺には史跡が点在しています。

谷川校長先生:そうですね。「相模国分寺跡」や「国分尼寺跡」など数多くの史跡があります。一方で、「海老名」駅前の開発事業によって高層マンションや大型ショッピングセンターが完成し、“歴史と未来への開発”が共存する学区となっています。そうした開発に伴い児童数も増え、現在は900名を超えています。

 

コミュニケーションを大切に。勉学も課外活動も協力して取り組む校風。

――教育目標と目指す学校像についても聞かせてください。

谷川校長先生:教育目標は、“生命を尊び、創造と協力の喜びを知り、心身ともに健康で調和のとれた児童に育てる”です。目指す学校像としては“笑顔輝く学校”と“喜んで登校 満足して下校“を掲げ、“明るく、思いやりのある子”、“深く考える子”、“強くたくましい子”の育成を目指しています。児童数は多いのですが、一人ひとりに目を配り、“全教職員は全児童の担任”という意識で接するようにしています。

教室の様子

――生徒さんの印象はいかがですか?

谷川校長先生:落ち着きがあり、学習面だけでなく委員会・係活動などでも頑張って努力し、皆で力を合わせることに喜びを感じている子どもが多いように思います。挨拶についても、地域の方から“立ち止まって挨拶をしてくれましたよ”などと、嬉しい言葉をいただく機会も増えました。

力を合わせる子どもたち

――児童数が増えているそうですが、学校としてどのような対応をされているのですか?

谷川校長先生:例えば校庭ですが――児童数に見合った規模ではないのですが――昼休みに時間差を設けたり、朝会を2回に分けたりして対応しています。工夫すれば大きな問題ではなく、むしろ“工夫する”という姿勢が、子どもたちにも良い影響を与えているような気がします。

授業風景

――特に力を入れていることや、特徴的な取り組みなどありましたら教えてください。

谷川校長先生:教職員の研究教科として、昨年度から“特別の教科 道徳”を取り上げ、豊かな心を育むためのより良い指導法を追究しています。それ以外では、言語活動によって意思の疎通を図る“伝え合い”も大切にし、聴く・伝える力を育てたいと考えています。

特徴的な取り組みとしては、5・6年生で構成される鼓笛隊ですね。運動会、集会活動、授業参観などの機会に、保護者や地域の方々に披露しています。鼓笛隊では6年生と5年生がペアを組み、6年生は技術だけでなく礼儀や言葉遣いなどについても、責任を持って後輩に伝えています。

“地域に開かれた学校づくり”を推進

――家庭や地域との関りについてはいかがでしょう?

谷川校長先生:学校・家庭・地域が連携し、地域全体で子どもを育てようという「学校運営協議会」を設置しました。まだスタートしたばかりですが。学校評議員の会や、学校応援団、学校支援ボランティアグループ、PTA、自治会、教職員たちが委員となり、子どもたちの健やかな成長を願って活動しています。

廊下

――お父さんが中心の「パパパワーズ」というボランティアグループがあるそうですね。

谷川校長先生:2007(平成19)年に発足した組織で、“楽しみながら、気軽に学校に行こう”をモットーに、様々なシーンでお手伝いをいただいています。運動会のパトロールとテント・物品の片付け、10月に行われるPTA主催の「ふれあいフェスタ」のドッジボールコーナーでは、子どもと一緒にプレーしてくださることも――。また、6年生へのキャリア教育での講話や、「親子餅つき大会」の企画運営も担ってくださっています。

海老名小学校周辺の様子

――最後に、「海老名小学校」周辺の魅力について教えてください。

谷川校長先生:発展しつづける駅周辺のような光景がある一方で、史跡や史跡公園など市民が憩う場所も身近にあります。また、本校のすぐ隣には「海老名中学校」があり、吹奏楽部が演奏に来てくれるなど、本校の児童にとって憧れの先輩が身近という環境も大変恵まれていると思います。そしてなにより、本校と本校の子どもたちを温かく見守ってくれる保護者と地域の方々がいるということではないかなと思います。

谷川校長先生

海老名市立海老名小学校

校長:谷川利恵子先生
所在地:神奈川県海老名市国分寺南3-12-3
電話番号:046-231-2019
URL:http://www.ebinasyo.edu.city.ebina.kanagawa.jp/
※この情報は2018(平成30)年11月時点のものです。

海老名市立海老名小学校 校長 谷川利恵子先生
所在地:神奈川県海老名市国分南3-12-3 
電話番号:046-231-2019
http://www.ebinasyo.edu.city.ebina.kanag..


市川市立真間小学校 校長 石塚浩先生

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京成「市川真間」駅より徒歩およそ10分の閑静な住宅地に位置する「市川市立真間(まま)小学校」。開校より80余年を迎える歴史ある学校で、落ち着いた雰囲気のなかでおよそ580名の子どもたちがともに学校生活を送っている。学区内には「真間山弘法寺(ままさんぐほうじ)」や「手児奈霊堂(てこなれいどう)」など、万葉の時代から受け継がれてきた歴史や文化について触れられる場所もあり、地域とのつながりも身近に感じられる特色ある環境だ。
2018(平成30)年4月に着任したばかりの石塚浩校長先生を訪ね、真間小学校の印象や地域の魅力についてお話を伺った。

市川市立真間小学校

開校より84年目を迎える歴史ある「真間小学校」

市川市立真間小学校 石塚 浩 校長先生

――まず学校の沿革・概要について教えてください。

1933(昭和8)年に現在の「市川小学校」の第二校舎として設立されたのがはじまりです。翌9年に「真間尋常小学校」として独立し、今年で84年目を迎えます。
学校の規模としては市内では標準的ないわゆる中規模校で、児童数はおおむね581名(2018年5月現在)です。ひと学年3学級の計18学級と特別支援学級あすなろが2学級ありますので、全部で20学級になります。

廊下には真間小学校や地域の歴史を伝えるギャラリーがある

ここ数年の児童数の推移としては、市内の辺縁部にある学校は減少傾向にあるものの、JR、京成それぞれの沿線地域は新しいマンションの開発などで若い世帯が転入してきていますので、比較的安定していると思います。
また市川市には学区域以外の学校でも通学できる「指定学校の変更」というシステムがあり、その制度を利用して本校に通うお子さんが多くいらっしゃるのも児童数が安定している要因のひとつかと思われます。

――指定学校の変更とは?

市川市では学区が隣接している地域にお住まいの方で、お子さんの通学に負担が無く、なおかつ受け入れ先の学校で対応が可能であれば、学区域以外のお子さんも受け入れていきましょうという弾力的な学区の運用が行われています。
これはいわゆる学校選択制というものではなくて、あくまでお子さんやご家族の負担の軽減や、特別な理由がある場合に認められる制度です。近年は地域で子どもを育てるという視点から学区の弾力的な運用について見直されつつあるようです。

校内には通学路の安全マップの掲示もあり、防犯意識の高さがうかがえる

思いやりの気持ちを育む縦割りの活動に重点を置いて

――力を入れている取り組みや学校の特色を教えてください。

特色ある取り組みのひとつとして、1~6年生の縦割りの活動を行っています。これまでも縦割りで遠足に行くなど年に数回の取り組みとしてはあったようですが、今年度からは月に一回、異なる学年の子どもたちがグループを作って一緒に遊べるような機会を設けましょうと先生方から提案が上がってきています。
教育目標のめざす子どもの姿にも「思いやりのある子ども(やさしく)」とありますが、今年度は縦割りの活動に重点を置いた取り組みを考えているところです。

里見公園

先日も片道2kmほどある「里見公園」まで40分くらいかけてみんなで歩いて行ってきました。低学年の子どもはお兄さん、お姉さんに見守られるなかで感謝や憧れの気持ちを抱き、高学年の子どもは小さい子たちの面倒をみることで高学年としての自覚が芽生えるなど、思いやりの気持ちを育てることにつながっています。

地域の活動の場として活用される校内の「ゆとろぎ相談室」

――地域とのかかわりについてお聞かせください。

学校と地域とのかかわりについてはお話すべきことがたくさんあります。まず真間地区には公民館が無いため、伝統的に本校の2階にある「ゆとろぎ相談室」を開放して社会福祉協議会の活動にご利用いただいています。
「ゆとろぎ相談室」とは、「ゆとり」と「くつろぎ」を合わせた市川市ならではの造語で、市内の小学校すべてに設置されています。

本校の「ゆとろぎ相談室」には畳が敷いてあり、その畳が好評でして、月に一度、赤ちゃんのいる地域のママさんたちが集まることのできる場となっています。いずれも地元の社会福祉協議会が主催する取り組みなのですが、お年寄りを対象とした健康体操や太極拳も行われています。校内でこのような地域の活動が行われていることからも地域とのつながりの深さが感じられます。

畳が敷かれた「ゆとろぎ相談室」

地域のイベントに参加し「真間の手児奈」の歌を披露

――地域の行事やイベントに関する取り組みはいかがでしょうか?

万葉集にも謳われているところなのですが、学校の北側にある真間の手児奈はご存知でしょうか。詳しい内容については「手児奈霊堂」のHPにもその由来が記されておりますが、「真間山弘法寺」と並んでこの地域の歴史を知る重要な手がかりです。
校長に着任してすぐの4月29日(日)に「手児奈霊堂」に隣接する「真間稲荷神社」で真間の手児奈に関する史蹟まつりがありますので、例年、真間小の子どもたちにも参加してもらいたいという地域からのご要望があって、6年生を対象に募集したところ18名の有志が集まり、「史跡まつり」に参加させていただきました。

手児奈霊神堂

私も参加させていただいたのですが、午前中は「真間史跡保存会」主催の短歌や俳句、川柳の発表と表彰があって、午後からは勇壮な手児奈太鼓をはじめさまざまな文化的イベントが行われました。
本校の児童は、作詞家であり同窓会の顧問をされている方が作詞した『真間の手児奈』の歌を披露しました。また地域の方を前に自分の好きな和歌を詠むコーナーもあり、貴重な体験になったと思います。なかには映画でも有名になった『ちはやぶる~』の句を選んだ男の子もいましたよ。

地域とともに学校づくりに取り組むコミュニティ・スクールとしての姿

――学校運営における地域や保護者のかかわりは?

一方、日々の学校運営における地域や保護者の皆さまとのかかわりも深く、たとえば「たねまき」という保護者によるボランティアサークルがあり、朝の15分間くらいの時間を利用して月に何回か子どもたちのために読み聞かせをしていただいています。
また先ほどの「ゆとろぎ相談室」には、一週間のうち半分くらいの頻度ですが、ゆとろぎ相談員(ライフカウンセラー)と呼ばれる地域の方に来ていただいて、子どもたちの話し相手になってもらったり、一緒に遊んでもらったりしています。さらにクラブ活動でも、手品やお茶の先生に来ていただいたり、グラウンド・ゴルフでも地域の方にお手伝いただいたりしています。

たくさんの地域の方々が学校運営をサポートしてくださっている

市川市では、地域とともに学校づくりに取り組むいわゆる市川版コミュニティ・スクールとしての学校運営が早い段階から進められており、本校においても地域の代表や自治会の方などにお集まりいただいて、学校の取り組みを紹介したり地域の情報交換をする場があるなど、地域のなかで大切に見守られている学校なんだなというのを実感します。

「おはようございます」と丁寧に挨拶をする真間の子どもたち

――真間の地域の特徴や魅力をお聞かせください。

これは学校だけの取り組みによるものではなく、ご家庭や地域性とも大いに関わる部分だと思うのですが、毎朝校門の前で子どもたちに「おはよう」と声をかけていたら、元気な声で挨拶が返ってくるのはもちろん、目と目をちゃんと合わせて挨拶できる子が多いことに気づきました。私の目の前まで来ていったん立ち止まり、「おはようございます」と丁寧にお辞儀をしていくお子さんがいるんです。
これこそまさしく真間の地域性をあらわしているのではないかなと思うんです。何といいますか、心の豊かな家庭で育っているお子さんが多いのかなと感じる瞬間です。

図書館で過ごす子どもたち

真間の魅力は他にも、駅から歩いて10分ほどの地域にもかかわらず、ちょっと歩けば緑の豊かな公園があり、そして歴史的・文化的な施設も多いので、子育てをする環境としてとっても恵まれていると思います。

また3世代でお住まいの方も多いこのエリアは昔からの地域のつながりを大切にされている方々が多く、新しくお見えになった方々との関係も良いと伺っています。
開発によってできた新しい街ではなく、古くから集落があり何世代にもわたって生活が営まれてきた場所なので、昔からの良さが今もなお残っているのが市川真間の特色だと思いますね。

地域の方々と一緒になって子どもたちを育てていきたい

――今後の取り組みについてお聞かせください。

今後の取り組みにつきましては、本校の特色として触れた縦割りの活動は子どもたちのつながりを育むという意味でも非常に大切で、継続的にやっていきたいと思っています。
実はこれも校門に立って挨拶をしていたときに目にした光景なんですが、小学生と中学生が声をかけ合っているのを見かけたので、その児童に話を聞いてみたら「1年生のときにペアだったお姉さんだよ」と。今は一人っ子のご家庭も多く、子どもたち同士の縦のつながりがなかなか持てないので、縦割りの活動がこういった関係を築くのは非常に良いことだなと思います。
また地域との関わりの部分では、真間には教育資産と呼べる歴史的、文化的に価値のある場所がたくさんあるので、そのような点からも地域との関わりを深めていきたいなと考えています。

教室の様子

「なぜ都からはるか遠く離れた手児奈の話が広まったのか」このような疑問をもった子は、おそらく国府があったと推定される場所との関係性もそうでしょうし、真間の手児奈を通じて何世代にもわたって大切にされてきた歴史ある地域だということに自然と気づいてくれるものと思います。
子どもたちにはこのような歴史や文化に触れることを通じて、自分の育った地域、ふるさとを大切に思える子どもになって欲しいなと思います。

先日も「史蹟まつり」に行ったときに、短歌や俳句の先生ともお話する機会があり、今後ゲストティーチャーとして関わってくださるというようなお話もいただいております。これからもたくさんの方々に関わっていただいて、地域の皆さまと一緒になって子どもたちを育てていけたらと思っています。

市川市立真間小学校

市川市立真間小学校

校長:石塚 浩 先生
所在地:市川市真間4-1-1
URL:http://www.mama-syo.ichikawa-school.ed.jp
※この情報は2018(平成30)年5月時点のものです。

市川市立真間小学校 校長 石塚浩先生
所在地:千葉県市川市真間4-1-1 
電話番号:047-372-4726
http://www.mama-syo.ichikawa-school.ed.j..

スペシャルインタビュー/葛飾区子育て支援部育成課長 柏原正彦さん

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下町の風情が今なお残り、人と人とのつながりも感じられる葛飾区。昨今は再開発に伴い利便性の高い商業施設やマンションの開発等も進み、子育てファミリーの注目を集めています。保育園の整備をはじめ、子育て支援策に早くから取り組み、子育てしやすい街としてのイメージのある葛飾区ですが、平成29年度から葛飾区版ネウボラ「ゆりかご葛飾」という事業もはじまり、ますます充実する子育て支援に期待が高まっています。今回は葛飾区子育て支援部育成課長の柏原正彦さんに、区の子育て支援策と今後の取り組みについてお話を伺いました。

保育園の整備が奏功し、子育てしやすい街として知られる葛飾区

――葛飾区の子育て事情について、待機児童の現状についてもお聞かせください。

柏原さん:葛飾区は比較的早い段階から保育園の整備を進めてきたこともあり、保育園に入りやすい地域というイメージがあって、子育てしやすい街として知られています。

葛飾区役所

待機児童数については、一時、葛飾区全体でどのエリアでも待機児童が多い時期はあったのですが、今はだいぶ落ち着いてきています。葛飾区を4つの生活圏域で捉えた東部・西部・南部・北部で分けた場合の、西部に位置する「お花茶屋」駅周辺の状況を見てもだいぶ落ち着いてきていると言えると思います。

葛飾区独自のデザインケースに入れた「マタニティパス」の交付

――葛飾区の子育て支援策について具体的に教えてください。

柏原さん:妊娠期から出産、子どもが就学するまでの切れ目の無い子育て支援を行うネウボラという言葉を聞いたことがある方も増えてきているかと思います。葛飾区版のネウボラ事業も平成29年度からはじまり、「ゆりかご葛飾」という名称で事業を展開しています。これまでも乳幼児を対象とした事業、妊婦さんを支援する事業と言うのはそれぞれあったのですが、ネウボラとして系統立てて再編したのは昨年のことで、今まさに葛飾区の子育てを象徴する取り組みです。

具体的な子育て支援策としては、まず母子手帳をお渡しする際に「マタニティパス」交付があります。交通系ICカードに区が5,500円をチャージして、お渡ししています。妊娠すると体調の変化や不安などから外出する機会が少なくなったり、妊娠後期になると自転車も利用できなくなるため、健診に行くときなどにも役立てていただければという外出支援を目的に、オリジナルデザインのケースと一緒にお渡しします。

モンチッチがデザインされた「マタニティパス」ケース

このケースは葛飾区独自のもので、描かれているモンチッチは実は新小岩が発祥の地なんです。葛飾区には他にも全国的に有名なキャラクターが多数いますが、マタニティのピンクに合うキャラクターでなおかつ今の子育て世代にぴったりという点でモンチッチを採用しました。

子育てに関する話やアドバイスを聞ける「ゆりかご面接」

――支援策の一つ、「ゆりかご面接」とは?

柏原さん:葛飾区では母子手帳を交付した後に「ゆりかご面接」を行っています。子育てについて悩みを相談していただいたり、今後こういったことに気をつけていきましょうねといったアドバイスを受けていただいた方に「妊娠子育て応援券(1万円分)」を郵送で交付しています。面接は助産師や保健師、看護師といった知識的にも経験的にもしっかりした方が対応していて安心ですよ。

「ゆりかご面接」を実施している場所は、区役所のほか青戸・金町・新小岩・水元の4ヵ所の保健センターと、児童館のなかでも基幹型児童館として位置づけられている7ヵ所の児童館で行っていて、基本的にはお電話でご予約をいただき日程調整したうえでお受けいただいています。「お花茶屋」駅の近くは「小菅児童館」や「青戸保健センター」もあるのですが、区役所も近いので、ぜひ新館4階の育成課までお越しください。区役所の向かいには「葛飾赤十字産院」があるので、そこで診断を受けてからその足で育成課にいらっしゃる方も多く、午後5時まで窓口にて対応しています。また基幹型児童館は土日も対応しているので、平日にお勤めをされている方はそちらもご検討ください。

葛飾区役所のそばにある「葛飾赤十字産院」

自転車のある生活が主流の葛飾区ならではの「三人乗り自転車購入費助成」

――特色ある支援策だと感じた、三人乗り自転車の購入費助成とは?

柏原さん:一時は全国的に実施された支援策だったのですが、三人乗り自転車の購入費助成を行っているのは、東京23区内では葛飾区のみです。葛飾区は自転車が利用しやすいフラットな地形で、自転車を主流にしたライフスタイルが確立されているんです。区役所に勤める職員も区内居住率が高く、通勤も自転車が主流ですね。また三人乗り自転車を対象としたのは、多子世帯を支援しようという区長の考えもありました。他の自治体ではあまりやっていない葛飾区ならではの特色ある子育て支援策だと思います。対象品目も一部拡充をして、ヘルメットの購入やバッテリーの追加購入もできるので、ぜひご活用ください。

またこの助成制度が生かされる地域の特性として、区内にある46もの自転車屋さんの存在があります。小学校で交通安全講習会を開いてくださったり、無料の点検をしてくれたりする「東京都自転車商協組合加盟店」に加盟するお店での購入を前提としているため、地域経済の活性化はもちろん、下町ならではの人と人とのつながりも育める葛飾区ならではの取り組みです。良い意味でのおせっかいな葛飾らしい人情のあるお付き合いができれば良いのかなとも思います。

お花茶屋には商店街もあり人とのつながりが感じられる街

区内初となる子育て支援拠点施設の整備に着手

――今後の新しい子育て支援の取り組みについて教えてください。

柏原さん:葛飾区では、今まさに児童館の機能と役割が変わっている転換期で、子育て支援拠点施設の整備を進めていく予定です。お花茶屋からは少し距離がありますが、「細田児童館」そばの都営住宅建て替えに伴い、およそ2,200平米の土地を区が借り受けるかたちで、保育園と児童館の機能を再編した葛飾区で初となる子育て支援拠点施設の整備を進めていくことになりました。年齢別活動の充実や乳幼児検診・児童生徒の健全育成に取り組むほか、地域の子育て力向上のため、保育園での交流もできるように考えています。妊娠期から出産後まで総合的に子育てを支援していける複合的な施設展開を検討しており、7月の後半から工事に着手します。

現在、区内に7ヵ所基幹児童館として位置づけられている児童館があるのですが、改築するタイミングで子育て支援拠点施設化していくことを検討しており、細田をモデルケースに地域ごとの特性なども考慮しながら、よりいっそう利用しやすい子育て支援の拠点づくりを進めていきます。

今回お話をうかがった、育成課長 柏原さん

柏原さん:また、小学生が放課後ものびのびと過ごせる場所の整備にも取り組んでいます。朝、学校に登校し帰宅するまで、学校の中で安全に過ごしましょうという考えに基づくもので、放課後も学校にいることで、大人の目もあるし友達も多いので安全ではないかと。子育てしやすい街として認知され児童数も増えているので、新たな試みも必要になってきています。

春の桜と夏の水遊びはお花茶屋ならではの光景

――「お花茶屋」駅周辺や葛飾区内で子育て環境として魅力的だと感じる場所、施設を教えてください。

柏原さん:夏の時期は「曳舟川親水公園」ですね。四つ木の方まで1kmくらい続いており、水辺を散策したり水遊びができる場所があるんです。週末になると小さい子どもとその親御さんがいっぱい集まって、楽しそうに水遊びをしています。春は桜がきれいで花見客も多く、この地域ならではの光景かなと思います。親水公園として整備されたのは20年以上前のことで、私も子どもに浮き輪を持たせて一緒に遊びに行った記憶があります。

水遊びもできる「曳舟川親水公園」

「お花茶屋」駅を北上して徒歩10分くらいのところにある「葛飾区郷土と天文の博物館」もいいですね。全国的にも数少ない生解説のあるプラネタリウムとして知られています。「今日はあいにくの雨ですが、プラネタリムのなかは満点の星空です」など、当日のお客さんの年齢層や男女比、季節やその日の天気によって解説が変わる特色ある施設です。

私自身もこの地域に長く住んでいるのですが、葛飾区は子育てに適した場所だと思いますよ。長く住めば住むほど良さに気づきます。

育成課長 柏原さん

葛飾区 子育て支援部

育成課長 柏原 正彦さん
所在地:〒124-0012 葛飾区立石5-13-1
電話番号:03-5654-8297
URL:http://www.city.katsushika.lg.jp/index.html
※この情報は2018(平成30)年7月時点のものです。

スペシャルインタビュー/葛飾区子育て支援部育成課長 柏原正彦さん
所在地:東京都葛飾区立石5-13-1 
電話番号:03-3695-1111
窓口受付時間:8:30~17:00 ※水曜日は一部業務のみ19:30まで開庁
閉庁日:土・日曜日、祝日、年末年始 ※毎月1回日曜日は一部業務のみ開庁(9:00~12:00)
http://www.city.katsushika.lg.jp/

葛飾区双葉保育園 園長 佐々木裕子さん

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京成本線「お花茶屋」駅から徒歩で5分ほど。東堀切1丁目の住宅街にある「葛飾区双葉保育園」は、この地にすでに半世紀年以上も親しまれている、地域に密着した保育園だ。歴史のある園ながら、2014(平成26)年に園舎の建て替えが行われたばかりで、園舎と園庭はピカピカ。広く明るい園舎では、現在88人の子どもたちが日々を楽しく過ごしている。今回はこちらで園長を務められている佐々木裕子先生を訪ね、園の特徴と地域の魅力をうかがった。

――まず、保育園の歴史と概要について教えてください。

佐々木先生:この双葉保育園は、1961(昭和36)年に認可が下りた園で、今年で57年目になります。区内でも長い歴史がある保育園のひとつですね。最初からこの場所にあった園ですが、当時は都営住宅の一角を使っており、老朽化により建て替えることになったんです。その後は3年くらいの間、近くの仮園舎で過ごしまして、新しくできたこの保育園に戻ってきました。都営住宅の跡をぜんぶ保育園にしましたので、とても広々しているのが特徴です。

2014(平成26)年に建て替えが完了した園舎

新しい園舎になり耐震面が強化され、今のところ、葛飾区内では最新の設備が整っている園になるかと思います。バリアフリーに対応していて、エレベーターや広い階段もありますし、トイレにはピクトグラムを使うなど、ユニバーサルデザインにも配慮しています。

「誰でもトイレ」が備わっている

規模については、公立の保育園としては小規模な保育園で、現在88名のお友達が通っています。「ひとりひとりの気持ちを受け止めて、家庭的で行き届いた保育をする」ということを心がけており、そのために、「クラス」や「担任」はありますが、担任する子どもたちだけではなくて、その日に関わったすべてのお子さんの様子を、お迎えに来た時に、保護者の方にお伝えできるように心がけています。

また、「身近な自然のいとなみにふれる」ということも大事にしていまして、カメ、メダカ、ウーパールーパーといった小動物を飼って、子どもたちがお世話もしています。カブトムシとクワガタムシについては、卵から成虫になるまでを年長さんが代々受け継いでお世話をしています。植物についても、園舎のまわりで野菜やお花をたくさん育てていまして、子どもたちが水をあげたり、雑草を抜いたりしてお世話をし、収穫したものはおうちに持って帰って家族と一緒に味わってもらっています。

工作あそび

――保育方針、特徴的なプログラムや行事などがあれば教えてください。

佐々木先生:まず、「近くに公園がたくさんある」というのがこの地域の特徴ですので、気候のいい時にはできるだけ公園に出かけるようにしています。広さも遊具もさまざまなタイプの公園があるので、年齢に応じて使い分けている感じですね。時には荒川の土手まで凧揚げに行ったり、「堀切菖蒲園」が近いので、6月の「菖蒲まつり」の時には菖蒲の花を見にいったりもしています。4、5歳児クラスの活動になりますが、月に1度図書館へ出かけたり、年に数回プラネタリウムを観に出かけています。外に出て遊んだり、学んだりすることが多い保育園ですね。

みんなで体を動かす

年齢を超えた交流も多いですね。たとえば2歳児クラスと5歳児クラスが一緒に手をつなぎながら公園に行ったり、3歳児が遊んでいる公園に5歳児クラスがお迎えに行って、一緒に帰ってくる、といったこともあります。本園の場合は少人数ですから、そういったことがしやすいんですね。4、5歳児のクラスは一緒にお昼を食べていますし、異年齢で一緒に過ごす時間は、非常に多い園です。

みんなで楽しく運動あそび

もうひとつ、「食育」についても力を入れています。調理師は、たとえば野菜の切り方でも、形がかわいく見えるように工夫して、子どもたちが喜んで食べられるようにしています。給食室はガラス張りで、踏み台に乗れば子どもたちも自由に見られるんですね。もちろん、味についても、子どもに合った味付けをすごく考えています。

一方で保育士も、「楽しく食べる」ためのいろんな工夫をしています。たとえば、「おやつたーべよ!」という月に一回の企画の時には、「好きなところでおやつを食べていいよ」ということをやっていたり、「セレクト食事」企画の時は、たとえば「味噌ラーメンか醤油ラーメン」「クリームチキンカレーかトマトポークカレー」の好きなメニューを選んで食べる日を作ったり、年長さんの卒園前には、「リクエストメニュー」といって、「もういちど食べてみたい保育園の給食」を子どもたちに挙げてもらって、それを1週間から10日くらい、献立に反映したりということもしています。

調理師の工夫が光る

――地域の方々との交流があれば教えてください。

佐々木先生:まずひとつは、プレママと新米ママさんに向けたもので、0歳児のクラスに来ていただいて、子どもたちの様子を見てもらったり、おむつの取り替え方や離乳食の作り方などを見ていただいたり、という日を昨年度から設けていまして、地域にお住まいの、プレママさんたちに来ていただいて、大変好評をいただいています。

ほかには、近くの地域のサッカークラブのコーチの方に来ていただいて、4、5歳児に向けたサッカー教室を開いてもらったり、近くにある「共栄学園」のチアダンス部の生徒さんに、園庭でチアの演技を披露してもらったり、地域にあるフラダンス教室のみなさんにフラダンスを見せてもらったりと、いろんな「本物」に触れる機会というものも、地域の方々のご協力のおかげで、実現できているかと思います。植物や動物もそうですが、「本物」に触れる体験は、とっても重視しているところですので。

マットを使って運動あそび

また、地域のシニアさんにも来ていただいています。この方々には、年長さんに「はさみ将棋」や「将棋くずし」などを教えていただいたり、皿回しや竹とんぼの飛ばし方といったものも教えていただいています。町会長さんもとってもいい方で、よく園に来てくださって、「夏祭りに遊びに来てね」と言ってポスターをくださったり、節分の時にも同じように来てくださったり。だから子どもたちも、地域の行事には沢山参加していると思います。

ボランティアさんと一緒に

――近隣の保育園や幼稚園、学校との交流があれば教えてください。

佐々木先生:当然、同じ公立保育園同士ではいろいろな交流がありますし、小学校についても、「南綾瀬小学校」と連携をとっていまして、年長さんがプレ授業を体験に行って、小学生と一緒に遊んだり、運動会の練習や劇の練習などを見学させていただいたり、という交流はしています。

もうひとつ、これも特徴なのですが、ボランティアで保育のお手伝いをしてくれる学生さんがとっても多いんですね。学校の夏休みの時期になると、ほとんど毎日、ボランティアさんが来ています。保育士を目指している学生さんはもちろんのこと、中学生や高校生も来ますし、卒園した小学生も毎年来てくれて、「小学校ってこんなところだよ」ということを、年長さんに向けて話してくれています。

園長の佐々木裕子先生

――職員の皆さんが子どもたちと接する時、どんなことを大事にされていますか?

佐々木先生:「ひとりひとりの子どもに、愛情をもって接する」ということを第一に考えています。最初に申し上げたように、担任以外の子と接点を持った時には、必ずその親御さんに直接、「今日はこんなことをしましたよ」「今日はこんなことができましたよ」というお声がけをして、一緒に成長を喜び合えるようにしています。子どもたちが毎日楽しく保育園に来られるように、愛情をもって接しています。

先生と子どもたち

――お花茶屋周辺や、葛飾区の子育て環境としての魅力を教えてください。

佐々木先生:まずは、この街がもっている「下町の雰囲気」ですね。公園に遊びに行く途中にも、地域の方が「あらかわいいわね」「どこに行くの?」といっぱい声をかけてくださいますし、「古きよき昭和」の名残がある地域かなと思います。私たち職員に対しても、「ご苦労さま」とあたたかく声をかけてくださる方が多くて、本当にいい地域ですよ。

環境としても、公園はもちろん、小学校も中学校も近くにいくつもありますし、商店街も活気があって、特にお子さんのいる方には暮らしやすい街だと思います。自転車でちょっと行けば、児童館、図書館、プラネタリウムといったものもありますし。

「葛飾区立双葉保育園」外観

それから、葛飾区全体についても、子育ての政策に関してとても力を入れている区ですので、そこも魅力だと思います。たとえば、妊婦さんには「マタニティパス」という交通系のICカードがもらえたり、児童館で母子手帳の交付を受けることもできたり、子育てに関してはかなり先進的な取り組みをしている区なんですね。もちろん、新しくて快適なこの「双葉保育園」もありますので。ぜひお花茶屋に住んで、子育てを楽しんでいただければと思います。

葛飾区立双葉保育園

葛飾区立双葉保育園

園長 佐々木裕子さん
所在地 :東京都葛飾区東堀切1-15-16
電話番号:03-3602-5701
URL:http://www.city.katsushika.lg.jp/institution/1000100/1007108/1007179.html
※この情報は2018(平成30)年8月時点のものです。

葛飾区双葉保育園 園長 佐々木裕子さん
所在地:東京都葛飾区東堀切1-15-16 
電話番号:03-3602-5701
定員:88名
入園対象:生後6か月~就学前
開園時間:7:15~19:15
http://www.city.katsushika.lg.jp/institu..

「東林間サマーわぁ!ニバル」 副理事長 田中 武さん

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小田急江ノ島線「東林間」駅、駅前には地元の人々が愛用する商店街が広がり、その先はすぐに住宅地が広がっている。この街で年に2日間開催される、大きなイベントが「東林間サマーわぁ!ニバル」だ。今年26回目を数え、近年は会期2日間でのべ40連以上、15万人以上の人々を集める大イベントとなっている。今回は第1回目から参加し、今も地元の連のひとつ「伍楽連」で踊りながら、「東林間サマーわぁ!ニバル」実行委員長も務めていらっしゃる、田中武さんにお話をうかがった。

地元商店街で作った阿波踊りが、今や相模原市で随一のイベントに

「東林間サマーわぁ!ニバル」実行委員長 田中武さん

――まずは、「東林間サマーわぁ!ニバル」概要について教えてください。

田中さん:「東林間サマーわぁ!ニバル」は、毎年8月第1週の土・日曜日に開催しています。、地元の連が6つあり、この6つの連は2日間とも踊っています、そのほか各地から参加される連にはどちらか1日踊っていただいていますので、2日間で顔ぶれもだいぶ違います。 踊る場所は、駅前大通りの「シャンテ大通り」を中心に、「東林間」駅を挟んで東側と西側、約800mほどを歩行者天国にして、練り歩きます。その間に8~9つほど設ける「演舞場」では、お客さんは座ったままゆっくり鑑賞していただけます。 来場者数はおよそ15万人、人で道が歩けないほどの賑わいです。お客さんもいろいろなところからいらっしゃって、阿波踊りマニアな方はご贔屓の連を目当てに各地から来てくださるようです。

「シャンテ大通り」でのイベントの様子

――そもそも、どういった経緯でこのお祭りは始まったのでしょうか。

田中さん:40~50年ほど前から東林間には自治会主催の盆踊り会があり、当時は駅の近くに空き地のような場所があったので、そこに櫓(やぐら)を建てて提灯を飾り、地元の方々が盆踊りを踊ってました。 しかし27年ほど前、駅前の開発が進んでその広場が無くなることになり、何か道路でできるお祭りをやろうという話になったのです。その際、今度は商店街で企画してほしいと要望をいただき、始まったのが阿波踊りです。 第1回は大和市の阿波踊り連の方に来ていただいて行われました。その時はまだ、東林間の地元連はありませんでしたが、自分たちでも踊ろうという機運が高まり、私が所属していた当時の商工会青年部や、自治会の青年団、消防団といった人々が集まり「東林間連」という地元の連を立ち上げました。それが徐々に広がり、今は6つの地元連があります。 2回目以降は地元連が中心となり、ほかの地域の阿波踊りと相互に参加しあうことで、徐々に大きな祭りになっていきました。今では本当にいろいろな土地の方が来てくださって、2017年は週末それぞれ20連ほどの連が参加しました。

「東林間連」の子どもたち

飛び入り参加も大歓迎、身体全体で楽しむ踊り

――踊りの鑑賞にあたって、おすすめの観覧ポイントがあれば教えてください。

田中さん:参加連が会場をぐるっと一周するので、お目当ての連を探して歩きまわるより、一箇所でずっと見ていただくと楽しみやすいかと思います。回る順番はインターネットで公開していますし、当日配布するプログラムにも記載してありますので、そちらを見ていただければと思います。 衣装や踊り方の違いはもちろんですが、傘を被り下駄を履いて踊る女性の踊り手さんは、下駄の「カッカッ」という音がいいですね。この音を聞くと「夏が来たな」という感じがします。鉦や笛や太鼓も生演奏ですから、身体全体で楽しめる迫力が見どころかと思います。 商店街としても“東林間グルメ”という感じで、いろいろな模擬店を出していますので、そういったところも楽しんでいただきたいですね。

「ほたる連」の踊り手さんたち

――一般の方でも一緒に踊れる「にわか連」があるそうですね。

田中さん:土曜日限定で地元連のスタート前に、ちょっとした阿波おどり教室を開いていて、そこでレクチャーを受ければどなたでも「にわか連」にご参加いただけます。いい体験ができると思いますので、ぜひ気軽にご参加いただきたいですね。詳細はホームページと、当日配るパンフレットに記載しています。

全員でつくり、全員で楽しむ、街を上げたお祭り

――ボランティアスタッフの中には、地元の中学生もいるそうですね。

田中さん:毎年、「相模原市立上鶴間中学校」の3年生が授業の一環で、誘導、清掃、案内、放送などを担当てくれています。進行のタイムキーパーや、模擬店の場所、ご贔屓の連の案内なども引き受けてくれて、とても助かっています。 ほかにも、「東林地区自治会連合会」の方が担当連の給水や、中学生の指導役をしてくださったり、「社会福祉協議会」の方に救護の面でご協力いただいたり、多くの地元の方に携わっていただいているイベントで、東林間の街をあげてのお祭りだな、と実感しています。

実行委員長の田中さん

――新しく地元の連に参加するためにはどうすれば良いですか?

田中さん:まずは、「にわか連」で一度体験していただき、雰囲気を体感したら、好きな連の連長さんに声をかけてみてください。練習の見学や体験もできますし、「鳴り物」という楽器演奏の役もあるので、踊りが苦手でもぜひ参加してみてください。 もちろん、新しく引っ越して来た方も大歓迎ですし、入ってもらえると交友の輪もぐっと広がると思います。多くの連が下は幼稚園から上は体力に自信があれば何歳でも受け入れているので、親子で参加している方が多いです。大人も子どもも友達が増えるので、引っ越して来たばかりの方には特におすすめですよ。

「伍楽連」連員募集の張り紙

――ご自身が感じられている、東林間の街の魅力について教えてください。

田中さん:生まれも育ちもこの街ですが、住みやすい街だと感じています。都心も山も海も1時間ほど、いろいろなところへ行きやすいです。特に最近は、高速道路の便も良くなってきましたから、ますます住みやすい場所になってきたと思います。 天災に強い土地柄という点もいいです。地盤が強固だから地震にも強いし、地すべりや水害などもまず無い、安全で安心な街だと思います。

――最後に、これから東林間で新しく暮らしを始める方に向けてメッセージをお願いします。

田中さん:お話したとおり、東林間は本当にいい街ですから、ぜひ沢山の方に来ていただきたいですし、お祭りにも参加していただけると、横のつながりが広がり、いろいろな出会いがあって、より楽しく生活できると思います。ぜひとも、東林間の“仲間”の輪に加わっていただければ嬉しいなと思います。

田中さん

東林間サマーわぁ!ニバル

東林間商店街振興組合 副理事長/居酒屋「北酒場」店主
田中 武さん
URL:https://higashirinkan-awaodori.com/
※2017(平成29)年10月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

「東林間サマーわぁ!ニバル」 副理事長 田中 武さん
所在地:神奈川県相模原市南区東林間5-3-11 K-Ⅱビル2F
https://higashirinkan-awaodori.com/

とうりん鼓笛隊 高橋綾美さん 村山勝之さん

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1990(平成2)年に結成された「とうりん鼓笛隊」。地区内で開催される多くのイベントで披露するなどし、街の賑わいづくりに一役買っている。少子化の影響もあり、隊員の確保に苦労しているそうだが、鼓笛隊でしか味わえない面白さを伝えられたらという熱い想いが指導者にはある。練習を見学させてもらうと同時に、鼓笛隊の魅力、そして街の印象について伺った。

前身から数えて40年、歴史ある鼓笛隊

とうりん鼓笛隊

――「とうりん鼓笛隊」のこれまでの歩みを聞かせていただけますか?

高橋さん:「とうりん鼓笛隊」は、1977(昭和52)年に発足した東林地区の「子供会鼓笛隊」が前身となっています。その翌年に、地区内で新しく別の鼓笛隊が結成され、東林地区には2つの団体が存在するようになりました。

しかし、必然的にどちらの鼓笛隊も同じイベントに参加することが多く、また、隊員数が結成の時よりもだんだんと減ってきたことから、両団体が統合されることになりました。その2つの団体が統合した1990(平成2)年を、現在では「とうりん鼓笛隊」の結成元年としています。

とうりん鼓笛隊

――練習の詳細や、参加している子どもたちの様子について教えてください。

高橋さん:鼓笛隊の練習は毎週土曜日に行っています。「東林間」駅の周辺は夏に開催される「東林間サマーわぁ!ニバル」があり、阿波踊りがとても盛んな地区です。そのため、土曜日はいろいろな連の練習と重なってしまい、鼓笛隊の練習に参加できる隊員の確保が難しいのも現状です。住民の活動が盛んな街ならではの嬉しい悲鳴ですね。

パレードの様子

しかし、阿波踊りの連と掛け持ちをして頑張っている隊員もいますし、鼓笛隊でしか味わえない楽しさや達成感がありますから、ぜひ「とうりん鼓笛隊」にも興味を持っていただけると嬉しいですね。

日々、子どもたちを見守っていて感じるのは、みんな本当にとても素直だということです。練習時間は決して短くはないですが、練習中の態度や人の話を聞こうとする態度が真摯で、いずれも「とうりん鼓笛隊」の誇るべき点だと思います。

日々の練習、そして発表の場が子どもたちを成長させる

とうりん鼓笛隊

――鼓笛隊に参加することの面白さについて、どのようにお考えですか?

高橋さん:鼓笛隊は吹奏楽でもなければ、また、マーチングバンドでもありません。たとえば特徴的な「ドリル演奏」については、演奏しながらフォーメーションを展開し、常に全体のことを考えて行動する必要があります。自分の演奏だけでなく、全体の動きも考えなければならない、全体を俯瞰して見る力がつくかと思います。

とうりん鼓笛隊

また、所属する地域に活気を与え、盛り上げていく役割を担っているのが鼓笛隊ではないかと考えています。街のお祭りやイベントに参加し、ステージに立ったりパレードをしたりと、自然と人前に出る機会が多くなりますね。この経験から、自信がついたという子どもたちも多いようです。

「東林ふるさとまつり」での発表の様子

――日ごろの指導の際、心がけていらっしゃることはありますか?

高橋さん:日々、目標は高く、常にその高みを目指して練習をしてますが、最終的に目標に到達できたかどうかではなく、その過程がより重要だと考えています。先生や友達への挨拶や、正しい楽器の扱い方、また団体行動である以上、周りへの気配りや協調性も欠かせません。こうした日々の積み重ねが子どもたちを成長させていきます。注意を伝える際にも、決して感情的になるのではなく、理由を述べた上で、どうしたら良いのかを一緒に考えて理性的に対応するようにしています。

人の温かさを感じる、バランスのよい街

――地域の様々なイベントに参加されているそうですね。

高橋さん:「東林間商店街」で開催される「東林間西口まつり」や「東林ふるさとまつり」、また東林地区の体育祭、公民館で催されるイベントにも呼んでいただいています。日々の練習を大切にしていますが、やはり演奏は多くの方々に見ていただいてこそのものです。披露する機会に恵まれていることは、我々にとって大変ありがたいことですね。

とうりん鼓笛隊

――東林間エリアについて、どのような印象を抱いていますか?

高橋さん:先ほども申し上げたようにイベントが盛りだくさんなせいか、活動的で元気な方が多いように思います。いずれのイベントも地域密着型で、どこか温かみを感じさせてくれるものばかりです。都会でもなく、かといって田舎でもない。この街はそういったバランスがよく、地域との繋がりが感じられるという意味で、とても住みやすいのではないかと思います。

「東林サマーコンサート」での発表

親御さんたち:商店街を中心にパン屋さんや雑貨屋さんなど、小さくても個性的なお店がたくさんあります。病院にも公園にも恵まれている街なので、わたしたち子育て世代も住みやすい街だと感じています。規模の大きな街ではありませんが、この規模だからこその魅力があると思います。

とうりん鼓笛隊

とうりん鼓笛隊

とうりん鼓笛隊 高橋さん
※この情報は2017(平成29)11月時点のものです。

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