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子育て・教育に関する課がつながり、途切れのないサポートをする東員町

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各所へのアクセスが良く、豊かな自然と文化に育まれた東員町では、子どもたちが元気にいきいきと「生きる力」を育んでいる。独自のユニークな事業も取り入れながら、命が宿ってから義務教育修了まで、子どもの発達段階に応じた子育てサポートと教育環境を整えている東員町。今回はそんな子育て環境が整う東員町について、東員町役場の学校教育課、子ども家庭課、健康づくり課の方々にお話を伺った。

充実した途切れのない子育てサポートと
時代に合わせた子育て事業

「東員町子育てBOOK」

子どもを妊娠したら、まず活用したいのが「東員町子育てBOOK」。妊娠期から子どもが15歳になるまでの子育て情報がまとめられている一冊だ。必要な手続きや届出、年齢に応じて受けられる制度、子育て中のお出かけ情報、子育て相談ができる場所などが記載されていて、子育て期間中にとても重宝するだろう。

「母子健康手帳アプリ」の案内と「パパBook」

妊娠後に受け取る母子健康手帳とともに、東員町ではスマートフォンやPCで利用できる「母子健康手帳アプリ」の併用も勧めている。健診の記録をデジタル化したり、子どもの成長を家族と共有して一緒に子育てを楽しんだり、妊婦・出産・育児期に役立つ情報を取得することができる。子どもの月齢・年齢に合わせて実施される東員町の教室や予防接種などの情報も配信される。
また、多くの人に利用されているのが、母親からのアンケートを参考にして制作されているという「パパBook」。母親の妊娠周期や子どもの成長時期に応じて、父親にできること・父親にしかできないことなどが紹介されており、父親が積極的に育児に参加しやすくなるような情報が満載だ。

各種教室や子育て支援施設で未就園児同士も交流

「東員町子育て支援センター」

東員町では、マタニティ教室や離乳食教室など、妊娠期からのさまざまな教室のほか、子育て中の保護者の相談やサポート制度が充実している。「子育て支援センター」は町内在住の保育園・幼稚園に在園していない生後6ヶ月以上の乳幼児とその保護者が利用でき、親子で安心して遊べる広場やイベント、公園で楽しく遊びながら子どもの発達を促す教室などが開催されている。専門講師を呼んで自然学習や料理などを行う子ども向けの講座や教室も多数ある。

多様なニーズに応える幼保一体化施設

東員町はすべての小学校区に町立の幼稚園と保育園があり、幼保一体化施設として整備され、それぞれの良さを活かした園生活を送ることができる。午後2時までは幼稚園として、それ以降は保育園として機能しているため、家庭に合わせた利用ができる。また、幼保一体化施設と小学校が隣接していることでお互いの連携もとりやすい。さらに、子どもたちにとっても、幼い頃からの仲間たちと小学校へ入学できるため、1年生であっても落ち着いた雰囲気の中で学校生活をスタートさせることができる。

-1歳から15歳まで、
子どもの16年間を大切にする「東員町16年一貫教育プラン」

「東員町16年一貫教育プラン」は幼保小中一貫教育ともつながる

東員町では、すべての子どもたちが社会でいきいきとした自分の人生を歩めるように策定した「東員町16年一貫教育プラン」による保育や教育に取り組んでいる。16年間とは、命が宿った時から義務教育が修了するまでの期間のこと。アメリカの精神分析家エリクソンの発達理論に基づいて、「基本的信頼感」「自己肯定感」「自己有能感」の3つの感(3感)によって子どもたちの意欲を高めている。3感は「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」の3つの「生きる力」を大切にし、子どもたちの発達段階に応じながら育まれていく。

具体的にどんなことに取り組んでいるのか、さらに特徴的な取り組みを紹介しよう。

教科書とは異なる、東員町独自の「東員学び検定」

「東員学び検定」のテキストの認定書

東員町では、全教科の学力向上につながる国語力や算数力を伸ばすために、学年ごとに用意された町独自の検定テキストを使った「東員学び検定」を行っている。テキストは授業時間や朝学習、長期休暇中など学校それぞれの方法で取り組み、検定に受かると認定証が発行される。また、検定は町民なら誰でも受けられるので、家族で一緒に取り組むのも楽しみのひとつ。ほかにも、総合的な学力調査を行い、応用的な学力を育む取り組みや、ICT(電子黒板など)を活用した授業や教室へのエアコン設置など学習環境の整備も進めている。

「読書登山」や「弁当の日」で育む「豊かな心」

読書登山ブックリスト

2014(平成26)年度から行っている「読書登山」は乳幼児期から義務教育修了までの間に、301冊ある東員町推薦図書を子どもたちに読んでもらう取り組みだ。指定された本を読んだら、ブックリストに感想を書いてシールを貼る。目標冊数に達成すると「読書登山認定証」をもらうことができ、子どもたちの読書経験のアップにつなげている。本は子どもたちの人生を豊かにすると言われているため、まさに「豊かな心」を育むためのひとつの方法となっている。また、小学6年生が取り組んでいる「弁当の日」は、年3回、自分のお弁当の献立決めから後片付けまでをすべて行う日のこと。徐々に自分のできることを増やし、自立できるようにとの思いが込められている。すでに中学校では、部活動で自分の弁当を作ってくる生徒もいるようだ。

体力向上に向けて、進んで「遊ぶ」意欲を育む

「健やかな心」を育てるために、すべての年齢で早寝・早起き・朝ご飯と外遊びの充実を勧めている。特徴的なのは「東員なわとび検定」だ。全小学校で実施されており、児童は1級を目指して取り組んでいる。幼保期も運動プログラムや外遊びを取り入れ、中学校では大縄跳びにも挑戦しているため、継続的に体を動かす仕組みができている。

担当課を越え、住民目線の子育て・教育サポート

幼保小中で一貫して培った「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」は社会へ出ていく基盤となる。これらの取り組みが一体感をもって行われているのは、子ども家庭課や学校教育課をはじめ、役場内の部署同士の強い連携があるからこそ。
ほかにも、中学3年生までは医療費無料の制度や、町内の小学校区のすべてに学童保育所が整備されているなど、住民目線の取り組みが多く行われている。

広大な緑と大型遊具がある「中部公園」

豊かな自然と文化に包まれた東員町の環境は子育てをするにはぴったりの環境。町の中心にある「中部公園」は広大な芝生広場や大型遊具があり、子どもと遊ぶ最適な場所だ。様々なイベントが行われ、おでかけスポットとしてたくさんの人が集まる。町内全体に広がる水田は、夏には青々とした風景となり、秋には役場周辺のコスモスがピンクや白の絨毯のように美しく咲く。

「子ども歌舞伎」の様子(提供:東員町役場)

また、東員町は歌舞伎の名優、七世 松本幸四郎の出身地としても知られ、氏を顕彰し、伝統芸能を継承しようと「子ども歌舞伎」が結成され、毎年公演を行っているのも見逃せない。
四季を感じる自然環境と伝統文化にふれ、子どもがのびのびと過ごせる町、東員町。今、子育てにぴったりの町として注目を集めている。

取材協力

東員町役場 学校教育課
所在地:三重県員弁郡東員町大字山田1700
TEL:0594-86-2815
東員町役場 子ども家庭課
所在地:三重県員弁郡東員町大字山田1600
TEL:0594-86-2872
東員町役場 健康づくり課
所在地:三重県員弁郡東員町大字山田1600
TEL:0594-86-2803
URL:http://www.town.toin.lg.jp/
※この情報は2018(平成30)年7月時点のものです。

子育て・教育に関する課がつながり、
途切れのないサポートをする東員町

所在地:三重県員弁郡東員町山田1600 
電話番号: 0594-86-2800 (代表)、0594-76-6045 (夜間休日) 
開庁時間:8:15~17:00
閉庁日:土・日曜日・祝日、12月29日~翌1月3日
http://www.town.toin.lg.jp/


「学び合い」を基本に、一人ひとりに合った学びを目指す「東員町立神田小学校」

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「自立する力」と「共に生きる力」を育む「東員町16年一貫教育プラン」の理念に基づき、仲間同士助け合いながら学ぶことや、あいさつ・掃除などの生活の基本となる取り組みを柱としている小学校。地域の支えもあり、温かい雰囲気の中で児童はのびのびと学校生活を送っている。今回はそんな神田小学校の魅力について、日置校長先生にお話を伺った。

学ぼうとする姿、挑戦する姿をつくる学習の場

今回インタビュー取材にご協力頂いた日置校長先生

――学校の概要について教えてください。

日置校長先:1875(明治8)年に開校した「鳥取学校」と「穴太学校」を前身として、1887(明治20)年に創立した歴史ある小学校です。2005(平成17)年に教室を増設しましたが、現在も児童数は少しずつ増えています。東員町の中で神田小学校だけが児童数の増加があることも特徴ですね。各教室にはエアコンが導入されているので、夏でも快適に学習することができます。また、ICT(情報通信技術)を活用した学習にも取り組んでおり、大型テレビを使って教師の手元やノートを拡大するなど、児童の理解へつながるよう工夫しています。

ICTを活用した学習にも取り組む

――学校の教育目標と児童の様子を教えてください。

日置校長先:学校の教育目標は「知・徳・体の基礎を育み、学びに挑戦する子どもをめざして」です。それを具現化するために、児童の目標として「学力の向上」「あいさつの推進」「そうじの徹底」を掲げて、当たり前のことがきちんとできるように、教職員が一体となって進めています。授業では、分かることを発表し合うのではなく、分からないことに挑戦していこうと教えています。学習内容によっては、ペアを組んだり、4~5人ほどの少人数でグループ学習をしたり、仲間で学び合いながら授業を行っています。

「東員町16年一貫教育プラン」に基づいた、仲間とつくる勤勉性

「神田小学校」の全校児童目標は全教室に掲示されている

――学力の向上のために、他にも取り組んでいることはありますか。

日置校長先:東員町は「東員町16年一貫教育プラン」に取り組んでおり、子どもたちの「基本的信頼感」「自己肯定感」「自己有能感」の3感を育むことを目標としています。これをベースに、本校では児童の「勤勉性」を育てていくために、「全校児童目標」を掲げて、仲間と関わり合いながら生き方を広げることを大切にしています。そして、授業では全学年で算数の少人数授業に取り組んでいます。学年によって異なりますが、この少人数授業によって児童の学ぶスピードに合わせた学習を行うことができます。

児童たちも積極的に授業に参加
また、教師自身も児童一人ひとりの課題に寄り添い、質の高い学びを提供しています。私が教師を目指した理由は、親身になって教えてくださった高校の恩師に憧れがあったからです。恩師のように、子どもたちの声や気持ちに耳を傾けて、子どもたちの思いを受け止めることができたらといつも考えています。

――東員町全校区で行っている取り組みもあると聞きました。

日置校長先:東員町独自の「東員学び検定」や子どもたちの体力向上のための「東員なわとび検定」、東員町推薦図書を301冊読む「読書登山」などは本校でも取り入れています。「読書登山」に関しては、親子で熱心に取り組んでいると好評で、とても嬉しく感じています。また、2020年度から英語が本格実施されますが、東員町各小学校では今年度から前倒しで取り組み始め、子どもたちも楽しみながら学習しているようです。

地域交流が生まれる「あいさつ運動」

日置校長先生

――「あいさつの推進」「そうじの徹底」については、具体的にどのように取り組んでいますか。

日置校長先:あいさつは「人を幸せにする魔法の言葉」として児童に伝えています。普段から教師も積極的に声をかけますし、「あいさつするんジャー」に扮する児童会役員がリードして、子どもたちの中にあいさつの輪が広がっていると感じます。また、中学生になった卒業生たちが登校時に本校へ来てあいさつ運動をしてくれる影響を受けて、本校の児童会役員も隣の幼稚園・保育園へ出向き、自分たちが見本になってあいさつ運動をするようになりました。

地域との関わり合いである「あいさつ運動」を大切に

掃除は心を磨き、人が嫌がるところも綺麗にすることで、「やりぬく力」を育てることができます。サッカーワールドカップで日本代表が使用した後の整理整頓された控え室を例えながら、目標を掲げて取り組んでいます。

全校合唱の美しい響きや読書で育む豊かな心

――5、6年生の委員会の一つである「歌声委員会」の活動について教えてください。

日置校長先:「歌声委員会」は全校合唱のリーダーです。かつては全校合唱を教師主体で進めていましたが、それを今度は児童の活動にしようと、近年委員会活動として始めました。後期の歌は卒業式で歌う曲を練習し、前期は委員会で決めた目標に沿った曲を歌います。
今年は「みんなが仲良くなるように、元気で明るい曲」と決めて、児童が「にじ」を選曲しました。家庭でも歌っているようで、保護者からは「良い歌ですね」というお声を頂き、歌の輪が広がっていることを実感しました。

歌声委員会

――朝読書や読み聞かせなど、本にふれる時間も多いようですね。

日置校長先:本校では毎朝10分間の朝読書の時間を設けています。特に、毎週水曜日には、1、2年生を対象に東員町の「朗読ひばりの会」による読み聞かせをしていただいています。この「朗読ひばりの会」は30年の歴史がある組織で、まるで舞台を見ているかのような朗読をしてくださったり、ロール絵本を使った朗読など、子どもたちもとても楽しんでいます。

「朗読ひばりの会」による楽しい読み聞かせ

地域からの支えや小中連携で、安心した学校生活を送る

――地域とのつながりはありますか。

日置校長先:登下校時の見守り活動には、校区内で170名以上の地域の方が登録されています。途中まで一緒に登校してくださったり、危険ポイントに立って安全を確保してくださったり、交通安全だけでなく、不審者の防犯にもつながっており、本当に感謝しています。また、草刈りや窓掃除など、定期的に毎週学校の環境整備をしてくださる方、ミシン実習や調理実習などの補助をしてくださる方、本の修繕をしてくださる図書ボランティアの方など、たくさんの方に支えられています。
また、地区は限定されるのですが、集団下校をしている水曜日に地区の集会場に老人会の方が集まってくださり、児童の宿題をみたり、一緒に遊んだりと児童の居場所を作ってくださるところもあります。このように、児童はたくさんの地域の方から温かい気持ちを頂いて、日々を過ごしています。

地域の人との「ミシン学習」

日置校長先:また、卒業生が進学する「東員第一中学校」とは、進学の際に子どもたちが戸惑わないよう、学習面と生活面で統一した指導を目指して常に連携を取っています。そのほか、隣接する「神田幼稚園・東員保育園」との連携も大切にしています。このことも、子どもたちの安定した学校生活につながっていますね。

東員町らしさのある文化とふれあえる東員町

「神田小学校」の外観

――日置校長が考える、東員町の良いところを教えてください。

日置校長先:文化の香りがするところですね。「子ども歌舞伎」は東員町出身の歌舞伎俳優 七世松本幸四郎を顕彰した活動で、20年以上続く東員町独自の文化です。12月23日には、作家なかにし礼さんの作詞した日本語で第九を歌う「東員 日本の第九 演奏会」が開催されます。1989(平成元)年から続けられ、毎年オーケストラをバックに町民が素敵な合唱を披露してくださいます。そのほか「オーケストラと歌おう」の取り組みなどを通して、大きなステージで貴重な体験をしている児童もいます。

「子ども歌舞伎」(提供:東員町役場)

東員町は発達年齢に沿った教育制度が充実しており、独自の文化に包まれながら子育てができる子育て世代にぴったりの町なのではないかと思います。本校の教職員も、子どもの「生きる力」を育むために日々取り組んでいます。

日置幸嗣 校長

東員町立神田小学校

校長:日置幸嗣先生
所在地:三重県員弁郡東員町六把野新田100
電話番号:0594-76-2305
URL:http://www.town.toin.lg.jp/contents_detail.php?frmId=1448>

「学び合い」を基本に、一人ひとりに合った学びを目指す「東員町立神田小学校」
所在地:三重県員弁郡東員町六把野新田100 
電話番号:0594-76-2305
http://www.town.toin.lg.jp/contents_deta..

抜群の交通利便性と、住みよいまちへと進化を続ける「尼崎市」

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電車で大阪へ約10分、神戸へ約15分。関西の3大空港のすべてに1時間以内で行けるという抜群の交通利便性を誇り、兵庫県内で人口密度1位の自治体として知られる尼崎市。近年は市の積極的な取組により、子育てや教育など幅広く進化を続けている。今回は「尼崎市役所」にお邪魔して、ひと咲きまち咲き担当局シティプロモーション推進課の島田絵美さんと、企画財政局政策部政策課の田中秀幸さんに、具体的な取組やまちの魅力についてお話を伺った。

ひと咲き まち咲き あまがさき

ひと咲きまち咲き担当局シティプロモーション推進部シティプロモーション推進課 係長 島田絵美さん、企画財政局政策部政策課 係長 田中秀幸さん

――尼崎市のまちづくりの基本方針についてお教えください

田中さん:尼崎市では10年間に及ぶ総合計画を実施中で、ちょうど平成30年度から後期5年の期間に入りました。この計画は「ひと咲き まち咲き あまがさき」をキャッチフレーズに、本市の最上位計画として推し進められています。その計画では、市民、事業者、行政とで共有する次のような4つの「ありたいまち」、将来像を描いています。

① 人が育ち、互いに支えあうまち
② 健康、安全・安心を実感できるまち
③ 地域の資源を活かし、活力が生まれるまち
④ 次の世代に、よりよい明日をつないでいくまち

これらを一見すると抽象的に感じられるかもしれませんが、行政も市民も事業者の皆さんも共有できて、市民のみなさまそれぞれに、それぞれの「ありたいまち」をイメージしてもらうことのできる、まちの将来像になっています。

後期まちづくり基本計画

――暮らしやすいまちづくりに力を入れられているのですね?

田中さん:まさにその通りです。より効率よく実現させるために、行政にありがちな縦割りではなく、子育て支援や住環境、経済や生活安全など、16ある施策の連携を意識しながら動いてます。大きな歯車を回すことができる体系、と捉えていただくと伝わりやすいかと思います。結果、さきほどの4つの「ありたいまち」に向けたまちづくりが推し進められている状況です。

また近年は様々な改善が行われて、「イメージより現実の方が良い」という例も増えているのが尼崎市です。たとえば環境面においても、以前は工場が多く公害のイメージがあった時期もありますが、低炭素化に向けた先駆的な取組を行っている都市として尼崎市が『環境モデル都市』として全国23都市の中に選ばれるなど、先進的な取組を行っていて、その成果は着実に出てきている状況といえます。

大人も子どもも夢を持てる取組

――まちづくりについて民間企業、住民と協働で行っている取組があればお教えください

島田さん:様々な活動が行われていますが、最近の代表的なところでは、『みんなの尼崎大学』という企画が行われています。これは「みんなが先生、みんなが生徒、どこでも教室」というコンセプトの、いわばまち全体で行う学習のようなものです。去年、開校ということでイベントを行っています。

その最大の活動が、「みんなのサマーセミナー」という行事で、これは市内の高校を借りて夏休み期間中の2日間開かれるものです。講師は、何かやってみたいと思う方で、それは大人から子ども、市職員と様々です。そんな、尼崎に関わる方が「こういうことを授業でやってみたい」ということをベースに約300という膨大な数の授業を行っています。

膨大なプログラムが記されたみんなのサマーセミナー時間割

――子ども向けのイベントなどもありますか?

島田さん:ほかには、地元企業とコラボの例として、「エーデルワイス」という尼崎発祥の洋菓子メーカーさんが、小学校にプロのパティシエさんを派遣して実際に目の前でスイーツをつくってくれるという「スイーツ特別授業」を行ってくださるのがとても人気を集めています。

また阪神電車の車両基地見学会というイベントがあり、これは普段は見られない場所を子どもたちに特別に公開してくださるものです。募集から半日くらいで定員いっぱいになってしまう時もあるくらい人気の企画です。こうした子どもたちに夢を与える取組も尼崎市では色々と行われています。

田中さん:「環境オープンカレッジ」という、環境学習講座やイベント等の活動も行われています。対象は多岐にわたりますが、子どもが楽しめる企画もたくさん催されていて、尼崎の自然に親しんだり、エコ社会見学が開かれたりと、親子で楽しむことができる企画も多数あります。

子育て支援の一環として市役所内に設けられたこども総合案内窓口

尼崎市はたくさんの“ジョー”がある町

――観光や文化など、尼崎市の魅力発信に向けた取組をお教えください

島田さん:2019年の3月に現在建設中の「尼崎城」が完成して公開となります。これに合わせて、「ジョーのある町 尼崎」という観光をPRするプロジェクトが進められています。

2019年春に完成となる復元建築中の尼崎城天守閣

人ジョー(人情)、愛ジョー(愛情)、ジョー景(情景)、ジョー緒(情緒)、旅ジョー(旅情)、ジョー熱(情熱)、そして尼崎ジョー(尼崎城)という7つの“ジョー”を軸に、尼崎の見どころを紹介していくというものです。

派手さはなくとも情のあるスポットや各種グルメなどがたくさんあります。たとえば尼崎ちゃんぽんなども、B級グルメとして知られる存在ですので、尼崎グルメの代表格ではないかと思います。こうした魅力を伝えていけるよう、これまで以上にPRに力を入れていきます。この記事を読まれた方にも、ぜひ一度、遊びに来ていただきたいと思います。

あんかけが人気を集めるご当地グルメの尼崎ちゃんぽん

抜群の交通利便性と災害と坂道が少ない

――個人的に感じられている尼崎の魅力をお教えください

島田さん:私は生まれも育ちも尼崎市なのですが、交通の便の良さはどこにも負けないと思います。小さい市ですが3本の電鉄が通っていて13の駅があります。大阪や神戸はもとより、奈良や京都も通勤圏内です。そして主要駅でありながら、混み具合が「そこそこ」なのも使う側として良いな、と感じています。

さらに高速道路も名神高速と阪神高速が通っていて、関西国際空港、神戸空港、そして近くの伊丹空港と、3つの関西主要空港へいずれも1時間以内で行くことができます。こうした利便性は羨ましがられることが多いですね。

「尼崎」駅

また山がなく坂道が少ない平らな地理的要素から、自転車や徒歩での移動が便利なまちです。この地理的な要素もあってか、土砂災害などの自然災害が少ないことも特徴ではないかと思います。

買い物も便利ですで、市内には商店街や市場もあり、市民の台所として機能しています。物価も近隣の都市に比べると安めではないかと思います。また大型のショッピングモールも数多くあるので、日常の買い物から休日のショッピングまで完結できるスケールもあります。

武庫川沿いのコスモス園はスケールも大きく人気のスポット

本当に住みやすい街大賞2018in関西・JR尼崎駅周辺

――尼崎市の将来ビジョンについてお教えください

田中さん:今後5年間は、先にお話しをした総合計画が、そのままビジョンに当てはまるかと思います。この計画は、本市の取組の方向性を16の施策ごとに示しています。そこには市民意識調査の結果や本市の人口動態を踏まえた上で各項目の具体的な取組や目標値が示されていて、前出の4つの「ありたいまち」を力強く実現させるためのビジョンが余すところなく記されています。特に主要取組項目には、「ありたいまち」に向けて、「『学びの先進都市』の推進」や「子どもの育ちと活動への支援」など、今後5年間、施策を連携させながら、特に重点的に取り組む12の方向性が記されています。

この総合計画の冊子には、尼崎市のまちづくりのキャッチフレーズである「ひと咲き まち咲き あまがさき」が掲載されています。このフレーズには、「あまがさきで、人々が、まちが、花を咲かせ、実を結び、種を残し、また次の花を咲かせていく」という思いが込められています。

一方で、この冊子の背表紙には「目覚メヨ、アマリアルチカラ」というコピーも載せられていて、その補足的に「尼崎が持つ本当のチカラ、余りある力。もっと引き出し、もっと活かして、まちづくり。」というコピーが書かれています。これは、「ひと咲き まち咲き あまがさき」に向けて、まさに私たちが取り組んでいることも当てはまると思います。

その取組の結果として、たくさんのファミリー世帯が尼崎市に転入し、また定住していただく市になることが、ひとつの柱であると私たちは考えています。先日、ある民間会社が行った「本当に住みやすい街大賞2018in関西」でJR尼崎駅周辺が1位をいただきましたが、これは喜ばしいことです。もちろん、今なお改善に取り組んでいますので、尼崎市はさらに住みよいまちへと向かって進化を続けていきます。

ユニークでとても読みやすい尼崎市が発行するチラシや冊子類

お笑い、アニメ、文化の発信地

――「よいまちづくり」への熱意と信念が伝わってきます。ほかに尼崎市のPRポイントなどあればお願いします

島田さん:今は田園が減っていますが、「一寸豆」や「田能の里芋」などの伝統野菜やお米も生産されています。南部の工業地帯では工場夜景が人気を集めていて、バスで撮影にまわるツアーも開かれている状況です。また都市公園や子ども広場を含めると、尼崎市内には560以上の公園があります。これもPRポイントだと思います。

田中さん:アニメ「忍たま乱太郎」の作者である尼子騒兵衛さんが尼崎出身で、登場人物の中には名前に尼崎の地名を使っていただいているキャラクターもいるんです。そんなことから、最近はその地名めぐりをいわゆる「聖地巡礼」として回る方が増えています。市役所の4階でも、訪れた方に絵を描いてもらって展示を行っています。

忍たま乱太郎と縁のある尼崎市を地名めぐりで訪れる人も増えている

島田さん:ダウンタウンのお二人が尼崎出身ということもあり、新人お笑い尼崎大賞というイベントも尼崎で開かれています。また人間国宝の桂米朝さんも尼崎に所縁があることから、落研選手権という落語の大会が開かれていて、全国から落研の方が集まるまちでもあります。あとは故人ですが、画家の白髪一雄さんが尼崎出身で、この方はロープにつかまりながら足で絵を描くという独自の手法を編み出した方で、海外のオークションで5億円を越える値段がついたことでも知られています。尼崎市ではアウトリーチ授業というもので子どもたちが足で絵を描く体験もしています。

昔は近松門左衛門のまちと言っていたのですが、時代に即した独自の文化を発信する市になっています。総合計画の後期まちづくり基本計画が施行されて、尼崎市はますます住みよいまちへと進化を続けています。この機会に尼崎市の魅力を知っていただけたら嬉しく思います。

島田絵美さん、田中秀幸さん

尼崎市役所

ひと咲きまち咲き担当局シティプロモーション推進部シティプロモーション推進課 係長 島田絵美さん
企画財政局政策部政策課 係長 田中秀幸さん
所在地:兵庫県尼崎市東七松町1-23-1
電話番号:06-6489-6426
URL:http://www.city.amagasaki.hyogo.jp/
※この情報は2018(平成30)年10月時点のものです。

抜群の交通利便性と、住みよいまちへと進化を続ける「尼崎市」
所在地:兵庫県尼崎市東七松町1-23-1 
電話番号:06-6375-5639
http://www.city.amagasaki.hyogo.jp/map/1..

宝塚市国際観光協会がつくる魅力あふれる街・宝塚のこれから

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宝塚市役所の観光企画課内にある「宝塚市国際観光協会」。ここでは観光スポットとしての宝塚の街をPRする部署として、協賛の会員企業、団体との協力のもと、宝塚の魅力を企画・発信している。今回は事務局長の川上恵美子さんにお話を伺った。

宝塚市役所

――「宝塚市国際観光協会」の目的や活動の概要を教えてください。

川上さん:宝塚の観光振興と国内外からの誘客を目的として、宝塚の魅力の発信を行っています。国際観光となっていますが、インバウンドのみに限っての活動ではなく、国内外ともに広く宝塚の魅力を知っていただきたい、そして、それが地元宝塚の発展に寄与できれば、というのが大きな目的となっています。

 

――観光協会のホームページに「宝塚観光プロムナード」というものがありましたが、詳しく教えていただけますか

川上さん:JRと阪急の「宝塚」駅から「花のみち」、宝塚大橋を渡り、対岸の宝塚ホテルから宝来橋一帯を、宝塚市の観光の中心「観光プロムナード」として、人の集うおしゃれな街並みとなっています。
宝塚市は阪急電鉄創始者である小林一三氏が、明治時代に梅田〜宝塚を結ぶ路線(箕面有馬電気軌道)を開通し、住宅地および温泉リゾート地として開発したことで発展してきました。現在の「花のみち」周辺には、後の「宝塚ファミリーランド」となる宝塚新温泉の建設と現在の宝塚歌劇の前身となる宝塚少女歌劇の創設により発展して、現在の賑わいにつながっています。
現在の「花のみち」には、年間100万人が訪れる「宝塚大劇場・宝塚バウホール」や、「宝塚市立手塚治虫記念館」「宝塚文化創造館(宝塚音楽学校旧校舎)」という文化施設が建ち並び、対岸には宝塚温泉「ホテル若水」「ナチュールスパ宝塚」があります。こうした宝塚の観光施設が集中する一帯を「宝塚観光プロムナード」として、宝塚観光の窓口の役割を果たす魅力的な街づくりを行っています。

「花のみち」の桜並木

――「宝塚観光プロムナード」の人気スポットやアトラクション的なものがあれば教えてください

川上さん:桜の時期の「花のみち」の景観は特に素晴らしく、たいへん人気のスポットとなっています。アトラクションとして好評を得ているのが、宝塚歌劇団OGによる街歩きガイドツアーです。伝統的な洋風建築である「宝塚ホテル」から宝塚大橋、「花のみち」を歩きます。 今年の大きなイベントとしては10月18日から11月3日まで「宝塚アニメフェスタ2016×ハロウィン」を開催します。手塚治虫氏ゆかりの地として「手塚治虫記念館」のある宝塚ではアニメによる街づくりを進めており、その一環ととして2014(平成26)年より「宝塚アニメフェスタ」を開催しています。今年は花火大会が中止になったこともあり、4回目となる「宝塚アニメフェスタ」を拡充して開催します。

花壇にも色とりどりの花が植えられ美観をつくっている

――「宝塚アニメフェスタ」を詳しく教えていただけますか

川上さん:ハロウィンの時期に合わせ、2週間にわたる「花のみち」のイルミネーションや、アピアホールで、名作『火の鳥』をはじめとしたマンガなどのキャラクターと、日本が誇る美である”琳派(りんぱ)”をコラボレーションさせた作品の展示や限定グッズの販売を行う「琳派オマージュ展」、創刊30周年を迎えたアニメ雑誌『ニュータイプ』の表紙パネル展など、アニメコンテンツを中心とした展示やキャラクターショーなどを開催します。イルミネーションは音楽とバルーンアートを組み合わせて他イベントのイルミネーションとの差別化を図り、10月29日(土)30日(日)には仮装イベントや楽しいイベントを計画していますので、ぜひ多くの皆様に来ていただきたいと思っています。

昨年のアニメフェスタの様子

――「宝塚観光プロムナード」のエリア外で何か魅力的なスポットはありますか

川上さん:宝塚は緑が豊かで日本有数の植木の産地としても有名です。安産の神様「中山寺」や台所の神様「清荒神清澄寺」など歴史のある寺社仏閣がたくさんあり、そういう部分も宝塚市の大きな魅力のひとつです。宝塚の住宅街は南部地区に集中していますが、北部には西谷地区と呼ばれる大変美しい田園風景を臨める里山があります。「宝塚西谷の森公園」や、地域産野菜の直売所でもある「西谷夢市場」や観光農園など、四季折々の自然を楽しめます。JR「宝塚」駅から10分ほどの「武田尾」駅には武田尾温泉もあり、特に紅葉の時期にはハイキングに人気です。阪神間とは思えない自然豊かな風情を満喫できます。またこのハイキングコースで皆さんが見当てにされる旧福知山線の廃線ウォークですが、ハイキングコースとして新たに整備される計画があると聞いています。

武田尾渓谷の紅葉

――今後の展望や、新たな取り組みがあれば教えてください

川上さん:現在、「宝塚ホテル」の「花のみち」への移転が計画されており、また2019(平成31)年度中に「手塚治虫記念館」と隣接している「宝塚ガーデンフィールズ」の跡地は一部を宝塚市が購入し、新たに文化芸術施設や庭園を「市民の庭」として整備を行う予定になっています。現在ある施設と新しい施設が連携し、子どもや家族で楽しめる魅力的なスポットになるように現在、計画を進めているようです。宝塚市および当協会ではJR・阪急「宝塚」駅から「宝塚南口」駅間を回遊する観光プロムナードの賑わいづくりに取り組んでいます。

参考リンク:宝塚ガーデンフィールズ跡地利活用方針(案)(宝塚市)

 

武庫川の穏やかな風景

――最後に川上さんから見た宝塚の魅力について教えてください

川上さん:大阪、神戸に30分というアクセスの良い宝塚市は南部市街地と北部田園地域という2つの魅力がある街です。南部の「観光プロムナード」は「歌劇の街」であり、武庫川から臨む景観は、日本では珍しい洋のエレガントな雰囲気が漂っていて、「花のみち」の裏側になる武庫川河川敷の遊歩道は、私が大好きな散策場所です。私自身が宝塚に住んでいますが、そんな街の散策途中にタカラジェンヌに出逢えたりできるのも宝塚ならではの素敵な環境だと思っています。
宝塚歌劇とアニメという2つのエンターテイメントがある一方で、西谷地区のようなのどかな田園風景を楽しめるオアシスや、鎌倉時代から続く温泉もあり、あらためて魅力の宝庫としての宝塚の良さを、これからもっと多くの人に伝えていきたいと思っています。

宝塚市国際観光協会

宝塚市国際観光協会

事務局長 川上恵美子さん
所在地:兵庫県宝塚市東洋町1-1 宝塚市役所
    観光企画課内
TEL:0797-77-2012
URL:http://www.kanko-takarazuka.jp/
※この情報は2016(平成28)年8月時点のものです。

宝塚市国際観光協会がつくる魅力あふれる街・宝塚のこれから
所在地:兵庫県宝塚市東洋町1−1  宝塚市役所 観光企画課内
電話番号:0797-77-9120
http://www.kanko-takarazuka.jp/

歴史ある温泉街を見守り続ける温泉銘菓の本家「黄金家」

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かつて温泉街として栄えた宝塚湯本町で、温泉銘菓として作られた「炭酸せんべい」 。現在の湯本町で温泉として営業を行うところは少なくなったが、炭酸せんべいは創業以来120年を経て、現在でも変わらず親しまれている。今回は宝塚で炭酸せんべいを作り続けている「黄金家」のご主人である的場さんにお話を伺った。

創業以来変わらない味を今に受け継ぐ

「黄金家」ご主人 的場喜志さん

――まず、お店の歴史について教えてもらえますか

的場さん:創業は1897(明治30)年です。現在で四代目となっているのですが、創業のきっかけは、初代が「湯の町宝塚」にふさわしい銘菓を作ろうと考えて思いついたのが、この炭酸せんべいです。今でこそ「歌劇の街」ですが、当時はこのあたりが中心地の「湯の町」でした。

ひとつずつ丁寧に手作りされる

――炭酸せんべいの特徴やこだわりを教えてください

的場さん:今みたいに豊富になんでもあるような時代ではなかったので、材料は非常にシンプルです。小麦粉、片栗粉、砂糖、食塩に炭酸水とこれだけしか使っていません。牛乳やバターや卵も使っていないです。もちろんショートニングなんてものも当時は手に入りませんから使用していません。”炭酸せんべい”という名前は炭酸水を使うことに由来しています。昔は温泉から湧き出る炭酸水を汲み上げて使用していました。炭酸水を入れることによって、練った生地が美味しそうに黄色くなってくるのです。創業以来この作り方を変えずに120年変わらず同じものを作り続けています。ただ、水分の量は季節によって焼きあがりの微妙な変化があるので、その辺りは経験値で調整しています。変わらず良いものを作るためのさじ加減というわけです。

長年の経験に裏打ちされた、まさに職人芸

――人気の商品やおすすめの商品について教えてください

的場さん:看板商品である炭酸せんべいは、今でも年齢層問わずに人気があります。「宝塚歌劇場」や「手塚治虫記念館」にも商品を置かせていただいておりますが、お土産品としても非常に好評をいただいております。変わらない味のものを作り続けている一方で、若い人などにも気に入っていただけるようにと、クリームを挟んだ「クリームタンサンセンベイ」や、卵とショートニングを使った「宝塚せんべい」があります。オリジナルの炭酸せんべいに加えて、この3点が人気です。

「クリームタンサンセンベイ」と「宝塚せんべい」

――お客さんにはどのような方が多いのでしょうか

的場さん:観光で来られた方や、もともと宝塚が地元の方が、帰省のお土産として買っていかれるのが多いです。「阪急百貨店」には東京を含め全店で取り扱いしていただいているので、ご贈答用にもよくご利用していただいています。

 

時代とともに変わっていく街、宝塚という場所の変わらない価値

昔の宝塚温泉街の風景

――貴店から見た宝塚温泉街の街の移り変わりについて教えていただけますでしょうか

昔の蓬莱橋の様子。手前に「天然たんさん水この下あり」とある

的場さん:温泉旅館の最盛期だったのは昭和30年から40年代頃で、1970(昭和45)年の「大阪万博」の時がピークでした。最盛期には大小合わせて50軒ほどの旅館が営業して、賑わっていましたが、それ以降は次第に数が減って、温泉旅館少なくなりましたが、その一方で、交通網の発達や歌劇の人気で「宝塚」という土地のブランド化が行われたので、マンションや住宅地が整備されて便利で住みやすいおしゃれな街に様変わりしました。

店舗外観

――この街や地域の魅力はどんなところでしょうか

的場さん:電車で神戸にも大阪にも30分ほどで行けるので、住むのにはとても便利なところで、環境もいいと思います。ここの温泉街の地域としても、正直に言ってこんなにいいところはないんじゃないですか。バブルがはじけるまでは有名な大手企業の保養所もたくさんあるくらいでしたから。それから宝塚といえば歌劇が有名すぎるので、もちろん歌劇はいいのですが、それ以外にも宝塚のいいところは、もっとアピールするべきところもあると思います。例えば山本地区なんて日本3大植木産地のひとつですし、西谷地区の自然や「武田尾温泉」など、もっと知ってもらうべきところがたくさんあると思いますよ。

武田尾温泉の紅葉

――なるほど、山本が植木の産地というのは私も小学校の社会の教科書で載っていたことは覚えていますが、歌劇の存在が大きく少し印象が薄く思われますね。

的場さん:そうなんです。だからもっとそういう部分にも宝塚市の魅力として総合的にスポットを当てていくべきではないかと思います。電車の交通の便がいいだけでなく「伊丹空港」もこんなに近くにあるのですから。もっと観光で呼び込みできる要素はあるんじゃないでしょうか。
そういう意味で宝塚はまだまだ隠れた魅力の宝庫だと思いますよ。

 

黄金家 的場さん

炭酸煎餅本家 株式会社 黄金家

店主 的場喜志さん
所在地 :兵庫県 宝塚市湯本町9-27
TEL :0797-86-2962
※この情報は2016(平成28)年9月時点のものです。

歴史ある温泉街を見守り続ける温泉銘菓の本家「黄金家」
所在地:兵庫県宝塚市湯本町9-27 
電話番号:0797-86-2962
営業時間:9:30~18:00
定休日:水曜日(祝日の場合は翌日)
http://koganeya.jp/koganeya/TOP.html

地域ぐるみで子育てをサポート。子育て支援事業の充実を図る「名古屋市北区役所 区民福祉部 民生子ども課」

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住宅街でありながら、多くの人の憩いの場となっている「名城公園」や桜並木が美しい黒川をはじめ、豊かな自然環境の中で暮らすことができる名古屋市北区。北区独自の支援事業「北区子育て支援るーむ」をはじめ、地域ぐるみで子育て支援に取り組んでおり、子どものいる核家族や転入してくる世帯も安心して子育てができる環境づくりが進められています。今回はそんな整った子育て環境づくりに取り組んでいらっしゃる「北区役所 区民福祉部民生子ども課」の石黒さんにお話を伺いました。

石黒将之さん、保育士さん、主任児童委員さん、キタッコ

保育園所属の保育士が運営する「北区子育て支援るーむ」

――名古屋市北区の特徴的な子育て制度や取り組みはありますか?

石黒さん:名古屋市全域で子育て支援に取り組んでいますが、各区で地域の方が主体となり、地域の特性や環境に合った事業が行われています。北区の特徴は乳幼児と保護者を対象にした交流の場「北区子育て支援るーむ」があることです。2017(平成29)年で12年目になります。

「わかば子育て支援るーむ」

――「北区子育て支援るーむ」について詳しく教えてください。

石黒さん:「北区子育て支援るーむ」の会場は現在、「北スポ子育て支援るーむ」、「わかば子育て支援るーむ」、「くすのき子育て支援るーむ」、「かみいいだ子育て支援るーむ」の計4カ所があります。週4回、いずれかの会場で交流会を開催しています。予約無しで、市内・市外に関わらず、乳幼児の親子に遊びに来ていただくことができ、用意されたおもちゃで子どもを遊ばせながら、保護者は保育士や主任児童委員に育児の疑問や悩みを相談することができます。もともと、民間保育園の保育士による発案で始まり、12年の間に全ての保育園に広がりました。さらには、全ての学区の主任児童委員も加わり、共同で開催しています。

「わかば子育て支援るーむ」の様子

――現役の保育士さんが関わっているのですね。

石黒さん:はい。北区民生子ども課が事務局となり、保育園と連携をとりながら運営しています。現役の保育士さんが運営しているので、子どもたちを楽しませてくれるのはもちろん、保護者にとっては保育園選びの参考にすることもできるでしょう。そのほか、保健師による保健指導や図書館の職員による読み聞かせ、「北スポーツセンター」からインストラクターを呼んで親子体操をする回もあり、内容が充実しています。また、運営側の話ですが、さまざまな保育園の保育士が集まる場にもなっているので、地域全体で子育て支援の充実度が高まっていくことも考えられます。

気軽に利用できる、名城公園エリアにある子育て支援会場

気軽に立ち寄れる「わかば子育て支援るーむ」

――名城公園エリアに最も近い「わかば子育て支援るーむ」はどんな雰囲気でしょうか。

石黒さん:「わかば子育て支援るーむ」は毎週金曜日10:00〜11:30に、「名古屋市総合社会福祉会館」のトレーニングルーム(北区役所6F)で開催しています。毎回、30組以上の親子が参加しており、リピーターも多く、地域に根付いた子育てサロンとして利用されています。また、こちらは全4カ所の中で最も広く、大きな窓から陽の光がたくさん入ってくるので、明るくゆったりと過ごしていただいています。参加者の声を聞くと「親子で過ごせる場所があって良い」「天候に左右されず、走ったり、体を動かしたりすることができる」「異年齢の子どもが集まるので、我が子の少し先の成長が目で見て分かる」など、みなさん、さまざまな理由で利用されているようです。

親子で楽しめる「わかば子育て支援るーむ」

――ほかにも親子で利用できる場所はありますか?

石黒さん:名古屋市地域子育て支援拠点となっている「遊モア 柳原」が柳原通商店街にあります。こちらは3歳までのお子さんと保護者のくつろぎスペースでほとんど毎日運営しております。おもちゃで遊んだり、お昼を食べたり、お昼寝したり、おしゃべりしたり。みんなで子どもを一緒に育てる感覚で利用できます。「子育て支援のNPOまめっこ」が運営しており、リトミックや手作りおもちゃ作りなどのイベントが開催される日もあります。

 

地域ぐるみの子育て支援

子育て情報が入手しやすい(子育て支援まっぷ、子育てカレンダー)

――北区は地域で子どもを育てる雰囲気がありますね。

石黒さん:北区には公立保育園が12施設、民間保育園が18施設あり、地域のお子さんの遊び場として園庭開放を行う保育園も多くあります。地域子育て支援センターは4施設あり、それぞれたくさんの活動や行事を行っています。区ではこれらの子育て情報を集約して発信することに努め、それぞれの団体をつなげていく取り組みも行っています。北区民生こども課では、子育て中の保護者からの相談も受け付けていますので、お困りのことなどありましたらお声をかけていただければと思います。

――小学生以上のお子さんに対する事業も少し教えてください。

石黒さん:放課後に小学校の敷地内で自由遊びや体験活動に参加できる「トワイライトスクール」もありますし、地域で家庭に近い環境でお子さんを預かってもらえる「学童保育」もあり、充実した放課後を過ごすことができます。また、子ども会で夏祭りなどの行事に参加したり、黒川の自然観察会に参加したり、子どもたちが地域とつながる機会は数多くあると思います。

暮らしやすく、子育てしやすい街

のびのびと過ごせる

――転入を考えている子育て世帯の方に、名城公園エリアの魅力について教えてください。

石黒さん:北区には伝統工芸の歴史やいきものが棲む黒川の自然など、魅力がたくさんあります。広大な名城公園には散策道や芝生が広がっているので、お子さんとの散歩やピクニックにお勧めです。

また、園内に新しいカフェやレストランがオープンしたので、おいしいものを食べながらゆっくり休憩することもできます。黒川沿いの桜、名城公園の藤など、お子さんと一緒に季節を感じてもらうこともできます。また、北区内には複数の保育園があります。北区役所には、一時保育など多様な保育サービスや保育園の情報を提供し個々のニーズに応じたご案内を行う保育案内人(ほいくあんないびと)がいますので、ぜひご相談ください。名城公園エリアは北区役所から近いので相談する際にも、手続する際にも便利だと思います。区役所内で行われている「わかば子育て支援るーむ」へはベビーカーでご来場いただけるので、ぜひ参加してみてください。

愛知県名古屋市北区コラム

名古屋市北区役所 区民福祉部民生子ども課

石黒将之さん、「わかば子育て支援るーむ」のみなさん、キタッコ
所在地 :愛知県名古屋市北区清水4-17-1
電話番号:052-917-6514
URL:http://www.city.nagoya.jp/kita/index.html
※この情報は2017(平成29)年12月時点のものです。

地域ぐるみで子育てをサポート。子育て支援事業の充実を図る「名古屋市北区役所 区民福祉部 民生子ども課」
所在地:愛知県名古屋市北区清水四丁目17-1 
電話番号:052-911-3131
開庁時間:8:45~17:15
閉庁日:土曜日、日曜日、祝日・年末年始 ※日曜日は開庁の日あり
http://www.city.nagoya.jp/kita/

深い歴史の中で進化し続ける名城公園エリア。そこで魅力あるまちづくりを進める「名古屋市北区役所 区政部 地域力推進室」

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名古屋市の北部に位置し、庄内川と矢田川の南北に広がる北区。多様な生き物が生息し、春には桜のトンネルになる黒川などの豊かな自然が残る一方で近年は「名城公園」周辺に「愛知学院大学 名城公園キャンパス」や複合商業施設「tonarino」といった新しい施設の誕生によりさらに盛り上がりをみせています。今回は、名城公園周辺の再発事業や北区の魅力についてより深く知るために、「名古屋市北区役所 区政部地域力推進室」のみなさんにお話を伺いました。

区政部地域力推進室の沖寿菜さん、竹橋真悠さん、キタッコ

近年のまちの変化により、さらに活気付く

――近年、このエリアでは「名城公園の魅力向上」計画など再開発事業が著しいですがどのような事業が行われているのでしょうか。

竹橋さん:2012(平成24)年に「名古屋市公園経営基本方針」が策定され、「公園をつくり、守る」という従来の考えから、「公園を育て、生かす」という公園経営の考え方に発想を転換しています。そこで、アイデアやノウハウをもった民間の事業者に参加してもらう「民間活力導入プロジェクト」として、「名古屋市緑政土木局 緑地部 緑地利活用室」が民設民営による公園施設を公募しました。これにより、2017(平成29)年4月オープンしたのが、ランニングステーションやカフェ・レストランなどが集まった「tonarino」です。「名城公園」と一体となった憩いのスペースになっています。

2017(平成29)年4月にオープンしたばかりの「tonarino」

竹橋さん:さらに平成28年度から平成32年度までの5年間、「名城公園の魅力向上」が計画され、「名城公園」の基幹施設となる「名古屋城」の本丸御殿の復元などによって、歴史的・文化的価値と魅力を向上し、名古屋圏全体の活性化を図ろうとしています。第1期、第2期の工事は完了しており、現在第3期の復元工事が進んでいます。第3期部分につきましては、平成30年度に公開される予定です。今後も新たな賑わいが生まれていくことが期待できます。

「名城公園の魅力向上」計画資料(出典:名古屋市)

――再開発が進む中で、まちの雰囲気も変化していますか。

竹橋さん:2014(平成26)年に「愛知学院大学 名城公園キャンパス」が開設された後は学生が多く見られるようになり、活気ある雰囲気が増してきました。「tonarino」がオープンしてからは、ランナーや家族連れの方が多くなり、さらに賑やかになった印象があります。名城公園では小さなお子さんを連れたご家族やグループがくつろぐ姿も多くなりました。

文化や歴史、交通安全、福祉など包括的なまちづくりを推進

――そんな進化を続ける北区ですがまちづくりにおいて、現在重点的に取り組んでいることはありますか?

竹橋さん:北区では「愛着のもてるまち北区」をめざすまちの姿として取り組んでおり、「歴史・文化や自然と触れ合える魅力あるまちづくり」と「安心・安全・快適で健康に暮らせるまちづくり」の2点を重点項目としています。北区の魅力となっている歴史・文化や自然への取り組みのほか、防災、交通安全、福祉・健康増進にも力を入れています。特に、地域ぐるみで子育て支援が行われており、子育て世帯が居心地よく暮らせるまちになっていくことが望まれています。

北区まちづくり事業一覧(出典:名古屋市北区)

沖さん:また、現在は若者層に北区の魅力をお伝えしたく、広報にも力を入れています。区のキャラクター「キタッコ」が各種イベントなどに参加してPR活動をしているほか、北区公式のFacebookやtwitterも始めました。普段のtwitterはキタッコがつぶやいていますよ。

北区の魅力となっている歴史文化と豊かな自然

――名古屋市北区の魅力である文化や歴史などについて教えてください。

竹橋さん:北区には「名古屋型友禅」や「からくり人形」、「つげ櫛」などといった伝統工芸の歴史と技術が受け継がれていますし、春になると桜が咲き誇り、多様な生き物が生息する黒川(堀川)といった自然があるなど、魅力の多いまちです。

黒川友禅流し

――伝統工芸の歴史を感じることができる場所やイベントはありますか。

竹橋さん:かつて、黒川では「名古屋型友禅」の糊落としの作業が行われていました。その風景を再現した「黒川友禅流し」が毎年春に行われています。また、秋に開催される北区区民まつり「きた・きたフェスタ」では伝統工芸品の展示や体験会が、そのほかのイベントや講座などでも「名古屋型友禅」の体験が行われています。

――また、北区の魅力を活かしたイベントも行われていると聞きましたがどのようなイベントなのでしょうか。

竹橋さん:江戸時代、北区には「名古屋城」の緊急事態に備え、「名古屋城」から瀬戸市にある「定光寺」へ行く脱出ルートが想定されており、殿様の護衛集団が住んでいたとされています。その痕跡をたどりながら、北区の現在のまちの魅力を探る「隠密まち歩き」シリーズが企画されています。参加者が“スキ”と感じたシーンを写真や短歌で表現していただき、とても人気があるイベントとなっています。

隠密まち歩き名古屋城脱出編

今後のまちの発展に期待ができる、楽しみな名城公園エリア

――北区の中でも、名城公園エリアの魅力についてひとことお願いします。

竹橋さん:北区は主要道路や公共交通機関が何本も通る、交通の利便性が良いエリアです。一部ですが、県営名古屋空港も北区に含まれています。名城公園エリアは歴史もあり、「愛知学院大学」や新しいお店や複合商業施設などのオープンにより、若い方や新しい方の流れがあり、活気付いています。住宅も多いので、買い物がしやすく、子育て支援施設もたくさんあり、住み心地の良いエリアではないでしょうか。伝統工芸や豊かな自然など、北区の魅力を守り、伝えようと地域の方が協力しながら取り組むなど、北区に愛着をもたれている方も多くいます。特に、名城公園エリアは今後も新しい大学キャンパスが設立されるなど、地域の雰囲気や人の流れも変化していくと思われますので、とても楽しみにしているエリアです。今後も変化していく北区の魅力を多くの人に伝えていきたいと思っています。

愛知県名古屋市北区コラム

名古屋市北区役所 区政部地域力推進室

竹橋真悠さん、沖寿菜さん、キタッコ
所在地 :愛知県名古屋市北区清水4-17-1
電話番号:052-917-6433
URL:http://www.city.nagoya.jp/kita/index.html
※この情報は2017(平成29)年12月時点のものです。

深い歴史の中で進化し続ける名城公園エリア。そこで魅力あるまちづくりを進める「名古屋市北区役所 区政部 地域力推進室」
所在地:愛知県名古屋市北区清水四丁目17-1 
電話番号:052-911-3131
開庁時間:8:45~17:15
閉庁日:土曜日、日曜日、祝日・年末年始 ※日曜日は開庁の日あり
http://www.city.nagoya.jp/kita/

「所沢」駅周辺の開発を通じて、“働きたい街・住みたい街・訪れたい街”を実現する

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2016(平成28)年2月15日、株式会社西武ホールディングスより「所沢駅東口駅ビル計画」についての事業内容が発表された。西武鉄道新宿線、池袋線の2路線の乗換駅として1日平均9.5万人もの乗降員数を誇る「所沢」駅周辺では、西武鉄道の所沢車両工場跡地を利用する「所沢駅西口土地区画整理事業」も予定され、今後数年で駅周辺は大きく様変わりする。「所沢」駅周辺は今後どのように変わるのか、西武鉄道沿線の開発を担当する株式会社西武プロパティーズ開発事業部マネジャーの川上昇司さんに、駅周辺の開発の現状と、所沢の今後についてお話を伺った。

新たな街の顔としてリニューアルした「所沢」駅

沿線の開発を担う「株式会社西武プロパティーズ」

――まず、株式会社西武プロパティーズについて教えてください。御社ではどのような仕事をしていらっしゃるのですか?

川上さん:株式会社西武プロパティーズは、西武鉄道株式会社や株式会社プリンスホテルなど計53社(2016年4月1日現在)により構成されている西武グループの企業のひとつで、ホテルや商業施設、オフィスビル、住宅、駐車場など都心部や沿線での開発・運営を行っています。

2012(平成24)年10月に改良工事が完了した「所沢」駅のリニューアルに伴う、商業施設「エミオ所沢」や駅待合いスペース「とこてらす」の運営など、駅を利用するお客さまの利便性を向上させるのはもちろん、新たな付加価値を創造することで魅力あふれるまちづくりにも取り組んでいます。

開発事業部マネジャーの川上昇司さん

――リニューアルによって「所沢」駅はどのような魅力のある駅になりましたか?

川上さん:リニューアルを行う際、駅利用のお客さまだけではなく、駅が魅力あるまちづくりに寄与できるように計画内容を検討いたしました。

リニューアルされ利便性が向上した「所沢」駅

「所沢」駅は大屋根の空間が特徴で、駅舎と駅務室、商業店舗とが中央のコンコースに向けて顔を合わせる設計となっています。これにより、ひとつ屋根の下に電車に乗る人、買い物する人など、いろいろな人が集まり賑わいのある空間となっています。

またターミナル駅として多くのお客さまが行き交う「所沢」駅の特徴を捉え、改札の内外に待ち合わせ場所としての機能を併せ持つスペースを設けました。

広々とした空間が広がる中央コンコース

改札内にある「とこてらす」は7時~21時まで利用可能な開放された空間で、テーブルとベンチを合わせて約50席ほど用意しています。改札内にある、パン屋さんやカフェで買った商品を持ち込んで食べたり、持参したお弁当を広げたり、ビジネスマンの方はパソコンを広げたりと乗り換えの合間の時間を有意義に過ごしていただいています。

また、西武ドームの試合に合わせて大画面のモニターで試合を放映したり、「まちなかコンサートinとこてらす」と称して地元アーティストによるコンサートを開催するなど、地域と連携した取り組みにも「とこてらす」を活用しています。

7時~21時まで利用可能な「とこてらす」

一方、改札の外から利用できる屋上庭園の「トコニワ」は、西武鉄道の駅としては屋上スペースを緑化した初の試みで、駅の南側を行き交う電車も眺めることができる見晴らしの良い空間になっています。電車好きのお子さんを連れてご家族がいらっしゃることも多く、地域の憩いの場として気軽に足を運んでいただければと思います。

家族連れに人気の「トコニワ」

他にもリニューアルに伴うポイントとしては、西武鉄道の駅では初となる授乳室を設けたり、多機能トイレのほか、小さなお子さま専用の便器やベビーベッドを設置したキッズトイレも初めて導入しました。授乳室は改札横にある「お客さまご案内カウンター」内にあるため、防犯という点でも安心してご利用いただけるよう配慮しています。これらのポイントが評価され、2013(平成25)年には優れた駅舎に贈られる「停車場建築賞」を受賞しました。

「お客さまご案内カウンター」内の授乳室

約120区画もの多様なテナントが揃う「所沢駅東口駅ビル計画」

完成イメージ画像※東口外観

――「所沢駅東口駅ビル計画」の概要について教えてください。

川上さん:2016(平成28)年2月15日に発表した事業計画はHPからもご覧いただけますが、駅東側に地上5階建ての複合商業施設を建設し、2018年春に開業を予定しているⅠ期計画と、駅南側に線路上空を活用し地上3階建ての商業施設と新改札を設け、2020年度に開業を予定しているⅡ期計画とに分かれており、L字を描く大規模な複合商業施設となります。

店舗面積は約18,500平方メートルの規模となり、生鮮食料品をはじめ、アパレル・ファッション・雑貨、カフェ・レストランなど約120区画もの多様なテナントが揃う予定です。また所沢市の市民サービスコーナーも設置される予定で、地域の生活に役立つ施設になることを願っています。

完成イメージ画像※外観(西口方面から望む)

開発の規模からすれば、東急田園都市線「たまプラーザ」駅の「たまプラーザテラス」や「武蔵小杉」駅の「東急スクエア」、「ららテラス」と同規模で、具体的なテナントについてはまだ検討中のため詳しいことはお伝えできませんが、回遊性の高い広々した空間になる予定です。

完成イメージ画像※南北自由通路吹抜け

高感度のアパレル・ファッション・雑貨店を取り込んでいきたいと思っています。また、大型の書店や、家族でゆっくり食事をできるお店も増やして、魅力ある商業施設を目指していきたいと考えております。

――西武線沿線の開発における「所沢」の役割について教えてください。

川上さん:駅ナカ商業施設の「Emio(エミオ)」は、2007(平成19)年に「エミオ練馬」がオープンして以来、石神井公園やひばりが丘、高田馬場、新所沢など、これまでに16施設を展開し、西武鉄道沿線のライフスタイルを提案する商業施設として重要な役割を担っています。

駅ナカ商業施設「Emio(エミオ)」

現在進行中の事業では、石神井公園駅エリア開発「エミナード石神井公園」での店舗と住宅の複合建物の建設と池袋の旧本社ビルの建て替えがあります。今後新たに着手する事業として、2016(平成28)年2月15日に発表した「所沢駅東口駅ビル計画」は、沿線の今後を担う重要なプロジェクトとして位置づけています。交通の結節点として重要な役割を担う「所沢」駅周辺の開発により、西武鉄道線沿線全体の価値向上にもつながることが期待されています。また、鉄道も便利で快適になっています。2008(平成20)年には30000系(スマイルトレイン)という新型車両が運行を開始するなど、新型車両への更新が進んでいます。また、西武線内は快速急行として運転し、東京メトロ副都心線・東急東横線・みなとみらい線へ直通運転を行う列車が30分間隔で運行しています。

行政、民間、地域とが一体となったまちづくり

「所沢」駅西口の開発も企画中

――車両工場跡地を利用して開発が行われる「所沢駅西口土地区画整理事業」との関連性について教えて下さい。

川上さん:「所沢駅東口駅ビル計画」は、将来的に予定されている「所沢駅西口土地区画整理事業」を見据え、東西の計画が一体となり、駅周辺の街全体の進化を促進させることもテーマにした事業内容となっています。

「所沢駅西口土地区画整理事業」については、所沢市、西武グループ、有識者、地元の有力者による「所沢駅西口地区街づくり協議会」での検討を経て2015(平成27)年9月30日に区画整理事業の認可が下りたばかりで、具体的な方針や内容については今後決まっていきます。これから具体的に話を進めて参ります。行政、民間、地域とが一体となったまちづくりが今まさに行われようとしているところです。

西口再開発現場

――所沢の街の魅力について教えてください。

川上さん:所沢は都心に近く、大きな川も無いため自然災害にも強く、武蔵野台地の一部で地盤が強く平らなのも住みやすいと思います。また「所沢航空記念公園」など身近な場所に憩いの場もあり、生活する環境としてはとても恵まれています。

「所沢航空記念公園」

西武グループとしても、交通の結節点としてまた沿線の中心衛星都市としての役割を担う「所沢」駅の魅力をさらに向上させることで、所沢エリアの目指すべき姿として掲げている“働きたい街・住みたい街・訪れたい街”の実現へ向けた取り組みに貢献していきたいと思います。

開発事業部マネジャー 川上昇司さん

株式会社西武プロパティーズ

開発事業部マネジャー 川上昇司さん
所在地 : 埼玉県所沢市くすのき台1-11-2
URL: http://www.seibupros.jp
※この情報は2016(平成28)年4月時点のものです。

「所沢」駅周辺の開発を通じて、“働きたい街・住みたい街・訪れたい街”を実現する
所在地:埼玉県所沢市くすのき台一丁目11番地の2 
電話番号:04-2926-2401
http://www.seibupros.jp/


大規模再開発事業が進む「所沢」駅周辺。これからの所沢の街づくりとは

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「所沢」駅周辺では現在、大規模な再開発事業が進んでいる。西武鉄道所沢車両工場跡地を利用する「所沢駅西口土地区画整理事業」や、日東地区と呼ばれる所沢市東町の「所沢東町地区第一種市街地再開発事業」、「所沢駅東口駅ビル計画」などによって「所沢」駅周辺は数年後には大きく様変わりすることになる。どんな街になるのか、所沢市街づくり計画部の鎌田実幸副主幹、荻原信宏主査、齊藤祐紀主任の3名にお話を伺った。

地域全体で進める開発事業

所沢市役所の看板

――所沢市西口地区の街づくりについて教えてください。

所沢市担当者:「所沢駅西口土地区画整理事業」は、2014年(平成26)年7月10日に都市計画決定を行い、2015年(平成27)年9月30日に事業認可を受けました。区域面積は約8.5ヘクタールです。区画整理区域の一角の約0.6ヘクタールを「所沢駅西口北街区第一種市街地再開発事業」として同じ日付で都市計画決定しています。区画整理を行う区域の中に、市街地再開発事業を一緒に組み込んで一体的に施行します。土地区画整理事業の施行期間は、2015年(平成27)年9月から2026(平成38)年3月31日までを予定しています。

「所沢駅西口土地区画整理事業」については、従前の権利者の方を新たな街区に再配置させていただき、土地活用は権利者の方ご自身に行っていただきます。元々、地区の大部分は住居系の用途地域が指定されていましたが、市の上位計画において賑わいを創出する土地利用を目指していることから、大きな道路で囲まれた区域全体を将来的には商業系の用途地域に変更し、再配置された方に市の上位計画に沿った土地利用をお願いしていきたいと考えています。

所沢駅西口土地区画整理事業設計図

また、土地区画整理事業区域の大部分の土地を西武鉄道が所有していることから、2012(平成24)年に地元の商業関係の方や、自治会の方、さらには西武鉄道を含めて協議会を作りまして、どんな利用がいいかを議論し、広域的な商業を核とする複合施設を作るといった方向で取りまとめられています。

「所沢」駅西口の開発に関する資料

「所沢駅西口北街区第一種市街地再開発事業」では、1、2階が商業施設で、上が住宅の29階建ての複合ビルが計画されており、2020(平成32)年度末には完成予定です。土地区画整理事業は所沢市の施行ですが、再開発事業は権利者の方々により組合を設立して施行していくことになります。

暮らしやすい街を目指して

官民一体で開発をすすめる

――所沢市日東地区の街づくりについて教えてください。

所沢市担当者:「所沢東町地区第一種市街地再開発事業」は日東地区と呼ばれる所沢市東町の一角で、面積は0.6ヘクタールです。場所はファルマン通り交差点の南東の角になります。2014(平成26)年7月10日に都市計画決定を行い、2015(平成27)年10月23日に事業計画と組合設立の認可を埼玉県知事より受けました。完成時期は2021(平成33)年度を目標にしています。

日東地区は昭和60年代から地区全体の再開発事業が検討されてきましたが、なかなか事業化できなかったことから、地区の一部のみで再開発の検討が進み、2012(平成24)年7月に準備組合を立ち上げて、組合施行の再開発事業ということで動き出しました。この一角では、都市計画道路などを整備するのと、老朽化が進んだ建物などの建て替えを進めていきます。建物は、29階建ての建物で、3階までが商業、業務施設、4階より上が住居という複合施設ができる予定です。

改良工事が予定される「ファルマン通り交差点」

それから、再開発事業区域の一部にファルマン通り交差点という車だと直進と左折が分かりにくい変則的な交差点があります。これを正十字にする交差点改良工事を再開発事業と併せて行います。

――今後の展望について教えてください。

所沢市担当者:「所沢」駅は西武新宿線と西武池袋線の2路線が交わるターミナル駅で、所沢市の表玄関です。駅周辺の商店街は非常に通行量が多いですが、今後さらに発展していくためには、西武鉄道で計画している複合商業施設が人を呼び込む起爆剤になって、波及効果で全体に広がっていくことを期待しています。

プロペ通りの賑わい

所沢市担当者:「所沢」駅の東口で西武鉄道が駅舎を含めた商業施設を作ります。既に「所沢駅東口駅ビル計画」としてプレス発表していますが、こちらを含めて「所沢」駅周辺では駅西口、東町周辺、駅東口の3点で整備していくことになります。住んでよし、訪れても楽しいという街になればと思います。

賑わいと豊かな自然を両立する街

所沢航空記念公園

――「住まいの場」として所沢の魅力について教えてください。

所沢市担当者:「所沢」駅周辺は様々なお店もありますので、非常に住み良い場所だと思います。また、「所沢」は都心から30km圏内にありながら、緑が多く、地盤はしっかりしていて、大きな川も無いので、災害の心配もありません。

所沢市担当者:「所沢航空記念公園」という中心地の近くにあれだけ大きな公園があるところはなかなかないでしょうからね。また、旧町地区には蔵のような構えのお店があったり、古い建物が残ったりしています。再開発されたところ以外は道路も狭いですが、一般の車両が入ってこないという面では静かで住みやすいと思います。

駅前には商業施設が充実

――これから所沢にお住まいになる方に向けたメッセージをお願いします。

所沢市担当者:都心へ30分で行ける距離なので、とても便利です。もしご検討されているようであれば、所沢は住みやすい街です。

所沢市担当者:緑がたくさんあるのは誇れるところではないかと思います。狭山湖に行けば自然がいっぱい残っていて、桜が咲く時期はいいですよ。キレイに整備された堤防には散歩されている方も多くいます。それから、東京都との境になりますが、「となりのトトロ」のモデルになった八国山もありますので、散策するのもいいですよね。

緑あふれる所沢市役所

所沢市役所

所沢市街づくり計画部

市街地整備課 副主幹 鎌田実幸さん
所沢駅西口区画整理事務所
主査 荻原信宏さん、主任 齊藤祐紀さん
所在地 : 埼玉県所沢市並木1-1-1
TEL:04-2998-1111(代)
URL:http://www.city.tokorozawa.saitama.jp/
※この情報は2016(平成28)年4月時点のものです。

大規模再開発事業が進む「所沢」駅周辺。これからの所沢の街づくりとは
所在地:埼玉県所沢市並木1-1-1 
電話番号:04-2998-1111(代)
開庁時間:8:30~17:15(第2・第4土曜日は8:30~12:30)
閉庁日:第2・第4以外の土曜日、日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)
http://www.city.tokorozawa.saitama.jp/

歴史ある街に根付く「東中野銀座商店会」の魅力

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店主との会話を楽しみながら買い物ができる――そんな昔ながらの「東中野銀座商店会」には個人店が軒を連ねる。駅前ながらどこかのんびりとした佇まいは、新宿からわずか2駅とは思えない雰囲気が漂っている。今回は商店会の会長を務める「鮒富佃煮店」の店主である遠藤淳司さんに、「東中野銀座商店会」について、そして東中野の街についてお話を伺った。

「東中野銀座商店会」

戦前から栄える商店会

――「東中野銀座商店会」の歴史を聞かせてください

遠藤さん:「東中野」駅より北西に約600メートル続く商店会です。商店会がある道は、江戸時代末期から青梅街道と早稲田通り(旧昭和通り)を結ぶ主要な道となっており、沿道には戦前から多くのお店が集まって賑わっていました。「東中野銀座商店会」として組織されたのは、1950(昭和25)年頃と聞いています。

現在、「東中野銀座商店会」に加盟している店舗数は約70。その最古参は山手通りに近い青果店の「丸忠商店」さんで、それ以外にも煎餅屋、寿司屋、呉服屋、豆腐屋などは古くから営業しています。最近では、ドラッグストアやチェーンの飲食店などが出店するケースが増えてきました。

遠藤淳司さん

――「東中野銀座商店会」が主催されているイベントはありますか?

遠藤さん:桜が開花する4月は「桜まつり」、7月は「中元福引き大売出し」。そして8月は「盆踊り大会」と景品の当たるイベントがあります。「歳末福引き大売出し」の12月は、かなりの賑わいになります。周辺には新井白石の墓がある「高徳寺」、林芙美子や吉良上野介の墓がある「功運寺」など社寺が点在しているので、何かの形で連携できたら、と思っています。

「東中野銀座商店会」

――「鮒富佃煮店」について聞かせてください

遠藤さん:「鮒富佃煮店」は1932(昭和7)年に新大久保で創業し、戦後になってからこの場所に移ってきたと聞いています。商品の佃煮に関しては、先代から受け継いだ味を、時代に合わせて提供しています。ご要望があれば、佃煮詰合(折詰)もお作りしています。

「鮒富佃煮店」

「鮒富佃煮店」

――来店されるのは、どのような方が多いですか?

遠藤さん:もちろん地元の方もいらっしゃいますが、先ほども述べたように、遠くのものを含めると周辺には16の社寺があり、そこには新井白石、吉良上野介、林芙美子といった教科書に載っているような人物も眠っています。歴史散策で訪ねる方も多く、その足で、商店会にも立ち寄っていただく方が多いですね。街を散歩するテレビ番組で紹介されると、それを観たという方も大勢いらっしゃいます。

「高徳寺」

都内有数のアクセス性を誇る街

――遠藤さんにとっては仕事場であり、生活の場である東中野について聞かせてください

遠藤さん:中央線沿線の中では、落ち着いて静かな街だと思います。快速が停車しないことが逆に、そうした環境を生み出しているのかもしれません。地元だとあまり意識することはないのですが、“東中野は都内有数のアクセス性だよ”と知人に言われ、なるほど、そうかもしれないなと。JR中央・総武線、都営大江戸線、東京メトロ東西線の3路線を利用できるわけですからね。

若いころは終電に乗り遅れたとき、新宿から歩いて帰ってくるなんてこともありました。新宿から歩いていける距離に東中野はあるということですね。

「東中野」駅

歴史ある街に息づく「東中野銀座商店会」の魅力

東中野銀座商店会

会長 遠藤淳司さん
所在地:中野区東中野3
電話番号:03-3361-0821(鮒富佃煮店)
URL:http://www.heart-beat-nakano.com/street/41.html
※この情報は2017(平成29)年9月時点のものです。

歴史ある街に根付く「東中野銀座商店会」の魅力
所在地:東京都中野区東中野3 
電話番号:03-3368-9538
http://www.heart-beat-nakano.com/street/..

町田市と東急電鉄が官民連携で取り組む「南町田拠点創出まちづくりプロジェクト」/町田市役所都市づくり部都市政策課 辻野真貴子さん・杉田恵さん

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東急田園都市線「南町田」駅の南側には、かつて「グランベリーモール」が広がり、町田エリアを代表する郊外型ショッピング施設となっていた。しかし、この施設は2017(平成29)年2月に一旦閉鎖され、その後3年をかけて大規模な建て替えを行うことが発表された。
この大規模なリニューアルが目標としているのは、「新しい暮らしの拠点づくり」。プロジェクト全体を「南町田拠点創出まちづくり」と銘打ち、町田市と東急電鉄が共同事業者となって事業を行うという、全国的にも珍しい手法を取っている。従来と変わるのはショッピングゾーンだけではない。駅や公園など、エリア内のあらゆる点が改良され、さらに魅力ある街へと変貌するという。
南町田はこれから、どのように変わっていくのか。今回は町田市で事業を担当する辻野真貴子さん、杉田恵さんにお話を伺った。

町田市 都市づくり部 都市政策課 都市計画係長 辻野真貴子さん(左)、主事 杉田恵さん(右)

官民が連携して行う「新しい暮らしの拠点」づくり

――プロジェクトの経緯を教えてください。

「南町田」駅周辺では東急田園都市線の開通とともに街が誕生し、2000(平成12)年に「グランベリーモール」がオープンしました。当初から、このモールは10年程度の暫定的な施設として作られていたため、東急電鉄と町田市ではオープンから10年が経過した2010(平成22)年頃から、今後の方針について検討してきました。
「グランベリーモール」に隣接して「鶴間公園」があり、その先には境川が流れています。近年「南町田」駅の周辺では、国道16号の立体化工事が完了して慢性的な渋滞が改善され、「南町田」駅北口で駅前広場の整備が行われるなど、都市施設が充実してきました。一方で、南口と北口のアクセスが貧弱であることなど、まだまだ課題も残っています。そこで、今回の事業では単にショッピング施設をリニューアルするだけでなく、東急電鉄と町田市が協定を結び、「南町田拠点創出まちづくりプロジェクト」として、総合的にまちづくりを行うことになりました。

工事中の様子

大きなコンセプトとしては「新しい暮らしの拠点を作る」ということを掲げています。これからは人口減少社会になりますから、「より暮らしやすい場所を選んで住む」ということがトレンドになっていくと思います。そういった流れの中で、南町田という街を選んでもらうためには、行政として、または鉄道事業者として、何を仕掛けていく必要があるのだろう、ということが、この開発の根本になっています。今回の事業は、「この場所があるから住もう」と思ってくれるような、魅力的な暮らしの拠点を作るという開発です。幸いにも、南町田には商業施設と公園が隣接するという立地条件がありますので、その魅力を最大限に引き出すことを念頭に事業を進めています。

――町田市と東急電鉄の役割分担はどのようになっているのでしょうか。

近年は全国各地で官民連携の開発事業が行われていますが、今回のプロジェクトでは東急電鉄と町田市が「共同事業者」となって事業を進めていきます。事業についての情報も二者が連名で発信していますので、従来の「官民連携」と比べても、さらに一歩踏み込んだ関係といえます。
役割分担については、駅舎とショッピングモールについては東急電鉄、公園ついては町田市というのが基本的な分担です。地型を整えたり、道路を作り替えたり、造成をしたり、という「基盤整備」の部分については、町田市と東急電鉄が両者で費用を出し合って進めています。その基盤整備のもとに、東急電鉄は商業施設と駅を作り、町田市は公園の整備を、それぞれ進めていくという形です。

――各ゾーンの整備の概要について教えてください。

まず駅についてですが、駅舎は現状のものから大きく変わる予定です。現在は掘割に作られた簡素な駅舎で、線路を渡るためには下駄状の細い橋しかないのですが、新しい駅舎では南北を結ぶ広い自由通路を作り、その真ん中に改札を配置し、改札からはどちらのホームにも降りていけるような構造になります。南北の高低差もほとんど無い、バリアフリーの自由通路ができますので、動線が大きく改善され格段に便利になると思います。

駅施設リニューアルに関する資料

また、「駅を降りた瞬間から“公園”を感じられる作りにしよう」という考えのもと、緑をふんだんに配したデザインを考えています。南口には放射状に大階段を作り、緑を配して公園のイメージを印象づけるとともに、自由通路までを大きな屋根で覆って、傘を使わずに駅南北を移動できるようにする計画です。

「南町田」駅北口の駅前広場については、ほとんどの工事が完了しており、2017(平成29)年4月から利用が始まっています。広いバス乗り場が新設され、2017(平成29)年7月からは「羽田空港」や「成田空港」などに向かうバスのほか、新宿から本厚木へ向かう深夜急行バスも停まるようになりました。新たなバス路線の拠点として、便利にお使いいただけるかと思います。今後はバス乗り場に屋根を付ける工事も予定しています。

南町田駅北口広場

「鶴間公園」については、従来から公園として使われていた部分はそのまま継続しながら、ショッピングモールとの境界にあった道路を廃止し、そこを埋め戻して、元の地形を生かした、駅からモールを通ってそのままつながる空間として整備していきます。また、線路側に沿って新しい道路を作る工事も行っています。これによってモールと公園の分断が無くなり、ひとつの大きな塊(かたまり)のような形に見直されることになります。

撤去予定の道路と新設・改良予定の道路

また、公園の南側にあったグラウンド部分については、従来は市の中学校の予定地をスポーツ広場として活用していた土地だったのですが、改めて公園として整備しようということで進んでいます。この部分だけでも1ヘクタール以上あり、モールとの接続部分もありますので、機能の充実が期待できます。隣の調整池として使われていた部分についても、調整池を地下化し、表面の部分をスポーツコートと公園用の駐車場とするという計画で、現在その工事が進んでいるところです。

地下化される調整池

ショッピングモール部分については、今までほぼ一層だった建物が全体的に二層になります。その分床面積も広がり、店舗数も多くなる予定ですし、駐車場の台数も増えます。引き続き「オープンモール型」と呼ばれる形をとり、大きな箱を作るのではなく、街なかを歩いているような施設になります。
ただし、全体の形は大きく変わります。今までは中央にストリートがあって、その両側に建物が並ぶという形でしたが、新しいモールでは中央の駐車場の周りを店舗と道路が囲むような形になり、公園と一体化した大きな“塊”を巡るような、非常に広々とした通路が整備される予定です。いつの間にか公園に入っていて、いつの間にかまた戻ってきて、という具合に、大きな回遊を生み出すような設計です。
入居するテナントについては、現在東急電鉄側が交渉中の段階ですが、シネコンの建物は以前のまま残していますので、映画館の機能は残っていくかと思います。

工事中の「グランベリーモール」跡地

従来の自然を活かしつつ、より「居心地の良い」空間へ

――町田市は特に公園部分の事業主体かと思いますが、公園の整備内容について詳しく教えてください。また、新しく市民活動の拠点なども生まれるのでしょうか?

町田市としても、市民といろんな対話をしていく中で、「鶴間公園」への強い思いを感じており、その思いにできるだけ応えていきたいと考えています。たとえば、公園の中央には緑の森がありますが、ここは昔から里山林だった部分ということで、「この風景を残していきたい」という意見が多くありました。ですので、2つの樹林を活かし、健全な状態を保ちながら、より居心地の良い場所として活用できるよう、ベンチの整備などを進めていく予定です。

芝生がある「さわやか広場」についても、木に囲まれた広場という環境を残しながら、縁の辺りには腰掛けられるようなスペースを新たに整備しまして、居心地の良さを創出していきたいと考えています。公園西側の入り口などは、植栽を行うなどして、公園の入口としてふさわしい演出を考えています。

自然豊かな森の部分は活かしながら整備される予定

中学校予定地だった部分は「スポーツゾーン」として、主に身体を動かせるような場所として整備する予定です。全体的に「居心地の良さ」をキーワードにしていまして、ほかにも、子どもたちが安心して楽しく遊べるようなスペースを、森の中にも、スポーツゾーンにも、幾つも作るという計画です。
また、地域の方が活動する場所ということでは、もともと境川沿いにあった「せせらぎ広場」というスペースを、公園と一体化して、より活用しやすい場所として整備していきます。ここは従来から、子どもたちが水辺の動植物に気軽に触れられる場所ということで、さまざまな取り組みをやってこられた場所ですので、そういった取り組みを継続できるような形にしたいと思っています。

中学校建設予定地として確保されていたスペース

――先日は市が主催者となって、「鶴間公園のがっこう」という企画が行われたそうですね。これはどのようなものだったのでしょうか。

これは2017(平成29)年の6月から11月にかけて、4回にわたって、市民参画の企画として行ったもので、市民から「公園でやってみたいこと」を募集し、2019年の「まちびらき」に向けてそれを実際に公園でやってみようという試みです。先日ちょうど最終回が行われ、市民がそれぞれ自分たちで練ってきた企画を実践し、利用者の方にお客さんとして遊びに来ていただくというイベントを開催しました。
焚き火で調理をしたり、自然の素材を使って木工や楽器づくりをやったり、公園を巡るクイズラリーをやったりと、様々な企画が行われ、沢山の方に来ていただきました。本当に良い雰囲気でできましたので、新しい公園になってもこのような形で市民参画型のイベントを続けていきたいと考えています。そのための方法を、組織の作り方なども含め、現在検討しているところです。

――現在、工事の進捗状況はいかがでしょうか。

今回の計画については、2016(平成28)年の11月から着工し、東急電鉄と共同で行っている区画整理事業では調整池の地下化や道路の再整備、造成工事などを行っているところです。全体の4割くらいの進捗です。東急電鉄側の商業施設部分も、基礎の工事が終わりまして、建物部分にかかり始めているところです。公園もショッピングモールも、2019年度のオープンを目指していますので、これから徐々にできあがっていくかと思います。

――駅の利用者数も増えると思いますが、急行が停車するといった話もありますか?

町田市としては、町田市の南の拠点と言っている場所ですし、これだけ大きな商業核を持つ駅ですから、急行停車というのはこれまでもずっと要望してきました。今回の開発が一番の良いきっかけになると思いますから、そういった期待はしています。ただ、東急さんが判断することですので、市としては何とも言えませんね。

現在の「南町田」駅ホーム

――南町田エリアの魅力を教えてください。

駅からダイレクトにつながる屋外型のショッピングモールがあり、そこから公園までオープンスペースが広がっているという構造は、田園都市線のほかの街にも無い魅力です。町田市としてもこうした立地を活かして、住みたい街、将来にわたって元気さを維持できる街にしていきたいと考えています。

町田市 都市づくり部 都市政策課 都市計画係長 辻野真貴子さん(左)、主事 杉田恵さん(右)

町田市役所 都市づくり部 都市政策課
都市計画係長 辻野真貴子さん(左)、主事 杉田恵さん(右)

所在地:東京都町田市森野2-2-22
南町田拠点創出まちづくりプロジェクト URL:http://minami-machida.town/
※この情報は2017(平成29)年11月時点のものです。

町田市と東急電鉄が官民連携で取り組む「南町田拠点創出まちづくりプロジェクト」/町田市役所都市づくり部都市政策課 辻野真貴子さん・杉田恵さん
所在地:東京都町田市森野2-2-22 
電話番号:042-722-3111(代表)
窓口受付時間:8:30~17:00
閉庁日:土曜日、第1・第3・第5日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)
http://www.city.machida.tokyo.jp/

“まち全体で子育てをする”幕張を目指す/ゴーゴーベイビーズ 片桐磨美さん

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ビジネスやレジャーの街としてのイメージが強いの幕張エリアだが、少し内陸側に入るとJR総武線「幕張」駅を中心に、閑静な住宅地、田園地帯が広がる。近年は次々と新しい分譲住宅やマンションが建ち、ファミリー層を中心とした新しい世帯の流入が続いているエリアでもある。一方で、流入に対してママ達の居場所の供給が追いつかないという問題も抱えていた。そこで立ち上がった人の一人が、「ゴーゴーベイビーズ」の代表、片桐磨美さんだ。片桐さんは2013(平成25)年に「ゴーゴーベイビーズ」を立ち上げ、「0to3(ゼロトゥスリー)」のための「ふれる」「感じる」「残す」をキーワードに、近くの公民館や親子カフェをはじめ、自宅も「おうち教室」として開放しながら、多彩な講座やサークルを展開している。今回は片桐さんの事業について、また幕張エリアの子育て環境の魅力について、お話を聞いた。

自分が感じた不安を原動力に、支援の輪を広げていく

片桐磨美さん

――「ゴーゴーベイビーズ」を立ち上げられたきっかけを教えてください。

片桐さん:私には5歳と6歳の娘がいるのですが、5年前にこの街で暮らし始めた当初、この辺りに親子で出かけられる場所がほとんど無くとても困っていました。その経験から、「この地区に、ママと赤ちゃんが一緒にお出かけできる場所を作ろう」という思いが生まれ、「ゴーゴーベイビーズ」をスタートしました。最初は「おうち教室」を月に1~2本ほど、それと「ベビーマッサージ」と「赤ちゃんサイン」の教室をやっていました。それからだんだん、親子カフェが周りにできてきて、オーナーさんが声をかけてくれて、そこでも教室をするようになってと、徐々に活動の幅が広がってきています。

今は核家族化で、ママひとりで子育てをする家庭が非常に多くなっています。昼はママ友と会えることがあっても、夜はパパが遅い時間に帰ってくるまでたった一人で育児をしている。だからせめて昼間は、ママひとりではなく“まち全体で子育てをする”街を作っちゃおう、という思いが活動の根底にあります。

ママと赤ちゃんが一緒にお出かけできる場所

内容については、いろいろなオファーをいただくたびに、せっかくの機会と思って増やしてきたので、今はいろいろな教室をやっていますが、根底にあるのは「0歳から3歳まで」で、その軸は今もブレていません。お客様に育ててもらって、今の「ゴーゴーベイビーズ」が成り立っているという感覚ですね。

――片桐さんはもともと、子育て関連のお仕事をされていたのですか?

片桐さん:いえ、もともとは秘書のような仕事をしていて、科学技術館や子育て支援施設といったところに、ワークショップの先生を派遣する関係の業務をしていました。その点では、子どもに関わる仕事だったとは言えますが、自分がまさか「赤ちゃんの先生」になるとは思っていなかったです(笑)。けれど、自分で子どもを産み、赤ちゃんのかわいさを知り、苦労が多い分感動もひとしおという、子育ての魅力を肌で感じてしまいましたので。

「自分がまさか『赤ちゃんの先生』になるとは」

気軽なサークル活動から、講師の養成まで

――「ゴーゴーベイビーズ」には、どんな教室やイベントがあるのでしょうか?

片桐さん:当初からやっている「ベビーマッサージ」、「赤ちゃんサイン」のほか、「脳育手遊び」「脳育ダンス」といった、「脳育」に関する教室もあります。手軽に買える材料からおもちゃを作る「100均知育おもちゃ広場」、親子で一緒に楽しめる「ベビーヨガレッチ」なども開催していますし、関連する資格を取得するための講座も行っています。撮影会やカメラの使い方講座など、写真に関するものも多いですよ。

より気軽なものだと、今日みたいなサークル活動があります。「ベビーサークル」は0歳の赤ちゃんだけのサークル、「キッズサークル」は今日みたいな1歳から3歳までのサークル、どちらも月に1回活動しています。サークルは6回がワンクールで毎回同じメンバーが集まるので、ママたちが知り合うきっかけにもなっていると思います。詳しい活動はホームページやブログでご紹介していますので、ぜひ見てみてください。

活動内容は多岐にわたる

――参加される方はどこに住んでいる方が多いのでしょうか?

片桐さん:基本的には地域密着型なので幕張近辺の方が中心ですが、隣の美浜区の方も多いですし、最近では成田、銚子、津田沼、船橋、都内の千葉寄りの辺りなど、遠くからも参加してくださっています。

これはすごく嬉しいことですが、その反面、それだけ身近にママたちの活動の場所が不足しているということでもあります。そのため、最近は講師の養成にも力を入れています。ここに来てくれたママたちがほかの街でも活躍して、同じような輪が広がってくれればと思っています。

「いつでも興味を持ったところから入ってください」

――初めての方はどこから入れば良いですか?

片桐さん:赤ちゃんの月齢に合わせて、いつでも興味をもったところから入ってください。比較的、ベビーマッサージは低月齢なうちから入りやすいでしょうか。ひとり目のお子さんを育てているママの方が多い教室ですので、ベビーサークルもみんなでワイワイ楽しむ感じで入りやすいと思います。

――撮影イベントが大人気とお聞きしました。

片桐さん:4月には公園でさくら撮影会、10月にはハロウィン、11月には年賀状と季節に合わせて開催しています。教室を開いている「幕張BASE」のスタジオでも、月に何本か室内撮影会を行っています。個人でご依頼があれば出張撮影もしていますし、撮影系は人気は高いですね。

みんなでワイワイ楽しむ

ただ撮るだけではなく、プリントした写真を部屋にかわいく飾るための教室「アルバムカフェ」も行っていますし、ママ向けの、一眼レフ、ミラーレスカメラの使い方講座「ママカメラマン講座」も開いています。我が子を撮るならママが一番のカメラマンですから。

写真に力を入れているのも、私自身が「写真の力ってすごい」と感じたからなんです。この家にも我が子の写真をたくさん飾っていますが、幼稚園ぐらいになると、子どもたちも昔の写真を嬉しそうに見ていて、写真は子どもの自己肯定感を育てるなと日々感じています。いまの幸せな瞬間を未来に残すということも、「ゴーゴーベイビーズ」の大事な柱のひとつです。

自分たち一人ひとりの力で幕張を子育てタウンに

いまの幸せな瞬間を未来に残すこと

――子育て環境として、幕張エリアにはどんな魅力がありますか? 具体的におすすめスポットなどがあれば教えてください。

片桐さん:私が開業した5年前には正直、子育てをしやすい環境とは言えませんでした。けれど5年経って、今では親子で一緒に行ける場所が増えてきて、とても魅力的になったなと思います。「おやこカフェ幕張」、「おやこカフェ検見川」、「発酵おやこカフェこうじくん」といった、親子カフェもいくつもできました。お隣の美浜区になりますが、教室でも使っている「幕張BASE」はオシャレなスペースでカフェとかブルワリーもあるので、大人も楽しめます。子育てするママたちにとっては、この5年くらいでずいぶん状況が変わってきたと思いますね。

その背景には、個人で子育てに関する事業をされている方がとても多いという地域特性もあると思います。リトミックの先生、飾り巻き寿司の先生、お菓子作りの先生、カメラマンなど、子連れのママが自営業で頑張っているケースが多いですね。行政に頼るのではなく、動ける人たちがまず動いて「自分たちが欲しいものは自分たちで創ろう」という動きがあるのは、幕張ならではの魅力だと思います。

幕張での子育てを応援する「ゴーゴーベイビーズ」

――これからこのエリアに住まう方に向けてメッセージをお願いします。

片桐さん:幕張エリアは、「みんなで子育てタウンにしよう」っていう動きが起きている地域なので、私も「ここに来たら安心して産んでくださいね」って堂々と言えます。助けてくれる人も大勢いますし、自分さえ動こうと思えば行ける場所もたくさんあります。幕張に来たらアンテナを張って、いろいろな情報をキャッチして、子育てを楽しんでほしいですね。

ゴーゴーベイビーズ 代表 片桐磨美さん

ゴーゴーベイビーズ

代表 片桐磨美さん
所在地:千葉県千葉市花見川区幕張町
電話番号:043-306-3402
URL:https://www.go-go-babies.com/
URL:https://ameblo.jp/gogo-babies/
※この情報は2018(平成30)年3月時点のものです。

“まち全体で子育てをする”幕張を目指す/ゴーゴーベイビーズ 片桐磨美さん
所在地:千葉県千葉市花見川区幕張町4-747-18 
電話番号:043-306-3402
https://www.go-go-babies.com/

子育てファミリーに人気のTX八潮エリアの魅力/八潮市役所都市デザイン部 中村史朗さん・浅古哲男さん

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つくばエクスプレス(以下、TX)の開通に伴い、都心部へのアクセスにも良好な住みやすい街として注目を集めている埼玉県東南部の八潮(やしお)市。2005(平成17)年のTX開業から12年でおよそ12,000人もの人口が増加し、駅周辺の整備された街並みには若い子育てファミリーの姿も多く見られます。今回は八潮市のまちづくりを推進する都市デザイン部区画整理課を訪れ、子育てファミリーにこそおすすめの生活環境に恵まれた2つの分譲地「TX八潮駅東(八潮南部東)」地区と「大瀬古新田(おおぜこしんでん)」地区についてお話を伺いました。

TXの開通に伴い人口12,000人増を記録した八潮市

お話いただいた都市デザイン部 部長 中村さんと区画整理課 主幹 浅古さん

――まず八潮市の概要について簡単に教えてください。

埼玉県東南部に位置する八潮市は、2017(平成29)年に市制45年目を迎えた人口およそ88,000人(2017(平成29)年7月1日現在)の市です。中川と綾瀬川に囲まれた潤い豊かな土地は、農業にも適した環境で、かつては江戸の穀倉地帯でした。

昭和30年代になると東京からの工場の誘致が進み、農業から工業へと産業の構造が大きく変わりました。現在でも県内で3番目の事業所数をかぞえ、全国的にも知られるおもしろ消しゴムの工場や、世界的な化粧品メーカーが採用するビューラーを作る工場、ネットショップ大賞で1位を受賞したポテトチップの会社などさまざまな工場が集積しています。

おもしろ消しゴムを作っている「株式会社イワコー」

八潮市に大きな変化をもたらしたのは2005(平成17)年のTXの開通で、「八潮」駅の開業から12年を迎えますが、これまでに人口が12,000人増加しました。八潮市だけではなくTX沿線の自治体でも駅周辺の大規模な土地区画整理事業と住宅の供給、住環境の整備が相乗効果をもたらしTX沿線全体の人気も高まってきているようです。

市内に鉄道駅が無かった八潮市にとっては、TXの開通は新しいまちづくりを推進する大きなきっかけとなり、「八潮」駅周辺の中央地区の整備は2014(平成26)年度に完了しましたが、今も市内各エリアで土地区画整理事業が継続して行われています。

すでに完了したエリアも含めると、市街化調整区域の約55%が土地区画整理事業の対象となっていて、新しいまちへと生まれ変わる気運に満ちています。

整備が続いている街並み

市街化区域の約55%に及ぶ土地区画整理事業

――土地区画整理事業の対象エリアについて詳しく教えてください。

おおまかに説明すると駅周辺をUR都市機構が主体となり、事業を完了させています。また、西側は埼玉県、東側を八潮市が主体となって整備を進めており、3つの地区を合わせると約260haに及ぶ面積となります。(UR対象地区は換地処分済み)

八潮市都市計画図

市役所の東側に位置する「鶴ケ曽根・二丁目」、北側の「稲荷伊草第二」、西側は「西袋上馬場」、「八潮」駅の南に位置する葛飾区との都県境にある「大瀬古新田」など、市街化区域の約55%もの規模(完了地区も含む)で土地区画整理事業を行っている自治体は全国的にも少ないのではないかと思います。

今回ご紹介する2つの地区は、それぞれ土地区画整理事業の経緯や地域の特性なども異なるので順番にご説明します。

50坪以上のゆとりある宅地を提供する「TX八潮駅東(八潮南部東)」地区

――「TX八潮駅東(八潮南部東)」地区の特徴を教えてください。

分譲地と聞くと、TX沿線の他の地域と同じように田んぼや畑など人家や工場が無かったところを面として整備をすすめ、小さな街を作るようなイメージで一から土地区画整理事業を行うのが一般的かと思います。

一方、八潮市の分譲地は、土地区画整理事業を進めるなかで事業を推進するための財源確保を目的として地主さんに分けていただいた土地を宅地として販売するものです。ホームページの販売区画をご覧いただくとお気づきになるかと思いますが、場所も点在していて土地の広さもまちまちとなっています。

「TX八潮駅東(八潮南部東)」の販売区画(HPより転載)

都市計画を進めるうえでエリアごとにそれぞれ地区計画を設けているのですが、「八潮」駅の東側に位置する「TX八潮駅東(八潮南部東)」地区は、“ゆとりある街づくり”を第一にしています。

現地を歩いていただくとすでに新しい家が何棟も建っていますが、最低でも50坪未満にしてはならないという面積の規定を設けているため、いずれも敷地面積が広くゆったりとした大きい家が建てられています。

足立区や葛飾区など都内にお住まいの方からも問い合わせや申込みが多く、手頃な価格で広い土地を手に入れられるお得感と、ご両親がいる実家との行き来ができる距離感も子育てするうえでの安心につながっているようです。

地域のつながりが安心感をもたらしてくれる「大瀬古新田」地区

――「大瀬古新田」地区の特徴も教えてください。

一方、「大瀬古新田」地区は、古くからの農家が多く農地も多い住宅地で“再整備”という位置づけで道路をまっすぐにしたり、広くしたりして既成市街地の土地区画整理事業を行っています。

市街化調整区域であった区域に新たに道路を通して街並みを整備する「TX八潮駅東(八潮南部東)」地区のような新市街地の土地区画整理事業とは異なり、駅から離れた閑静な住宅地ならではの良好な住環境が特徴です。

この地区には古くから住み続けている方も多く、町会の活動や地域のつながりがしっかりしたところで生活する安心感が得られると思います。

平成29年度に策定された八潮市の魅力を発信する「八潮市シティセールスプラン」

――八潮市の魅力についてお聞かせください。

八潮市はもともと八條(はちじょう)、潮止(しおどめ)、八幡(やわた)の3つの村が合併してひとつの市になったのですが、市内に鉄道駅がなかったこともあり、南部は「金町」「亀有」駅方面を利用して、市役所周辺は「草加」駅、南西部はバスで「綾瀬」駅へ出るなど、地域によって生活のスタイルはさまざまでした。

これまでは、「八潮市と言えば…○○!」と市民も私たち行政の職員も共通して伝えられるメッセージの発信力が弱かったというのが実際のところですが、TXの開通によって「八潮」駅の利用者も増え、これまで分散していた人の流れも変わってきているのではないかと感じています。

商業施設が増えた「八潮」駅前

2017(平成29)年4月に市内外へ八潮市の魅力をPRする「八潮市シティセールスプラン」が策定されましたが、今まさにその取り組みがはじまったところで、これから八潮市の魅力を発信していきます。

まちづくりに関わる視点から八潮市の魅力を挙げると、「八潮」駅の南口に1.4haの「やしお駅前公園」があります。2015(平成27)年4月に開園したのですが、TXの開通を記念して今年で12回目を迎える「八潮夜市(よいち)」の会場にもなっています。

今年は『八潮の夏だ! 夜市だ! 盆踊り大会だ! 2017』と題して、7月28日(金)(※29日(土)は雨天により開催中止)に開催されたのですが、夕方から夜にかけて行われるお祭りには小さなお子さんを連れた子育てファミリーも多く、八潮市の今を感じられる特色のあるイベントだと思います。

地場産の枝豆をPRする「やしお枝豆感謝祭」も同時開催され、地元商店による出店ブースとともに大いに賑わいました。

「八潮夜市」の会場となる「やしお駅前公園」付近

中川、綾瀬川、大場川、垳川が市域を流れる水に恵まれた八潮市

――その他にもおすすめのスポットはありますか?

地理的な特性を見てみると、東を中川、西を綾瀬川、南を大場川(おおばがわ)と垳川(がけがわ)に囲まれた、水に恵まれた地域であることが分かります。

1997(平成9)年にオープンした「中川やしおフラワーパーク」は、あたらしい観光スポットで、首都高速が走る共和橋の下流9.7haに民間のマリーナと「中川やしおフラワーパーク」、「水辺の楽校(みずべのがっこう)」が新たに誕生しました。

毎年3月には花桃の開花と合わせて「花桃まつり」も開催され、TXを利用して訪れる観光客も年々増えているようです。

のどかで気持ちのいい景色の「中川やしおフラワーパーク」

また「水辺の楽校」には、水辺に棲む生き物の観察ができる環境が整えられているほか、釣りやカヌー体験など水に恵まれた八潮市ならではの楽しみ方を提案しています。

さらに2年後には、サッカー場とソフトボール場もその下流に整備される予定で、ひとつの大きな観光スポットになることを期待しています。

中川

――最後に、八潮市で子育てを検討している方へメッセージをお願いします。

2016(平成28)年度から2025(平成37)年度までの10年間を計画期間とする「第5次八潮市総合計画」では、「共生・共働」「安全・安心」をまちづくりの基本理念として、考え方を示しています。

「住みやすさナンバー1のまち 八潮」を将来都市像として、市民一人ひとりが「八潮市に住むこと、住み続けることを誇りに思えるまち」になるよう、土地区画整理事業を担当する都市デザイン部としても、都市基盤の整備を推進することで快適で暮らしやすいまちをデザインしていきたいと思います。

八潮市の都市計画関係資料

八潮市には全国的に知られている観光名所はありませんし、シティセールスの取り組みもはじまったばかりなので、「八潮ってどんなところだろう?」とまずは関心を持って知っていただくことが大切だと感じています。

「八潮」駅ができたことでそれまでバラバラだった地域の想いが、いまようやくひとつになろうとしている時期で、これから八潮市にお住まいになる方には、一緒になってまちづくりを盛り上げていただきたいと思っています。

「八潮」駅前

行政の役割としては、将来目標人口10万人を掲げて土地区画整理事業を進めて行くのはもちろん、八潮市の魅力を市内外にPRすることで、沿線からの観光客も含めた新しい人にも来ていただけるようなまちづくりを進めて参ります。

7月の「八潮夜市」をはじめ、地場産の枝豆をPRする5・6月の2回開催の「やしお枝豆まつり」、八潮在住の市民団体による「ゆるぽかマルシェ」など、八潮市のあたらしい取り組みに注目してください。

中村さん、浅古さん

八潮市 都市デザイン部

部長 中村 史朗 さん
区画整理課 主幹 浅古 哲男 さん
所在地 :埼玉県八潮市中央1-2-1
電話番号:048-996-2111(代表)
※この情報は2017(平成29)年7月時点のものです。

子育てファミリーに人気のTX八潮エリアの魅力/八潮市役所都市デザイン部 中村史朗さん・浅古哲男さん
所在地:埼玉県八潮市中央1-2-1 
電話番号:048-996-2111
開庁時間:8:30~17:15(年末年始を除く)
閉庁日:土曜・日曜・祝休(市民課は祝日と重ならない日曜も開庁)
http://www.city.yashio.lg.jp/

守谷の地域医療と魅力/はら内科クリニック 院長 原健さん

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2016(平成28)年11月に開院した「はら内科クリニック」。自然光が注がれる明るい雰囲気は、“人が好き”という原院長の人柄がそのまま反映されているような印象を受ける。東京・目黒区の出身という院長が、なぜ守谷で開業するにいたったのかを含め、気になっていた質問を投げかけた。

はら内科クリニック外観

学生時代から生まれた茨城との縁、守谷での開業

――2016(平成28)年11月に「はら内科クリニック」を開院されたと伺いました。とても明るい雰囲気のクリニックですね。

原院長:ありがとうございます。暗い雰囲気だと、それだけで行きたくなくなりますから、できる限り“病院らしくない”内装にしました。待合室はオレンジブラウンを基調とし、診察室はグリーン系。そして内視鏡室・処置室はブルー系でそれぞれ統一しました。家庭的な雰囲気づくりとともに、患者さんが少しでも落ち着いた気持ちになってくれれば私たちも嬉しいです。患者さんにとって、どんなに小さなことでも気兼ねなく相談できるクリニックでありたいと思っています。

待合室

――守谷で開業するにいたった経緯を聞かせていただけますか?

原院長:出身は東京・目黒区なので、守谷はおろか、もともと茨城にも縁がありませんでした。茨城とのつながりが生まれたのは、「筑波大学」に入学したことがきっかけです。筑波で学生生活を送ることになったわけですが、当時はTX(つくばエクスプレス)もなく、常磐自動車道もなかったものですから、帰省するにしても本当に大変でした。渋滞も激しく、5時間も6時間も掛かってしまいましたから。今は便利になりましたね。

研修医・レジデントとしての6年間を終えてからは、「筑波大学」の関連病院として開設されたばかりの「総合守谷第一病院」へ赴任しました。そこで約25年間勤務医として救急医療と地域医療に従事しました。だんだんとつくばと守谷への愛着が生まれ、出身地である東京で開業するという選択肢はなく、お世話になった「総合守谷第一病院」の近くで開業することにしたのです。

総合守谷第一病院

広い範囲の知識をもちつつ、専門分野も磨く

――「はら内科クリニック」の診療科目について聞かせてください。

原院長:当クリニックの診療科目は内科・消化器内科で、その中心となるのが内視鏡を使った検査・治療です。近年の傾向として、専門分野の枝分かれが進んでいるように感じますが、私としてはゼネラリストでありながら、そこに専門医としての特化したものを発揮していけたらと思っています。ですから糖尿病、高脂血症、高血圧等といった生活習慣病にも広く対応しています。

処置室も明るくアットホームな雰囲気

――守谷の地域医療はいかがでしょうか。

原院長:つくばや土浦にあるような大病院は存在しませんが、「総合守谷第一病院」と「慶友病院」などの中規模病院を中心に、循環器、消化器、呼吸器、腎臓病、小児科といった専門性を有するクリニックが点在しています。この街は、発展とともに開業医が増えてきた背景があり、「総合守谷第一病院」や「筑波大学」の出身者が多いことから医師同士が友人だったり、また面識があるといったケースが多いので、病診連携やクリニック同士の連携が実にスムーズです。

たとえば、「アクロスモール守谷」にある循環器を専門とする「海野メディカルクリニック」を開業した友人は、内視鏡関連の検査等が必要な患者さんを当クリニックに紹介してくれますし、逆もまた然りです。このように各クリニックとの連携が、特に上手くいっている街ではないかなと思います。

――地域にとって、どのようなクリニックでありたいですか?

原院長:やはり、構えることなく気軽に相談していただけるようなクリニックでありたいですね。もともと人と会って話をすることが好きな性分ですから、どのようなことでも話していただければなと。

明るく笑顔で話をしてくれる原院長

――最後になりますが、守谷の魅力について聞かせてください。

原院長:TXの開業により、本当に便利になりましたね。学生時代にTXが運行していればなと思うことが何度もあります(笑)。平日の夜に開かれる研究会に、参加しようと思えば参加できるのはTXのおかげです。こうしたアクセス性に加え、子育てを経験したスタッフによると、守谷は子育てがしやすい街とのこと。それを聞くと人口が増えている理由も分かります。広い空や、たくさんの自然があるもともとの魅力に加え、少しずつではありますが、イタリアン・フレンチのレストランが増えてくるなど、街の発展を感じながら生活できることも、この街で暮らすことの魅力ではないかなと思います。

内視鏡室

はら内科クリニック 原院長

はら内科クリニック

院長 原 健さん
所在地:守谷市板戸井2325-1
TEL:0297-21-5111
URL:http://haracl.byoinnavi.jp/
※この情報は2017(平成29)年2月時点のものです。

守谷の地域医療と魅力/はら内科クリニック 院長 原健さん
所在地:茨城県守谷市板戸井2325-1 
電話番号:0297-21-5111
診療時間:9:00~12:00、14:30~18:00(※受け付けは診療時間の30分前まで)
休診日:水・日曜日、祝日、土曜日午後
http://haracl.byoinnavi.jp/

地域の人々と共に街で子育てをサポート/もりや子育てネットワーク「ままもり」 柳澤留美さん・宮下嘉代子さん・今野千秋さん

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もりや子育てネットワーク「ままもり」は、2011(平成23)年に産声を上げた。守谷市の保育園・幼稚園ガイドブックの制作からスタートし、現在では様々な子育てイベントを開催するなど、精力的に活動を行っている。2016(平成28)年には、ママが活躍する”まち”」プロジェクトに参画し、企業・行政とも連携するなど、ネットワークが拡がりをみせている。今回は、もりや子育てネットワーク「ままもり」代表の宮下嘉代子さん、理事の柳澤留美さん、メンバーの今野千秋さんに、地域で行う子育てについて伺った。

街で子どもを育て、温かく見守りつづける

「ままもり」代表の宮下嘉代子さん

――もりや子育てネットワーク「ままもり」の概要について教えてください。

宮下さん:「ままもり」は2011(平成23)年に発足しました。守谷市とその近隣エリアを活動範囲とした有志者による組織です。「地域の皆で子育てしていける社会を、自分たちの手でつくっていきたい」という共通の目的のもと、子育て関連イベントの開催や冊子制作を通しての情報発信など、幅広い活動に取り組んでいます。人口増加をつづける守谷市で、子育て世代をサポートしながら人と人とを結びつけ、より良い街にしてくための貢献ができればという気持ちで活動しています。

「ままもり」理事の柳澤留美さん

――「ままもり」は定期的にイベントを開催されているそうですね。

柳澤さん:大きなイベントは二つあります。ひとつが「木のおもちゃ広場」で、これは東京・四谷の「東京おもちゃ美術館」から2トントラック分の木のおもちゃを借り、子どもたちに遊んでもらうというイベントです。もうひとつの「いいお産の日」は、「マタニティヨガ」や「ロディヨガ」、親子で楽しめるワークショップ、助産師・栄養士の相談会などを開いています。それと規模は大きくないものの、月1~2回程度「木のおもちゃ広場 mini」も開いています。

定期的に開催している「木のおもちゃ広場 mini」の様子

――参加された方の様子はいかがですか?

宮下さん:「木のおもちゃ広場」に関して言うと、熱心に遊んでいる子どもたちの様子から、木のおもちゃの良さを本能的に理解しているように感じます。また、大人にとっても木のおもちゃは魅力に映るようで、懐かしがったりして興味を持たれる方は多いですね。

子育てファミリーに嬉しい情報を積極的に発信

「ままもり」が制作した子育てガイドブック

――お産・子育てに関するガイドブックを作成し、無料で配布していると伺いました。

柳澤さん:子育て世代であれば、保育園や幼稚園、小児科、産婦人科などの情報が気になるところです。また、小さな子どもを歓迎してくれるレストランや施設なども知りたいものです。そういった生活してみなければ分からないことを記載し、市役所や保健センターなどを通して配布しています。イベントの参加者のなかには、私たちが発行している冊子について触れ、「子育てに関する情報がたくさん載っていて大変便利でした。」と言ってくださる方もいます。そのような声を聞けるときは、私たちとしても本当に嬉しい瞬間ですね。

行政や企業と連携し、街全体で子どもを育む

「ママが活躍する“まち”」プロジェクト オープニングセレモニーの様子

――行政や企業とは、どのような形で連携しているのですか?

宮下さん:これから子育てを始める方へ向け、今後も活動を継続していくことを考えると、各団体と連携することは大切です。とくに行政との連携については、守谷市に声を掛けていただき、2016(平成28)年から「ママが活躍する“まち”」プロジェクトに参画しています。同年7月にはプロジェクトの活動拠点が守谷市松前台に完成し、オープニングセレモニーの際には「木のおもちゃ広場mini」や「ロディヨガ」を実施させてただいて、とても賑わいました。東京で活躍されていた方が多い街ですから、子育てサポートに地域の人々スキルを活かせるような取り組みをしていきたいと思っています。

「イオンタウン守谷」でのイベントの様子

宮下さん:また、地域の子育て支援センターは各所にありますが、出向く機会がない方というのは意外に多いものです。私たちは「イオンタウン守谷」などの商業施設を借りてイベントを開催することもあるので、買い物のついでなどに気軽に利用できるというのは、意味のあることではないかと思っています。

生活しやすく、子育てファミリーに優しい街

「守谷」駅

――守谷市の魅力を聞かせてください。

宮下さん:一番はやはりアクセス性ですね。つくばエクスプレスの開業で、都心部にアクセスしやすくなりました。大型商業施設のある三郷、柏の葉キャンパスも生活圏にあり、高速道路を使えば約30分。使わなくても1時間程度で着きます。守谷市は車社会ですが、運転されない方には市内循環バスがあるので、生活に困ることはないと思います。新しく移り住まれる方の多い街ですから、地縁のない方でも人と街に溶け込みやすいと思います。それ以外では、守谷市は農作に適した土壌だそうで、新鮮な野菜が手に入ることも魅力です。都心部にアクセスしやすく、自然がとても豊かな街ですよ。

家族みんなで楽しめる「イオンタウン守谷」

――おすすめのスポットはありますか?

柳澤さん:小さな子どもを連れていくのなら「イオンタウン守谷」ですね。工場見学に興味があれば、「明治なるほどファクトリー守谷」や「アサヒビール 茨城工場」もおすすめです。それと、市内ではありませんが、天然温泉の「きぬの湯」もおすすめですね。

――最後に、今後の展望について聞かせてください。

宮下さん:私が生まれ育ったのはつくばみらい市ですが、そこで過ごした幼少期は、とても楽しいことばかりでした。それと同じような経験を、子どもたちにもしてもらいたいのです。社会人になり、たとえ街を出ることになっても、自慢できるような故郷であってほしい。「ままもり」の活動がその一助になるのなら、私たちにとってこれ以上ない喜びですね。

もりや子育てネットワーク ままもり

今回、話を聞いた人

もりや子育てネットワーク「ままもり」理事 柳澤留美さん
代表 宮下嘉代子さん
メンバー 今野千秋さん
URL:http://mamamori.net/
※この情報は2016(平成28)年10月時点のものです。

地域の人々と共に街で子育てをサポート/もりや子育てネットワーク「ままもり」 柳澤留美さん・宮下嘉代子さん・今野千秋さん
http://mamamori.net/


地域力で育む子育て支援制度の充実したまち守谷/守谷市役所児童福祉課 塚本仁子さん・滝本充さん・前川優子さん

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東京都心から約35km、つくばエクスプレスや関東鉄道常総線などの鉄道や常磐自動車道をはじめとする道路網が整備され、都心へのアクセスと環境の良さから県外・市外からの転入も多く若い世代が増えているという守谷市。一人ひとりの子どもが健やかに成長することができる社会を目指して、同市は、2015(平成27)年4月に国の「子ども・子育て支援新制度」に基づき、幼児期の教育・保育の総合的な提供や、待機児童対策、地域の子育て支援の充実を図り、更に魅力ある街へと発展している。そんな守谷市の子育て環境や街の魅力について、守谷市役所児童福祉課課長の滝本充さん、同課課長補佐前川優子さん、同課地域子育て支援センター所長の塚本仁子さんに話を伺った。

子育て世代向けの施設、サービスが充実の守谷市

左から、児童福祉課課長 滝本さん。同課地域子育て支援センター所長 塚本さん。同課課長補佐 前川さん。

――守谷市ではどのような子育て施設・サービスが利用できるのでしょうか。

滝本さん:守谷市には、認可保育所は公立が2カ所、私立が9カ所の計11カ所あります。また、認定こども園は私立が2カ所、小規模保育事業である地域型保育施設は3カ所あります。その他には、入所待機になっている児童に対して利用できる施設の認証保育園(認可外保育園で市が認証する施設)が4カ所あります。一時的に家庭保育が困難な場合に保育園でお預かりする「一時預かり制度」、地域ぐるみで子育て支援をする「もりやファミリーサポートセンター」など、保護者が子育てしやすい環境整備を守谷市では積極的に行っています。

守谷市児童福祉課では、市内の保育所への入所など保育に関する業務、私立幼稚園に関する業務、児童手当の事務に関することや児童センターの運営などの子育て応援全般に関する業務全般、児童の虐待など児童相談業務をしています。また、公立認可保育所2カ所、地域子育て支援センターも所管しています。

仲間づくりの場を多数用意、地域力の増進を図る

子育て中の親子が集う「夢っ子ひろば」

――市の人口は年々増加 しており、18 歳までの児童がいる家庭のうち、核家族の割合もまた増加傾向になっているそうですが、そのような家族向けの取り組みはありますか。

滝本さん:はい。2016(平成28)年4月現在、守谷市には18歳までの子どもがいる家庭は7,647世帯ありまして転入世帯が多いのが現状です。

塚本さん:守谷市は新興住宅地がたくさんありますので土地勘が無い方、人と人の横のつながりがない方が多く、市では地域の環境整備は急務であると考えてきました。そこで、子育て中の親子が気軽に集い、楽しく遊んだり、お話をしたり、友達になったりすることができる場を提供していまして、みんなで支え合い子育てできる親と子の楽しい広場「夢っ子ひろば」を開催しています。子育て生活に必要な情報交換、育児相談もできるので大変好評ですよ。

守谷市に転入した方の仲間づくりの場として開催される「ようこそ守谷へ」

そのほかにも、家族みんなが楽しめるイベントとして「夢っ子まつり」や「夢っ子コンサート」を開催しています。地域子育て支援センター「ねっこ」では常総運動公園で「ねっこ運動会」や体力の向上,親子の触れ合いを目的とした「スポッ子クラブ」を実施しています。また,守谷市と市民活動団体との共催による「ようこそ守谷へ」の中でもブースを出展し、守谷市に転入した方が1日も早く地域に溶け込めるよう,子育てに関する情報を提供させていただいています。

地域ぐるみで子育て世帯をサポート

「施設援助」が実施される市民交流プラザ内「ぴよぴよ」

――「ファミリーサポートセンター」におけるサポーター制度、ならびに「サポーター育成講座」についてお教えください。

塚本さん:「ファミリーサポートセンター」は、育児の援助を受けたい「利用会員」が、育児の支援をしたい「サポーター会員」のサポートを得て、仕事を持つ保護者はもちろん、子育て中の保護者が安心して子育てできるように地域ぐるみで支援する会員制の事業になります。「利用会員」は、市内在住または在勤の子育て中のご家庭の方(生後6か月~中学校入学前)であればどなたでも申し込むことができます。利用者は、サポーターの自宅でお預かりをする「在宅援助」と市民交流プラザ内「ぴよぴよ」でお預かりする「施設援助」が選択できます。

「サポーター育成講座」の様子

塚本さん:「サポーター会員」を希望する方には「サポーター育成講座」の受講をしていただきます。「サポーター育成講座」は、育児の支援をしたい市民が子育て援助をすることができる制度でして、3日間の「サポーター育成講座」または「子育て支援研修」を受講して履修課程を修了した方が「サポーター会員」として登録できます。「サポーター育成講座」には多くの市民から反響がありまして、今まで大変多くの方に研修を受講して頂きました。現在245名の方が、「サポーター会員」として登録しています。「利用会員」でもあり「サポーター会員」でもあるという方もいらっしゃいます。この制度を利用して子育てに忙しい保護者のみなさんが喜んでくれたら嬉しいですね。

人口増加に伴い、さらなるサービスの充実を推進

「ママが活躍する"まち"」プロジェクト活動拠点オープニングセレモニーの様子

――近年も新たな子育て支援策を次々とスタートされていますね。

滝本さん:守谷市が2016(平成28)年2月に策定した「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づいて地方創生加速化交付金事業として「ママが活躍する”まち”」プロジェクトを実施しています。人との絆を大切にして、お母さん達が活躍できる社会を目指して、まちづくりに参画する市民を増やす目的のプロジェクトになります。プロジェクトは四つの部門に分かれていまして、子育て情報の冊子を企画・制作する「子育て情報発信部」、ファミリーで楽しめるイベントを企画する「手仕事企画部」、守谷の自然を生かした冒険遊び場プレイパークを実施する「遊び場企画部」、空き店舗を活用し活動拠点をつくる「拠点プロデュース部」の構成になっています。2016(平成28)年7月22日には「ママが活躍する”まち”」プロジェクトの活動拠点が守谷市松前台にオープンしました。当日は木工作業広場やロディヨガ教室などで楽しめるセレモニーが開催されてとても賑わいましたよ。

守谷市立北園保育所

滝本さん:また、2015(平成27)年4月より「子ども・子育て支援新制度」が始まっています。この制度は、幼児期の教育・保育の総合的な提供や待機児童対策、地域の子育て支援の充実を図ることを目的とした制度です。新制度では、幼稚園・保育園の他に、その両方の良さを合わせ持つ「認定こども園」、少人数の子ども(0歳から2歳)を保育する「小規模認可保育事業」を実施しています。また、新たな認定区分が導入されまして、利用負担額、該当施設につきましても「区分」ごとにそれぞれ明確になりました。

そのほかにも、様々な子育て支援策に取り組む

守谷市が無料で配布する「子育てトライアングルブック」

――そのほかには、どのような取り組みを実施しているのでしょうか。

塚本さん:「子育てトライアングルブック」という子育て支援情報誌を発行しています。こちらは、子育てに困った時、悩んだ時、分からないことがあったときに子育てに必要な情報をまとめた冊子となっていまして、守谷市に転入された方、出生された方全てに無料で配布しています。守谷市のホームページからもダウンロードできます。この冊子は2年に一回改訂していまして、2003(平成15)年から2016(平成28)年の間で、6回改訂しています。児童福祉課のスタッフだけではなく、外部の関係機関やそれぞれの現場の声を取り入れて冊子作成に反映するようにしています。できるだけ難しい言葉はつかわずに、読みやすく必要情報を瞬時に提供できるように工夫して編集しているんですよ。

前川さん:この冊子の目次は、「赤ちゃんが生まれたら」や「お子さんを預けたい時」などシーン別になっていまして、目的のページがとても探しやすいと思います。年4回開かれる編集会議の時には、子育ての現場や家庭の声を取り入れて、それを冊子に可能な限り反映させて作成しています。

塚本さん:また、総合的な放課後対策事業として、「児童クラブ」と「放課後子ども教室」を実施しています。全ての小学校の児童を対象として、放課後等に小学校施設を活用して、子ども達の安全で健やかな居場所づくりを推進しています。平日の放課後に放課後子ども総合プランマネージャーと指導員、地域のボランティアと協力しながら、スポーツや文化活動の体験、地域の大人や異年齢の子どもとの交流、工作や外遊び、昔遊び、予習・復習、宿題の学習ができる場を提供しています。

暮らしやすい環境が整い、子育て世代にも優しい街

のびのびと生活できる環境が整う

――守谷の魅力はどのようなところだとお考えですか。

滝本さん:守谷は、出生率が高く若い世代のご家族が多いですね。子ども達が遊ぶ明るい声が聞こえてきて、街全体が明るいイメージなのが魅力です。大型のスーパーが点在していてショッピングをする場所も多くて便利です。東京もすぐ近いですし、都市計画が進んでいて、道路が広く緑が多いので綺麗で住みやすい街だと思います。子どもたちに代を継いでも長く住める場所としても最適だと思います。是非守谷にいらして頂きたいです!

前川さん:ネイティブの英語を話す外国人が各学校一人ずついて、自然と外国語に触れることができる環境があったり、電子黒板やエアコンを全校に設置したりと、教育水準と意識が高いのも守谷の良いところだと思います。安心して子どもたちが暮らせるとても住みやすい良い街ですね。

塚本さん:歩いても自転車でも遊びに行きやすい公園などの施設が多いのが便利で良いですね。美味しいもの、食材が安く手に入りやすいですし、他の街に行かなくてもここ守谷で何でも揃ってしまうのは大きな魅力ですね。守谷は地域との繋がりを大切にする優しい街です。これからも市民の方々の“ニーズに合った支援”ができるように児童福祉課みんなで頑張りたいと思います。

今回、話を聞いた人

児童福祉課 地域子育て支援センター所長 塚本仁子さん
同課 課長 滝本充さん
同課 課長補佐 前川優子さん

所在地:茨城県守谷市大柏950-1
TEL :0297-45-1111
URL:http://www.city.moriya.ibaraki.jp/index.html
※この情報は2016(平成28)年7月時点のものです。

地域力で育む子育て支援制度の充実したまち守谷/守谷市役所児童福祉課 塚本仁子さん・滝本充さん・前川優子さん
所在地:茨城県守谷市大柏950-1 
電話番号:0297-45-1111
開庁時間:8:30~17:15(日曜日は諸証明発行業務のみで12:00~13:00に昼休みあり)
休庁日:土曜日、祝日、年末年始
http://www.city.moriya.ibaraki.jp/

世界中の人々や文化を理解し、国際社会で貢献できる人材を育成する/開智望小学校 青木徹先生

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関東鉄道常総線「新守谷」駅に隣接し、筑波研究学園都市に近く都市開発が進むここ守谷市に2015(平成27)年4月に開校した「開智望小学校」。同校では、無限の可能性を持った子どもたちに、日本の教育の良さを生かしつつ、想像力、発信力、コミュニケーション力を育てる探求型の学びと、企画力、自発力、挑戦する力を育成する「児童が主体的に学ぶ授業や自分達で創り上げる行事」を多く取り入れている。児童一人ひとりの育ちと主体的な学びに、きめ細かく対応する教育を構築するという今注目の教育システムを持つ同校にお邪魔し、理事長・校長の青木徹先生にお話を伺った。

世界中の人々や文化を理解し、国際社会で貢献できる人材を育成する

 

―「開智望小学校」の概要についてお聞かせ下さい。

世界中の人々や文化を理解・尊重し、平和で豊かな国際社会の実現に貢献する人材を育成するために国際的な標準のカリキュラムと方法を取り入れ、子ども達が楽しく自ら実践し自分達で考え探求していく教育スタイルが「開智望小学校」の特徴です。疑問の発見から発表まで、子どもたち自身で主体的な学びを行なっていけるように指導しています。それは単なる“体験授業”ではなく物事の本質を考えていく“探求授業”です。

「私達はどういう存在か」「私達を歴史的、地理的にみると」「私達は自分の意思をどう表現するか」「世界はどのように成り立っているか」「私達は社会をどう組み立てているか」「私達は地球をどう共有しているか」、この教科融合型の六つのテーマを約6週間ずつ、合わせて1年間で探求していきます。そうすると発達段階に合わせ学ぶことで智恵がレベルアップしていくのです。将来的に世界を担っていけるような考えを身につけてもらえるようになればと考えています。

 

―少人数、グループで授業を行っているのはなぜでしょう?

日本では大人数のクラスも多いのですが、世界標準は24名の学級です。人数が少ないことによって子どもたち一人ひとりの個性や能力に合わせたきめ細かな指導を行うことができます。「開智望小学校」の教室は24名の児童が学ぶのに最適の大きさですし、電子黒板等の設備を備えています。児童はテーマを共有する少人数のグループになり、教師は児童の関心を呼び起こしてそのテーマについて探求、協働、思考の相乗効果、問題解決を促していきます。

児童は調べたり聞いたりして、一人ではなくみんなで意見交換していくのです。考えをディスカッションすることによって自然とコミュニケーション力もつきますし、探究力、創造力、発信力、新しい知識を得ていくことができます。教師が指導して、児童がそれを聞くという一方通行の授業では成し得ない、自ら問題を発見し検証して答えを導いていくという考え方の柔軟性が生まれるのです。そのような理由で少人数・グループ授業を取り入れています。

 

―「開智望小学校」では英語活動を重視されているとお聞きしましたが?

英語は、トータルで約2,500時間学ぶと英語を使うのに困らなくなるという説があります。英語を身につけるには継続して英語を学べる環境にいることが大事なのです。「開智望小学校」では毎日1時間の英語の授業を取り入れています。1週間で5時間、1年で200時間になります。それを続けると小中高の12年間で2,400時間になります。児童の発達段階に応じて負担をかけ過ぎず、ゆっくりとしっかりと英語を身につけてもらうプログラムなのです。その為に小学校1年生から英語の授業を取り入れています。

英語習得には日本語を身につける過程と一緒で、耳から聞いて書いて読んでいくスタイルが良いのです。そうすることで発音がしっかりしてきますし、スペリングにも反映されてライティングがスムーズになるんです。もちろんネイティブの教師による指導で生の英語に常に触れることができる環境を作っていますので、児童は自然としっかりとした英語を身につけることができます。

 

―「国際バカロレアPYP候補校」に認定されるそうですね。

「国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)」は、チャレンジに満ちた総合的な教育プログラムとして、世界の複雑さを理解して、そのことに対処できる生徒を育成し、未来へ責任ある行動をとるための態度とスキルを身に付けさせるとともに、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学へのルートを確保することを目的として設置されたものです。「開智望小学校」は2015(平成27)年12月に関東初の学校として2016(平成28)年3月からPYP候補校となることが認定されました。

学んだ自分の知識が社会の為にどのように使えるのかという考えや、行動的で共感する心をもつ生涯学習者となるように働きかけるというバカロレアの理念が、本校の理念とほぼ合致していたのです。そのようなこともありまして認定いていただくことになりました。本校の教育理念である「国際社会に貢献できる心豊かな想像力・発信力を持った問題を見つけ解決する学力を持つ人材育成」に向けて、今後ますます国際水準の教育に取り組んでまいります。

 

―今後の開智望小学校について教えて下さい。

現在、「開智望小学校」のキャンパスはこの小学校だけですが、このキャンパスに中学校と高校を設立して小中高一貫で12年間学べる環境を整えて行きたいです。児童がここで身につけた高い学力や得意な分野を生かして卒業後日本や世界の大学に進学して、将来人の役に立てる立派な人材がたくさん育っていってもらえればうれしいです。「開智望小学校」はそんなステップになる存在でありたいと思っています。

 

―最後にここ守谷の魅力について教えて下さい。

この街の魅力は、自然が豊かなことです。子どもたちにとって心豊かに育つには自然に囲まれた環境はとても大事です。そして最先端の研究都市である「筑波研究学園都市」と「柏の葉キャンパス」がすぐ近くにあり、教育を受ける環境も充実していますので、子どもたちにとって学びやすい環境が身近にあります。また古くは平将門がこの地に城を築くなど歴史が深い街でもあり、昔と今が美しく同居した魅力的な街です。「開智望小学校」がここ守谷を選んだのもそのような理由からです。これからの子どもたちの未来と街の発展がとても楽しみです。

開智望小学校

開智望小学校

開智望小学校 理事長・校長 青木徹先生
住所:茨城県つくばみらい市筒戸字諏訪3400
TEL :0297-38-6000
URL:http://www.kaichigakuen.ed.jp/nozomi/
※この情報は2016(平成28)年3月時点のものです。

学校・保護者・地域が一体となり取り組む/守谷市立黒内小学校 小池義寿先生・吉田克也先生

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茨城県の南部に位置し、利根川、鬼怒川、小貝川の河川に囲まれた台地上に市街地が形成され、水と緑の恵まれた守谷市。常磐自動車道やつくばエクスプレスの開通により、首都圏とも直結しアクセスが良く、近年転入者も増加しており、めざましい発展を遂げている。「守谷市立黒内小学校」は、市内で「守谷」駅に最も近い小学校だ。同校は、知の形成、心(徳)の形成、体の形成、守谷型「保幼小中高一貫教育」の推進を重点に学校づくりを進めており、その教育システムの充実度は評価が高く、保護者や地域からの期待も大きい。同校を訪れ、小池義寿・校長先生と吉田克也・教頭先生に話を伺った。

真新しい校舎に、様々な設備が充実

真新しい校舎の「守谷市立黒内小学校」

――学校の概要、沿革について教えてください。

小池校長先生:「守谷市立黒内小学校」は1979(昭和54)年に守谷小学校から分離して、児童数342名で始まった学校です。好景気であった1983(昭和58)年度から1985(昭和60)年度にかけて児童数は増え続けましたが、その後の校区の児童数減少で、全学年単学級の211名の小規模校の時代も経験しました。そして、2005(平成17)年につくばエクスプレスが開業して以来、「守谷」駅前開発、大型ショッピングセンターの建設、各種インフラが急速に整備されたこともあり、それから現在までの児童数は増え続け、2016(平成28)年度は566名になりまして過去最高の在籍人数になりました。今後も児童数は増えていくものと予想しています。また、児童数増加もあり、新校舎を建設しまして2016(平成28)年3月に完成しました。

設備の整ったトイレ

小池校長先生:新校舎は普通学級全12クラスが入る3階建になります。すべての教室に空調設備が整備され、また主要教科のデジタル教科書の入った70インチの電子黒板が設置されています。エレベーターやスロープなどの設備、トイレはすべて洋式に統一するなど現代の生活スタイルに合った学校、守谷の市民生活に沿った作りになっているのが特徴です。また元々プールがあった場所に建設した関係で、夏のプール学習はバスで移動し、市内の屋内温水プールで行っています。更に2016(平成28)年9月より、約4人に1台のタブレットPCの導入を行い、これからの時代を生き抜く為のアクティブラーニングに向けての環境を整えています。

地域全体で子どもの学びを支える

教室内の様子

――学校の教育方針の特徴についてお教えください。また、子どもたちに接するときに気をつけていることはありますか?

小池校長先生:本校のスローガンは「チーム黒内 すべては子どものために」です。「チーム」は狭い意味で学校内のこと、子どもと教職員のことで、広い意味で保護者と地域全体のことを指します。チームが一丸となって、子どもたちの安全な環境を整え、健全な育成に努めていきたいと考えています。校長として大切にしているのは、共通理解、協働体制を土台にして、教員同士、学校と保護者、地域が一つのチームとして、お互いの信頼関係を築き、そこから活力のある学校をつくっていくことです。子ども同士、子どもと教員同士、教員同士の信頼関係が構築されている、という土台があってこそ教育が揺るぎないものになっていくと考えています。子どもが「分かる授業」、「達成感のある授業」は、自ら意見を出し合い、気づき、考えを深める「学び」が育成されます。その「授業が楽しい、もっとやりたい。」という子どもの意識は教員への信頼に繋がり、学級経営全体、学校全体にも反映されていきます。「チーム黒内」としての連帯感が生み出すプラスのスパイラルが学校の活性化になると考えています。「生き生きと子どもが学習に取り組み、学力を高められる創意ある授業づくり」、「やる気・けじめ・おもいやりの心を育て、互いに協働する学級を育む」ことを目標に、学級経営は授業づくりから、授業づくりは学級づくりからを基本に、学校を盛り上げていきたいと思います。

子どもの自主的な学びから責任感を育む

「あいさつ日本一キャンペーン」のポスターも児童の手作り

――授業の内容や学校行事について、「守谷市立黒内小学校」独自の取り組みはありますか?

小池校長先生:本校では生活面の指導で「あじみそ運動」を行っています。“あじみそ”とは四つの行動の頭文字をとったもので、“あ”は、「あいさつ日本一キャンペーン」のことです。2016(平成28)年度始めに、私から子どもたちに、「守谷市立黒内小学校のあいさつを日本一にするにはどうしたら良いか?」という宿題を出しました。それから子ども同士で、「どうしたらあいさつができるようになるか?」などを徹底的に話し合いました。運営委員やボランティア委員を中心に、あいさつ呼びかけ運動や、学級全員によるあいさつ運動を行い、あいさつ花のアーチ、あいさつ門、あいさつ川柳等を企画して、子どもたち各々があいさつを自主的にするように行動しています。
“じ”は、時間を守る指導です。子どもたちは朝の読書の時間をしっかりと意識して、時間と読書を大切にしています。休み時間、清掃時間、など限られた時間をしっかりと守って行動する規範意識を身につけて欲しいと考えています。
“み”は、みだしなみです。学校に通う時や、掃除の時間、体育の時間には、それぞれに相応しいみだしなみをするように指導しています。また、こころのみだしなみも大事にしていまして、信号を渡りきれなかった下級生を上級生が待っていてあげるなど、学校生活の様々な場面でどんな声がけをしてどんな行動を取るべきかを考えてもらうようにしています。
最後に“そ”は、黙って掃除を行う取り組みです。掃除中は、音楽をかけず黙々と取り組みます。与えられた場所を責任持って綺麗にするという考えと子ども同士が話し合って作業効率を上げる「協働力」を育てています。

――「たてわり班」についてお教え頂けますでしょうか。

吉田教頭先生:本校では、1年生から6年生で班を作りまして一緒に遊んだり、掃除をしたり話し合ったりする「たてわり班」活動を行っています。異学年交流を行うことにより、子どもたちに新たな信頼関係や責任感が生まれると考えています。上級生は、下級生に伝える楽しさと難しさを,下級生は上級生がたくましく頼りになる存在であるかをそれぞれ実感できる場です。この特別活動は、班対抗のレクリエーションや上級生が下級生に運動指導を行う「体力強化day」など様々なものがあります。また“たてわり”活動の一貫で、小学生が中学校生活を体験したり、小学生と中学生が意見交換をしたり交流を深めたりする活動や授業を行う「アクティブラーニング」を活用していまして、小学校から中学校への連続した成長に触れてもらうようにも努めています。

地域との関わりを積極的に持ち続ける

周辺にはのびのび暮らせる環境が整う

――保護者との関わりや、連携体制についてお教えいただけますでしょうか。

吉田教頭先生:PTA活動になりますが、学年ごとに保護者が組織を作って情報交換の場を設けたり、行事の手伝いをしたりして頂いています。主なものはボウリング大会や手芸クラブ、給食の試食会など企画しているようですね。ここ守谷は、新しく転入してくる方も多い背景もあり、保護者同士が理解し合って、子どもたちの安全で学び易い環境づくりをしていきたい、という気持ちがこのような活動につながっているのだと思います。みなさん、チームワーク良くやって頂いているのでとても感謝しております。

――地域の住民や自治会などとの関わりには、どんなものがありますでしょうか。

小池校長先生:新しい転入者や核家族が多い街では、地域との関わり、連携が取りにくいイメージがあると思います。本校では、年に1回秋に行われる「黒内まつり」を企画しておりまして、毎年地域のエキスパートの皆さんをお呼びして、一緒に体験授業を行うことにより、地域と子どもたちとの交流を深めています。ボーイスカウトのみなさんと飯ごう炊飯体験をして一緒に食事をしたり、そば打ち体験をしたり、普段は経験のできないことに出会える場ですので、「黒内まつり」を子どもたちも楽しみにしている様子ですよ。これからも「黒内まつり」を通じて地域との繋がりを大事にしていきたいと思います。

子育てサポート体制が整い環境にも恵まれた街、守谷

「守谷市立黒内小学校」小池義寿 校長先生(左)、吉田克也 教頭先生(右)

――今後の「守谷市立黒内小学校」の展望についてお聞かせください。

小池校長先生:本校がある守谷中学校区の学力は、茨城県全体でも上位に位置するトップレベルにあります。守谷市を代表する教育の最先端を走ることができるような魅力ある学校にしていきたいですね。今後も教育をより質の高いものにしていき、保護者や地域の期待に応えたいと思います。

――守谷市の魅力はどのようなところだと思いますか。

小池校長先生:守谷の学校は、学校間で教育の情報交換がしっかりとできていますし、教育水準、施設・設備何をとってもトップレベルにあります。教育を第一に考えていらっしゃるご家庭にはオススメですね。また、都心に近く都市的な要素が多くある一方、公園をはじめとする緑が大変多い環境であり、住みやすいことも魅力ではないでしょうか。教育や子育てを中心に転入をお考えであれば最高の街だと思います。

吉田教頭先生:守谷市は、住民に対するサポート体制など、隅々まで行政の目が行き届いているのが素晴らしいと思います。新しく引っ越してきても、隣同士の繋がりを大切にし、支え合う人が多い優しい街ですので安心して暮らすことができます。買い物にも子育てにも便利で住みやすいのが魅力ですね。守谷市に是非お越しください。

守谷市立黒内小学校

守谷市立黒内小学校 校長 小池義寿先生、教頭 吉田克也先生
所在地 :茨城県守谷市百合ヶ丘2-2349
TEL :0297-48-5976
URL:http://moriya.jed.jp/~kurouti/
※この情報は2016(平成28)年8月時点のものです。

学校・保護者・地域が一体となり取り組む/守谷市立黒内小学校 小池義寿先生・吉田克也先生
所在地:茨城県守谷市百合ケ丘2-2349 
電話番号:0297-48-5976
http://moriya.jed.jp/~kurouti/

子育てしやすい街づくりを進める松戸市/松戸市役所子ども部 小林邦博さん

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千葉県北西部(東葛地域)に位置しており、都心からのアクセスにも優れ街の開発が進む松戸市。同市では「共働き子育てしやすい街」ランキング(日経デュアル・平成27年度調査結果)で全国主要100自治体の中で県下1位の評価を受けるなど、率先して子育てしやすい街づくりを進めている。
松戸市子ども部・部長の小林邦博さんに松戸市の子育て環境と街の魅力についてお話を伺った。

「共働き子育てしやすい街」ランキング県下1位の評価を受ける松戸市

待機児童ゼロを実現し、「共働き子育てしやすい街」ランキング県下1位に

――松戸市の子育ての現状についてお教えください。

小林さん:松戸市では子育てしやすいまちづくりを率先して進めています。子育て・教育・文化を軸とした都市ブランドづくりをしていくにあたって「子育て」は最重要政策です。全国的に待機児童問題がニュース等でたびたび取り上げられていますが、一般的に、仕事を持つ多くのお母さんが育児休業明けで職場復帰する関係で1、2歳の待機児童が多くなる傾向にあります。そこで待機児童をなくすために市では小規模保育園の新設に力を入れました。

松戸市子ども部・部長 小林邦博さん

2015(平成27)年4月には8ヵ所だった小規模保育園を駅前や駅中に23ヵ所一気に増やし、合計で31ヵ所になりました。5歳児までが対象の認可保育園も増やして、2016(平成28)年4月1日には待機児童ゼロを達成しました。そのかいもあって「共働き子育てしやすい街」ランキングで全国主要100自治体の中で県下1位の評価を受けるなど、子育て世帯に注目していただいている街になっています。

「保育園きぼうのたから」

施設や制度を整え、子育て世帯がより暮らしやすい街へ

――松戸市ならではの取り組みや支援についてお教えください。その中でも特に力を入れて取り組んでいることはありますか?

小林さん:子育て世帯のサポートに力を入れています。先ほどお話した保育園にも関連することですが、「松戸」駅近くに「送迎保育ステーション」を設けています。まさに保育園の「駅」の役割を担う施設でして、ここでお子さんをお預かりして、指定の保育園に送迎する仕組みです。仕事を持つお母さんに大変好評です。また幼稚園で預かれる時間を保育園並みに拡大しています。幼稚園を長時間利用しても保護者の負担額が保育園を利用した場合と同じ金額で利用することができるよう、市で補助しています。

駅の役割を担う「送迎保育ステーション」

また、お子さんが病気になってしまったら、と保育園や病院を心配する親御さんは多くいらっしゃいます。保育園は病気の時は預かってもらえないのが一般的ですが、市では「病児保育」が可能な保育園も2016(平成28)年3月より整備していますので、ご相談いただければと思います。また突然熱が出てしまった場合等には、24時間体制で受け入れ可能な「夜間小児急病センター」や「松戸市立病院」など小児医療施設が整えられているので安心だと思います。市では今後も徹底して子育て世帯のサポートの充実を進めていきたいと思います。

「送迎保育ステーション」

――乳幼児向けの遊び場がたくさんあるとお聞きしましたが?

小林さん:赤ちゃんから3歳くらいまでの乳幼児を対象とした遊び場「おやこDE広場」や「子育て支援センター」を市内20ヵ所に整備しています(平成28年4月現在)。週に4日以上開館していまして、たくさんのイベントが開催されますので、親子でゆっくりと楽しめる憩いの場になっています。

さらにここには松戸市認定の「子育てコーディネーター」がいますので、子育ての悩みや疑問を気軽に相談できますし、必要に応じて適切な子育て支援事業や関係機関につなぐお手伝いをしています。

「おやこDE広場」

――小学生向けのプログラムは何かありますか?

小林さん:市では小学校入学後のお子さんもしっかりとサポートしています。市内全45校の校内や学校近くに「放課後児童クラブ」を設けています。子どもたちは夜7時まで校庭や広場、室内で遊んだり、宿題をしたりしながら親御さんがお迎えに来るまでの時間を安全に安心して過ごすことができます。

松戸中央放課後児童クラブのある「松戸市立北部小学校」

「放課後KIDSルーム」は、図書室などの学校施設を活用して、小学生が放課後等に自由に学習や読書ができる場所です。学習支援などのプログラムも用意されますので好評ですよ。今年2月には、「栄光ゼミナール」の講師をお呼びしての授業を行いまして大変人気でした。2020年の東京オリンピック開催も視野に入れて英語教育の支援も力を入れています。

――子育て世帯の住宅購入へのサポート制度があると伺いました。

小林さん:子育て世帯に選ばれる魅力的なまちづくりを進めるために、親元に住まいを取得する子育て世帯を支援しています。親が育児や子育てのサポートをすることにより、不安や負担を軽減し、安心して子どもを育てられる環境をつくることができると考えています。市内に住宅を取得する際に、子育て世帯がその家に親と同居する場合は75万円を、近居の場合は50万円を支給しています。松戸市外から転居の場合はさらに25万円が支給され最大100万円の支給になります。ぜひご活用ください。詳しくは住宅政策課(047-366-7366)へお問い合わせいただければと思います。

都心部へのアクセスの良さと歴史を合わせ持つ街

――最後に松戸市の魅力、子育て環境の魅力についてお教えください

小林さん:松戸市は都心に近く、上野東京ラインの開通で「上野」駅まで15分、「東京」駅まで24分とアクセスがさらに充実しました。一方で古くから水戸街道の宿場町として栄え、水戸藩最後の藩主徳川昭武が建てた戸定邸があるなど深い歴史を垣間見ることができる街でもあります。また昔からある自然を生かした自然尊重型の都市公園「21世紀の森と広場」など公園施設や緑があり、自然とたくさん触れ合える環境にありますので、子どもの感性を育てるには最高の街です。

「戸定が丘歴史公園」

お話ししましたとおり市による子育てサポート体制に合わせまして、医療機関の充実、市民参加型ネットワークによる防犯カメラの設置、街路灯の100%LED化など設備の充実も積極的に進め、子どもたちをはじめ住む人にとって安心・安全な街へと松戸市は常に発展し続けています。子どもたちに優しい街は、すべての人に優しくなる街になると私たちは考えています。「やさシティ、まつど。」松戸市にぜひお越しください。お待ちしています。

松戸市子ども部/部長 小林邦博さん

松戸市役所 子ども部
部長 小林邦博さん

所在地:千葉県松戸市根本387-5
TEL:047-366-1111(代表)
URL:http://www.city.matsudo.chiba.jp/
※この情報は2016(平成28)年5月時点のものです。

子育てしやすい街づくりを進める松戸市/松戸市役所子ども部 小林邦博さん
所在地:千葉県松戸市根本387-5 
電話番号:047-366-1111
窓口受付時間:8:30~17:00
閉庁日:土・日曜日、祝日、年末年始(12/29~1/3)
http://www.city.matsudo.chiba.jp/

行政と市民が力を合わせて住みよい街の実現を目指す/松戸駅周辺まちづくり委員会 青柳洋一さん

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松戸市は、千葉県北西部の東葛地域に位置する都市で西部は江戸川の沖積平野、東部は下総台地が広がる。東京都に隣接し6路線23駅ある充実した公共交通により都心や各方面へのアクセスは良好で、都心へ通勤・通学する人も多い。昭和30年代より長年首都圏の生活都市、千葉県の中心的商業都市として都市基盤整備に力を入れてきた同市は、都市機能の更新や商業・業務面のブラッシュアップなど、近年新たな動きを加速させているという。今回は「松戸駅周辺まちづくり委員会」の委員を務める松戸市役所街づくり部の青柳洋一部長に話を伺った。

“にぎわい”と“やすらぎ”を感じる街の実現

江戸川から松戸を望む

――「松戸駅周辺まちづくり委員会」発足の経緯について教えてください。

青柳さん:松戸市は、高度経済成長期に急激な人口増加に直面しまして、一年間に2万人のペースで人口が増えた時期もありました。商業・業務・文化の中心地として、首都圏の生活都市として発展してきた街です。6路線23駅ある充実した公共交通と、緑や河川などの水辺空間、もともと水戸街道の宿場町であった経緯から歴史資源が豊富であることが松戸市の特徴です。 そこで市ではこのような街の魅力を生かして発展し続けていくためには、街自体の潜在的なポテンシャルを最大限に生かした街づくりを行う必要があると、考えました。さらに、市内の公共施設が更新時期を迎えていた事も要因となり、市民のみなさんや学識経験者などのご意見を反映し効率的なまちづくりを進めるための調査・審議を行う組織として、2014(平成26)年に「松戸駅周辺まちづくり委員会」が発足しました。

――「松戸駅周辺まちづくり委員会」の構成について教えて下さい。

青柳さん:委員会の構成につきましては、大きく分けて4つに分かれています。委員会は学識経験者6名、関係団体5名、関係機関2名、松戸市職員2名の合計15名のメンバーで構成されています。人選につきましては、街の将来像についてさまざまな側面から話し合えるように幅広い分野の方々からご協力をいただいています。

「松戸駅周辺まちづくり委員会」委員の青柳さん

まちづくりの専門家だけではなく、宇宙飛行士の山崎直子さんや著名な建築家、マーケティング関連企業、子育てなどの各有識者、地元の商工会議所、県の土木事務所などさまざまです。

――「松戸駅周辺まちづくり委員会」の目標は何でしょうか。

青柳さん:松戸駅周辺地区が抱える課題や長期的な展望を踏まえて、本市の中心地である松戸駅周辺地区にふさわしい“にぎわい”と“やすらぎ”を感じる街の実現を目指したいと思っています。そのために、街づくりの機運が高まるように、街づくりに情熱を持って取り組んでいく人の輪を広げていくことが今後の課題であると考えています。「街の魅力を高めていきたい」、「街づくりに自分たちも参加したい」、という声を市民のみなさんからもたくさんいただいています。今後も行政と市民の皆さんが力を合わせて街づくりをしていきたいと考えています。

――これまでの委員会ではどのような議題が挙げられてきているのでしょうか?現実プランまで進んできたことはありますか?

青柳さん:これまでの委員会は、松戸市長に「松戸駅周辺まちづくり基本構想(案)」を提言することを主な議題としてきました。これにより市が「松戸駅周辺まちづくり基本構想」を策定したことは大きな成果でした。この基本構想に位置づけられている具体的な取り組みとして、松戸駅西口デッキで、エレベーターやエスカレーターを設置するバリアフリー整備が開始されたことは成果のひとつと言えます。

「松戸」駅西口デッキ整備イメージ

また、「松戸」駅の東側には、小高い台地になっている3ヘクタールほどの広大な国有地があります。そこを「新拠点ゾーン」と位置づけ、開発をして新なランドマークとなる多機能拠点づくりを進めていく考えです。市では現在、この国有地の取得に向けて国と協議を行っていまして、委員会では取得後の活用について検討していく予定になっています。

「新拠点ゾーン」にある松戸中央公園

――今、もっとも実現に向けて取り組んでいるもの、最近実現したものなどがあれば教えて下さい。

青柳さん:最近実現したものでは「上野東京ライン」の開通です。今まで上野止まりだったJR常磐線が「東京」駅、「品川」駅までつながるようになり、都心へのアクセスが格段に向上しました。また、2017年度には外環道路の千葉県区間が完成しまして、松戸市で初の高速道路インターチェンジができる予定です。

国の重要文化財の「戸定邸」

また、「戸定が丘歴史公園」は、園内の「戸定邸」が国の重要文化財になっていまして、庭園も国の名勝指定を受けました。今後は庭園や駐車場を整備して、市を代表する魅力溢れる公園にリニューアルしていきたいと考えています。

――これまでの取り組みで、特に地域が盛り上がった、効果的だったことを教えてください。

青柳さん:市の中心部に「21世紀の森と広場」という谷津の美しく懐かしい里山風景を保全した50ヘクタールの広大な公園があります。ここで毎年開催する「ドコでもシアター」というイベントが2016(平成28)年で5年になり13回目の開催を迎えまして、大変好評です。園内の四季折々の魅力的な風景の中で、音楽演奏やさまざまなパフォーマンスで、自然風景と芸術の融合による素敵な演出だとご好評をいただいております。

「ドコでもシアター」の様子

また、2016(平成28)年10月には、「モリヒロフェスタ」をこの公園で開催しまして、地元や全国の有名ラーメン店が一同に集まり味わうことができる「ラーメンサミット」や地場野菜の販売やキッチンカーが約50店舗出店する「松戸集まるしぇ」、その他「モリヒロサンバ」や「モリヒロ音楽祭」などたくさんのイベントを開催し、多くの人で賑わいました。松戸市の食と文化の良さを、市内外の人たちにもっと知ってもらうために、今後もこのようなイベント開催は続けていきたいですね。

やさシティ、まつど

――最後に松戸市の魅力について教えてください。

青柳さん:松戸市は、充実した交通網、緑や河川などの水辺空間、歴史資源が豊富な街です。また各分野で活躍されている個性や才能に溢れる方々が多くお住まいいただいている街でもあります。これは松戸市の住環境の良さを評価していただいている表れだと思います。

ふれあい松戸川(江戸川堤防交差点付近)

松戸市は、「共働き子育てしやすいランキング」でも県下1位の評価を受けるなど、子育て世代を支援する制度や医療体制の充実、防犯などのセキュリティ対策など、住む人に優しい街づくりを目指しています。行政と住民が連携をしてスピード感を持って住環境の向上に取り組んでいる活気のある街です。今までお話をしてきましたように、その時代に合った制度をつくることに対して積極的で、常に変化する世の中に対してチャレンジできる土壌が住む人にも行政にもある街であるということを、市民のみなさまには感じ取っていただければと思います。市のスローガンは「やさシティ、まつど」です。住む人に優しい街、この街に住みたいと言っていただける方が増えるように今後も努力していきたいと思います。松戸市にぜひお越しください。

行政と市民が力を合わせて住みよい街の実現を目指す「松戸駅周辺まちづくり委員会」

松戸駅周辺まちづくり委員会

委員 青柳洋一さん
所在地:千葉県松戸市竹ケ花136-2 竹ケ花別館4F
TEL:047-366-1111(松戸市役所代表)
URL:http://www.city.matsudo.chiba.jp/shisei/organization/machidukuribu/shigaichi.html
※この情報は2016(平成28)年10月時点のものです。

行政と市民が力を合わせて住みよい街の実現を目指す/松戸駅周辺まちづくり委員会 青柳洋一さん
所在地:千葉県松戸市根本387-5 
電話番号:047-366-1111
窓口受付時間:8:30~17:00
閉庁日:土・日曜日、祝日、年末年始(12/29~1/3)
http://www.city.matsudo.chiba.jp/

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