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多様な設備が使える地域交流施設/おやこの遊びひろば 保育士 塩中さん・育成課育成係 吉田さん

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川口市の子育て支援事業として市内各所で行われている「おやこの遊びひろば」は、乳幼児を抱える親にとってオアシスのような空間だ。子どもを楽しく遊ばせつつ、育児仲間との交流を通して気分転換を図れる。JR「西川口」駅から徒歩7~8分の所にある「並木公民館」で、その様子を見学させていただくとともに、担当保育士の塩中さんと、川口市子ども育成課の吉田さんに活動内容を伺った。

身近な子育て情報交換の場や、ママたちのリフレッシュの場に

並木公民館

――市内各所で実施されている「おやこの遊びひろば」について、その目的や役割などを教えていただけますか?

吉田さん:お子さんに楽しく過ごしてもらうこと、そして親御さんのママ友作りや息抜きの手助けになることが目的です。広いスペースにマットを敷いて、すべり台や積み木、おままごとセット、絵本など多種類のおもちゃを用意。未就園児が楽しく遊べて、親御さんも安心してくつろげる、子どもと親の両方にとってリフレッシュできる場を目指しています。

塩中さん:親御さん同士の情報交換の場にもなっています。部屋の中に、保育園や幼稚園の紹介冊子や案内や育児相談の窓口案内などを置いているので、それを見ながら「幼稚園どうする?」なんて話をされている方も多いです。

吉田さん:何度も来ていただくとだんだん顔見知りが増えて、お母さん同士で仲良くなり、自然と情報交換が生まれてきます。一人でネットを調べるより、人と話す方が気分転換にもなりますよね。

子どもを遊ばせながら気軽に手に取れる、育児関連の冊子やチラシ

――どこの「おやこの遊びひろば」にも、専門のスタッフさんがいるのでしょうか?

吉田さん:安心して利用いただくため、どの施設にも必ず保育士についてもらっています。「子どもがなかなかご飯を食べてくれない」とか「歯磨きを嫌がる」といったちょっとした悩みなら、遊びに来たついでに雑談のような感じで気軽に相談していただけます。「並木公民館」の「おやこの遊びひろば」は、先輩ママでもある塩中さんが担当されています。

無料・予約不要・出入り自由で気軽に使える

保育士の塩中さん

――「おやこの遊びひろば」の魅力は何でしょう?

塩中さん:一番は無料ということですね。仮に100円だとしても、毎週かかると負担になりますから。しかも予約不要で出入り自由なので、気軽に利用していただいています。

吉田さん:あとは、公民館などを利用していることですね。川口市は広いので、大きな子育て支援の拠点施設だけでは全エリアをカバーしきれません。ですが公民館は市内各所に散らばっているので、毎回遠いところまで足を運ぶ必要がありません。開催スケジュールを見て「この日はここ、次の日はこっち」と行く場所を決める方が多いですね。みなさん上手に使い分けていらっしゃいます。

親子でリフレッシュできる、広々とした開放的な空間

――並木公民館の「おやこの遊びひろば」の利用状況を教えてください

塩中さん:季節や天気によって大きく違いますが、平均的な利用者数は1回15~16組です。

――どのような目的で参加される方が多いのでしょうか?

塩中さん:あくまでも私の印象ですが、友だち作りと気分転換を目的に来られる方が多いと思います。やはり家でワンオペ育児となると、苦しくなってしまうので。あとは、歩けるようになったけど外で遊ぶにはおぼつかない時期の子どもを、「思う存分歩かせてあげたいから」と来る方も多いですね。さまざまな家具があるおうちと違って、ここは広々としていますから。

手遊び、お歌、絵本の読み聞かせなどを実施

子どもが興味を持ちやすいよう、部屋の端に並べられた絵本

――並木公民館の「おやこの遊びひろば」では、主にどんな活動をされているのでしょうか?

塩中さん:基本は「サークルタイム」といって、手遊びやお歌、絵本の読み聞かせなどをやっています。他には月に一度、その月に誕生日を迎えた子どもたちのお誕生日会をやっています。手形を取って、みんなでハッピーバースデーを歌うんです。地震、火災、竜巻などさまざまな想定の避難訓練も毎月行っています。このひろばでは靴を脱いでいるので「ちゃんと靴を履いて逃げましょう」とか。日頃から訓練することは利用者の方にとってもいいことだと思います。

活発に動く子も、のぼったりくぐったりできる遊具で遊べる

――通常行っている活動外に、季節の催しなどあればご紹介ください

塩中さん:月に1度、「あそびましょう」という季節を意識したイベントを行っています。折り紙や工作でハロウィンの飾りを作ったり、運動会のようなことをしたり、内容はいろいろです。工作は、家でも楽しめるよう身近な素材で作れるものを心がけています。

吉田さん:「おやこの遊びひろば」の一環として、年に5回参加者を募って、公開研修会を行っています。体操の講師を迎えて親子で体を動かしたり、離乳食についての講座を開いたりと、親御さんが育児に関する学びを深められる内容にしています。

おもちゃも自由に使える

――「おやこの遊びひろば」で心がけていることがあれば教えてください

塩中さん:気を付けているのは、初めていらしたお母さんがひとりぼっちにならないこと。お子さんの年齢が近いお母さんとつなぐなどして、まずはお母さんがこの場に来ることを楽しめるよう心がけています。もちろん、子どもたちが安全に遊んでいるかどうかにも目を配っています。子どもとお母さん、両方がストレス解消できるよう手助けになればと思っています。

★並木公民館に来ていたママたちに聞きました!

充実したおままごとセットもある

――「おやこの遊びひろば」を利用されてみて、いかがですか?

Aさん:こういった他の子がいるところに来ると、子どもは一人で遊ぶよりいろいろ刺激されるみたいです。それに家で子どもと2人きりだときついので、ここに来ることは私自身の気晴らしにもなっています。

Bさん:今日連れてきている子どもは2才2カ月。だんだん眠る時間が短くなってきて遊びたがるようになったので、こういった場所はとてもありがたいです。ここに来ると時間があっという間に過ぎる気がします。

Cさん:子どもを楽しく遊ばせたいのが一番の目的ですが、自分の気分転換も兼ねてここにきています。他の子がいると順番を待つことを覚えたりできるので、そういった意味でも大切な場所だと感じています。

好奇心を刺激するトンネルやボール

――周辺の子育て環境はいかがですか?

Aさん:恵まれた環境だと思います。ここの目の前にある「並木町東児童遊園」にはよく来ます。あと「イオンモール川口前川」には室内遊園地があって、雨の日でも子どもを遊ばせられるのが助かります。

Bさん:緑が多くていい所。遊ばせられる場所も「並木町東児童遊園」と「中青木公園」はしょっちゅう利用しています。

Cさん:子どもを遊ばせられる公園にも困りませんし、子育て家庭には住みやすい街ですね。「川口クマさん保育所」に併設されている支援センターもよく利用しています。

並木公民館に隣接する「並木町東児童遊園」

親も子どももリフレッシュできる 並木公民館の「おやこの遊びひろば」

並木公民館 おやこの遊びひろば

川口市子ども育成課 育成係 吉田さん
保育士 塩中さん
所在地:埼玉県川口市並木2-8-2
電話番号:048-251-2288
URL:https://www.city.kawaguchi.lg.jp/kosodate_gakkou/kosodatehenoshien_guidebook/2/17260.html
※この情報は2018(平成30)年10月時点のものです。

多様な設備が使える地域交流施設/おやこの遊びひろば 保育士 塩中さん・育成課育成係 吉田さん
所在地:埼玉県川口市並木2-8-2 
電話番号:048-251-2288
開館時間:9:00~21:00(日曜日、祝日は17:00まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)
https://www.city.kawaguchi.lg.jp/soshiki..


地域の力が“砧小らしさ”に欠かせない存在。創立117年目を迎える伝統校「世田谷区立砧小学校」

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砧公園の近くにある「世田谷区立砧小学校」は、今年で創立117年を迎える歴史ある学校だ。校庭に植えられた樹齢100年を超えるソメイヨシノは、今でも春になると美しい花を咲かせる。ご自身も同校の卒業生であり、2019年4月に着任した寺村校長先生に、同校の取り組みや砧エリアの魅力について話を聞いた。

砧エリアで最も歴史ある学校、2020年(令和2)年以降に全棟改築予定

「世田谷区立砧小学校」の校庭と校舎

――まずは貴校の今日までの歩みと概要をお聞かせください。

寺村校長:砧小学校は今年(2019年度)で創立117年になります。前身の「研精学舎」などから考えると、さらに古くからになりますね。砧エリアにある計8校の小中学校の中では最初にできた学校です。現在は計474名の児童が通っており、各学年2~3クラスあります。

「世田谷百景」に指定されている“百年桜”

――昔からある学校なのですね。設備や児童数など今後の展望はいかがでしょうか?

寺村校長:現在の校舎は築50年ほど経っています。次期改築校として選定され、2020(令和2)年以降に全棟を改築する基本構想が練られています。隣接する「世田谷区立砧幼稚園」も併せて改築して認定子ども園とし、本校と複合化するようです。まだ具体的なスケジュールはわかりませんが、少なくとも10年以内には新校舎に生まれ変わると思います。近くにある大蔵住宅という団地が建て替えなどもあるので、若い世帯が入居すれば本校に入学する児童もさらに増えるでしょう。新校舎は、その点も考慮して設計されると思います。

縦割り班ごとに作った旗

――教育目標やそのための取り組みを教えていただけますか?

寺村校長:「思いやりのある子ども」「すすんで仕事をする子ども」「からだをきたえる子ども」を教育目標に、知・徳・体をバランスよく育むよう指導しています。朝学習の定着で学力向上を図り、縦割り班活動により思いやりの心を育てている他、朝ラン、外遊び、食育を充実させて健康維持と体力の向上を目指しています。また、清掃活動や挨拶を通じてコミュニケーション力や社会的マナーを学んでいます。

大きな変化にも対応できる力を育む

この学校の卒業生でもある寺村尚彦校長先生

――世田谷区では、小学校6年・中学校3年を一つの「学び舎」として連携する「世田谷9年教育の推進」についてはどのようにお考えでしょう?

寺村校長:子どもたちの中学での成長は、小学校での学びがあってこそ。だから小学校の教員は、教え子を中学卒業まで見届けるべきだと思います。そんな視点を大切に、「世田谷9年教育」に取り組んでいます。昨今は中1ギャップが問題視されていますが、小学校と中学校の差はあって良いのではないでしょうか。環境が大きく変わることは、自分を見直すチャンスです。だから変化を小さくして接続をなだらかにするより、大きな変化に対応できる力を小学校で身につけることを重視したいと思います。

土管を使った昔ながらの遊び場

――特徴ある課外活動があればご紹介ください

寺村校長:本校では、6年生が鼓笛隊をやるのが伝統です。活躍の場は運動会や地域のお祭りなど。私の在校当時は児童が多かったので5・6年生の選抜でしたが、私が通っていた頃にも鼓笛隊がありました。音や動きを合わせなければならないので、学年の結束力が高まるんですよね。子どもたちも楽しんでやっているので、今後も続けられればと思います。

世界の料理を掲示板で紹介

――食育にも力を入れてらっしゃるそうですね?

寺村校長:グリーンピースのさやむきなど給食作りの下ごしらえ体験を積極的に行っています。また、世田谷のブランド野菜である「大蔵大根」など、地のものを多く使って地産地消を心がける一方、ボルシチなど外国の料理を出して世界の食に関心を持たせる工夫もしています。子どもたちが敷地内で育てている野菜を地域のお祭りなどでふるまおうと、以前の校長が作ったピザ窯などもあります。今年度はまだ利用する機会がありませんが、今後、夏祭りなどで利用する機会があるそうなので楽しみにしています。

地域の人々が“砧小らしさ”を支える

校舎の裏にある学校菜園

――世田谷区では地域が学校の運営をサポートする「地域運営学校」という取り組みが進められていますが、砧小ではどんなことが実践されていますか?

寺村校長:登下校の見守りをはじめ、さまざまな場面でサポートいただいています。特に大きなイベントの運営は大変なので、学校だけではどうにもなりません。本校が会場の一つとなる「砧っ子夏祭り」など、子どもたちが楽しみにしている行事が続けられているのは、地域の人々のおかげです。

畑の向かいに作られたピザ窯

――砧小学校にとって、地域の方々はどんな存在でしょうか。

寺村校長:公立学校の職員は5~6年も経てば異動してしまいます。でも、住民はそんなに短いスパンでは変わりません。ずっとそこにいるから、過去の出来事を踏まえながら、いろいろなことを継続できます。だから、学校の職員が入れ替わっても砧小の魂や砧小らしさは失われないんです。砧に住む人々は、砧の子どもを育てるために欠かせない存在です。

廊下に張り出されて、各委員会のスローガン

――近隣の学校や子育て施設と交流はありますか?

寺村校長:この学校には砧幼稚園が併設されているので、園児とふれあう機会は多いです。先日も幼小交流の一環として、「次大夫堀公園」で5年生と年長クラスの子たちが一緒に田植え体験をしました。ちなみに砧幼稚園の園長は砧小の校長が兼務することになっていて、現在は私が務めています。もちろん砧中との交流も盛んで、「世田谷子ども駅伝」にも、本校を含む小学校の5・6年生と砧中学校の1・2年生がチームを組んで参加しています。

次大夫堀公園民家園

――寺村先生が思う砧エリアの魅力をお聞かせいただけますか?

寺村校長:この辺の町会の方々の多くは、この学校の卒業生。初対面でも、卒業生という共通点だけで簡単に親しくなれるところが良いですね。一般的には、世田谷というと都会的なイメージがあるのでしょうが、実際は下町っぽいあたたかさもある土地柄。地域への愛着が強く、「自分たちの街のことは自分たちでやる」という考えが根付いています。砧エリアもそこが魅力だと思います。

世田谷区立砧小学校 寺村校長

世田谷区立砧小学校

校長 寺村尚彦先生
所在地 :東京都世田谷区喜多見6-9-1
電話番号:03-3417-4477
URL:http://www.setagaya.ed.jp/kita/
※この情報は2019(令和元)年6月時点のものです。

地域の力が“砧小らしさ”に欠かせない存在。創立117年目を迎える伝統校「世田谷区立砧小学校」
所在地:東京都世田谷区喜多見6-9-1 
電話番号:03-3417-4477
http://www.setagaya.ed.jp/kita/

ポジティブな声かけで子どもたちをサポートする「世田谷区立砧中学校」

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「世田谷区立砧中学校」は、2013年度(平成25年度)から指定を受けている「地域運営学校」として 地域住民や保護者が学校運営に携わることで、地域に開かれた学校づくりを目指している。昨年4月に着任した建部校長先生に、同校の取り組みや砧エリアの魅力について伺った。

大規模校だからこそ、きめ細かいケアを意識

世田谷区立砧中学校

――まずは学校の概要を教えてください

建部校長:本校ができたのは1947年(昭和22年)。それ以前は宮内庁の御料地で、敷地内には古墳もあります。昨年度には開校70周年を迎えた、歴史ある学校です。現在、全校生徒は612名。都内でも規模の大きい学校に入ります。生徒数が多いので大変ですが、「伸ばすべき子どもは伸ばし、支えるべき子どもは支える」を基本理念に、きめ細かい指導を実践しています。

建部校長先生

――大規模校ならではの取り組みはありますか

建部校長:そうですね。一クラスあたり35~40名と生徒数が多いので、一人の担任教諭がクラス全員の状況をつぶさに把握するのは難しいでしょう。その分、学校とのつながりを生徒一人ひとりが感じられるよう、全教員が全生徒をケアする意識を持っています。たとえば女子生徒なら、男性の担任教諭には打ち明けにくい悩みもありますよね。でも生徒も2・3年生になると、「他の先生に相談するのは担任の先生に申し訳ない」と気を遣います。そこで夏休み明けに、堂々と担任以外の教員を指名できる「そうだんウィーク」を設けているんです。そこで信頼関係が築ければ、その後も相談しやすくなりますよね。養護教諭や私を指名する生徒もいますよ。

ランチルーム

――授業の特色について教えてください。

建部校長:どの教科でも、グループ学習を推奨しています。通常の先生対生徒という授業形式では、手を上げて発言するのが苦手な子は参加しにくい面がありますよね。でも5、6人のグループなら発言しやすいので、全員が参加意識を持つことができます。気軽に意見交換できることで、子どもたち同士の学び合いにもつながると考えています。

「日本語」の授業でアサーション・トレーニングを実施

渡り廊下と一体化した広々としたスペース

――授業の進め方以外で、力を入れている取り組みがあれば教えてください

建部校長:書き言葉と話し言葉の違い、丁寧な言葉遣いの大切さ。これらには特に力を入れて指導しています。いまの生徒たちは、小学生の頃からLINEなどのメッセージアプリを利用していて、短文のやりとりがクセになっています。面と向かった会話でも、短いフレーズや略語を多用します。普通なら「ちょっとそこをどいてもらえる?」というところを、「邪魔」の一言で済ませてしまう。相手の気持ちを配慮した丁寧さが欠けているんです。当然、冗談のつもりで口にした一言が相手を傷つけるといったことが起こり、トラブルにつながります。相手の気持ちになって言葉を選ぶようにと教えています。

特別支援学級の調理実習

――そういったことを指導する授業もあるのでしょう

建部校長:世田谷区の中学校には「日本語」という教科があります。本校ではこの授業の中で「アサーション・トレーニング」を行っています。アサーションとは、相手を尊重しながら自分の意見をしっかり伝えるコミュニケーションスキルのこと。仏頂面で「それ取って」と言われるのと、笑顔で「それを取っていただけますか」と言われるのでは、気持ちが全然違いますよね。同じ意味でも相手が不快に思わない言い回しを教えています。

メッセージアプリのトラブル事例を集めた掲示

――生徒たちの反応はどうですか

建部校長:日常的な課題なので、生徒たちの関心も高いですね。生徒会が中心になってアンケートを実施し、メッセージアプリのやりとりで嫌な気持ちになった言葉を集めて掲示しています。周囲の大人の言葉遣いも重要ですね。私は若い頃に先輩に教わり、普段から生徒にも敬語を使っています。

休み時間の教室

――生徒とふれあう中で、先生方が心がけていることを教えてください

建部校長:休み時間には可能な限り校内をまわり、生徒を見かけたら笑顔でポジティブな声かけをするようにしています。もしその生徒が、人知れず悩みを抱えてギリギリのところにいたら、私たちの一言で救われるかもしれません。この考えのベースにあるのは、サリンジャーの小説『ライ麦畑でつかまえて』です。崖から落ちそうな子どもを瀬戸際でキャッチする。そんな存在でありたいと思っています。

地域の支えあっての学校

廊下の一角には、図書委員がテーマに沿って集めた本が並ぶ

――地域の方々との関わりについてお聞かせください

建部校長:本校は地域に開かれた学校で、地域の会合が校内で行われることもよくあります。そういうときは、来校された方に必ず校内を案内することにしています。教室内で授業を見ていただくことも多いので、生徒も開かれた学校であることを肌身で感じていると思います。

――今後新たに取り組む予定の活動などあれば教えてください

建部校長:実は世田谷区の取り組みの一環として、部活動を来年度から地域主体へとシフトする予定です。公立中学校では、活動の盛んな部であっても顧問教諭の異動でしばしば廃部にせざるを得ないことがあります。そこで部を永続的に存続させるため、本校では地域の力を借りることにしました。学校は活動の場を提供する程度で、部の運営は地域の方にお任せし、顧問も務めていただくんです。

2面あるテニスコート

――具体的にはどんな部活動ですか

建部校長:一つは、2019年度新たに創設予定の囲碁・将棋部です。欧米には、老若男女が自由にチェスを楽しめる公園がありますよね。あんな風に地域の人が気軽に参加できるオープンな部にできればと考えています。もう一つは、屋上の農園で活動する栽培部。これは既存の部ですが、2019年度から地元の農家の方にさらなる協力を仰ぎ、地域主体のものにする予定です。運動部も日大の学生さんなどに来てもらうなど、みなさんの力を借りてやっています。まさに、地域に支えられている学校ですね。

栽培部の活動の様子

人々の温かさが砧エリアの魅力

――砧エリアの魅力はどんなところでしょうか。

建部校長:魅力はこの地域にお住まいの方々です。一つは気さくで温かいこと。代々ずっとこの地に住んでいる方が多く、地元愛にあふれています。それでいて、違うところから来た人も快く迎え入れる懐の深さがあるんです。私は4月に来たばかりですが、みなさん街で会っても気軽に声をかけてくださいます。子どもたちにもそういう面があります。普通は中学生ともなると照れや反発心があって、学校外で教員に会っても自分から声をかけてくることは少ないですよね。でもここの生徒たちは、私を見つけると大きな声で「校長先生!」って呼びかけてくるんです。驚きましたね。

もうひとつは、ボランティア精神が根付いていること。行事などでお手伝いをお願いしたとき、人が集まらないということがないんです。進んで地域に貢献する両親や祖父母の姿を見ているからでしょう。子どもたちの中にも自然とボランティア精神が醸成されていると感じます。これは、この地域の人々の大きな魅力だと思います。

校長 建部豊先生

世田谷区立砧中学校

校長 建部豊先生
所在地 :東京都世田谷区成城1-10-1
電話番号:03-3417-2367・2368
URL:http://school.setagaya.ed.jp/tkita/
※この情報は2019(平成31)年2月時点のものです。

ポジティブな声かけで子どもたちをサポートする「世田谷区立砧中学校」
所在地:東京都世田谷区成城1-10-1 
電話番号:03-3417-2367
http://school.setagaya.ed.jp/tkita/

主体的・能動的に動くことができる子どもを育成する/森村学園幼稚園 藤原 伸介 さん

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「長津田」駅の南西、緑豊かな丘の上に位置している「森村学園幼稚園」。幼稚園から高校までの一貫教育を行っている「森村学園」の一員として、遊ぶことを通じて生きる力の礎を築き、知的好奇心を育てていくことを目標に教育を行っている。そんな「森村学園幼稚園」の藤原伸介園長先生に、園の具体的な教育方針などについてお話を伺った。

幼小中高一貫教育の入り口として将来を見据えた教育を

藤原園長先生

――幼稚園の教育理念についてお教えください

藤原園長:「森村学園」は、幼小中高一貫校となっています。今年度で創立106年を迎えました。創立者の森村市左衛門は明治時代の実業家で、「TOTO」や「ノリタケ」など、日本のセラミックス産業を興した人物で、日本の教育発展に多大な支援を行っていました。晩年、自分の学校を作ろうというので、東京の高輪に幼稚園と小学校を作ったのが「森村学園」の始まりです。

「独立自営」が建学の理念となっており、「正直」「親切」「勤勉」の3つの言葉を校訓としています。3つの校訓は、幼稚園の子どもたちには「森村っ子は正直だから嘘は付きません」「森村っ子は誰にでも優しいです」「森村っ子はどんなときにも一所懸命頑張ります」というように、わかりやすく翻訳して教えています。発達段階に応じて翻訳した言葉で子どもたちに伝えて、「森村学園」を巣立って行くときには誰もが「正直」「親切」「勤勉」な人間で卒業できるようにと考えています。「独立自営」は、市左衛門が実業界で生きていく中で悟った言葉なんですが、独立は一人で立つ、自営は自ら営む。一言で言えば、「自立した人間になる」という意味ですね。

読み書きそろばんはせずに遊びが中心

幼稚園は一貫教育の入口なので、高校卒業時を想定した時にどういった教育をしていけばよいか、ということを基本に考えています。ただ、そう言うと勉強をする幼稚園と受け止められてしまうかもしれませんが、基本的に「森村学園幼稚園」では読み書きそろばんはやっていません。なぜかといえば、それは初等部から先できちんと育ててもらえばいいのです。小学校から先の勉強というのは、先生に教えられる受け身の授業となってしまっています。それをどうアウトプットできるようになるかということが学力として問われているものだと思うのです。幼稚園の間は、そういう体制になった時にも主体的・能動的に学習に取り組むことができる土台を作ることを大切にしています。

みんな元気いっぱい

大事なのは大きくなった時に、将来自分がどんな道を生きていくかを自ら考えさせる。その土台は幼稚園の幼児期からつくっていくのです。つまり主体的に生きていくための力を培ってあげようというのが幼稚園の教育の仕方です。そして、主体的に生きるためには、どういう教育をするのが一番いいかと考えていった時に辿り着いた結論が「遊び」なんです。

森は子どもたちの絶好の遊び場

どうして遊びなのかというと、遊びというのは夢中になれるもの。夢中になると人間は“もっと”という気持ちが湧いてきます。例えば、砂場で山を作り始め、夢中になると「もっと大きな山を作りたい」という気持ちが湧いてきます。じゃあ、もっと高い山を作るためには、どうすればいいか考えるようになるのです。こうした経験を積んでいくことが生きるための礎であり、知的好奇心の土台になると考えています。子どもたちとよく幼稚園の裏の森に遊びに行くのですが、おもちゃなんてなくても、1時間でも2時間でも遊んでいられます。それは、子どもたちが工夫をして、もっと楽しく、もっと大きく、もっとダイナミックにと、自ら考えながら遊んでいるからです。みんなと一緒にやれば、一人ではできなかったことができるということもわかる。まさに社会の中で生きていく力を育てていく。このように、良質な遊びを提供することで主体的に生きるということを繰り返し体験させる。自分で考え自分で解決し、自分で実現していく経験を幼児期の間に何度でも経験させてあげることで、主体的に生きる力が育っていきます。そうすれば小学校にあがった時も受け身にならず、どうやったら主体的に授業に関わっていけるかということが、自然に考えられるようになるのです。実際に、成績のいい子は授業を絶対に疎かにしません。未知の世界のものを知ることに喜びを感じて、じゃあこれを使えばこれができるかも、と自分で考えます。最近では、盛んにアクティブラーニングということが言われていますが、幼稚園での活動はそのほとんどがアクティブラーニングの手法で展開されているといってもいいと思います。

自ら考えさせるために必要なのは先生のスキル

3つの校訓

――この教育をしていくうえで大切なことはどんなことでしょうか

藤原園長:このやり方をするときに一番求められるのは先生のスキルなんです。たとえば、去年、年長クラスで秘密基地ごっこしようということになったんです。その時は10月だったのですが、年長さんの10月というのは、そろそろ幼稚園生活の集大成をしなくてはいけない。ここで今までと同じような秘密基地ごっこをやるのでは、年長のこの時期に相応しい、良質な遊びをしたことにはならない。そこで、担任が考えたのはクラス全員で1つの秘密基地を作ろう、ということでした。ただし、そこで担任の先生がクラス全員で秘密基地を作ろう、と言ってしまうとその瞬間にそれは「させる活動」になってしまう。そこで、子どもたちが自らみんなで作ろうと言い出した体になるように言葉のキャッチボールをするんです。まずクラスの活動に仕立てようという風に閃くことがスキルですし、言葉のやり取りを通じて、自分たちがそう思ったように思わせる、これもスキルです。

これはすごく難しいことです。幼稚園の先生は台本も何もない。たまたま秘密基地を作ろうと子どもが言ったところからみんなで作らせようと閃き、さらに言葉のやり取りを通じて自分たちが全員で作った形にお膳立てしなくてはいけない。幼稚園の先生に求められるスキルは非常に高いものがあると思います。

園内の様子

――先生たちのスキルアップのために何かされていますか?

藤原園長:何を求めていて何に興味があるか。それから、自分の受け持っている学年が、この時期だったらこのレベルのテーマを克服しないといけないという、常に課題設定が頭のなかにきちっと入っていないといけません。そこで、私たちはルーブリック評価という評価法を使っています。

――ルーブリック評価とは?

藤原園長:子どもを評価して、まだここが劣っているから頑張りなさいというのが、小学校から上の評価方法です。ルーブリック評価は、私たちが子どもたちに提供したアクティビティがどこまで有効だったか、その効果測定を私たち自身がするための評価法なんです。

例えば、思いやりなら、幼稚園に入ったばかりの3歳児をレベル1として、3年間幼稚園で活動をして卒園していく時に思いやりという力はどうなっていて欲しいか。これをレベル5というふうに設定します。そして、節目節目で一人ひとりの子どもを対象に、その子の思いやりは今レベルいくつまで到達してるかをチェックしていく。そうすると、3歳児の1学期末の思いやりの平均レベルは5段階評価の2.5だね、などがわかります。1学期末の段階が2.5だったものが3学期終わった時にどこまで伸びているかをチェックする。その間にどんなアクティビティをやってきたかをすり合わせていくことによって、その提供してきたアクティビティが思いやりという力を伸ばしていくのに有効だったかどうかを測定することができます。

遊びをとおした教育目標もしっかりと立てている

お子さんをここまで伸ばしますと、教育の目標をしっかりと保護者の皆さんにもお伝えしています。私学というのは、公立の施設と違って教育方針は独自に決めることができます。逆に独自に決めておかなくてはいけない。

勉強に特化した幼稚園もあれば、英語に特化した幼稚園、運動に特化した幼稚園もある中で、「森村学園幼稚園」は遊びに特化した幼稚園なのです。ただ、なぜ遊びに特化するのか、そこの裏付けがきちんとしていないといけませんし、その裏付けに基づいて教育の目標が明確に語れないといけません。

毎日の活動を振り返り、常に新しいノウハウを蓄積していく

園内の様子

――幼稚園の一日の流れをお教えください

藤原園長:登園したら、まずは9時45分くらいまで自由遊びを行っています。それからクラスごとの活動があって、ここでカリキュラムに則った活動が行われています。お昼のお弁当の時間が終わったらまた自由遊びがあって、1時半から1時50分までで降園しています。

――このクラス活動がカリキュラムの大きなポイントですね?

藤原園長:そうですね。前提となるカリキュラムがあって、そのカリキュラムを土台にした学期案・週案・日案と細分化した指導案を作っています。

毎日学年ごとに反省会をして、一日の活動についての振り返りをします。反省と課題と良かった点を日誌に記録をして、次の日の日案につなげていきます。一学期が終わると学期案と照合しながら、カリキュラムの想定していたことができていたかどうかを確認しつつ、ルーブリック評価で、新学期、効果測定を自分たちでしてもらう。その効果測定を繰り返しやっていくことによって、新しいノウハウが蓄積されていきます。

異学年交流も積極的に

広々とした園庭

――一貫教育ということで、小学校などと交流は行っていますか?

藤原園長:年に二回、年長と小学一年生の交流会があります。幼稚園の子どもが小学校の図書室に遊びに行く「図書室探検隊」を今年はじめて行ったのですが、とても好評でしたので、来年以降も続けていきたいと思っています。また、幼稚園の先生たちが小学校の教科会にオブザーバーとして定期的に参加しています。

園内の様子

――縦割り活動も行っていると伺いましたが

藤原園長:自然な形で異年齢交流ができるようになるのが目的で、6つの色グループに分けて活動しています。最初は年少の子も年長の子も、いつもと違う環境に緊張するんですが、一年かけて少しずつ活動の時間と中身を濃くしていく。一学期の間は、手遊びをしたり本を読んだりして、二学期になるとだんだん時間を伸ばしていってお弁当を一緒に食べたりできるようにして、そうやって、だんだんと密度を濃くしていって、縦割りに慣らしていく。それができるようになると自然な形で異年齢交流ができるようになる。コンセプトは「家族」で、親兄弟が変わらないのと同じように、縦割りの時のグループは、卒園まで変わらないようにしています。

緑豊かで子育てに最適な街

幼稚園ホール

――特徴的な設備やイベントはありますか?

藤原園長:設備ではないですが、やはり森です。この自然環境はなかなか無いですね。あと、平屋なので、子どもが安心して生活できるのも特徴です。イベントということですと、二泊三日でお泊り会を「河口湖」で行います。お泊り会は、親にとっても子どもにとってもかなり高いハードルですが、皆で助けあって励まし合ってやり切るんです。帰ってきた時の子どもたちの表情はすごく誇らしげですよ。あとは、クリスマスで外国人のサンタさんを必ず呼ぶようにしています。

外観

――最後に、幼稚園のある長津田の街の魅力をお教えください

藤原園長:長津田は田園都市線と横浜線がクロスするところなので、東京からも神奈川からも交通の利便性がとても良いんです。横浜も町田も近くて便利なんですが、緑の豊かさが残っている。それから、安心して暮らせるというのも魅力ですね。

森村学園幼稚園

森村学園幼稚園

園長 藤原 伸介 さん
所在地:横浜市緑区長津田町2695
電話番号:045-984-0046
URL: http://www.morimura.ac.jp/youchien/
※この情報は2016(平成28)年7月時点のものです。

主体的・能動的に動くことができる子どもを育成する/森村学園幼稚園 藤原 伸介 さん
所在地:神奈川県横浜市緑区長津田町2695 
電話番号:045-984-0046
http://www.morimura.ac.jp/youchien/

安心・安全な子育て・学習環境が魅力/江東区立東陽小学校 藤田賀子 先生

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江東区立東陽小学校

「東陽町」駅から徒歩3分、近隣には「江東区役所」や図書館などの公共施設の他、公園や植物園等の自然とふれ合えるスポットもあり、恵まれた子育て環境下にある「江東区立東陽小学校」。100年以上の歴史を持ち、江東区の中でも伝統ある学校として地域に親しまれて続けている。そんな小学校の教育方針や取り組み、そして地域との関わりについて、藤田校長先生にお話をうかがった。

2019年で開校119周年、地域で子どもを見守り続ける伝統校

周辺エリアの中でも長い歴史を持つ小学校

――学校の沿革について教えてください

藤田校長先生:本校は1900(明治33)年に開校し2019年で119周年を迎える、地域の発展とともに歩んできた伝統ある学校です。過去には大震災、空襲などの様々な苦難を東陽の町、そして江東区とともに乗り越えてきました。校章には東からのぼる朝日がデザインされていますが、太陽のようにすべてに積極的であれという願いを込めて作られたようです。
4月からは通常学級が19クラス、特別支援学級「なかよし」が3クラスとなり、600人を超える学校になります。私自身は就任してまだ1年ですが、子どもたちがとても素直で明るく、また保護者の方々もとても協力的で何よりも地域がしっかりしている学校だと思います。

子どもとのコミュニケーションを大切にした、夢と笑顔を生み出す学校づくり

藤田賀子校長先生

――教育目標とそれに向けた取り組みとして、どのようなことを行っているのでしょうか。

藤田校長先生:本校の教育目標は、「よく考え進んで実行する子」「豊かな心をもち、仲よく助け合う子」「健康でねばり強い子」の3つです。それらの目標を『笑顔と夢があふれる東陽っ子』として、学ぶ楽しさ、教える喜び、安心して通わせられる信頼のある学校づくりを推進できるよう教育活動を実践しています。特に30年度は「豊かな心をもち、仲よく助け合う子」に重点を置いて、心の教育に特化して指導をしています。本校には特別支援学級がありますので、どの子も認められ、一人ひとりの個性を尊重した関わりができるようにということで、いろいろな交流活動を中心に行っています。具体的な活動としては、例えば1年生と6年生が兄弟班のように活動する「ペア学年交流」、通常学級・他校の特別支援学級・特別支援学校との交流、それから「あいさつ運動」などです。あいさつ運動は、毎朝6年生が校門に立って私と一緒にあいさつをする活動です。3月からはバトンタッチして5年生の担当になりましたが、元気にあいさつをすることが心の交流や関わり合いの第一歩ということで、頑張ってやってくれています。
それから、今年度から小学校では道徳が教科化されました。そこで校内での教員の研究も道徳に設定し、子どもの道徳的心情など心の育成についても研究に取り組んでいます。いい答えを求めるのではなく、子どもが今まで考えなかったことに気づくことによって、その気づきを基点に自分の考えを友達と議論することが大事という観点から研究をしています。
こうした取り組みを実施する上で、指導する側として大切にしていることは「子どもと先生がよく話す」ことです。子どもとの人間関係を築くために、接する時間を作ったり声掛けを積極的に行うようにしています。

他学年との交流によって縦のつながりも大事に

――現在特に力を入れているのは、どういった取り組みでしょうか。

藤田校長先生:2020年にオリンピック・パラリンピックが東京で開催されますので、東京都の学校は様々な取り組みを行っています。本校は特に東京都オリンピック・パラリンピック教育アワード校(顕彰校)に指定され、率先して各教科・総合的な活動と関連付けながらオリパラ教育を実施しています。
これまでに、オリンピアン・パラリンピアンの方々に来ていただき、実際にその競技を体験したり、夢をもつことの大切さについてお話を伺ったりしました。30年度は、ボッチャ体験(1~3年生)、車椅子バスケット体験(全学年)、Jリーガーによるサッカー教室(3・4年)、トライアスロン選手による講演(6年生)を行いました。また、障害者理解を中心に進めているので、3年生は毎年視覚障がい者の郡司ななえさんに盲導犬のことや共に生きることの大切さについて講演していただいています。その他にも、外国の大使館の方からその国のことを聞く機会も作っています。こうした体験を通して、子どもたちは改めて、今まで知らなかった競技のこと、外国のこと、選手たちの努力・苦労などがわかり、粘り強く取り組むこと、夢をもつことの大切さや互いに助け合い、支え合うことなどを学習することができました。

地域で子どもを守り育てる意識が高く、安心・安全な子育て・学習環境が魅力「江東区立東陽小学校」

「地域ぐるみで子どもを育てる」という意識が根づいた環境での地域連携

――続いて、「ウィークエンドスクール」について教えてください。

藤田校長先生:2003年度から週休2日制になり、子どもの土曜日の過ごし方が変わりました。保護者の方々は土曜日とはいえ仕事の方も多く時間的余裕が少ないのが現状でした。そこで、2004年度「東陽小学校」では行政からの要望もあり、日頃から熱心に青少年の育成に応援をいただいている東陽地区連合町会、青少年対策東陽地区委員会(地区対)、青少年委員会、ジュニアーリーダースクラブ、東陽小PTAと教育委員会生涯学習課(現在は放課後支援課)が集まり、子どもたちの健やかな成長を支援する事業(ウィークエンドスクール)を立ち上げました。簡単に言うと地域住民のボランティアの方々が講師及び運営の主体となって、学校が休みの土曜日に「東陽小の教室や体育館」を有効活用し、普段学校の授業発足から今年で16年も続いている取り組みです。
30年度は、スポーツチャンバラ、ヒップホップ、剣道などのスポーツの他、水彩画や将棋、お話会、英会話など10種類の教室を実施しました。参加者からは、「また参加したい」「地域の方と仲良くなれてよかった」といった好反応をいただいています。

――地域・保護者の方と一緒に取り組まれていることはありますか。

藤田校長先生:学校支援地域本部ができ、「SUNSUN東陽応援団」という名称で学校・家庭・地域が一体となって学校の活動を支える活動を行ってくれています。現在、図書室環境づくり、登下校の安全見守り、花いっぱい活動、学校行事での支援などボランティア活動が始まったところです。
また、本校には課外活動として金管バンドクラブがあり、PTAの支援部が中心となって活動を後押ししてくれています。銀座柳祭り、江東こどもまつり・区民まつりパレード、バンドフェアなどに参加したり、地域のクリスマスイベントに招待されて演奏したり、3月末には定期演奏会も行いました。
それから江少連野球では、4年生以上の学級がチームを作り、本校と南陽小学校のクラス対抗の野球大会を一年を通して行っています。2月には、決勝大会、卒業記念大会も行われました。その他にも、歩け歩け大会、消防団とPTAの連携で、どじょうつかみ大会などいろいろな取り組みを実施しています。

大使館交流の様子

――児童が地域に出て行って活動をするようなこともあるのでしょうか。

藤田校長先生:3月10日の東京大空襲で犠牲になった方々の慰霊のために建てられた「親子地蔵」のお参りに3年生が毎年出かけたり、町会長さん方から戦争や疎開の話などを伺い、二度と戦争が起こらない世の中について考えるきっかけとしています。その他にも、「木場公園」の観察や下水道工事の見学、地域にある工場に行って学習をしたりもしています。2019年度は、ボランティア活動を増やそうと考えており、学校周りの地域清掃活動を全学年で実施する予定です。

――最後に、小学校周辺の子育て環境の魅力を教えてください。

藤田校長先生:東西線の「東陽町」駅から徒歩1分、「江東区役所」にも一番近い学校です。公園や緑道などの自然も周りにはたくさんあるので、住むのにも学習環境としても便利なところに学校はあります。また各町会をはじめ、地域の住民の方々がとても学校に協力的で学校を大切にしてくださっていて、地域とともに子どもを育てる環境がある、そんな安心・安全な地域だと思います。

江東区立東陽小学校

江東区立東陽小学校

校長 藤田賀子 先生
所在地:東京都江東区東陽3-27-12
電話番号:03-3644-0406
URL:http://toyo-sho.koto.andteacher.jp/
※この情報は2019(平成31)年3月時点のものです。

安心・安全な子育て・学習環境が魅力/江東区立東陽小学校 藤田賀子 先生
所在地:東京都江東区東陽3-27-12 
電話番号:03-3644-0406
http://toyo-sho.koto.andteacher.jp/

保護中: 日本橋の地で、名品を後世に伝える「橋渡し」を続ける/海老屋美術店 9代目当主 三宅正洋さん

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保護中: 世代を超えて“宇品っ子”の想いを紡ぐ/広島市立宇品小学校 花岡校長先生、中村教頭先生、瀧口教頭先生、永島指導教諭 井上栄養教諭、山本養護教諭

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保護中: 道徳教育と人権教育を基盤に様々な教育を。/横浜市立桂小学校 本田正道校長先生

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保護中: エリアの仕上げともいうべき開発が進行中で注目される「みなとみらい21地区」/横浜市都市整備局みなとみらい21推進課 課長 白井正和さん

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保護中: 市内で2番目の歴史ある伝統校/海老名市立海老名小学校 谷川利恵子校長先生

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保護中: 「コンパクトな街づくり」でシニアに暮らしやすい街づくりを進める牛久市/建設部都市計画課 都市計画グループ 稲葉健一 様,岡田晋 様

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保護中: 子どもたちの美しい歌声が響き渡る緑豊かな学び舎/さいたま市立指扇北小学校 町田 隆則校長先生

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保護中: 家庭の様に安心できる“あたたかい保育”を大切に/西大宮どんぐり保育園 中野 恵子園長先生

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保護中: 西大宮エリア在住のママたちに街の魅力や子育て環境について伺いました!

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保護中: 別棟にある乳幼児室がママに好評の「つつじケ丘児童館」/つつじが丘児童館 館長 猪股 久美子さん

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枚方市 市駅周辺等活性化推進部インタビュー

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「未来の理想に叶うまちづくり」。京阪本線の特急停車駅である「枚方市」駅は、大阪市、京都市、それぞれの中心部まで電車で30分かからない利便性を誇る。また幹線道路が通っていることから自動車やバスでの移動にも恵まれた枚方市。現在、その玄関口ともいえる同駅を中心に「枚方市駅周辺再整備」が進められており、更なる住環境の向上に関心を集める状況にある。今回は枚方市の市駅周辺等活性化推進部である友田成彦さん、荘司匡岐さんにお話を伺い、枚方市の魅力と今後の展望について教えていただきました。

商業工業と豊かな自然を兼ね備えた中核市

枚方市役所本館

――最初に枚方市の概要から教えていただけますか?

友田さん:大阪市と京都市の中間に位置し、人口は約40万人です。2014(平成26)年には政令指定都市に次ぐ規模の都市である中核市に移行しました。

1955(昭和30)年代からベッドタウンとして人口を増やしてきた街であり、西部は工業や商業も発展し、東部は豊かな自然を残し、産業も自然も兼ね備えた市であると思います。

また市内には専門分野に秀でた個性豊かな5つの大学があり、学術的にも栄える地域だと言えるでしょう。内2校が医科歯科系というのも珍しいのではないでしょうか?高度医療を提供する市立ひらかた病院や関西医科大学附属病院があるなど、教育や医療機関が充実した街でもありますね。

一方で、全国の自治体と同様に本市も人口が減少傾向へ転じており、少子高齢化等の社会環境への対応など、未来を見据えた取り組みが必要な状況です。そのリーディングプロジェクトとして枚方市駅周辺再整備の具体化を進めているところです。

大阪・京都の中間に位置する好アクセス

――枚方市の魅力をご紹介ください。

友田さん:魅力はたくさんありますが、まず大阪へも京都へも電車で30分かからないアクセスの利便性を紹介すべきでしょう。市内には京阪電車とJRを合わせて計12の駅があり、京阪「枚方市」駅は約20年前から特急の停車駅にもなっています。また第二京阪道路や国道1号線など自動車移動も便利で、空港などへの移動は高速バスも重宝します。さらに現在工事中である新名神高速道路が開通すると全方向へスムーズなアクセスが可能となります。

荘司さん:市内の移動もメインの玄関口である「枚方市」駅を拠点にバス路線が充実していて市民の足として機能を果たしています。路線バスは1日約1000便出ていて日々約4万人の利用者がおられます。

「枚方市」駅周辺の現状と描く未来図

枚方市市駅周辺等活性化推進部 友田成彦さん、荘司匡岐さん

――枚方市駅周辺の現状と課題について教えてください。

友田さん:枚方市駅周辺は、古くから大阪と京都を結ぶ交通の大動脈である淀川を軸とした舟運とともに宿場町として栄えてきました。

その後、京阪電車の開通をはじめ、ベッドタウンとして人口を増やしたことは先にお話しした通りで、道路などの交通網の整備によりさらに発展してきました。1965(昭和40)年代半ばには、行政機能の整備も進み、大阪府内初の駅前再開発が行われたことで、商業・業務機能も充実してきました。

さらに1993(平成5)年の鉄道高架化を経て、中心市街地として現在の都市基盤が形成されました。

また、この地域には、淀川や枚方宿等の自然歴史資源や、大学の立地、集積する文化・医療施設、活発な市民活動等、魅力ある地域資源が多く存在しています。

しかし、これらの都市機能や地域資源が、必ずしも町の賑わいや商業の活性化に活かされているとは言えず、通過交通による駅前広場の混雑や周辺施設の老朽化や防災機能強化等への対応といった様々な問題も生じていて、市としては将来を見据えながらこれらの課題の解消に向け取り組みを進めているところです。

魅力ある街に向けて

枚方市駅周辺再整備イメージ図

――ここで「枚方市駅周辺再整備」の概要を教えてください。

友田さん:魅力あるまちを目指し、その中心となる地域が「枚方市」駅周辺地域で、公民連携のまちづくりによって、様々な世代の人が使いやすい機能を備えた大規模な生活環境整備が柱となっています。

これらのまちづくりはまた非常にスケールが大きく、各所との連携が欠かせないものであることから、10年、20年というスパンで実現を目指すものです。そうしたことからこれらの実現はその時代に即したものでなければいけないと考えています。

そのため、現在はビジョンの具体化に向けて検討を進める段階で、今後も時代背景や各種状況の変化にともなって見直しは随時行われていく見込みです。

着々と進む大事業の土台準備

――現在、再整備計画はどの段階にあるのでしょう?

友田さん:理想とする全体の最終形は前述の通りで、今後も時代の流れを見極めてまち全体のバランスを取りながら進めていく予定です。具体的に動いていている事業のひとつが老朽化した市民会館の代替施設として駅北側に建設中の枚方市総合文化芸術センターとなります。

また駅の北・東側では地権者主体の再開発事業も進んでおり、商業・業務・住宅棟の再開発ビルが計画されています。この市街地再開発事業の中で、駅北側の駅前広場を拡張し、交通混雑の緩和と駅前の利便性の向上、京阪電車の乗り継ぎ強化を目指しております。

また、民間投資を促す追い風として、2017(平成29)年度に都市再生緊急整備地域の候補となる地域として内閣府より公表されました。これに指定されると、都市計画や金融・税制等の支援措置等の民間活力導入に関する特例の活用が可能となります。2019(令和元)年7月に内閣府へ都市再生緊急整備地域の指定申出を行い、国による有識者ボードでの議論やパブリックコメント等を経て、2020(令和2)年1月に指定されました。

本市では、この制度を活かして、多くの関係者と将来像を共有しながら、市の玄関口にふさわしい枚方市駅周辺再整備を進め、市域全体の活性化や交流人口の増加を目指していく考えです。

次の時代に見合う理想のまちづくりへ

――以前と比べてどのような部分の利便性や暮らしやすさが向上するのでしょうか?

荘司さん:一つ核となる市役所の建て替えでは、市民アンケートやワークショップなどを経て、昨年度に枚方市新庁舎整備基本構想(素案)を作成しました。本館・別館の南東側にある市役所分館・第2分館や枚方税務署などの立地エリアに国(枚方税務署)・市の合同庁舎化を基本として検討中です。駅から庁舎に向かうアプローチで楽しみつつ、様々な発見も味わえる「にぎわい空間」を創出したいと考えております。ポイントとして、駅と市役所の間にあるニッペパーク岡東中央を有効活用し、魅力的な大空間の確保も検討しています。

枚方市民が憩い集える文化芸術の拠点誕生

「枚方市総合文化芸術センター」完成予想パース

――2021年にオープン予定の「枚方市総合文化芸術センター」について教えてください。

友田さん:「枚方市」駅北側に位置する施設で、市駅周辺再整備における一連の事業となります。

拠点整備という観点に基づいた文化芸術の拠点となる設備で、音楽や演劇など文化公演に適した高機能ホールである1468席の「大ホール」、発表会など様々なジャンルの公演に対応する325席の「小ホール」、ミニコンサートや講演会など多目的に使用することができる「イベントホール」の3つのホール、「美術ギャラリー」等を備えます。

現在、令和3年9月のオープンを目指し、開館プレ事業をはじめ様々な事業の実施を通して、機運を高める取り組みを行っています。

40万都市の玄関口である「枚方市」駅前という好立地を活かし、幅広い利用者の方に末永く愛していただける施設となるよう、整備を進めていく考えです。

 

未来の理想を目指すまちづくり実現へ

枚方市役所別館

――枚方市は、将来的にはどのような街を目指していますか?

荘司さん:ここまでにご説明させていただいた市駅周辺再整備ビジョンがおよそ将来的に目指す姿でもあります。市駅周辺の大規模な再整備により都市機能を集約して利便性を高め、また市内外各地域からのアクセスをスムーズにしていきます。

そこには行政の各機能はもちろん、買い物や病院といった生活環境の向上だけでなく、誰もが使いやすく住みやすい未来の理想のまちづくりという概念が含まれています。

また国土交通省が2019(令和元)年の7月に「居心地が良く歩きたくなるまちなか」づくりの形成を目指し、ウォーカブルなまちづくりの方向性が打ち出されました。本市としましても、枚方市駅周辺再整備の取り組みと合致することから「ウォーカブル推進都市」として賛同し、取り組みを進めたいと考えています。

便利な市街地でありながら美しい自然に恵まれた枚方市

「ニッペパーク岡東中央」

――枚方エリアの暮らしやすさ・魅力など、アピールポイントをお二人のご意見も交えて教えてください。

友田さん:繰り返しになりますが、交通アクセスが良く利便性の高い地理的な特性、そして都市機能と豊かな自然が同居する街であるという点は枚方市が持つ魅力の一部分ではありますが、他の地域に負けないものであると自負しています。

最近だと全国で3番目となる「枚方 T-SITE」のオープンし、新たな駅前のランドマークとしてにぎわいを創出しています。また昨年には、全国初となる(株)良品計画が展開する無印良品の一体的なトータルデザインによって枚方市駅中央改札口がリニューアルオープンしました。

このように民間事業者による積極的な投資によってリニューアルも進んでおり、枚方のまちの付加価値も高まってきております。

最後に個人的な話となりますが、私は枚方で生まれ育って、地元が好きで枚方市役所に就職をしました。現在は近隣の都市に住んでいますが、可能であれば将来はまた枚方市に住みたいと思っています。地元の友達ともつながりは深く、今でもこの街に生まれて良かったと感じる、そんな魅力的なまちです。

荘司さん:私は和歌山県の出身なのですが就職して奈良県へ行き、その後に転勤で枚方に来て、「この街に長く住めたらいいな」と思い転職して今の職場に入りました。都市機能の利便性と自然が同居する理想的な街でしたので。

個人的なオススメスポットは市西側に流れる淀川の河川公園です。とても広い公園で、各種スポーツやレジャーを楽しめるのはもちろん、こちらにもバーベキューを楽しめるスポットもあります。夕焼けがとても美しくて、ぜひ皆さんにご覧いただきたいと思います。

便利な都市でありながら自然を身近に感じられる。私が住みたいと思った魅力的な枚方市は、市駅周辺再整備ビジョンにより時代に即したより良い環境へと進化していきます。ぜひその魅力を一緒に感じていただきたいです。

枚方市役所 友田成彦さん、荘司匡岐さん

枚方市 市駅周辺等活性化推進部

友田成彦さん 荘司匡岐さん
所在地:枚方市大垣内町2-1-20
電話番号:072-841-1364
URL:https://www.city.hirakata.osaka.jp/soshiki/32-1-0-0-0_1.html
※この情報は2020 (令和2)年1月時点のものです。

枚方市 市駅周辺等活性化推進部インタビュー
所在地:大阪府枚方市大垣内町2-1-20 
電話番号:072-841-1221(代表)
開庁時間:9:00~17:30
休庁日:土・日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)
https://www.city.hirakata.osaka.jp/

美園の新しい歴史をつくる/「さいたま市立美園南中学校」長岡校長先生

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「浦和美園」駅の南東に位置する「イオンモール浦和美園」のすぐ南に、2019(令和元)年8月に完成した「さいたま市立美園南中学校」。ここは浦和美園の新街区の南側に住む生徒が通いやすい中学校としてスタートした。しかし、開校までの道のりは苦難の連続。しかし、それがあったからこそ、生徒や先生方が団結力をもって学校をスタートさせることができたのかもしれない。今回はそのような「美園南中学校」で校長を務められ、とってもフレンドリーな人柄で生徒からも慕われている、長岡有実子先生にお話を伺った。

今回取材にご協力頂いた長岡有実子校長先生

――「美園南中学校」は2019(令和元)年8月に開校した新設の中学校ということですが、開校までの背景についてお聞かせください。

長岡校長先生:近年の街の発展にともなって、古くからある「美園中学校」の生徒数が大幅に増えていたことから、そこから分離する形で新しく本校が開校しました。正式には2019(平成31)年4月1日が開校日なのですが、実は校舎の建設がかなり遅れてしまいまして。なので、4月の開校式は「美園小学校」で行い、実際にこの校舎を使い始めたのは8月からになります。
生徒数は現在501名で、2、3年生のほとんどは美園中から移ってきた生徒たちですが、1年生については、美園小から140人、大門小から30人、その他、川口などの小学校から10名ほどという内訳になっています。

新校舎の外観

本校は開校するにあたり、開校式、始業式、入学式を同日に行いました。それ自体もとても大変だったのですが、その後も苦難の道が続きました。当時はまだ校舎ができていなかったので、1年生は美園小の仮設校舎で学校生活を送り、2、3年生はお別れしたはずの美園中で、特別教室をすべて普通教室に改装してもらって、1学期の間を過ごしました。ですから1学期の間は、全校生徒が集合できた機会は数えるほどしかありませんでした。

そして、この校舎の工事が7月末に終わり、8月5日に引越しをして、新校舎に移ってきました。8月27日が2学期の始業式だったので、本当の意味で全校生徒が本校に集まれたのは、それが初めてでした。その時の喜びというのは、生徒も教職員も、非常に大きなものがありましたね。“当たり前のこと”が実現しただけなのですが、苦難が大きかった分、喜びもとても大きかったです。

新校舎の外観

――生徒も先生方も、1学期の間は大変な思いをされていたのですね。

長岡校長先生:そうですね。しかしそんな中でも、野球部が美園中との合同チームで大会に出場し、県大会で3位になるというミラクルを起こしてくれました。大変だった半面、嬉しいこともたくさんあったんですよ。また、生徒たちにとっても、急にこれまでいた環境から離されてしまうのではなく、静かに穏やかに“本当のさよなら”に向けて助走をしているような感覚があったのかなと思います。その分、この1学期を愛おしく過ごしてくれたのではないでしょうか。なので、1学期の終業式の時はとても感動しましたね。

教室の様子

――新しい校舎について、特徴や自慢のポイントなどがあれば教えてください。

長岡校長先生:校舎がすべてバリアフリーになっている点と、木材がふんだんに使われている点が特徴的だと思います。床の材木はすべて埼玉県秩父産のひのきを使っていてとても温かみがありますね。また、建物は3階建ての低層校舎なので、美園の街に調和していて、とても良いと思います。

校舎内のバリアフリー

開放的な校舎内

最近は防災拠点としての役割も重要になってきているので、建物は頑丈につくられていますし、防災への備えもしっかりとできています。
今年10月の台風19号の時には、本校に避難所が開設され、50名を超える方が避難されて来ました。その時は学校のマットなどを全て提供し、万全の体制で受け入れることができたので、少しでも安心して過ごしていただくことができたのかなと思っています。これだけ立派な建物ですから、地域の中の“安心のシンボル”になっていければいいなと思います。

――美園南中の学校目標、教育目標について教えてください。

長岡校長先生:開校にあたって私が考えたのは、「挑戦」「創造」「感動」という3つの言葉です。なにしろゼロからのスタートなので、ひとつひとつ作り上げていかなければなりません。そのような環境というのは、生徒も教職員もみんなが挑戦をしていかないといけない。そして、わたしたちが頑張っている姿が、人に感動を与えられるようなものでありたい。そういった思いを込めてこれらの言葉を学校教育目標に掲げました。

教育目標

――教育活動について、特に力を入れていることがあれば教えてください。

長岡校長先生:「地域や社会に貢献できる人材の育成」ということを大事にしています。浦和美園は「さいたまスタジアム」の建設にともなって発展してきた街で、まだまだ新しい街なので、この街を将来背負ってくれるような生徒を育てていくのが、美園南中の使命だと思っています。
そのために、小学校や地域とも連携しながら、皆様に愛され、地域に貢献できる人材を育成していきたいと思っています。

――地域の方々との連携、交流などがあれば教えてください。

長岡校長先生:地域の方も新しく開校した本校のことを知ってくださっている方も多くいらっしゃるので、こちらからどんどん働きかけて、学校に招待しています。この素敵な学校はこの街のものなので、地域の方々にもぜひたくさん来ていただきたいです。

すでに自治会の会議なども本校の多目的室を使っていただいていますし、今後はそのほかにも様々な場面で使っていただけるように働きかけていく予定です。将来的には公民館のように、地域の方が当たり前に訪れるような学校になれば嬉しいです。やはり地域があっての学校だと思いますから、しっかりと信頼関係を築いて“地域に愛される学校”にしていきたいですね。

――そのほか、地域の企業や団体、幼稚園・小学校等との連携があれば教えてください。

長岡校長先生:まだまだこれからですが、大門小と美園小については1学期の経緯があるので、とても良い連携が図れていると思います。また、来年からは美園小と一緒に「コミュニティスクール」を立ち上げて、地域の方も交えた「学校評議委員会」の中で物事を決めていくことになります。なので、今後はもっと地域や近隣の学校との連携がとれていくのかなと思っています。

幼稚園については、3年生の授業の中で「赤ちゃん・幼児触れ合い体験」という時間があり、近くの「大門幼稚園」に行かせていただいて、子どもたちと手づくり布絵本の読み聞かせ等の体験をさせていただきました。学校の周りにはたくさんの保育園や幼稚園があるので、これから新しい連携の形も広げていきたいですね。

以前には「浦和レッズ」さんと連携し、生徒を試合観戦に招待していただいたこともありました。また、「浦和東警察署」と連携して、「イオンモール浦和美園」で啓発チラシの配布をお手伝いをさせていただくこともありましたね。どちらも生徒にとっては非常に貴重な体験になったようなので、このような連携は今後も増やしていきたいと思っています。

――クラブ活動について、特徴的な点があれば教えてください。

長岡校長先生:クラブ活動については、基本的に美園中にあった部活をそのまま引き継いでいます。今年は美園中との合同チームで試合に出場した部活もあれば、テニス部やバドミントン部などのように「ついこの前まで仲間だったのに、敵になって戦う」という部活もあって、涙の展開がありました。また、なかでも吹奏楽部は埼玉県吹奏楽コンクール 中学校Bの部へ出場し、銅賞を獲得しました。子どもの可能性のすごさを目の当たりにしましたね。

部活動の活躍

――この秋には、「開校記念体育祭」と「開校記念合唱コンクール」を開催されたそうですね。

長岡校長先生:9月に行われた「開校記念体育祭」は、歴史に残る体育祭ということで、生徒の意気込みを感じました。とても素晴らしい体育祭だったと思います。途中で雨が降って中断することもあったのですが、非常に盛り上がり、大盛況に終わりました。

10月の合唱コンクールも生徒の気合い十分で、とても素敵な合唱コンクールになりました。これからも毎年秋の恒例の行事として続けていきたいですね。

音楽室

――新しく決まった校章は生徒によるデザインだと聞きました。どのような思いが込められているのでしょうか?

長岡校長先生:校章については、生徒全員が美術の時間にそれぞれデザインを考え、それを一次選考で12個の候補に絞り、その後3つの候補まで絞りました。最終的には、得票の多かったデザインと、もう1つの候補にあった文字を組み合わせた、ハイブリッドの校章にするということで決定しました。

校章の航空写真 提供:(株)ひまわり空撮

この校章は緑区の「区の鳥」でもある白鷺(しらさぎ)がモチーフになっており、「緑区から世界にはばたく」という想いが込められています。そのほか、デザインを作成した生徒によると、白鷺の羽根を少し角ばらせることで、世界の近未来化をイメージしたのだと聞きました。また、羽根はひとりひとりが翼の一部になれるという思いで、デザインに取り入れたのだそうです。とてもよく考えられていますよね。

――美園中に通われる生徒やその保護者にはどのような方が多いでしょうか。

長岡校長先生:一言で言えば、「心やさしき生徒」と「協力的であたたかい保護者」ですね。そして、「最高の教職員」というのも加えさせてください。本当に素晴らしい環境の中にある学校だと思っています。

やはり、分離という特殊な経験をして、「別れはつらいけれども、ともに頑張ろう」という気持ちをもっているからか、相手のことを思いやれる優しい生徒ばかりですね。また、それは小学校の時から、日々学んできたことでもあるのかなと思っています。本当にいい子ばかりです。

――美園南中での学校生活を通して、「こんな大人に育ってほしい」などの思いがあれば教えてください。

長岡校長先生:「人の役に立つような大人になってほしい」と思っています。自分の良いところを伸ばしながら、それぞれが頑張って、地域のため、市のため、県のため、国のため、世界のために役に立っていってほしいです。そういう可能性を秘めている生徒たちであり、そのような街だと思っていますので。未来へ、世界へ、羽ばたいてほしいですね。

――最後に、美園地域の魅力と中学校の未来のビジョンについて、一言お願いします!

美園からすぐの場所にある「しらこばと水上公園」

長岡校長先生:素敵な街並みと、豊かな自然があって、その恵まれた環境のなかで子育てや教育がなされていくということは、本当に素晴らしいことだと思っています。美園はさいたま市の中でも副都心という位置づけで、これからも発展していく街だと思いますので、私どももそこに置かれた学校という大きな使命を感じながら日々を過ごしています。
まだまだ新しい中学校ですが、地域の方々とも連携をしながら、皆さんに愛される学校になれるよう、子どもたちを一生懸命に、そして大切に育てていきたいと思っています。

「美園南中学校」

さいたま市立「美園南中学校」

校長 長岡有実子先生
所在地 :埼玉県さいたま市緑区美園6-15
電話番号:048-878-3511
URL:http://misonominami-j.saitama-city.ed.jp/
※この情報は2019(令和元)年12月時点のものです。

美園の新しい歴史をつくる/「さいたま市立美園南中学校」長岡校長先生
所在地:埼玉県さいたま市緑区美園6-15 
電話番号:048-878-3511
http://misonominami-j.saitama-city.ed.jp..

子どもたちが大きな夢を抱き、多くの感動を得られる教育の実現を目指す「上尾市教育委員会」の取り組み/上尾市教育委員会 学校教育部指導課 吉田朋矢さん

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「夢・感動教育 あげお」を基本理念に、英語教育やICT教育に力を入れている上尾市。特に今年市内3校で実施したコミュニティ・スクールを、来年度は全小中学校でスタートさせるなど、地域・保護者・教職員たちが一体となって子どもたちの育成にあたるという。近年「子育てしやすい街」として人気が高まってきた上尾市の教育について、教育委員会学校教育部指導課の吉田さんに詳しくお伺いした。

上尾市役所(取材者撮影)

――上尾市の教育基本計画の概要について教えてください

吉田さん:上尾市教育委員会では、2011(平成23)年3月に「上尾市教育振興基本計画」を策定し、「夢・感動教育 あげお」を基本理念に掲げました。それに基づきICT教育の推進やいじめ問題の解決、特別支援教育の充実、小中一貫教育の推進など、多くの取り組みを行ってまいりました。また新たに「第2期上尾市教育振興基本計画」を策定し、平成28年度から平成32年度の5年間の方向性も明らかにしました。この新計画においても基本理念は引き継ぎつつ、「生きる力を育む」「学ぶ喜びを育む」「絆を育む」という3つの基本方針を新たに掲げ、子どもたちが大きな夢を抱き、多くの感動を得られるような教育を実現していきたいと考えております。

上尾市イメージマーク アッピー(取材者撮影)

――上尾市でもコミュニティスクールを導入されたそうですね

吉田さん:これまでも学校は、学校評議員やPTA、学校応援団の方々にご協力をいただいて学校運営を進めてきました。しかし子どもたちが抱える課題の解決や豊かな成長のためには、社会総がかりでの教育が不可欠です。「もっと学校のこと、子どもたちのことを地域や保護者、先生方が一体となって考えよう」「地域が一丸となって子どもを育て、教育にあたろう」というのが、コミュニティ・スクールの基本的な考え方です。コミュニティ・スクールには、地域住民・保護者・先生方などから構成される「学校運営協議会(以下協議会)」が設置され、様々な人たちに学校運営に関わっていただきます。これまで学校運営や教育活動に関しては学校側が考えて行ってきましたが、コミュニティ・スクールになるとそれに対して協議会の委員が意見を言ったり、アイデアを出したりすることもできるようになります。

2018(平成30)年度は、「上尾小学校」「東町小学校」「上尾中学校」の3校でコミュニティ・スクールがスタートしました。各校では、協議会が主体となった取組やイベントが行われたと聞いております。協議会の方々とコミュニケーションを図ることで、地域や保護者の方々の学校に対する思いや期待も理解できるようになります。2019(平成31)年度には上尾市内33の全小中学校がコミュニティ・スクールとなります。学校・家庭・地域が一体になって子どもたちを育て、教育活動を見直し、参画しやすい学校になることを期待しております。

子どもたちが大きな夢を抱き、多くの感動を得られる教育の実現を目指す「上尾市教育委員会」の取り組み(指導課提供)

外国語活動やICT教育を先進的に取り入れてきめ細かな教育を

――上尾市では英語教育にも力を入れていらっしゃるとお聞きました

吉田さん:文科省が発表した新学習指導要領により、2020年には小学3年生から外国語活動が始まることになりました。それを受け、上尾市ではひと足早く2018(平成30)年度から3・4年生でも外国語活動の授業を始めました。2019(平成31)年度からは1・2年生でも年間10時間程度、外国語活動を始める前の導入として、歌やゲームを通して楽しく遊び感覚で英語に触れられるような工夫をしていこうと考えています。児童が「生きた英語」に触れる機会を増やすために、ALTの増員を予定しております。進んで英語を話す上尾の子を育てることを目指して、英語教育の充実に努めております。また英語が教科になる前準備として、担当者の研修を行うなどして、先生方の英語指導のスキルアップにも務めています。

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――イングリッシュカフェや音楽会など、ユニークな取り組みも多いですね

吉田さん:イングリッシュカフェは、毎年、上尾市国際交流協会が主催するイベント“あげおワールドフェア”にて、教育委員会がブースを出したものです。上尾市のALT講師3名がホストになり、訪れた子どもたちにサイコロを使って英会話を楽しんでもらうという企画です。当日は私も子どもを連れてイングリッシュカフェに行ってみましたが、ひっきりなしにお客様が来ていてかなりの人気でした。会話も自然に進みますし、何より参加している皆さんが楽しそうで、ALT講師はさすがプロだなぁと感心しました。お菓子や飲み物なども用意していたので、一息つく場所としても役立っていたのかもしれません。

音楽会は、中学校の吹奏楽演奏会と小中学校音楽会の2つあります。吹奏楽部演奏会は、毎年7月に「上尾市文化センター」で行われていて、市内の全中学校の吹奏楽部が参加するものです。普段中学校の吹奏楽部は地域のお祭りやイベントなどで演奏する機会はあるものの、中学校同士お互いの演奏を聴く機会はあまりないので、この音楽会はよいチャンスになっていると思います。音楽会は毎年11月に、市内小中学校の代表クラスが集まって発表をしています。中学校は校内合唱コンクールの優勝クラスが参加しているので、なかなか聞き応えがあります。こちらは一般公開もしているので、保護者のみならず近隣の方々にも聴きに来ていただけます。

音楽会などの取り組みも盛ん

上尾市文化センター(取材者撮影)

――上尾市では授業のICT化も進んでいるそうですね

吉田さん:市内の小中学校では全ての教室に50インチモニターが整備されています。デジタル教科書も積極的に取り入れていて、資料が必要な授業などでは多くの写真や動画を子どもたちに見せられるので、特に有効です。教科書の範読など、今まで先生方が行なっていたことをデジタル教科書に任せることで、子どもたちへ目が行き届きやすくなり、指導もきめ細かくできます。中学校では、普通教室に無線LANが整備され、教室でインターネットが利用できるようになります。そうすることによって、授業や調べ物でもネットを使用して、アップデートな情報を取得することができます。またプログラミングの授業も取り入れるなど、上尾市ではICT教育に力を入れています。

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――小中一貫教育への取り組みについて教えてください

吉田さん:もともと“小1ギャップ”などの問題もあり、幼小の連携は取っていました。また小中一貫という考え方が第1期の計画に盛り込まれたことから、現在では小中学校の先生方が夏に合同研修を行なったり、出前授業という形で中学の先生が小学校に出向いて授業を行ったりして、交流を図っています。もちろん6年生の担任は子どもたちが進学する中学の先生方と綿密な打ち合わせを行い、申し送り事項を伝えるなど連携をしています。中学生が小学校に来て校門で朝の挨拶運動をしたり、6年生が中学に赴き、授業や部活を見学したりと、子どもたち同士の交流もあります。

それでも中学生になると、教科担任制になって担任の先生との関係も変化し、子どもたちも思春期に入るなど難しい時期になります。時には中学の先生から小学校に電話で問い合わせが入り、双方が協力して指導にあたることもあります。そういう意味でも小中の先生方が連携を強め、子どもたちを多方面から見て育てていくという考え方は大切だと思います。

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――この他にも特徴的な取り組みなどはありますか?

吉田さん:上尾市内の小中学校では、いじめ根絶に特に注力しています。中学校では生徒会を中心に日常的に対策を考えているほか、小学校でも“いじめ根絶”をスローガンに小学生サミットを開催し、現在のいじめ対策や今後の取り組みについて各小学校の代表が発表し合いました。「朝のあいさつで行うハイタッチ運動」や「異学年グループでいじめ標語を考えて発表」など、具体的なアイデアが数多く出され、それぞれの学校へ持ち帰っています。

便利さ・自然の豊かさ・安全安心と三拍子揃った上尾の子育て

――最後に子育ての場として考えたときの上尾市の魅力について教えてください

吉田さん:私は上尾市で生まれ育ち、現在は自分の子育てもしていますが、不便に感じたことは一度もありません。上尾市には東に「アッピーランド」、西に「こどもの城」と大きな児童館が2つあります。特に「児童館こどもの城」は多くの親子が集まり、全国の児童館のなかで来館者数1位(2013年度)を獲得したこともあるほどです。また、「上尾丸山公園」や「上平公園」など、市内には大小合わせて168カ所もの公園があり、自然環境も非常に豊かです。「上尾」駅から車で15分のところにある「榎本牧場」では、牧場体験ができたり、搾りたてミルクから作ったジェラートが味わえたりと楽しさ満載です。

上尾市児童館こどもの城(こどもの城より提供)

上尾市は生活しやすく安心な環境です。市内を走るコミュニティバス“ぐるっとくん”が運行しており、どこまで乗っても100円という使いやすさで市内を行き来できるのも便利です。また「上尾」駅を通るJR高崎線は、上野東京ラインと湘南新宿ラインが運行している便利な駅で、東京方面へ便利にアクセスすることができます。2016(平成28)年に上尾道路が開通し、圏央道などへのアクセスも向上しました。とにかく交通アクセスが便利で暮らしやすい街ですね。

吉田さん

上尾市教育員会 学校教育部指導課

吉田朋矢さん
所在地:埼玉県上尾市本町3-1-1
電話番号:048-775-9672
URL:https://www.city.ageo.lg.jp/
※この情報は2019(平成31)年1月時点のものです。

子どもたちが大きな夢を抱き、多くの感動を得られる教育の実現を目指す「上尾市教育委員会」の取り組み/上尾市教育委員会 学校教育部指導課 吉田朋矢さん
所在地:埼玉県上尾市本町3-1-1
電話番号:048-775-5111
開庁時間:8:30~17:00(土曜日は12:00~13:00を除いた一部窓口を開庁)
閉庁日:日曜日、祝日(土曜日の場合は開庁)、年末年始、メンテナンスなどで必要とする日
http://www.city.ageo.lg.jp/index.html

制服を持たない中学校/横浜市立青葉台中学校 森博昭校長先生

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「青葉台」駅から南北に伸びる、駅前商店街の通り。そこからわずかに坂を上った場所にある「横浜市立青葉台中学校」は、創立40年余りという、街の発展とともに生まれた比較的新しい中学校である。高い学力水準、落ち着いた校風、さかんな学校行事など、さまざな特徴を持っている学校だが、一番の特徴と言えば、創立以来「制服を持たない中学校」を維持していることだという。学校の教育目標に掲げている言葉は、「自由と規律」。この言葉が目指す生徒像とは、一体どのようなものなのだろうか。今回はこれらの話題を含めながら、学校の特徴と青葉台地域の魅力について、校長の森博昭先生にお話を聞いた。

学校長の森博昭先生

――まず、青葉台中学校の概要と沿革について教えてください

森先生:本校は1973(昭和48)年の開校で、今年で46年目になる中学校です。それ以前からあった「田奈中学校」と「谷本(やもと)中学校」の間に新しくできた学校で、2校それぞれから生徒が集まるという形で開校しました。校舎は当初から同じ建物を使っております。

東急田園都市線自体が、開校の少し前に開通した比較的新しい路線ですので、青葉台の街の発展に合わせて人口が増え、それに合わせて造られた学校と言えるかと思います。

青葉台中学校

――学校の特徴や、特徴的な活動があれば教えてください

森先生:「青葉台中学校」と言えば、まず一番の特徴としてよく挙げられるのは「標準服が無い」ということです。これは横浜市内でも数校しか無い特徴で、取り組みとして、横浜市でもいちばん早かったのではないかと思います。

開校当時、ふたつの学校から生徒が来ましたので、「標準服をどうするか」という話し合いが持たれたそうです。生徒会や保護者の会合なども含め、2年かけて議論を行い、その結果「子どもの服装は基本的に保護者が責任を持ったうえで、子ども自身が、その日にどういう中学生らしい服装をするかを考え、判断する」ということに決まりました。当時、私服の中学校というのは非常に珍しかったですから、全国からも沢山視察に来られたそうです。

「私服」という言葉には、「なんでもいい」というイメージがありますから、派手なものを着てくる子などを想像されるかもしれませんが、本校の場合は、全くそういうところはありません。一人ひとりの子どもがしっかりと考えて、季節やその日の状況に合わせた服装をしてくるということが定着しており、本校の生徒の様子を語るうえで、一番の特徴だと思っています。

学校の教育目標は「自由と規律」ということで40年間やっていますが、これだけシンプルな教育目標もなかなか無いのではないでしょうか。「自由」と「規律」は一見相反するように見えますが、この言葉が教育目標になっていることで「バランス感覚」がつねに問われ、培われているのかと思います。そのバランス感覚の象徴が、私服と言えるかと思います。

私服の中学校

――特徴的な学校行事がありましたら教えてください

森先生:伝統的に合唱に非常に力を入れています。横浜市内ではどの学校にも合唱コンクールがありますが、本校は特に、子どもたちも非常に熱心に取り組んでいる学校です。「上級生が去年あんなに凄い歌を歌ったんだから、今年はそれを超えていこう」という伝統、風土があります。10月の合唱コンクールの時期になれば、廊下を歩きながら歌っている子もよく見かけますし、学校中が歌声に包まれています。ここ数年はコンクール会場に「みなとみらいホール」を使っていますが、立派な建物に見劣りしないような歌を、生徒たちも歌ってくれています。

9月の体育祭も非常に盛り上がるイベントです。伝統的に「大縄跳び」の種目があり、これも「歴代の一番跳べた回数を超える」ということを目標にしながら、非常に熱心にやっています。時間制限の中で跳びますから、記録を破るのは大変なのですが、実は今年もまた「183回」という新記録が生まれました。こういったものも、先生に「やらされる」のではなく、生徒が自主的に取り組んでいます。

数多くのトロフィー

――国際交流事業もさかんと聞きました。どのような交流をなさっているのでしょうか?

森先生:青葉台は帰国子女の方が多い土地柄で、インターナショナルな感覚が子どもたちの中にも根付いていますので、海外との交流については、機会があれば積極的に行うようにしています。数年前にはオーストラリアの学校と交流をして、向こうからも生徒が来ましたし、こちらからも何人かの生徒がオーストラリアに行きました。

今年度も横浜市の姉妹都市であるフランスのリヨンから、修学旅行の子どもたちが本校に来まして、交流を行いました。フランス語を喋れる子はほとんどいないわけですが、最後にはお互いにハグを交わすぐらいに仲良くなっていましたね。

国際交流事業も盛ん

――学習面に関して、特に力を入れて取り組んでいることがあれば教えてください

森先生:公立校ですので学校独自というものは特にありませんが、「知識偏重ではない学習」に力を入れているところです、子どもたちが主体的に学習に関わり、お互いに討論や対話をする中で、力をお互いに高められるような学習方法を取り入れるように努めています。

本校の生徒は「よく話を聞く」という、小学校から培われている素晴らしい風土がありますので、話し合いの中で自分の意見をしっかりと言って、相手の意見も尊重して、という部分があり、こういった学習は非常にやりやすく感じています。

掲げられている学校教育目標

――小中連携の取り組みついて教えてください

森先生:小中連携でいちばん大きなものは、「ふれあいコンサート」というものでしょうか。小中それぞれから、毎年指定された学年が中学校の体育館に集まって、お互いに歌を聞かせ合うというコンサートを毎年行っています。具体的には、「青葉台小学校」、「榎が丘小学校」、「鴨志田第一小学校」の子が本校に来る、という形の交流です。ほかにも、中学校の陸上部の生徒が小学校に行って、市の体育大会に向けた朝練の指導にあたったり、反対に小学校の子どもたちが中学校に来て、部活動の見学や体験ということも行っています。

もちろん、小中の教職員同士の交流の機会も多く、頻繁に授業の交流や研究などもしていますし、校長同士も仲が良いですから、ランチミーティングなどもよくしています。

交流の機会も多い青葉台中学校

――小中連携に関して、教職員の皆さんで共有している認識は何でしょうか?

森先生:当然、9年間を通した小中一貫の目標というものは色々と設定しているわけですが、その大きな部分としては、「心身ともに健康で、お互いを認め合える、いのちを大切にする子どもを育てよう」ということがありまして、それが共通認識となっています。そのうえで、自分から進んで学ぶ姿勢を持って、地域を大切にして、地域とともに生きていくことができる子どもというのが、私どもが目指している生徒の姿です。

青葉台中学校の校門

――保護者や地域の方々との関わり、連携などについてお聞かせください

森先生:横浜市内でもかなり早い段階から「学校運営協議会」を立ち上げており、地域の方が学校の運営に関わっていただく仕組みが整っています。主に本校に進学する2つの小学校の学校運営協議会と一体となった、3校での学校運営協議会として組織されており、これは横浜市内でも非常に珍しい形です。この協議会を通して、地域の方に幅広く学校の運営にも関わっていただいているのが、本校の大きな特徴かと思います。

連合自治会の結束力も非常に高く、地域主催のイベントも多いですし、学校が地域のイベントに出向く機会も多いです。先日も地域の「ふれあい運動会」が中学校を会場にして開催されましたし、「ジョイントコンサート」についても、地域の、特に青葉台中の卒業生の方が中心になって企画してくださって、地域の方が本校で歌声や演奏を聞かせてくださったり、反対に地域の方に生徒の演奏を聞かせたり、という交流をしています。

また、「地域清掃」という形で、年に2回、本校の生徒と地域の方で一緒に清掃活動もしていますし、地域の夏のお祭りにも、部活動の子たちがお神輿を担いだり、夜店に出店をしたり、吹奏楽部が演奏を披露したりと、いろんな形で参加しています。

また、中学校を会場にして、地域の方が街づくりについて語り合う座談会も開かれておりまして、生徒も保護者も地域の方も、みんなが一緒になって、街のことを考える機会となっています。

青葉台中学校の廊下

――最後に、青葉台エリアの魅力について教えてください

森先生:本校は駅からも徒歩圏内にある学校ですが、非常に落ち着いた環境にある学校です。生活の場としても、駅前には整然とした街並みがあり、必要なものはそこで揃いますから、何不自由の無い街だと思います。

また、公園も多く、「桜台公園」を筆頭に、本校の周りだけでもいくつもの公園がありますから、子育て中の方にはもちろん、ペットを飼われている方にも暮らしやすい環境だと思います。

青葉台は、地域の方々による「見守る体制」がしっかりとしている地域ですし、都心までわざわざ出なくても、幼児教育から大学教育までをエリアの中で完結できますから、子どもを連れて引っ越して来られた方でも、安心して長く住まうことができる街だと思います。

学校長の森博昭先生

横浜市立青葉台中学校

校長 森 博昭 先生
所在地:横浜市青葉区青葉台二丁目25-2
電話番号:045-983-1062
URL:http://www.edu.city.yokohama.lg.jp/school/jhs/aobadai/
※この情報は2017(平成29)11月に取材した内容を2019(令和元)年7月に再編集したものです。

制服を持たない中学校/横浜市立青葉台中学校 森博昭校長先生
所在地:神奈川県横浜市青葉区青葉台2-25-2
電話番号:045-983-1062
https://www.edu.city.yokohama.lg.jp/scho..

自分のための時間を持ってほしい。子育てママに寄り添うヨガ教室「yoga mazza」/主宰・渡辺美彩乃さん

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子どもが生まれるとどうしても自分の時間が持てなかったり、子育てで煮詰まってしまう…。「石神井公園」駅近くにある「yogamazza」では、そんなお母さんのために、子ども連れで参加できるヨガクラスを提供しています。どんな思いでスタジオを運営しているのか、また石神井公園エリアの魅力について、yogamazza主宰・渡辺美彩乃さんにお話を伺いました。

yogamazza主宰・渡辺美彩乃さん

求めているレッスンがなかった。自身の経験からうまれたクラス

――「yogamazza」について概要や沿革を教えてください。

渡辺さん:スタジオ名の「yogamazza」には、ヒンディー語で「楽しみ」を意味する「mazza」と、英語の「mother」をかけて、ママの楽しみという意味を込めています。出産前の方や育児中のお母さんがヨガを通してリフレッシュする時間を提供したいと思っています。

「マタニティヨガ」や、産後6週間~半年の方向けの「産後はじめてヨガ」、産後の体をしっかり整えたい方のための「産後ヨガ」などさまざまなクラスを用意しています。ほとんどのクラスがお子さま連れOK。お子さんをそばに置いたままレッスンを受けられるので、ぐずっても安心です。

yoga mazza

――ご自身の出産・育児の経験がきっかけだと伺いました。

渡辺さん:私自身2児の母なんですが、出産前からヨガはずっとやっていました。出産後、緩んだ体型を戻したくて、子連れのヨガを探して通い始めたんですね。でも、当時は子連れのヨガってあまりなくて。託児所つきのヨガや、親子で一緒にやる親子ヨガに電車に乗って通ってたんですけど、託児付きのところは、子どもが別の部屋で泣いている声が聞こえるのが気になって集中できないし、託児料もかかるのが気になっていて。親子ヨガだと、年齢の幅が広いので、できる・できないの動きがひとによってそれぞれあって、あまりしっくりこないということがありました。

一人だと好きな時間にスタジオに行って、レッスン受けられるのが当たり前だったんですけど、それが赤ちゃんができると当たり前じゃなくなる。それで、一人で行って普通のクラスを自分のために受けたいなという思いがあったんです。子連れで行って、本格的なレッスンを受けられるヨガがあったらいいなと思って、ないなら自分でやってみようかなと、そこから資格を取りました。

yoga mazza外観

自分に向き合う、リフレッシュのための空間

――通ってる方はどういうきっかけで来てらっしゃるんでしょうか?

渡辺さん:ヨガが初めての方もいるし、もともとヨガが好きな方、友人に紹介されて来る方などさまざまいらっしゃいますね。マタニティヨガをやっているので、妊娠をきっかけに通い始めてそこから継続的に来られる方もいらっしゃいます。妊娠をきっかけにヨガを始める方は、妊娠中の体重増加を緩やかにしたいとか、お産にいいことしたいといった目的の方が多いのではないでしょうか。

――実際に参加されている方の声はどうですか?

渡辺さん:通ううちに体のメンテナンスがしっかりできてきたという声をいただくことがあります。ヨガを通じて体だけじゃなくて、心もすっきりするのが良いという方もいらっしゃいますね。育児で赤ちゃんと向き合う時間が多くなるので、自分自身にしっかり向き合う時間を持つことで、リフレッシュできるんです。

私も妊娠をきっかけに退職して、そこから専業主婦になったんですが、辛いこともありました。ずっと子どもと24時間一緒で、何するにも子どもがいて、毎日同じで。ヨガを再開したことで、クラスに行くこと自体が自分のリフレッシュにつながっていましたし、自分に意識が向くようになったのは大きかったです。そういうのを求めている方は多いんじゃないかと思います。

レッスンの様子

アドバイスではなくて、聞き役になること

――レッスンを拝見して、生徒さんとのコミュニケーションを大切にしているように感じられました。

渡辺さん:少人数でレッスンしているので、一人ずつとコミュニケーションとるということは大切にしています。情報交換や交流を目的としたランチ会を月に1~2回やっています。近くのおいしいお店で用意したお弁当を、レッスンが終わったあとにこちらのスタジオでみんなで食べるんです。生徒さん同士お話して、楽しくやってもらえたらいいなと思っています。

あとは、レッスンの帰りがけに、「夜泣きが最近ひどくて」とかぽろっと言ってくださったりとかもあるので、そういうときはできる範囲のアドバイスをすることもあります。でも、それよりは、「そっか大変だよね」って聞き役になって、寄り添うようにしたいなと思っていて。子育て中は、一人で一日赤ちゃんと向き合っていて孤独な方も多いので、近所のおばちゃんに話に行くような感じで、ヨガしに来てもらえれたらなと思っています。

レッスンの様子

公園やスーパーのある恵まれた環境

――石神井エリアご出身ということですが、子育て環境としてみたときにエリアの魅力ってなんでしょうか?

渡辺さん:大きな「石神井公園」があるので、子どもにとって良い環境だと思います。自然が近くにあって四季を感じられるのがいいですよね。駅の周りもここ数年の再開発でとてもきれいになりました。道も広くなったので、ベビーカーでも移動しやすいと思います。保育園や幼稚園も新しいのが増えているような印象です。

「石神井公園」のとなりには大きな図書館や、「石神井プール」もあります。子どもがある程度大きくなったらそういうところに行く楽しみ方もあって、子どもと一緒に行けるところが充実しています。

――生活環境はいかがですか?

渡辺さん:スーパーが多いのがとても便利です。駅の周りだけで5、6件あるんですが、主婦や子育て中の方にはすごく嬉しいポイントだと思います。あとは、交通の便がとても良い。急行で「池袋」駅まで10分位ですし、急行や準急が止まる駅という点は大きいですね。

副都心線や、有楽町線の乗り入れもしているので、都心まで電車一本で行ける。子どもが小さくてまだベビーカーだったときでも、乗り換えなしに副都心線で新宿や渋谷まで出られるのでよく使ってました。

渡辺さん

――ファミリー向けのおすすめスポットなどがあれば教えてください。

渡辺さん:こちらのスタジオのすぐ近くの「ITOHEN」というカフェは、お子さんがいる家庭におすすめです。手作りで美味しくて、テイクアウトもやっているのでよく使っています。天気の良い日はそこで食べてる子連れの方もいますよ。スタジオでもランチ会のときはこちらのお弁当を使いますし、夕飯を作るのが大変なときにも重宝します。

同じ通りに、ある「クラクラ」というお店も、お座敷があるんですが、絵本やおもちゃもあったりして、赤ちゃん連れにも優しいカフェです。ママさんたちで集まってる姿を見かけることもあります。

――このエリアにお住まいの方、住みたいという方にひとことメッセージをお願いします。

渡辺さん:そうですね、この周辺はスーパーや大きな公園もあって、子育てはしやすいと思います。子育て世代が多くて、子どももいっぱいいるので。都心から程よい距離感で、ひとの多さも適度なところも住みやすいポイントです。都心に近くありながら、ちょっと田舎っぽさもあるので、ゆったりと子育てもできるし、リラックスして街を歩けるというのがすごくいいですね。のんびりした感じが好きな方には、住みやすいところだと思います。

yoga mazza

yoga mazza

yoga mazza

主宰 渡辺美彩乃さん
所在地 :東京都練馬区石神井町2-9-3
電話番号:090-7205-3222
URL:http://yogamazza.net/
※この情報は2019(平成31)年3月時点のものです。

自分のための時間を持ってほしい。子育てママに寄り添うヨガ教室「yoga mazza」/主宰・渡辺美彩乃さん
所在地:東京都練馬区石神井町2-9-3
電話番号:090-7205-3222
https://yogamazza.net/

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