Quantcast
Channel: マチノコエ
Viewing all 1125 articles
Browse latest View live

子どもが楽しく通えて、保護者も笑顔になる「こどもみらい保育園」

$
0
0

「こどもみらい保育園」は、新しい住宅や暮らしに便利な店舗が集まる「有松」駅近くにある名古屋市の認可保育所。「モンテッソーリ教育」の考えを基本にした日常生活、リトミックや英語教育、体育といった、多彩で質の高い幼児教育プログラムも取り入れている。家庭でお子さんと保護者が向き合って生活を送ることができる取り組みを行うなど、子どもを預ける家庭を応援してくれている施設。今回は園長を務める吉田明美先生と主任を務める小林典子先生にお話を伺った。

教育と一体となった保育、子どもも保護者も安全・安心に通える園

4、5歳児教室の様子

――先生と子どもたちの様子を教えてください

吉田園長:保育施設は子どもにとって初めての集団生活の場になります。そのため、当園は「通ってよかった」「預けてよかった」と思っていただける、最良の場所でなければならないと考えています。家庭的な雰囲気を心がけており、実際、先生は子どもたち一人ひとりと向き合い、包み込むような保育をしてくれています。気持ちに寄り添った言葉掛けをしているので、安心してお子さんを預けていただけるかと思います。毎日、たくさんの活動や行事を楽しみながら心身ともに「豊かな人間性」の基礎を培って欲しいと願っています。胸を張って小学校へ進学できるお子さんに成長していただけると考えています。

――園ではどんな1日を過ごしていますか?

吉田園長:年齢に応じた教育プログラムに沿った活動や戸外あそび、また、散歩などの園外保育などを中心に1日を過ごしています。具体的には、自然や生き物にふれること、絵本や紙芝居などの読み聞かせ、体を動かす、絵を描く、音楽を聴く、外国の先生と外国語でふれあうなど、子どもの情操育成に取り組んでいます。園舎の屋上には砂場とプールを備えており、園庭のような雰囲気で遊ぶことができます。近隣には「敷田北公園」、「姥子山南公園」、「鳴海東公園」など大小さまざまな公園がいくつもあるので、公園を利用しながら戸外遊びものびのびと楽しんでいます。

活動の様子

――園の行事を教えてください

吉田園長:遠足や七夕会、ハロウィンなど、季節の行事を行うほか、家族で楽しめる行事も予定しています。夏祭りでは、保育士や給食スタッフが協力して、遊びのブースややきそばブースなどを出して屋台の雰囲気を楽しんでもらっています。

運動会は近くの「名古屋市立東丘小学校」のグラウンドをお借りして開催しています。また、生活発表会では、同じ緑区にある「ユメリア徳重」のステージをお借りして、園生活で身につけたことをご家族や地域の皆さんの前で発表しています。

保護者の負担を減らし、家庭で子どもと過ごす時間を大切にできる

調理の様子が窓から覗ける調理室

――毎日の通園の準備の負担が少ないとお聞きしました

吉田園長:週末にお昼寝用の布団を持ち帰らなくても済むように、リース布団を使用しています。お子さん専用の布団を使用し、クリーニングも行っていますので衛生面でも安心していただけます。また、使用済み紙オムツの処理も園で行っています。紙オムツやビニール袋は1パックずつ預かりし、保護者さんの毎日の荷物を減らしています。これらは、子育てとお仕事を両立されているご家庭を応援したいという思いからはじめた取り組みです。

――お子さんにとって楽しみな給食はどのような内容でしょうか?

小林先生:管理栄養士の献立による安全な食材を利用した給食、お弁当、おやつを提供しています。調理室は窓がついており調理の様子が見られるようになっているほか、窓際にはその日に使用する食材が置かれることもあり、食育にもつなげています。お子さんの段階に合わせた離乳食作りも行っています。その点も保護者さんに負担を少なくする一つにもなっていると思います。

多彩な幼児教育プログラムを無料で提供

2歳児教室のリトミックの様子

――専門講師による幼児教育プログラムについてお聞かせください

吉田園長:0歳児からリトミック、2歳児からは英語と体育の幼児教育プログラムを主活動に取り入れています。言語に敏感な幼児期に、外国人講師とふれあえる英語の時間はみんな楽しそうにしており、英語の歌も大きな声で歌っています。体育は専門トレーナーが子どもの発達に合わせて、多種多様な動きを経験させてくれます。2歳でマット運動やとび箱に挑戦、3歳児で逆上がりができる子もいます。これらは降園後の課外活動ではないので、授業料等は必要ありません。

行事の様子

――教室からは楽しそうな音楽や子どもたちの笑い声が聞こえてきますね

吉田園長:リトミックは月に2回行っています。保育士も積極的に、日常の活動にもリズム遊びを取り入れています。リトミックは音楽技術を習得するためではなく、「音楽を用いて人間形成をはかる」教育法です。子どもたちは音楽に合わせて体を動かし、感情を表現し、心身ともに情緒豊かに成長していることがよく分かります。年長になると、鍵盤ハーモニカにも挑戦し、さらに表現力を広げています。

「モンテッソーリ教育」を取り入れた保育

4、5歳児の教室風景

――「モンテッソーリ教育」を取り入れているとのことですが、どのような教育法なのでしょうか?

小林先生:「モンテッソーリ教育」はイタリアの女性医師マリア・モンテッソーリによって導かれた教育法です。子どもの「自分でできるようになりたい」という願いを実現できるように、大人が援助します。私たちは子どもをどう見るのか、どのように援助するのか、その見方や援助の仕方が「モンテッソーリ教育」の本質です。

子どもが楽しく通えて、保護者も笑顔になる「こどもみらい保育園」

――日常生活にも取り入れているのでしょうか?

小林先生:当園では研修を受けたスタッフによってモンテッソーリの考え方を取り入れた保育・遊びを行っています。「モンテッソーリ教育」の土台は「日常生活の練習(生活)」にあり、たとえば、物を丁寧に、大切に扱うことなどを伝えています。椅子を運ぶ時は両手で持って、音を立てずに片付けることを伝えながら、子どもが自分自身で行動できることを大切にしています。

「モンテッソーリ教育」に使われる専用教材

――教材等を用いることもありますか?

小林先生:月に3回行うモンテッソーリの活動では、専用の道具を使用し、感覚、言語、数、文化の分野でモンテッソーリの教育法を実践しています。また、本物にふれることを大切にしており、例えば、本物のパイナップルを用意し、形、手触り、香りなど五感を使って子どもの感覚や発達を促しています。お子さんたちがどのように、モンテッソーリと関わり『お仕事』をしているのかが分かるよう、夏祭りには保護者の皆さんにも「モンテッソーリ教育」についてご紹介しています。

子育てしやすい、住みやすいまち

こどもみらい保育園

――園の周辺の住環境はいかがでしょうか?

小林先生:私は保育園の近くに住んでいますが、とても住み心地の良いエリアだと思います。十数年前から住宅やお店が増えてきた新しい街ですね。「有松」駅は名古屋市の中心部にもほど近く、住環境として適した場所なのではないでしょうか。県外から引っ越しされてくる方も多くいます。

当園の東を南北に走り、国道1号線に抜ける道沿いにはスーパー、コンビニ、保育施設、小児科医院、ドラッグストアなどが並び、“子育てゴールデン通り”と呼ばれています。子育て世代にもうれしい街だと思います。

――地域とのつながりはいかがでしょうか?

吉田園長:緑区の公園を利用させていただいたり、さまざまな施設をお借りするなど、たくさんの方の力をお借りして、子どもたちを保育しています。また、近隣道路が小学校の通学路になっているので、登園・降園時間は小学生と一緒に園児たちの安全も見守っていただいています。ここで園生活が送れるのも、地域の方の協力があってこそだと感謝しています。

「こどもみらい保育園」吉田園長と小林先生

こどもみらい保育園

園長 吉田 明美先生(右)
主任 小林 典子先生(左)
所在地:愛知県名古屋市緑区姥子山2-1403
電話番号:052-746-3551
URL:https://kodomomirai.skuld-angel.com
※この情報は2019(令和元)年7月時点のものです。

子どもが楽しく通えて、保護者も笑顔になる「こどもみらい保育園」
所在地:愛知県名古屋市緑区姥子山2-1403 
電話番号:052-746-3551
定員:60名
入園対象:生後6か月~5歳
開園時間:7:30~19:30
https://kodomomirai.skuld-angel.com/


卒業生であることの誇りが持てる伝統校「東京都立立川高等学校」

$
0
0

1901(明治34)年に開校した「東京府立第二中学校」を前身とする「東京都立立川高等学校」。1世紀以上の歴史をもつ伝統校は、開校当初からの“質実剛健”、“自主自律”という校風を守り継いでいる。今回は自身も同校の卒業生であるという吉田校長に学校の特色や街の魅力について、お話を伺った。

3万人を超える卒業生

吉田校長自身も「東京都立立川高等学校」の卒業生

――学校の歴史について教えてください。

吉田校長:本校は1901(明治34)年開校の「東京府立第二中学校」を前身とする学校です。その当時、高等教育を受けたいという声が地域から上がり、それを受ける形で開校にいたったと聞いています。地域に必要とされ、そして見守られながら116年という歳月を重ねてきたのです。多摩地区では最も歴史のある高校で、卒業生は3万人を超え、様々な分野で活躍しています。そのなかには都知事を務めた鈴木俊一氏もいます。

1世紀以上の歴史をもつ伝統校

――伝統校ならではの校風などあれば教えてください。

吉田校長:“質実剛健”と“自主自律”に尽きると思います。特に後者の“自主自律”に関しては、本校で学校生活をおくれば、いたるところで感じることができるかと思います。自らが考え、行動に移すというのが本校の生徒。合唱祭、体育祭、演劇コンクールなどの学校行事についても、生徒が主体となって企画運営を進めています。

――特徴的な学校行事はありますか?

吉田校長:特徴的なものとしては、やはり1年生が対象の3泊4日の臨海教室ですね。千葉・館山市にある「清明寮」を拠点として、全員で遠泳を成功させるというものです。以前は、多くの都立高校で実施していた臨海教室ですが、現在では本校を含めて数校だけの伝統行事となりました。

取材に答える吉田校長

臨海教室以外では、戦後すぐに始まった演劇コンクールも伝統があります。2日間にわたり「福生市民会館」で行われ、2クラスで1チーム作り、その成果を競い合うものになります。 “発表会”ではなく、“コンクール”という形式を取っていることが特徴ですね。演劇は総合芸術であることから、表現力を伸ばすために競うことが有効的という判断があったのかもしれません。

――大勢の卒業生がいると伺いましたが、卒業生との交流行事などはあるのでしょうか。

吉田校長:立高時代塾など各分野で活躍している卒業生を招き、ゼミナール形式で講演していただいています。講演終了後は、距離を縮めて議論を深めていくこともあります。それ以外では、卒業生が在籍している研究室を訪ねていくこともしており、2016(平成28)年は京都大学と北海道大学にも行きました。歴史ある学校ということもあり、卒業生から話を聞くという機会は沢山作っています。

広々とした作りの校内

――巣立っていく生徒たちに、どのような社会人になってほしいと考えていますか。

吉田校長:トップリーダーとして日本、そして世界で活躍してほしいですね。そのために必要なものは、やはり何と言っても人間力。本校の生徒には大きな潜在力がありますから、ぜひそれを活かして、諸先輩方を超える活躍をしてもらいたいと考えています。

進学指導重点校として

「東京都立立川高等学校」の銘板

――2003(平成15)年には、進学指導重点校に指定されたそうですね。

吉田校長:その恩恵を、いたるところで生徒は実感していると思います。セパレート式の自習室は19時30分まで利用できますし、時間内であればいつでも教員が対応してくれるゼミ室もあります。本校には定時制課程があるため、部活動は17時までに終えなくてはならないのですが、そうした環境のおかげで効率的な時間配分が自然と身につきます。“文武両道”を実践するためには、とても大切な能力ではないかと思います。

――部活動への参加率を教えていただけますか。

吉田校長:9割以上の生徒が参加しています。本校は進学指導重点校に指定されており、難関大学へも生徒を毎年輩出していますが、勉強だけでなく、“文武両道”を実践しています。参加していない生徒も、幼少期からの習い事を続けたりしているので、ほぼ全員が勉学以外の活動に力を入れていることになります。特に歴史があるのは天文気象部ですが、文化系、運動系を問わず、いずれも所属先で頑張ってくれています。

進学指導重点校に指定されている

――天体ドームがあるそうですが、どのように使われているのですか。

吉田校長:天文気象部の課外活動で使われることが多いですね。ちなみに天文気象部は70年近い歴史があり、設立当時から様々な観測データを取っています。もちろん天体ドームは天文気象部だけのものではなく、小・中学生や都民を対象にした公開講座も定期的に開いています。

「国営昭和記念公園」

――立川エリアの魅力について教えてください。

吉田校長:私がまだ本校の生徒だった40年前と比べると、開発が進み、街は大きく変わりました。“一変した”という表現が相応しいほどの変化です。街としての魅力は、やはりターミナル駅を擁することでしょうね。また、新宿まで行かなくても、週末のショッピングなどは、この街で十分に足りてしまいます。その一方で、周辺には「国営昭和記念公園」などの憩いの場もありますから、利便性と自然環境のバランスの良さを実感できる住み良い街だと思います。

東京都立立川高等学校

今回話を聞いた人

東京都立立川高等学校
吉田順一校長
所在地:東京都立川市錦町2-13-5
TEL:042-524-8195
URL:http://www.tachikawa-h.metro.tokyo.jp/
※この情報は2016(平成28)年11月時点のものです。

卒業生であることの誇りが持てる伝統校「東京都立立川高等学校」
所在地:東京都立川市錦町2-13-5 
電話番号:042-524-8195
http://www.tachikawa-h.metro.tokyo.jp/

立川の歴史と共に育んできた伝統ある幼稚園「立川幼稚園」

$
0
0

東京都の中央に位置する立川市。近年、駅前を中心に大規模な再開発が行われており、暮らしやすい街へと変化している。JR中央線・青梅線・南武線、多摩都市モノレールも利用でき「新宿」駅までJR中央線特別快速で最短26分、「都心への玄関口」としての役割を持つ一方で、豊かな水量を誇る玉川上水が流れ、水と緑にも恵まれた街としても知られている。「立川幼稚園」は、そんな立川の歴史と共に育んできた伝統ある幼稚園。その歴史は大正時代にまでさかのぼる。今回は地域からの信頼も厚い同園の教育と、立川の魅力について園長の畔田世紀子先生にお話を伺った。

家庭的な雰囲気を大切に

立川市内で最も歴史ある幼稚園

――園の歴史・沿革について教えて下さい。

畔田園長:「立川幼稚園」は1926(大正15)年に「立川女学校付属幼稚園」として設立されました。立川市内には全部で11の幼稚園があるのですが、その中で最も歴史がある幼稚園です。園児の数は約100人弱の小規模園です。家庭的な雰囲気を大事に運営しています。行事等では保護者のお力を借りながら、多くの行事を行っています。保護者の皆さまと力を合わせ、共にみんなで「子育て=共育」をする幼稚園です。保育目標は、「心身ともに明るく元気な子ども」「よく考え。行動する子ども」「友達と仲良く遊ぶ子ども」「心情の豊かなやさしい子ども」「主体性のある創造力豊かな子ども」です。温かみのある教育を基本に、豊かな感受性と思いやりの心を育て、心身共に調和のとれた成長ができるようにと考えています。

先生の話に耳を傾ける子ども達

――「立川幼稚園」の特色について教えてください。

畔田園長:本園では自由遊びの時間を多く取るなど、子ども達がのびのびと充実した園生活を送る中で、豊かな心情と主体性が培われるように心がけています。また、友だちとの関わりを深める中で、社会生活のルールや、良いこと悪いことがあることを、気づかせ、思いやりの心を育てるようにしています。

玄関にある大きなモザイク

基本的なことですが、あいさつをきちんとできることが大切だと考えています。その場その場に合ったあいさつができる子どもに育って欲しいと願っています。毎朝、登園した時には「おはようございます」、お父さん・お母さんには「行ってきます」。園で過ごしている時に園庭に行く時にも「行ってきます」、そして帰園する時は「さようなら」、お父さん・お母さんには「ただいま」がきちんと言えるように声をかけ、自分の言葉で伝えられるように指導しています。子ども達の生活の中にも言葉を大切にする場面は多くあります。怪我をして傷口を氷で冷やしたい時に、「氷!」ではなく「怪我をしたので氷を下さい。」と言えるように、子ども達が“なんで?”を考えられるように導いています。「何に困っているのか?」、「何が必要なのか?」を自分で考えて行動し、言葉で伝えられるようになって欲しいですね。できる範囲で保護者にも協力いただいて、みんなで子ども達を育てていきたいと考えています。

広い園庭で元気に遊ぶ園児達

――園長先生が子ども達と接するうえで、大切にしていることは何でしょうか?

畔田園長:子ども達に分かりやすく言葉を噛み砕いて話をすることを心掛けています。大人に接するのと同じように会話をして、その子の気持ちになって接しています。子ども達がいけないことをした時には真剣に対応すれば、こちらの気持ちは伝わります。お互いの信頼関係を構築することがとても大切だと日頃から考えています。

つくし学級(未就園児クラス)

――「つくし学級」について教えてください。

畔田園長:「つくし学級」は2歳児と3歳児が対象となります。毎週月曜日と木曜日に行っています。翌年に「立川幼稚園」に入園することを基本条件にしています。あいさつ・食事・はみがき・手洗いなど、ご家庭でもされている生活習慣がもっとできるように、資格を持つ専属職員が保育します。1日を充実して過ごせるように、お友達と遊んだり、歌、手遊び、紙芝居、折り紙、画用紙等を使って製作をします。幼稚園とはどんなところかを理解し集団生活のルールが身につくようにしています。また、親子遠足・保育参観なども計画していて、じゃがいも掘り・運動会・クリスマス会など、幼稚園行事への参加もあります。バザーやお遊戯会、作品展にも招待されるので、在園児の様子を見ることもできます。在園児との交流も多くありますので、スムーズに園生活に入ることができると思います。

たくさんの刺激を感じて成長してほしい

「立川女子高等学校」の生徒が職場体験に来る

――「立川女子高等学校」と連携して園を運営していると聞きました。

畔田園長:本園のすぐ隣が「立川女子高等学校」です。先日も運動会を女子校の校庭で行いました。女子校の体育館を利用してお遊戯会もしています。将来保育の道を志したいという女子校の生徒は、園を見学に来たり職場体験に来たりしています。次世代の教育者を育成するためにもできるかぎり受け入れています。子ども達は、高校生のお姉さんたちが来ることをとても楽しみにしています。隣接しているので地震など防災時には、避難場所として「立川女子高等学校」も利用します。「立川女子高等学校」と地域全体が子ども達を見守っていて安心感があります。

体育の時間

――専門講師による絵画や体育の体験もあるそうですね。

畔田園長:保育内容の一部として、専門講師によるリトミック指導、絵画指導、体育指導を週一回行っています。今年度からは新しく英会話指導も始まりました。専門の先生が指導することにより、担任の先生とは違った視点から子ども達を指導・観察することができ、子ども達により適切な指導ができると考えています。入園前のお子さんには絵画やリトミック、体育の授業の参観ができる園内見学があります(10月頃)。ぜひご来園ください。

利便性と自然環境を兼ね備えた街、立川

国営昭和記念公園

――立川市は公園など子ども達が遊ぶ場所が多いですね。

畔田園長:園の近くには「国営昭和記念公園」があります。本園でも遠足などの行事によく利用します。園児達も親子で広場に行って友だちと遊んだり、お弁当を食べたりしています。夏にはプールや水遊びができるところもあります。1日居ても楽しく、子ども達もお気に入りの場所です。その他、「立川市子ども未来センター」や「立川まんがぱーく」、児童館や図書館など近くには子ども達が楽しめる施設がたくさんあるので、とても便利です。

立川市子ども未来センター

――立川エリアは、駅周辺に商業施設もありとても便利ですね。

畔田園長:立川はJR中央線・青梅線・南武線や多摩都市モノレールも利用できますし、バスの本数も多いのでどこへ行くにもとても便利な街です。「新宿」駅まで快速電車ですぐ行けますし、南武線で「川崎」駅までは一時間程で着くことができます。都心にも神奈川方面にいくにも便利です。駅周辺には、大型デパートや商業施設がコンパクトにまとまっているので、生活に必要なものは何でも揃います。立川はあまり坂が無く平地が多い場所ですので、自転車でどこへでも行けるのも魅力ですね。

ルミネ 立川店

お話ししました「国営昭和記念公園」をはじめ「立川市子ども未来センター」など、立川には子どもが安心していっぱい遊べる公園や施設がたくさんあり、子育て環境は素晴らしいです。「ららぽーと立川立飛」などのショッピングセンターも良いですが、やはり季節の変化を感じ取ることができる自然がいっぱいの「国営昭和記念公園」など、公園がおすすめです。幼稚園では、子ども達と一緒に外で遊んだり公園にも行ったりします。あたり前のように感じる「今日は寒かったね。」「紅葉が始まったね。」と自然を感じ取ることがとても多く、日々子ども達とたくさん楽しんでいます。都会の良さと田舎の良さを持った立川の暮らしと自然いっぱいの公園は、立川のおすすめのポイントです。

立川幼稚園

立川幼稚園

園長 畔田世紀子さん
所在地 :東京都立川市高松町3-12-1
TEL :042-524-7979
URL:http://www.tachikawa-joshi.ac.jp/kindergarden.html
※この情報は2016(平成28)年12月時点のものです。

立川の歴史と共に育んできた伝統ある幼稚園「立川幼稚園」
所在地:東京都立川市高松町3-12-1 
電話番号:042-524-7979
預かり保育:あり(14:30~17:00、水曜日14:00~17:00)
http://www.tachikawa-joshi.ac.jp/kinderg..

多彩なイベントで親子のふれあいをサポートする「川口市立南平児童センター」

$
0
0

JR「西川口」駅東口からバスで「南平福祉会館」下車、徒歩3分ほど。社会福祉法人の川口市社会福祉事業団が運営する「南平児童センター」は、0才から18才未満の児童を対象とした施設だ。乳幼児を抱える保護者にとっては、子どもを安心して遊ばせられると同時に、経験豊富なスタッフやママ友と交流できる憩いの場でもある。乳幼児を対象にした「にこにこ赤ちゃん広場」の様子を見学させていただくとともに、所長に同センターの活動内容を伺った。

全スタッフが保育士などの資格を持っている安心感

ママとベビー・キッズのための「にこにこ赤ちゃん広場」

――こちらの「南平児童センター」の目的は何ですか?

遊びを通して子どもの発達を促し、安心して過ごせる居場所として、子どもたちの日常生活を支援することです。児童厚生員が子どもたちと一緒に遊び、運動能力の発達や体力の増進に努めています。

我が子を見つめるママたちの優しいまなざし

遊戯室、集会室、屋外遊戯場など、設備も整っています。乳幼児専用の部屋もあるから安心して遊ばせられると思います。足で床を蹴って走らせるコンビカーなどに乗れますよ。図書室には本が1,000冊あり、貸出も可能です。

――施設の特徴や利用方法を教えてください。

0~18才までのお子さんなら、誰でも無料で利用できますよ。スタッフみんなで知恵を出し合い、毎月楽しい教室やイベントを企画しています。一日平均120人ほどの方にご来館いただいています。

南平児童センターのスタッフのみなさん

スタッフ全員が保育士などの資格を持っているので、子育てに慣れていない親御さんも安心していただけると思います。毎週土曜日には「子ども家庭相談室」を実施しています。

幅広い年齢の子どもが喜ぶイベントが盛りだくさん

ママに抱き上げられて喜ぶ子どもたちの笑い声が響く

――どのようなイベントがありますか?

子育て支援として行っているのは、0~1才対象の「にこにこ赤ちゃん広場」、2~3才対象の「親子ふれあいランド」、2~4才対象の「エンジョイキッズ」、そして工作、体操、ベビーダンス、ベビーマッサージ、リトミックなどを行う幼児教室です。夏まつりなど、規模の大きなものもあります。

地域ボランティアの方による、ふれあい遊び

他にも陶芸、折り紙、工作といった各種教室、卓球やドッジボールの大会、ドミノや塗り絵のコンテストを開催。幅広い遊びを提供しています。中でも卓球、ボードゲーム、カードゲームが人気です。

多くのおもちゃがあり、レゴブロックやパズルなども貸し出している

――「親子ふれあいランド」とはどのようなものですか?

親子のスキンシップを楽しみながら、集団で遊ぶ機会や友達づくりの場を提供することを目的とした会員制のクラブです。2才児クラス(ぱんだぐみ、うさぎぐみ、こあらぐみ)と3才児クラス(らいおんぐみ)があり、ダンスや手遊び、工作、運動会や野外遊びなどを行っています。年会費は3,500円。毎年3月に募集説明会を実施しています。

「親子ふれあいランド」の様子

子育て世代が楽しく安心して暮らせる川口元郷エリア

――川口元郷エリアについて、暮らしや子育て面での環境の魅力を教えてください。

近隣の人々が協力し合い、子どもたちを地域全体でしっかり見守っている街と感じます。「地域の方の温かい声かけがうれしい」という声も聞きますよ。

子どもたちの遊び場としては、週4日プレイリーダー(ベイゴマ・こま・竹馬・フラフープ・なわとび・工作などの遊び方を、安全に楽しく指導してくれる)がいる「南平児童交通公園」が人気のようですよ。

南平児童交通公園

★児童センターに来ていた子育てママにも聞きました★

利用者の皆様(下記、回答者とは異なります)

――この街の魅力はどんなところですか?

Aさん:最近、中央線の三鷹から引っ越して来ました。公園などが近く落ち着いた環境が子育てに適していると思います!

Bさん:近所にスーパーなどの普段必要なものは揃っていますし、川口駅方面へはバスなども出ているので小さな子ども連れでも便利です。

「川口」駅前

――親子でお出かけするのにおすすめの場所はありますか?

Cさん:私はよく芝川沿いの土手に行きます。広々としていて見通しが良く、大きな子も少ないので安心して遊ばせられます。

Dさん:小さな子どもがいる人には、市内の公民館でやっている「おやこの遊びひろば」が便利だと思います。保育士や地域のボランティアの方がいて、3才までの子を遊ばせられるんです。

Eさん:広いキッズルームのある「マクドナルド 川口店」は便利ですね。

Fさん:休日には、家族でマイカーでイオンモールや、舎人公園などにもよく行きます。お出かけできるスポット色々ありますね♪

イオンモール川口前川

川口市立南平児童センター

川口市立南平児童センター

所在地:埼玉県川口市末広3-7-21
URL:http://fukushi-kawaguchi.jp/institution/motherandchildren/nanpei/
※この情報は2018(平成30)年6月時点のものです。

多彩なイベントで親子のふれあいをサポートする「川口市立南平児童センター」
所在地:埼玉県川口市末広3-7-21 
電話番号:048-223-7441
開所時間:9:00~18:00
休所日:火曜日(祝日の場合は翌日も休所)、祝日(こどもの日は開所・翌日休所)、年末年始(12/28~1/4)
https://www.city.kawaguchi.lg.jp/soshiki..

創立から140年余り。「遵法自治」の精神のもと、のびやかに6年間を過ごせる中高一貫男子校「芝中学校・芝高等学校」

$
0
0

「東京タワー」の足元、「増上寺」の裏手にある小高い丘の上に建っている「芝中学校・芝高等学校」は、学校法人芝学園が運営する中高一貫の男子校だ。元々は浄土宗の学校として設立され、僧侶の師弟教育を主としていたが、今ではほとんどの生徒が大学に進学する、都内有数の進学校として知られている。建学以来「遵法自治」を伝統としており、自由と自主性が尊重された校風が特徴である。2017(平成29)年度から校長を務められている武藤道郎先生は、もともとは学園の生活指導担当を長く担当されており、学園OBの間では父親のように慕われている先生だ。そんな武藤校長先生に、学園の歴史と地域の魅力を交えてお話を伺った。

――芝学園の歴史についてお教えください

武藤校長先生:本校はもともと、「増上寺」の境内に作られた「岳蓮社(がくれんじゃ)」が母体となっており、5代将軍綱吉の時代に作られたと言われています。もともとは浄土宗のお寺のご子息を教育するための機関で、全国から人が集まってきた場所でした。浄土宗は京都の「知恩院」が総本山ですが、「増上寺」と鎌倉にある「光明寺」が大本山と言われていて、関東では大きなお寺となっています。

学校の歴史は、公式には140年と書いておりますが、これは1887(明治20)年に「浄土宗学東京支校」が置かれたためで、1906(明治39)年に芝中学校になりました。2019年の4月には120回生を迎えるという、長い歴史を持った学校です。

第1回生の卒業生でもある、第3代の校長である渡邊海旭(わたなべかいぎょく)先生は、初代校長の松波先生、2代目の荻原先生と一緒に「大正新脩大蔵経」(たいしょうしんしゅうだいぞうきょう)という書を編纂されたことで有名ですが、「ボランティア」の元になる「社会事業」という言葉を作った方でもあります。現在まで続く本校の伝統「遵法自治」という言葉も、海旭先生が作られました。

校風は「遵法自治」と、浄土宗の教えである「共生」(ともいき)を二つの柱にしています。「人間教育・芝」と言い換えることも多いのですが、子どもの「人間力」を育てていくことを重視しています。かの松下幸之助氏は「松下電器は人を作るところです。併せて電気器具も作っております」と言っていましたが、本校もそれと同じで、「人間教育のついでに、勉強もさせています」といったイメージでしょうか。

第3代校長・渡辺海旭の銅像

武藤校長先生

――自由でのびやかに学べる校風が人気だと聞きましたが、どのようにしてその校風と、高い学力水準を両立させているのでしょうか?

武藤校長先生:「遵法自治」が建学の精神なので、行事などについても、それを強く意識しています。学園祭と運動会は、生徒の自主性に任せて自分たちで企画も運営もさせていますし、日々の教育活動の中でも、子どもたちにいろいろな「体験」「経験」をさせることを大事にしています。そういった多彩な経験の中で、ものごとを「考えさせる」ということを、身につけてもらえればと思っています。

海旭先生はかつて、「諸君は日本人の中堅を担う人になるのであるから、心身ともに修行しなければならない」と、毎年判で押したようにおっしゃっていたそうです。これは今にも通じるところがあると思いますので、私も日々の話の中で、「自分で線をひかずに、はっちゃけになって、夢中になって、ひとつのことに取り組め」とか、「高みを目指して研鑽を積め」とか、今の子どもたちにも伝わりやすいように言い換えながら、折に触れて話すようにしています。

今の子どもたちには、「我慢ができない」とか、「自分のためには頑張れるけれども、人のためには頑張れない」という傾向も見受けられます。ですが、人のために頑張ることは恥ずかしいことではないし、人のために頑張れることは、これからの人生の中で非常に大事なことだと思うんです。これは「共生」に通じる部分でもあります。

校舎内の様子

学校の入り口

――自主性の高い行事運営のほか、さまざまな校外学習の機会もあり、貴重な体験ができると聞きました

武藤校長先生:全員参加の行事に林間学校があるのですが、毎回趣向を変えて、できるだけ「子どもが予想もしなかったようなこと」を行うようにしています。本校では毎年、富士五湖の西湖に行っていますが、昨年は竹を組んでラップを巻いた“手作りカヌー”を作って、それで競争をさせました。その前年には、竹を使ってモンゴルのパオ(簡易的な住居)のようなものを作って、そこで、生活をするという体験をしました。これを見て、外国人の観光客などは「クレイジー」と言っていましたが、我々にとってはそれが最高の褒め言葉ですね。過去には琵琶湖を3日かけて自転車で1周したり、富士山に1泊2日で登山をしたり、ということも行いました。

経験というのは、それを「自分の糧とする」とよく言いますが、すぐに糧にできるかと言えば、そうではないんです。経験を積んでいった中で、ある時ふいに「あの時の経験が生きた」と思ったり、自分の頭の中で、経験をもとに発想をすることができたりと、後になってじわじわと活きてくるんです。だから即効性はなくても、この6年間に、「引き出しをいっぱい作ってあげる」ということが、私達の使命だと思っています。

江戸時代に増上寺内の僧侶養成と従弟教育の機関として設立

江戸時代に増上寺内の僧侶養成と従弟教育の機関として設立

――選抜者による海外研修の機会もあるそうですが、どのような内容でしょうか?

武藤校長先生:語学研修ではニュージランドとカナダの2カ国に行っています。とくにニュージーランドは次で22回目になりますから、長い歴史があります。先住民族であるマオリ族の「ハカ」という踊りを体験したり、ホームステイをしながら、現地のハイスクールで、一緒に授業を行うということもしています。

カナダは最近新しく設けた研修先で、シアトルから1時間くらい飛行機に乗った先の、ペンティクトンという街に行ってホームステイをします。現地の先生方がしっかりと指導をしてくれますので、ホームステイをしながら、いろいろな体験活動にも参加することができます。

もうひとつユニークなものが、ベトナム研修です。これは高1・高2の生徒が対象で、12月の年末に8泊で行っています。ホーチミンから2時間ほどかけて、川を船で渡ったり、泥だらけの中を歩いたりしながら、メコンデルタにある「カイベー村」という農村に行き民家に泊まるのですが、ホストファミリーの皆さんは、英語がほとんどしゃべれないので、子どもたちは身振り手振りでコミュニケーションを取るわけです。

トイレには紙も無いし、ニワトリが放し飼いになっているし、炊事はかまどだったりと、インフラも満足に整っていないところなのですが、そういうところで、子どもたちはホストファミリーや、学校の子どもたちと交流するわけです。アオダイショウに触ったり、泥だらけになって沼の掃除をしたり、ヤシの実を採ったり。日本ではできない体験もたくさんしてきます。ベトナムは親日国ですから、向こうの学校に行けば、アオザイを着た女子学生たちが一生懸命、英語で話しかけてきてくれます。ですが、それをちゃんと返せなくて、子どもたちは、ある意味ニュージーランドやカナダに行った時よりも、英語の大切さを痛感して帰ってくることもあります。

言葉は十分に通じなくても、一生懸命、身振り手振りと笑顔で接すると、しっかりと受け止めてくれるものなんです。最後の日にホストファミリーの皆さんから「私たちは君のベトナムのお父さんお母さんで、君は大切な息子だから、いつでも帰ってきていいんだよ」という言葉を掛けていただき、行くときは不安一杯で行く子どもたちも、帰って来る時には、まるで世界を背負ったような感じで帰ってきます。

東京タワーを借景に

――さまざまな経験を通して、子どもたちはどのように変わっていきますか?

武藤校長先生:経験をしても、その後「劇的に変わる」ということができないのも、子どもの魅力であり、いいところだと思っています。ただ、その経験が引き出しの中にひとつ入っているかいないかということは、「人間力」を考えたうえでは、大事な要素ではないかと思っています。

今はまだこの3つで精一杯ですけれども、将来的には外部の団体を利用するなどして、新しい取り組みも行っていけるような体制にしていきたいと思っています。

――6年間を一貫して見られることで、どのような利点があるのでしょうか?

武藤校長先生:中高一貫教育については、最近は公立校でも多く取り入れられてきていますが、私学ならではのいいところもあると思います。公立校は先生がすぐに変わってしまいますが、私学の場合、先生はほとんど変わることがないですから、一度関わったら「一生モノ」なんです。だからOBになっても訪問してくる生徒が多いですし、母校愛が強くなると思います。

本校では総合的な学習の中で、「OB訪問」や「OBの話を聞く会」といったこともしていますが、その時にも、「後輩たちの役に立つなら」ということで、たくさんの先輩方が協力してくれています。昨年も150人くらいのOBに協力してもらいました。そういった「OB力」があるのも私立ならではかと思います。

――学校周辺の街の魅力について教えてください

武藤校長先生:一番のメリットはやはり、交通の便がよいところです。そして、都心にありながらも緑が多いのも魅力です。メタセコイアの青葉などは非常に美しいですし、銀杏並木があったり、オランダ大使館や水道局の緑があったりと、環境としては非常に恵まれています。そういった場所ですから治安も非常にいいですし、街もオフィス街なので、週末などはすごく静かです。災害に関しても、本校は高台にありますから、心配が少ないロケーションだと思います。

――学校と街とのかかわりについて教えてください

武藤校長先生:吹奏楽部が港区の「区民まつり」で演奏したり、区の社会福祉協議会と連携して、生徒会のボランティアがお手伝いに行ったり、ということを行っています。近くの公園のまわりでは、本校のボランティアの生徒が清掃活動をしています。

学校としても、芝3丁目町会に入っていますので、町会の集まりに出ていますし、協力できるところはしながら、地域との共存を図っていきます。

――街の近年の変化について、どのようにお感じですか?

武藤校長先生:神谷町や御成門のあたりは、マンションや新しいビルもできて、だいぶ変わってきていますが、本校の周りは、「正則高等学校」や「光宝寺」、「幸稲荷神社」、「芝公園」、「水道局」、「オランダ大使館」があるため変化が少ないエリアなので、今後も落ち着いた雰囲気が残っていくのではないでしょうか。

――ここを巣立った子どもたちに、どのような大人になっていってほしいと思われますか?

武藤校長先生:本校の生徒は、やさしく真面目な子がすごく多いです。その反面、ちょっと打たれ弱かったり、心が折れちゃったりしやすい子もいるので、私たちがもうひとつ大事にしているのが、「折れない心」なんです。「勉強ができる」ことよりも、「折れない心をちゃんと育てる」ということを大事にしています。

これからは「人生100年時代」と言われていますから、今の子どもたちには、予想もつかない未来が待っているはずです。その時に、環境の変化や、時代の波に押しつぶされないためには、折れない心が必要だと思うんです。折れない心を持って、力強く歩んでいってもらえるように、先生が言った言葉や、友達が言った言葉など、いろいろな言葉を拾い集めて、自分の中で咀嚼して、強くなっていってほしい、と思っています。

学校紹介

校訓の「遵法自治」

※この情報は2019(平成31)年3月時点のものです。

今回、話を聞いた人

学校法人芝学園 芝中学校・高等学校

校長 武藤道郎 先生

創立から140年余り。「遵法自治」の精神のもと、のびやかに6年間を過ごせる中高一貫男子校「芝中学校・芝高等学校」
所在地:東京都港区芝公園3-5-37 
電話番号:03-3431-2629
https://www.shiba.ac.jp/

多様性と可能性によって育まれる「新虎通り」エリアの魅力を発信する「一般社団法人新虎通りエリアマネジメント」

$
0
0

2014(平成26)年の環状2号線開通を契機に、新橋から虎ノ門に至る「新虎通り」周辺では、まちづくりの機運が高まっている。歩道上のオープンカフェや道路内建築物など、全国的にも珍しい取組みでまちに賑わいを創出する「一般社団法人新虎通りエリアマネジメント」の取組みにも注目が集まり、東京の新たなシンボルストリートとして今後さらなる魅力的な街への進化が期待されている。今回は「一般社団法人新虎通りエリアマネジメント」事務局長の赤坂香里さん、中谷玲那さん、朝賀繁さん、上田晃史さんに「新虎通り」エリアの魅力についてお話を伺った。

およそ70年の歳月をかけて開通した「新虎通り」

――東京の新たなシンボルストリートとして注目されている「新虎通り」とは?

赤坂さん:「新虎通り」は新橋から虎ノ門へと至る道路の愛称で、正式な名称は環状第2号線です。1946(昭和21)年に都市計画が決定されてからおよそ70年の歳月をかけて2014(平成26)年に開通した新しい道路です。
計画当初は幅員100メートルの広い道路で、街が分断されてしまうのではないかと地元の方の反対意見もあり着工できない状態が続いていましたが、地下を自動車専用のトンネルにした2層構造で地上には豊かな歩道空間を設けることなどの話し合いを重ね、現在の「新虎通り」が整備されました。
2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックの際には、選手村とスタジアムとを結ぶ重要な道路に位置付けられていることや、「東京シャンゼリゼプロジェクト」にはじまる道路空間の活用の取組みも進められ、東京の新たなシンボルストリートとして注目を集めています。

――「一般社団法人新虎通りエリアマネジメント」の発足の経緯は?

赤坂さん:「新虎通り」の幅員は広いところで40メートル、そのうち両側の歩道が約13メートルずつと非常に広いので、道路を整備する過程でもこの空間をどう生かしていくかということは課題になっていました。“エリアマネジメント”の必要性を地域の皆さんと一緒に考えてきたという経緯があって、「新虎通りエリアマネジメント準備会」がまず立ち上がり、道路の開通と同じタイミングで「新虎通りエリアマネジメント協議会」が発足しました。
さらにいろいろな活動を具体的に進めるには、法人格を持った組織が必要であろうという背景から、2015(平成27)年に「一般社団法人新虎通りエリアマネジメント」が設立され、「新虎通りエリアマネジメント協議会」と「一般社団法人新虎通りエリアマネジメント」が連携協力し、エリアマネジメント活動を行っています。

広い歩道

虎ノ門ヒルズ

(左から)朝賀さん、赤坂さん、中谷さん、上田さん

――「一般社団法人新虎通りエリアマネジメント」の取組みとは?

赤坂さん:具体的な活動としてはまず“エリアビジョン”といって、エリアが目指す方向性・将来像を目指していくのかということについて地域の皆さんとワークショップを開催して一緒に考え、「人々の多様な交流により、新しいアイデアや多彩な文化・経済活動が創造される街『国際新都心』を形成し、東京の未来を牽引していきます。」をエリアビジョンに定めました。
もう一つは公共の道路空間を活用して、まちの賑わいをどのように創出していくかということで、全国的にも珍しい歩道上のオープンカフェや道路内建築物、またイベントの企画や清掃活動にも取り組んでいます。
通常、公共の空間である道路は法律によって占有許可が限定されているのですが、「新虎通り」は道路占用許可の特例制度によって歩道にもテーブルやイスなどの什器を置けるようになっています。

朝賀さん:歩道上の道路内建築物というのは全国的に見ても極めて珍しいケースで、「旅するスタンド」をはじめ現在4棟が建っています。エリマネではまちの賑わいを創出する面白い仕掛けづくりや新しい道路の使い方を全国に先駆けて提案・発信しています。
最近の新しい動きとしては、もともと愛宕下通りから変電所通りまで2ブロックくらいが特例制度の対象範囲だったんですが、それを第一京浜側まで延伸することになりました。
また都市再生特別措置法に基づく道路占用許可の特例制度は5年間という期限があるのですが、2018(平成30)年に期間を延長しさらに5年間継続できるようになりました。合わせて国家戦略特区での道路占用についても協議を進めているところです。

歩道に設置されたイスとテーブル

新虎通り

2018(平成30)年10月に「景観ガイドライン」を策定

――新しくできた「景観ガイドライン」とは?

朝賀さん:「景観ガイドライン」は2018(平成30)年10月に策定された新しい取組みのひとつで、「新虎通り」沿いの良好な景観を作っていくために、自治体が施行する条例よりもう少し踏み込んだ内容の「景観ガイドライン」を地元の皆さんと一緒に考えました。
たとえば屋外広告物の看板ひとつをとっても、景観への配慮であったりデザイン性についても「新虎通り」らしいものにしてくださいと。あくまで紳士協定であって、数値的な基準等を決め込んで強く規制をかけるのではなく、皆さんと協議しながら一緒に創り上げていくのも特徴となっています。

四季折々の植物も楽しめる

――法人設立から5年目を迎え、地元の方の反応は?

赤坂さん:エリマネの取組みそのものは期待されていると思います。もともと通りがなかった場所に新しく通りができたわけですから、まちの賑わいをどのように創り出していくのかは、地元の皆さんも課題だと感じていたと思います。
最近は人通りも増えて賑わいを実感していただいているものの、やはり圧倒的に働いている人が多いので、土日になると寂しいという声はあります。だからこそエリマネの取組みに参加して新しいことにもチャレンジする、そういう気運が高まっているのでは無いかと思います。

朝賀さん:協議会で地元の方からよく話に挙がる内容ですが、もともとこの地域にあるお祭りと「新虎通り」の新しいイベントが一緒になって、うまく相乗効果みたいなものが生まれると良いよねと話しています。
愛宕神社の出世の石段祭や、新橋のほうには烏森神社のお祭りなどいろいろあるので、一過性のイベントで終わらせるのではなく、街の発展につなげられるような取組みをしていきたいですね。

企業の流入やビジネス系イベント等による新しい人の動き

――エリアの変化として感じることは?

上田さん:エリアの変化として感じることは、虎ノ門ヒルズや再開発によってこれから建てられるビルは比較的賃料が高く大手企業が入居するのに対して、「新虎通り」沿道には昔ながらのビルもあって、これまで渋谷や五反田にあったようなクリエイティブな企業が集まりつつあるように感じます。
日比谷通りとの交差点のところに「ザ コア キッチン/スペース」というお店があって、もともと六本木でやっていた「Pecha Kucha(ペチャクチャ)」というビジネス系のイベントが開催されるなど、クリエイターやアーティストなど様々な分野の人も集まって来るようになりました。

中谷さん:イベントで言えばURまちづくり事務所1階のにぎわい施設「新虎小屋」でやっているイベントに、大使館付近にお住まいの在日外国人の方がひょっこり来て下さったことがありました。日本語はそれほど通じなかったのですが「前から気になっていました」と、フィーリングで入って来てくださったようです。日本人のオフィスワーカーだけじゃなく、多様な人が集まることによって、この場所から新しい取組みが生まれるような期待感があります。

赤坂さん:大使館がある赤坂エリアや霞ヶ関の官庁街とも近いので、この立地を生かしてこれから新しいものが生まれたらいいですね。まだこれですとはっきり言えるものは無いんですが、そういったエリアの特性を感じています。

――その他にも興味深い動きはありますか?

上田さん:Reebokがプロデュースするトレーニングジム「Kitaeru CrossFit Toranomon」やサイクルツーリズムとカフェを軸にした「TREX TORANOMON CAFÉ」、ボルダリングジムの「T-WALL新橋店」など、虎ノ門で働いているワーカーの方々がライフサイクルの中にスポーツを取り入れられるような環境が増えているように感じます。ちょっと面白いところではスケートボードパークが新しくできました。ビジネス街というプラットフォームに様々なカルチャーが入り込んでくることによって、まさに多様性、ダイバーシティのところで化学反応が起こって、さらに新しいものが生まれていくのかなと思います。
他にも道路内建築のひとつにキーコーヒーが運営している「錠前屋珈琲」というお店があるんですた、そこには焙煎機があってコーヒー豆の焙煎体験ができます。焙煎の体験ができるのは都内でも数店舗しか無いそうなんですが、週末は特に人が多く集まっています。
「新虎通り」はまだ生まれたばかりで、多様なものを取り入れながらみんなで挑戦しつつ新しいものを生み出していける場所だと思います。挑戦しやすくて、多様なものを受け入れてもらえて、エリマネを通じて行政の協議等も上手くいったという実績が重なっていくと、みんなここに挑戦しに来るようになって今よりもっとワクワクする通りになっていくのかなと思っています。

スケートボードパーク

錠前屋珈琲

――「新虎通り」エリアの魅力とは?

赤坂さん:虎ノ門はいま、国際都市としてグローバルなビジネス拠点を形成していこうと大規模な開発が進められていますが、ビジネスだけではなく住まいや生活があるというのもこのエリアの特徴の一つです。「愛宕神社」や100年以上続いている老舗のお店もあったり、新しいものと古いものなど多様なものがあるのがこのエリアの魅力だと思います。
将来的な話になりますが、東京メトロ日比谷線の新駅「虎ノ門ヒルズ」駅が2020年に開業予定のほか、都心と臨海部とをつなぐBRT(バス高速輸送システム)も2019年度内の運行開始に向けて取組みが進められているなど、交通の拠点としても発展していきます。

――最後に「新虎通り」の魅力また個人的に好きな場所、お店も含めて教えてください

中谷さん:道路の両側に約13メートルずつある大きな歩道がとても好きです。こんなに広い歩道を歩いたのは初めてで、新虎通り沿道のいろんな景色を見ながらゆっくりと歩くことができますし、ただ歩くだけでも楽しい気分になれるのはこのゆったりとした歩道のおかげかなと思います。

赤坂さん:私もこの歩道空間が良いなと思っていて、CM等に使われることも多くどこを切り取っても絵になるロケーションだと思います。これからもっともっと沿道に賑わいが生まれてくると、よりいっそう絵になる空間になるなと期待しています。

上田さん:抽象的な答えになってしまうんですが、私が魅力を感じているのは可能性です。まだ生まれたばかりの新しい通りで、「新虎通り」と言えば〇〇といったような具体的なイメージや色がまだ付いていないので、エリマネ、地元の方、店舗が一緒になってみんなで歴史やストーリーを作って育てていく、その可能性が面白いのかなと思います。

日比谷通りからみた虎ノ門ヒルズ

※この情報は2019(平成31)年4月時点のものです。

今回、話を聞いた人

一般社団法人新虎通りエリアマネジメント

事務局長 赤坂香里さん、中谷玲那さん、朝賀繁さん、上田晃史さん

https://shintora-am.jp/

小学校から大学までを擁する総合学園として発展を続け、持続可能な社会を担う次世代の育成に貢献する「成蹊学園」

$
0
0

小学校から大学までを擁する総合学園として、理想とする一貫教育体制を実践し続けている「成蹊学園」。創立者の中村春二と、岩崎小弥太、今村繁三の3人の出会いからはじまる学園の歴史は、1912(明治45)年に創立された「成蹊実務学校」より100余年を迎える。1924(大正13)年に吉祥寺へと移転した後は、吉祥寺の街とともに歩み続け、武蔵野市との包括連携協定にもとづく多彩な取り組みなど地域との繋がりも深い。今回は成蹊学園の亀嶋庸一学園長を訪ね、「成蹊学園」の特色や地域との繋がりについてお話を伺った。

シンボルの欅並木

創立者の中村春二と岩崎小弥太、今村繁三の「成蹊実務学校」

――「成蹊学園」の歴史と今日までの歩みについてお聞かせください

亀嶋学園長:2012(平成24)年に創立100周年の記念式典を開催いたしましたが、「成蹊学園」として学校の起点としているのは、1912(明治45)年に池袋で創立された「成蹊実務学校」です。教育こそが社会を変えるという思いから理想の教育を追求した創立者の中村春二先生と、親友の岩崎小弥太氏、今村繁三氏の3人が出会ったことにはじまり、その後、中学校、小学校、成蹊実業専門学校および女学校をつくり五学校体制を実現します。

吉祥寺(当時は北多摩郡武蔵野村)に移転してきたのは1924(大正13)年のことです。まだ雑木林が多く残る自然豊かな場所で、翌年に旧制7年制の高等学校を開校しました。

旧制高校というと一高や二高などいわゆるナンバースクールが有名ですが、私立としては成蹊のほかに成城と武蔵、関西の甲南があるだけで全国でも4校だけでした。その後、戦後になって旧制高等学校が改組され、新制の中学、高校、大学を創設して今日に至っています。

1949(昭和24)年に大学がスタートした時には、政治経済学部の1学部だけでしたが、1962(昭和37)年に工学部、1965(昭和40)年に文学部を開設、1968(昭和43)年には政治経済学部を経済学部と法学部に分けて、現在の4学部体制になりました。(※工学部は2005年に理工学部に改組)

このように「成蹊実務学校」から始まった「成蹊学園」は、小学校から大学、大学院までを擁する総合学園として発展してきたということになります。

亀嶋庸一学園長

理想とする教育を追求し、より豊かな自然を有する吉祥寺へ移転

――どのような理由から吉祥寺に移転したのでしょうか

亀嶋学園長:「成蹊学園」は創立者の中村春二先生の親友であった三菱の岩崎小弥太氏と今村銀行の今村繁三氏、この2人の経済的な援助を受けながら学校経営が行われてきたわけですが、この吉祥寺に、岩崎家から約8万坪の土地を寄付していただくかたちでここに移転してきました。

移転前の校地であった池袋にも自然はあったと思いますが、そこよりもずっと豊かな自然を有しているこの土地であれば、自然と接することや体験を重視した教育の原点をますます発展させることができると考えたのだと思います。「成蹊実務学校」時代には中村春二先生ご自身も生徒と一緒になって畑を耕していたそうです。

地域の歴史を今に伝えるグリーンパークという地名

――学園周辺地域の歴史、移り変わりについてお聞かせください

亀嶋学園長:鉄道駅ができる前は五日市街道沿いに集落ができていたわけで、歴史としては五日市街道沿いが一番古いことになります。私が学長をやっていた頃に地域の秋祭りに参加して法被を着て神輿を担いだこともありますが、五日市街道沿いの神輿が一番古い歴史を持っていました。

その後、駅ができてからは駅周辺が街の中心になって発展していきましたが、学園周辺の方は整然とした印象があります。50年前、私が学生だった時代を振り返ってみても、当時の日本の住宅としてはかなり大きな規格でモダンな家が建っていたんです。

この周辺が住宅地として発展したのは、おそらく中島飛行機の工場ができたことがひとつの契機になっていると思います。戦後、中島飛行機の工場跡地は米軍の将校の住宅になって、グリーンパークという名前で呼ばれていました。今の「武蔵野中央公園」のあたりですが、そのグリーンパークという名前自体は今も残っているんです。でもそういう歴史を知っている人もだんだん少なくなってきましたね。

「欅並木」

1970(昭和45)年を契機として急速にモダンな若者の街に変わった吉祥寺

――吉祥寺の街の移り変わりについて、どのようにご覧になりますか

亀嶋学園長:おそらく今の吉祥寺の原型ができたのは1970(昭和45)年くらいで、伊勢丹ができた頃ですよね。三鷹や荻窪とそれほど変わらなかった吉祥寺という街が、この頃から急速にモダンな若者の街に変わっていった。ちょうど自分自身も青春時代だったので、印象に残っています。当時は吉祥寺のことを“ジョージ”と呼んでいたんです。最近の学生に言っても「知りません…」と言われてしまうのですが。

私が「成蹊大学」に入学したのは1968(昭和43)年ですが、その頃からジャズやロックのライブハウスやジャズ喫茶がどんどん増えてきました。伝説としても語られている「ファンキー」や「メグ」というジャズ喫茶もあって、若手のオーナーがどんどんお店を作っていました。

渋谷とか原宿とは違って、普通の人でもジーンズのまま気軽にいろんなことが楽しめる。それでいて「井の頭恩賜公園」のような落ち着ける場所もあって、自然もしっかり残っている。最先端のカルチャーと昔からの自然というものが非常にうまく調和している街だと思います。

快適なシティライフ、身近な場所で自然も満喫できて整えられた住宅街を持っている。ひとつの街としてそういう条件が色々揃っている地域というのはなかなかないんじゃないでしょうか。

「井の頭恩賜公園」

武蔵野市との包括連携協定

――学園と地域との繋がりについてお教えください

亀嶋学園長:小学校から一貫教育を行っているためということもありますが、在籍するお子さんはこの近くに住んでおられる方が比較的多く、親子2代あるいは3代、4代にわたってお子さん、お孫さんを通わせているなど、「成蹊学園」とずっと繋がりを持っていただいている方が非常に多いです。

また地域でお店をやっているOBも多いんですよ。この地に移転して95年、「成蹊学園」はある意味、吉祥寺とともに発展してきた運命共同体のような存在だと感じています。

武蔵野市とは以前から様々な取り組みを行ってきましたが、「成蹊大学」は2014(平成26)年に市と包括連携協定を結び、個々の取り組みを集約することで、さらに強化をしていくことになりました。例えば、「成蹊大学」では一般市民の方向けの「公開講座」や聴講生制度がありますが、かなりの人数が集まります。もちろん様々な科目を提供しているということもありますが、吉祥寺という武蔵野市の中心にあるという立地と、これまで吉祥寺とともに歴史を育んできた大学という親しみやすさが市民の方にもあるのではないでしょうか。

「アトリオ」

歴史ある建物と最新の建築物が共存する環境

――学園内の歴史ある建物や施設・設備についてもご紹介いただけますでしょうか

亀嶋学園長:五日市街道から正門を抜けて正面に見えるのが、1924(大正13)年に竣工した学園本館です。当時の学校建築としては稀にみる近代的な内装・外観が注目されていたそうです。本館内には大講堂があり、当時の面影を色濃く残しています。耐震補強と一部リニューアルはしていますが、ほぼ当時のまま残っていまして、小学校、中学・高校の入学式と卒業式は毎年この大講堂で行っています。

現存する建物で古いのはこの学園本館と、同年に竣工したトラスコンという名前の建物です。アメリカの「トラスコンスティールカンパニー」というところから鉄鋼材を輸入して組み立てて作ったもので、建設当時は体育館として使われていました。今はコンビニがあり、学生が集まって憩うことのできるフリースペースになっています。

「大講堂」

一方、最新の施設や設備として情報図書館があります。卒業生である坂茂(ばんしげる)氏の設計で、図書館としてはかなり思い切ったデザインである一方で、伝統的で威厳のある景観をもつ学園本館と調和がとれるようにレンガ調の外壁が施されています。図書館の正面とその向こう側はガラス張りになっていて、学園のシンボルである本館前の欅並木と中高へ続く欅並木を同時に眺めることができるようになっています。

小学校本館も同じく坂さんが設計した建物ですが、教室の外にテラスを作っていて、教室の中と外の世界が繋がるように作られています。成蹊教育の原点をよく理解しておられて、成蹊を大切に思う作品を作ってもらったと思っています。

「情報図書館」

2018(平成30)年4月に「サステナビリティ教育研究センター」を開設

――「サステナビリティ教育研究センター」についてお教えください

亀嶋学園長:現在世界的な課題となっている持続可能な開発のための教育(ESD:Education for Sustainable Development)に取り組み、小学校から中学、高校、大学まで学園ぐるみで連携して進めていくため、2018(平成30)年4月に「サステナビリティ教育研究センター(ESDセンター)」を開設しました。

ESDセンターでは近隣にお住まいの方も参加できるシンポジウムも開催していて、包括連携協定を結んでいる「国立極地研究所」の協力を得て開催したシンポジウムには、小学校から大学までの児童生徒、学生、教員のみならず、就学前のお子さんや一般市民の方など100名を超える参加者がありました。

「成蹊学園」ではもともと90年以上にわたって取り組んでいる気象観測や、畑を耕したり、落ち葉を集めて堆肥を作ったり、焼き芋を作ったりと自然の中で本物に触れ、体験を通じて自然を大切にしていく心を育んでいくという教育を実践するなど、サステナビリティに関わる取り組みを実践してきた歴史があります。そして21世紀になってますますそういったことが大事になってきたということでセンターを立ち上げたということです。

2020(令和2)年4月に5学部体制へ

――今後の新しい取り組みや展望についてお聞かせください

亀嶋学園長:現在「成蹊大学」では大きな改革をいくつか検討しています。ひとつは2020(令和2)年4月に学部を1つ増やして5学部にするということです。新しい学部は経営学部となりますが、現在の経済学部を再編して、新しい経営学部と経済学部に生まれ変わります。

さらに、少人数の授業で学ぶ学部横断型のグローバル教育プログラム「EAGLE」や、文系学部と理系学部がひとつのキャンパスにあることを活かした文理融合の副専攻制度の開設など、他にもさまざまな改革を予定しています。

これらの大学改革で何を目指しているかというと、「ソサエティ5.0」と言われている次時代で活躍できる人材の育成です。IoTやAIなど「ソサエティ5.0」を象徴するような新しい変化を迎えるにあたって、これまでと違った教育を受けた新しい人材を生み出していくということです。

そもそも100年前に中村春二先生がはじめた「成蹊実務学校」というのも、当時20世紀初頭の資本主義の高度化に伴って、新たな人材が必要であるというところからはじまっているので、そういう意味ではまさに成蹊の原点を踏まえて、それを21世紀の今の時代に対応した新しい改革として、伝統を踏まえながら進めていくということです。それがこれまでの成蹊のスタンスであり、これからの成蹊のスタンスでもあります。

「けやきグラウンド」

吉祥寺にある学園としてこれからも街の発展に貢献

――最後に地域の方へメッセージを頂戴できますでしょうか

亀嶋学園長:武蔵野市との包括連携協定では、学生のみならず教員も武蔵野市、吉祥寺の発展に貢献するような活動を続けていきます。

地域の課題に取り組む理工学部の「吉祥寺プロジェクト」をはじめ、最近では「成蹊大学」、「アトレ吉祥寺」、「ネクストローカル」の3者が協定を結んで地域活性化を目指すプロジェクトも始まっています。

もちろんそれだけに限らずオリンピック・パラリンピックの時には武蔵野市の友好都市であるルーマニア(ブラショフ市)を知る講座などを展開して、武蔵野市のホストタウンとしての役割をサポートしていきたいと思っています。

また市民聴講生の中で、「銀蹊会(ぎんけいかい)」という団体を自主的に作って運営している方がおり、地域の方たちが講演会を企画して行う際、「成蹊大学」のキャンパスを活動に使っていただいています。

今後も、“ジョージタウン”の学校、学園として、吉祥寺、武蔵野市とともに歩んで行きたいと思っています。まずはこの“ジョージタウン”という言葉を広めなくてはいけませんね。

成蹊学園

亀嶋庸一 学園長
所在地:武蔵野市吉祥寺北町3-3-1
TEL:042-237-3517
URL:https://www.seikei.ac.jp/gakuen/
※この情報は2019(平成31)年4月時点のものです。

小学校から大学までを擁する総合学園として発展を続け、持続可能な社会を担う次世代の育成に貢献する「成蹊学園」
所在地:東京都武蔵野市吉祥寺北町3-3-1 
電話番号:0422-37-3517(企画室・広報グループ)
https://www.seikei.ac.jp/gakuen/

外国語教育やICT教育にも力を入れ次世代を担う子どもを育てる「武蔵野市立大野田小学校」

$
0
0

「武蔵野市役所」近くにある「武蔵野市立大野田小学校」は、市内に数ある小学校の中でも規模の大きい小学校のひとつ。5階建ての立派な校舎のほか、平成30年度には新しく増築棟が完成した。今回は藤橋義之校長を訪ね、学校の特徴と地域の魅力について、お話を伺った。

外観

開校70周年を迎える大規模校、設備が整った2005年に建てられた校舎

――小学校の歴史についてお教えください

藤橋校長:本校は2019(平成31)年の4月に68周年を迎え、間もなく70周年を迎えるという小学校です。「大野田」という名前のとおり、かつては野原や田んぼが広がっていた場所にできた学校ですが、今や、児童数は800人を超えており、武蔵野市の中でも2番目に大きな小学校となっています。市の推計によると、今後も増加傾向になっているそうですので、数年後には900名くらいになるのではないかと思います。教育目標については、いわゆる「知・徳・体」の三本柱で、「深く考える子」「明るく思いやりのある子」「強くたくましい子」ということで設定をしています。

教室

――新しく広い校舎が印象的ですが、特徴をお教えください

藤橋校長:この校舎は2005(平成17)年に完成したものですが、大きな特徴は、教室がオープンスペースになっていることです。学年ごとに3つの教室が並んでいますが、教室ごとの仕切りはあっても、廊下と教室の仕切りが無く、教室の外もオープンに使えるようになっています。

オープンスペースは、学年の集まりやクラスの活動などで多目的に活用されています。一見すると「子どもたちはそんな環境でうまく学習ができるのかな」と心配されてしまうのですが、子どもたちには環境に適応していく力がありますので、授業中に誰が通っても、自然なかたちで学習に集中して取り組んでいます。教員としても、子どもたちの様子をぱっと見て取れますので、いろいろなことに気が付きやすく、非常に良い環境だと感じています。

オープンスペースが特徴的

校舎については、「百年校舎」と言われるほど頑丈な建物になっています。その一方で、空間に関しては非常にゆったりとした設計がなされていて、校内のあちこちにデッキがあったり、屋外緑化をされた部分があったりと、緑があふれる、開放的な校舎であるという点も大きな特徴です。

それから、「専科棟」という別棟があり、そちらに音楽、図工、家庭科の教室がすべて集まっているというのも特徴です。他校ではいろいろな場所に特別教室が散らばっていると思うのですが、本校はひとつのエリアにまとまっていますので、非常に使いやすく、効率よく移動ができる作りにもなっています。

ユニークなスペースとしましては、「けやきホール」という階段状になっているスペースがあり、約200人ほどが入れるホールになっています。階段の下はステージ状になっているので、そこで表現活動をしたりということも可能です。プールについても床が可動式ですので、低学年の子でも安心して授業を受けられるように工夫されています。

けやきホール

外国語とICTの活用に力をいれた教育内容で、考える力を養う

――とくに力を入れている取り組みについてお教えください

藤橋校長:外国語活動の教育課題研究開発校になっていますので、そちらに力を入れて取り組んでいます。それ以前にはICT教育の研究校で、電子黒板、タブレット、パソコンなどの機器を活用した教育についても取り組んできましたので、現在も引き続き力を入れています。

全教科にわたるものでは、「考える力をつける」ということに重点的に取り組んでおり、各教室には「考える術(すべ)」という掲示もしつつ、それぞれの授業の中で、関連づけたり、比較したりしながら、「考える」という機会をなるべく多くもてるように心がけています。

具体的な例のひとつとしては、本校では5年生の「セカンドスクール」で、長野県の飯山市に行っていますが、「飯山の観光大使になろう」というテーマで事前学習や現地取材を行い、「飯山のいいところ」「飯山の課題」といった風にまとめて、それを武蔵野市と比較したり、飯山の方に向けて発信する、といったことをやっています。その際には子どもたちが自分で検索をして調べたり、パワーポイントを使ってまとめて、保護者や飯山の方々に発表したりと、ICTも駆使しています。

もうひとつ特徴的なものとしては、「コーディネーショントレーニング」を取り入れていることです。「脳との感覚統合で動きをよくしていく」という、最近注目を集めている「体幹トレーニング」ですが、本校は市内の各学校にそれを広げるための拠点校としての役割を担っており、体育の先生方が中心になって取り組んでくれています。

図書館

様々な場所で活躍する大野田小の児童たち

――吹奏楽クラブの活動が盛んということですが?

藤橋校長:本校は吹奏楽クラブが非常に盛んで、4年生から6年生の希望者で編成されていますが、現在およそ80名ほどが所属しています。市のジョイントコンサートにも毎年出演していますし、校内でも催しています。

クラブ活動以外のところでは、本校はオリンピック・パラリンピック教育に関しても力を入れている学校で、実際にオリンピアンやパラリンピアンの方をお招きして、子どもたちと関われるような場を数多く設けているというところも特徴かと思います。

これに関しては、実は先日、「ボッチャ」という競技の大会があって、そこに本校の子どもたちが代表に選ばれて、全国大会に出場したんです。特にボッチャのクラブがあったわけではないので、やりたい子をつのって、休み時間に練習を重ねていったという即席チームだったのですが、それが強いチームになっていったんですね。

吹奏楽クラブの活動が盛ん

行政の中心に近い立地を活かして、様々な施設を活用

――学校の周辺は武蔵野市の行政の中心地で、いろいろな公的施設や体育・文化施設が集まっていますが、こういった施設との連携・活用事例などはありますか?

藤橋校長:近くにNTTの研究所がありますので、そちらの見学に5年生が毎年行かせていただいています。ただ見学をするだけではなく、いろいろなレクチャーまでしていただいて、非常にありがたく思っています。近隣に福祉関連の施設も色々とありますので、特に4年生が「総合的な学習の時間」の中で行っています。

日常的な部分では、市の運動場や体育館については、特にいぶき学級でよく利用させていただいています。市営のプールは温水もありますから、年間を通して利用できるという点でも、非常に助かっています。

「武蔵野市民文化会館」も徒歩で行ける場所にありますので、オーケストラ鑑賞教室などに関しても、ぱっと行くことができますし、消防署の見学も歩いて行けますし、いろいろな場面で、この立地の素晴らしさというのは感じます。

屋上

地域の人々と協力して子どもたちを見守り、育てる

――「地域コーディネーター」とはどういった連携をされているのでしょうか?

藤橋校長:「地域コーディネーター」は、学校と地域を結ぶ窓口となる専門職員で、武蔵野市では各校に一人ずつ配置されていますが、本校ではもともと大野田小学校の保護者だった方にお願いをしています。この方は地域とのつながりが深い方なので、非常に助かっています。

たとえばオリ・パラ教育に関しては、「もしそういう方がいらっしゃれば紹介してほしい」とお願いをして、実際につないでいただいたり、低学年の「昔遊び」の体験活動に関しても、福祉センターに呼びかけていただいたり、地域の方の中から英語が堪能な方を探していただいて、外国語の時間に入ってもらったりといった具合に、いろいろな場面で関わっていただいています。

専科教室も充実の設備が揃う

――「地域子ども館あそべえ」についてお教えください

藤橋校長:早朝と午後の時間帯に、校庭や「あそべえ」専用の部屋を使って、子どもたちが自由に遊べるという、学校に併設された児童館のようなものです。そこには教員ではなく「あそべえ」のスタッフが常駐をして見守ってくれています。祝日と年末年始以外は毎日やっていますので、こちらに行っている子どもたちは多いと思います。特に、朝から開放をしているという自治体は少ないので、これも武蔵野市ならではのものかと思います。

校庭

――「地域の防災拠点」としての役割もあるそうですが、どんな備えをされているのでしょうか?

藤橋校長:「防災拠点」というのは「避難者が生活できるエリアを確保する」ということが目的で、校舎全体の中の一部を開放できるエリアに定めて、災害時にはそちらを避難所として運営していく、という決まりになっています。防災倉庫を備えていたり、災害時にトイレを利用できる仕組みがあったり、地下水を組み上げる設備があったりします。

また、非常時には地域の「防災の会」と連携して、避難所を運営することができるように、いろいろな取り決めもされています。ちなみに本校の場合は、非常時には体育館と「けやきホール」が避難所として使われる計画になっています。

災害発生時には防災拠点として利用される

文化的、体育的、福祉的な要素がぎゅっと詰まった街

――吉祥寺北町エリアの魅力をお教えください

藤橋校長:この辺りは行政の中心であると同時に、「福祉のまち」でもあると思っていますので、そういった環境の中で、子どもたちが育つことができるというのは、ひとつ大きな魅力ではないかと思います。

また、この地域には緑が非常に多いですね。桜並木もありますし、公園も近くにいくつもありますし、四季を感じられる環境があると思います。運動をするにしても、体育館、運動場、プールなどがすべて揃っています。文化的な要素、体育的な要素、福祉的な要素、すべてが詰まっていて、素晴らしい環境だと思います

周辺の街並み

武蔵野市立大野田小学校

藤橋義之 校長先生
所在地:武蔵野市吉祥寺北町4-11-37
電話番号:0422-51-0511
URL:http://oonoden-e.musashino-city.ed.jp/
※この情報は2019(平成31)年4月時点のものです。

外国語教育やICT教育にも力を入れ次世代を担う子どもを育てる「武蔵野市立大野田小学校」
所在地:東京都武蔵野市吉祥寺北町4-11-37 
電話番号:0422-51-0511
http://www.musashino-city.ed.jp/~gakkou0..


学校運営をあらゆる側面からサポートする、地域のあたたかい眼差しに見守られた「川口市立本町小学校」

$
0
0

明治6(1873)年の開校より144年目を迎える歴史と伝統のある「川口市立本町小学校」。平成22年度に完成した新校舎では、およそ1,000人にのぼる子どもたちがともに学び合い、地域のあたたかい眼差しに見守られながら充実した学校生活を送っています。今回は2017(平成29)年4月に校長として着任した関口景子先生に、「本町小学校」の特色と地域とのつながりについてお話を伺いました。

川口市立本町小学校 関口景子校長先生

市内でもっとも歴史のある創立144年目を迎える「本町小学校」

――まず学校の歴史や概要について教えてください。

「川口市立本町(ほんちょう)小学校」は市内に52校ある小学校のなかでももっとも歴史のある学校で、1873(明治6)年に開校いたしました。いわゆる昔の寺子屋のようなかたちからスタートして今年度で144年目を迎えます。
現在の校舎は2010(平成22)年度に全面建て替えを行ったものです。学校規模は駅に近い市街地の学校としては大きく、28学級952名の子どもたちがともに学校生活を送っています。
もともとこのあたりは鋳物づくりの中心地だったのですが、工場が郊外に移転するのに伴いその跡地に高層マンションが建てられ、児童数も急増しここ数年は1,000人規模で推移しています。

川口市立本町小学校

2017(平成29)年4月に校長として着任したのですが、都心部に近い駅前学校ならではの雰囲気を感じ、子どもたちが都会的だなという印象を受けました。また各ご家庭も教育に熱心な方が多く、学校教育にも協力的で有り難いなと感じています。
たとえば学校で行う保健指導で虫歯があるお子さんには治療をしましょうというお手紙を出すのですが、親御さんがすぐに病院に連れて行ってくださって治療率を見ても大変高く、学習以外の面でもいろいろな側面で協力をいただけることに感謝しています。

社会科を通して子どもたちの考える力、思考力を育む

――特色ある取り組みについてもお聞かせください。

来年の2018(平成30)年度に全国の小学校から先生が集まり社会科に関する研究発表を行う全国大会「第56回全国小学校社会科研究協議会研究大会」の会場校に指定されています。
その関係もありここ数年は社会科を中心に研究発表に取り組んできたのですが、単に社会科の教科を学ぶというよりも、社会科という教科を通して子どもたちの考える力を育てるということに取り組んでいるのが本校の特色のひとつです。

川口市は古くから社会科に熱心に取り組む地域でありまして、「川口プラン」という社会科を中心にした教育カリキュラムを全国に発信したことでも知られています。
社会科に関する取り組みはさまざまで、本校では3年生で行う市内各所を巡る社会科見学を踏まえ、4年生になると校外学習として川越に行き、街の歴史や「なぜ蔵づくりの街並がいまも残っているのか?」など、班行動で現地を歩きながら勉強させていただいています。

社会科教育の掲示物

また川口といえば鋳物の街として全国にも知られていますが、地元の鋳物工場にご協力いただいて3年生のときに鋳物工場の見学をさせていただきます。安全に配慮して全員ゴーグルを着用したうえで見学するのですが、川口ならではの貴重な体験だと思います。
見学した後に工場の方にご来校いただいて、アルミ鋳物の実演と鋳物の制作体験までしていただいています。校庭に道具一式を持ち込んでいただく大がかりな取り組みですが、子どもたち自身がお気に入りの型にアルミを流し込み作品を仕上げる鋳物体験は本校ならではの取り組みだと思います。

学校運営のあらゆる側面をサポートしてくれる「学校応援団」

――地域や保護者との連携についてお聞かせください。

本校には学校運営に協力してくださる保護者の皆さまをはじめ、工場見学を受入れてくださる鋳物工場や食育指導に協力をしてくださる地域の料理店など、駅前という環境と今の時代感覚からは想像できないほど地域と密接につながっている学校なんだということに気がつき驚かされました。
まず「学校応援団」という保護者を中心とした組織があって、学習のお手伝いや校外へ出る際の安全確保の付き添いなど、延べ人数で数えると相当数の方にご協力いただいています。「学校応援団」のなかには卒業生の保護者の方もいて、「得意分野なのでお手伝いしますよ!」と積極的に参加してくださる方もいます。

2010(平成22)年度に建替えられた校舎は広々としたオープンなつくり

毎年5月の半ばくらいに「学校応援団募集のお知らせ」というお手紙をすべての保護者に向けてお渡ししているのですが、活動の内容は多岐に渡り、読み聞かせボランティアや家庭科のミシンかけ、音楽の授業のお手伝いや調理実習、英語活動、校外学習のときの安全確保のための付き添いなどさまざまです。

また「学校応援団」とは別に「あおぎり応援団」という組織もあるのですが、子どもたちからすればおじいちゃん、おばあちゃん世代の4名の方にご協力いただき、下校時の安全確保で見守り活動をしていただいています。雨の日も風の日も学校がある日は毎日活動をしてくださり、学校としても大変有り難く感謝しています。

子どもたちから「あおぎり応援団」の皆さまへのお礼のメッセージ

さらに児童のお父さんが中心になって活動する「おやじの会」の活動も熱心で、7月の「そうめん流し」や、11月の最後の日曜日に開催する本のお祭り「本祭り」など、楽しい催しを企画してくださいます。

家庭科専科が配置された市内でも数少ない食育指導への取り組み

――食育指導の取り組みについてもお聞かせください。

本校のホームページにも「本町小の食育」として食育指導の取り組みについて詳しく取り上げていますが、本校は家庭科専科を配置している市内でも数少ない学校のひとつで、栄養教諭の先生をはじめ各学年に1名いる計7名の先生がチーム食育部として食育指導を進めています。
具体的な取り組みとしては、“ひとり調理実習”というのを実践しているのですが、献立を考えるところから材料を用意して、食材を切ったり、焼いたり、煮たりして調理する過程をすべてひとりで行います。
調理実習では班を編成して複数名で協力してひとつの料理を仕上げるのが一般的ですが、なかには一度も包丁を持たずに卒業してしまう生徒もいますし、最初から最後まで全部ひとりでやりきる調理実習に取り組んでいます。

広々としたランチルーム

たとえばテーマを設けて「じゃがいもを使った料理」とすれば、ポテトサラダを作ったり、マッシュポテトを作ってみたり、自分で考案した献立に説明を加え、写真とともに「私の料理実践」としてランチルームの前に掲示しています。
本校の食育は知識を深める座学もそうですが実践力をより重視していて、自分で献立を考えてひとりで作れる力を6年生で結実させることを目標にしています。子どもたちにも「卒業するときには誰でも簡単な料理は作れるようになろうね」と伝えています。

「私の料理実践」の掲示

また本校の食育指導にご理解のある地元の料理店にもご協力をいただいており、5年生の総合学習で「日本の食を調べよう」というテーマがありまして、出汁のとり方や和包丁と洋包丁の違いについて学んだり、和食ならではの切り方を披露いただいたりとさまざまなお話をしていただきます。また給食のメニューを一緒になって考えてくださったりすることもあり大変助かっています。

“連携協力校”として幼・小・中の一貫教育に取り組む「舟戸学園」とともに

――幼小中の連携について、具体的にどのような活動を行っているのでしょうか?

川口市には幼・小・中の一貫教育に取り組む通称「舟戸(ふなと)学園」と呼ばれる場所があり、「舟戸幼稚園」「舟戸小学校」「南中学校」の幼小中の学校がひとつの敷地内に設置されています。
本校も「南中学校」の学区域に指定されているため、“連携協力校”というかたちで「舟戸学園」が実践している幼小中の連携に交えていただいているという状況です。
具体的な活動としては、夏休みを利用して小学校でステップアップ教室という補充授業を開催し、そこに中学生が来てくれてそれぞれの学年の課題について教えてくれるというものです。
また2学期の半ばくらいに本校の6年生が部活動の見学で南中に行かせてもらったり、金管バンドは南中の吹奏楽部の練習に参加させていただく機会もあります。

あたたかい目で子どもたちを見守ってくれる地域の魅力

――学校周辺(通学区)の地域の魅力をお聞かせください。

この地域の魅力は、タワーマンションがそびえる駅前の都会的な地域ではあるのですが、新しく移り住んできた新住民の方だけではなく、親子3代、4代で本校出身というご家庭も多く、昔からのつながりも大切にする地域だと思います。
地域の方があたたかい眼差しで子どもたちを見守ってくれていることを感じますし、褒めるだけではなく、子どもたちの行動でちょっと気になることがあれば注意してくださったり、学校に「あれは危ないよ」とか「あれはまずいよね」とかきちっと伝えてくださいます。広い意味で子どもたちを育ててくださる良い地域だなと思います。

校外に向けた掲示から地域との密接さがわかる

川口市立本町小学校 関口 景子校長

川口市立本町小学校

校長 関口 景子先生
所在地:埼玉県川口市本町2-4-6
URL:http://www.sch.kawaguchi.saitama.jp/honcho-e/
※この情報は2017(平成29)年11月時点のものです。

学校運営をあらゆる側面からサポートする、地域のあたたかい眼差しに見守られた「川口市立本町小学校」
所在地:埼玉県川口市本町2-4-6 
電話番号:048-222-2101
http://www.sch.kawaguchi.saitama.jp/honc..

自然豊かな教育の街・大泉学園で国際社会に「いきる」力を育てる

$
0
0

「東京学芸大学附属国際中等教育学校」は、開校10周年を迎え、「国際バカロレア教育(以下、IBと略)」の充実と日本の教育の発展に貢献する独自の教育プログラムで国内・国外からも注目を浴びる中高一貫校だ。今回はそんな同校を訪れ、佐藤正光校長と藤野智子副校長に話を伺った。

【入学試験について】
「4月入学選抜(定員約60名)」であれば志願理由を記入する書類審査に加え、A方式(作文検査)またはB方式(適性検査)のいずれかを選択する。 A方式は外国語作文と基礎的な日本語作文があり、B方式は環境・社会問題に対して自身の考えを述べる試験となっている。 一方、「編入学選抜試験」では書類審査と作文検査が実施される。(どちらも面接試験あり)

「東京学芸大学附属国際中等教育学校」正面入り口 ©恵雅堂出版株式会社

国公立学校初のIB一貫教育を実践

――まずは、学校の概要について教えてください。

佐藤校長:本校は「国際」をキーワードとして、多様で異なる人々と共生・共存でき、進展する国際化の中で活躍する力を持った人材を育成する学校です。また本校は、日本の国公立学校初の国際バカロレア・ワールドスクールとして、1年生から4年生までの全生徒を対象に中等教育プログラム「MYP」を実施しています。さらに2015(平成27)年3月31日付で、5年生と6年生を対象としたディプロマプログラム「DP」の認定校となりました。2016(平成28)年4月より定員制を設けて一部の生徒を対象に授業をスタートさせ、「MYP」と「DP」の「IB一貫教育」を実践する初の国公立学校になりました。

お話をしてくださった佐藤校長

探究的な学びで社会に貢献できる人材を

――「IB」や「MYP」、「DP」について教えてください。

佐藤校長:「国際バカロレア教育(IB)」のはじまりは、外交官や大使など世界中を視野に入れて働くご家庭のお子さんを対象に、どの国に行っても子どもが質の高い教育を受けられるようにするのが目的だったそうです。「IB」はその国の伝統や文化に立脚した教育を積極的に行うことも特徴でして、使用する言語は日本語も認められています。しかしながらグローバルな視野で教育を捉えた場合、日常生活だけの為に英語を使うのではなく、自分の考えを伝えたり議論ができたりするレベルの英語力が求められます。英語と日本語の2つの言語を使って、教科内容をより深く学習できることができるのも、本校の特徴です。

校内と生徒の様子。のびやかな雰囲気がある

藤野副校長:「IB」は、国際的な視野を持ち、平和でより良い世界の構築に貢献する人材を育成するプログラムです。探究的な学びが特徴で、質問すること(探究)、実行に移すこと(行動)、考えること(振り返り)の相互作用を通じて、様々な意見やものの見方が尊重される開かれたクラスを目指します。また、本校での「MYP(Middle Years Programme)」の4年間は、プレゼンテーション・ディスカッション・レポート課題などを通じた概念理解と探究活動を中心とした学習が特徴です。生徒はこの4年間の学習経験をもとに「DP(Diploma Programme)」におけるより高度な学習をスムーズに始め、深めていくことができます。「DP」は、5・6年生対象のより専門性の高い学習プログラムで、世界の複雑さを理解し、未来へ責任ある行動をとるための態度とスキルを身につけることを目的とした教育です。生徒は2年間かけて「言語と文学」や「個人と社会」、「芸術」など6つの科目と「CAS(Creativity,action,and service)」などのコアを学びます。海外進学のチャンスが広がるだけではなく、国際的な視野と高い専門性を有するグローバル人材への成長が期待できます。

学校の案内パンフレット

佐藤校長:本校の教育では「国際教養」という学習領域を設定しています。「国際教養」は「MYP」の考えをもとに、国際理解・人間理解・理数探究という3つの柱で構成される、6年一貫教育の中で実施するカリキュラムの1つになります。社会に貢献できる人材となるためには、知識・技術・能力を活かして様々な人と有益なディスカッションができるようになることが重要です。そのためには、世の中にあふれる情報源の中からそれらを正しく理解し、それを相互に伝え合うことが大切です。生徒には「国際教養」で「自分が勉強していることが、何につながっていくのだろう?」という問いを常に探求していってほしいと思っています。

校舎は4棟に分かれている。E棟の写真

英語“を”学ぶのではなく、英語“で”学ぶ大切さ

――「英語イマージョン」とはどのような取り組みですか。

藤野副校長:4年生以上を対象に教科を英語で受講するプログラムになります。3年生で週に1時間プレイマージョンの時間を設けて、数学と理科と社会、美術を英語で受講します。4年生では数学A、地理A、科学と人間生活を、5年生では世界史A、数学B、生物、6年生は数学特講、物理、政治経済を英語で受講することができます。また、1年生から英語の授業の他に週に2時間、LE(Learning in English)の時間が設定され、ネイティブの先生と英語で様々な地球的課題について学び、異文化への理解・関心を深めます。初めて英語を勉強した生徒でも、3年生が終了する段階では約半数が英語検定2級レベルを取得しているのが現状です。

目的を持って海外留学にチャレンジする生徒も

――海外留学や海外の大学進学を希望する生徒はどの程度いるのでしょうか。

佐藤校長:4年生以降で成績・出席状況など一定の条件を満たせば、帰国後に最大31単位が認められる制度があり、1年間の長期留学から短期留学までそれぞれが目的を持って留学を希望する生徒もいます。海外の大学進学希望者も毎年数名おりますが、DP1期生が卒業する2018(平成30)年は海外大学希望者が今よりもさらに増えるかもしれません。

留学した生徒の体験をまとめた掲示物

国際交流・学校間交流で課題研究への理解を深める

――国際交流・学校間交流の活動内容について教えてください。

佐藤校長:国際交流では「東京学芸大学」の協定大学である「Philippine Normal University」やアジアの開発機構、現地のNGO団体の支援先を訪問しています。また、UAE、ブラジル、アメリカ、中国など各国からは学校視察を受け入れています。また国内では、「さくらサイエンス」のプログラムでインド、モンゴル、ラオスの学生と一緒に講義を受講し交流を深めたり、「東京外国語大学」の「Joint Education Program」を受講したりと積極的に交流しています。

年に一度の祭典「School Festival」。一般公開で地域とともに

――その他特色のあるカリキュラムや力を入れている活動がありましたら教えてください。

佐藤校長:1年間で非常に大きな行事が例年9月中旬に行われる「School Festival」です。生徒は学年・クラス、部活などのグループに分かれて、生徒が自ら企画、沢山の方に楽しんでいただけるようこの日のために準備をします。教室での展示発表や体育館での発表、演劇、ダンスなど様々で保護者や一般の方も来校できるとても盛り上がるイベントです。その他、例年6月中旬に行われる「Sports Festival」(一般公開なし)があり、学年ごとの種目だけでなく、異学年が合同で行う種目もあり、学校が1つになる活気のあるイベントです。「School Festival」は一般公開もしていますので、本校の生徒が自然体で何事にも必死になって取り組む姿を是非見ていただきたいと思います。

「School Festival」の様子 ©恵雅堂出版株式会社

教育の街・大泉学園は通勤通学にも便利な街

――最後に、大泉学園エリアの教育環境の魅力について、一言お願いします。

佐藤校長:大泉学園エリアは名前の通り学園都市を目指して作られた街です。自然が豊かで学校などの教育施設が充実していて閑静な住宅街でもありますので、子どもたちが勉強をするには最適な街だと思います。

藤野副校長:西武池袋線、有楽町線、副都心線、バス通りなどの交通の便が良いので便利な街ですね。通学にも買い物にも良い所だと思います。

東京学芸大学附属国際中等教育学校 佐藤校長

東京学芸大学附属国際中等教育学校

校長:佐藤正光先生、副校長:藤野智子先生
所在地:東京都練馬区東大泉5-22-1
URL:http://www.iss.oizumi.u-gakugei.ac.jp/
※この情報は2017(平成29)年9月の取材に基づき、2018(平成30)年9月に加筆修正したものです。

自然豊かな教育の街・大泉学園で国際社会に「いきる」力を育てる
所在地:東京都練馬区東大泉5-22-1
電話番号:03-5905-1326
http://www.iss.oizumi.u-gakugei.ac.jp/

経堂の街を500年以上前から見守ってきた鎮守の森

$
0
0

経堂駅と千歳船橋駅の中ほどに、電車から見るとこんもりと小さく盛り上がって見える、小さな森がある。ここ「経堂鎮守天祖神社」は、経堂の人々をずっと昔から見守ってきた氏神様を祀(まつ)った神社だ。その歴史は500年以上に遡れるそうで、住宅地に囲まれた今もなお、昔の雰囲気を良く残している。今回はこちらで宮司を務められている、中原正明さんにお話を聞いた。中原さんは昭和26(1951)年にこの社の宮司となった父とともに経堂に移り、以来ずっとここに住まわれている、生粋の“経堂っ子”であるということだ。

神社と経堂の歴史について話す中原さん

――神社の由緒、歴史について教えてください。

中原さん:最初に歴史に名前が出てくるのは、「新編武蔵野風土記稿」という文書の中です。これは江戸時代に書かれたものでして、そこには、「神社のできた年代は定かでない」と書かれていますが、言い伝えによりますと、永正4年、すなわち1507年にできたと伝えられています。昔はこの一帯に畑が広がっていて、その中にぽつんと、この神社がありました。

このあたりはもともと北条氏が支配していた地域で、そこに古くから「経堂在家村」という村がありまして、ここはその村の一角にあった神社です。かつては「伊勢宮」(いせのみや)と呼ばれていました。そのほかにも、天神社、四稲荷社の合計六社が村内にあったようですね。

明治時代になると、政府が社格制度によって神社を格付けをしたものですから、「伊勢宮」という名前は天皇関係のお社以外は使えなくなりまして、ここは「天祖神社」の名前に変わりました。全国的に、この時にお伊勢様をまつっている神社はだいたい天祖神社になりまして、戦後はもとの名前に戻った神社もありましたが、うちはそのまま、天祖神社という名前を使っています。

入り口の鳥居のところには「村社」と書かれていますが、これも社格制度の名残で、このあたりの氏神様であることを示しています。経堂在家村を見守ってきた鎮守様ということですね。ちなみに、経堂在家村はほぼ現在の経堂という地名の地区と重なっています。現在も氏子さんの大半が経堂の方ですね。

経堂鎮守 天祖神社

――神社の祭神、ご利益について教えてください。

中原さん:ご利益というのは特に意識していません。「地域をお守りしている」ということが中心ですので。もともとお伊勢さんをお祀(まつ)りしていますので、全体的なお守りをしていただいている、ということになるでしょうか。ただ、明治40(1907)年に神社合祀によって村の中にあったお稲荷様と天神社が合祀されましたので、天神様と言えば学業の神様ですから、そちらのご利益を求めてお参りに来られる方も多いです。

――神社で行われている年中行事について教えてください。境内の様子1

中原さん:いちばん人が多く来るのは、1月1日の11時から行っている、元旦祭です。最近ではずっと坂の下まで列ができるような状況です。元日の日は、深夜も0時から2時まで、甘酒の振る舞いを行っていまして、その時にも数百人ぐらい並びます。年間を通して見ても、年越しと初詣がいちばんにぎやかですね。

このほかですと、10月の最初の週末に行っている例祭が大きなものです。何年か前からは週末に合わせて、「10月の最初の日曜日とその前日の土曜日」としていますので、年によっては9月30日の土曜日と10月1日の日曜日になることもあります。昼間は神楽を舞ったり、お神輿を担いで町内を回ったり、ということを行いまして、その他にも、地域の方が演芸を披露したり、太鼓を叩きながら街を練り歩く、といったこともしています。

――来年から、お神輿が新調されるそうですね。

「老松」の絵

中原さん:そうなんです。来年の例祭からは、新しい、今までよりも大きなお神輿に変わる予定です。もともと、お神輿は2基ありまして、子ども用と大人用をそれぞれ担いで回っていたのですが、それも一旦は途絶えてしまって。ところが平成5(1993)年にお神輿を改修したことをきっかけに「睦(むつみ)会」という組織ができまして、神輿を復活させることができたんですね。

それを機会に、「新しい神輿を作ろう」という話が盛り上がってきまして、来年の例祭までには、新しい神輿が完成する予定です。現在の神輿は一尺六寸という大きさですが、新しい神輿は二尺という大きさになりますので、2、3百人で交代しながら担いで回る、ということになるかと思います。

――例祭以外にも行事・祭礼があれば教えてください。

柄杓

中原さん:そのほかですと、「夏越」(なごし)と「年越」のお祓い(大祓)の儀式がありますね。年越は冬至の日に行うものですが、あまり知られていない「夏越」についても、いま、神社会では全国的に普及を進めているものですので、ぜひお越しいただきたいと思います。

夏越は夏至の日に行っていまして、氏子さんをはじめ、希望される皆さんに人型をお分けして、それで怪我や痛みのある部分を撫でていただいて、神社に持ってきていただければ、夏越の日にお祓いをするというものです。

人間は本来清い心をもっているのですが、誰もが知らないうちに罪やけがれを犯していますので、それを年に2回お祓いをして、清い身体に戻っていただこう、という意味合いがあります。興味がある方は、ぜひ神社までお問い合わせください。

もうひとつ、地域の方を巻き込んでの行事としては、1月14日のお焚き上げ、いわゆる「どんど焼き」がありますね。お札やお守りをお持ちいただければ、こちらで責任を持ってお焚き上げをいたしますので、気軽にお持ちいただければと思います。ただ、お焚き上げの公開はしていませんので、行事としては成り立っておりません。

様々な行事が執り行われる

――氏子会に入らなくても、行事には参加できますか?

中原さん:うちの場合は、地域をお守りしている神社ですので、地域に住んでいる人はみんな氏子ということで考えています。(神様を)信じている方も、そうでない方も、神様は分け隔てなくお護りしていますので、どなたでもご参加ください。

――「経堂流」というお囃子があるそうですが、これについて教えてください。

中原さん:当社には「経堂流」と呼ばれている祭り囃子の「安宅囃子」(あたかばやし)」が伝えられていますが、これは経堂で生まれた「安宅崩し」という曲目に由来している囃子でして、非常にテンポが早くて、調子が良いというのが特徴です。経堂から有名になっていって、今は隣の船橋をはじめ、いろいろな地域で演奏されるようになりました。

うちの神社では例祭の時に、お隣の稲荷森(とうかもり)稲荷神社では初午の時に演奏をしていますし、近所の六社神社のお神輿について歩いているのもうちの囃子です。本当にテンポのいい、ジャズのような囃子なので、ぜひ、聞きに来ていただければと思います。

――社殿の特徴について教えてください。

中原さん:現在使われているご社殿については、ここに建てられたのは昭和51(1976)年なのですが、実はそれ以前には、用賀神社の社殿として使われていた建物です。用賀神社が国道246号の拡張工事で建て替えられることになったため、その建物を一度バラバラにして、こちらでもう一度組み直したんですね。神明造りで、かつ入母屋造りの建物になっています。

古い御社殿については、しばらく神楽殿として使っていましたが、平成11(1999)年に新しい神楽殿を建てましたので、いまは収蔵庫になっています。いずれ新しい神輿が出来上がったら、(旧社殿に神輿を飾って)皆さんに常時見てもらえるように、旧御社殿をまたもとの高さに戻す工事をしたいな、という話も出ているところです。

境内の様子2

境内の様子3

――経堂エリアのおすすめの場所を教えてください。

中原さん:「農大通り商店街」は、皆さんけっこう一生懸命やっていますし、にぎわっていていいですね。反対側の「すずらん通り」という商店街もおすすめです。農大通りでは「経堂まつり」というお祭りが毎年7月にありまして、その時にやっている、阿波踊りも見応えがありますね。

――これから経堂に暮らしたいという方に向けて、メッセージをお願いします!

 宮司 中原正明さん

中原さん:この神社は駅からそれほど遠くない場所にありますが、人通りも少なく、東京とは思えないほど、とても静かな林が広がっています。いつでも自由にお参りしていただけますし、よく近くの幼稚園や保育園の子どもたちが来て、木の実探しをしているような場所ですので、ぜひ、気軽に足を運んでいただきたいですね。

今回お話を聞いた人

経堂鎮守 天祖神社

宮司 中原正明さん

※掲載の情報は2018(平成30)年12月のものになります。

経堂の街を500年以上前から見守ってきた鎮守の森
所在地:東京都世田谷区経堂4-33-2 
電話番号:03-3420-2674
http://www.tenso-jinja.tokyo/

経堂エリアで演劇の世界をより身近に。アートとアーティストの交流の場「APOCシアター」の魅力とは。

$
0
0

経堂エリアは、都心からも近く商業施設が充実する人気の街。「千歳船橋」駅近くにある黒い三角形が特徴的な建物「APOCシアター」をご存知だろうか。劇場としてバラエティに富んだ公演はもちろん、さまざまなアートやアーティストが交流できる場として注目のスポットである。同劇場を訪れ猪俣さんに施設について、経堂エリアの魅力について話を伺った。

アートとアーティストの交流の場「APOCシアター」

気軽に演劇を楽しむことができる三角形の空間。

――「APOCシアター」を始めた経緯について教えてください。

猪俣さん:「APOCシアター」は貸し劇場としてだけではなく、さまざまなアートやアーティストが交流できる場をコンセプトに立ち上げた一軒家のカフェシアター。国籍や年齢、ジャンルを問わず、アート作品のプロデュースや演劇その他のアトリエ開催、外国の劇団のプロデュース公演等、様々な企画をアーティスト達と一緒に作っていく劇場になります。“APOC”は「A Piece Of Cake」の略で、建物の形がケーキの一片に似ているところから命名。個人(piece)が集まると一つのホール(hall)になること、アーティストもお客様も元は一個人、集まることでホールが出来ることから、また「A piece of cake」は俗語で“へっちゃら”や“楽勝”という意味を持つことから、皆さんに気軽に芝居を楽しんで頂きたいという思いも込め劇場の名前にしました。私は元々音楽をやっていて、そこから趣味で芝居にのめり込んでいったのですが、主人は商業として役者やアート作品の制作に携わっていました。二人とも芝居の世界が好きで劇場を始めたいと考えましたが、運営に関しても当時はわからないことばかり。しかしながらこの建物のオーナーさんを始め多くの方々の協力を得て環境が整い、2011年に劇場をオープンすることができました。オープンまでは大変でしたが、知らなかった強みと言いますか…、劇場オープンまでの段階や経緯、大変さを知っていたら、実現できなかったかもしれませんね(笑)。

「APOCシアター」外観

月ごとの予定表

女性や地域の方の来場も多い、バラエティに富んだ公演内容。

――どのような公演が行われているのでしょうか。

猪俣さん:キャパが40から60席の小規模の劇場になりますので、劇団の旗揚げ公演からじっくりと観覧できるベテランの方の二人芝居まで様々な公演が行われています。劇場が他劇場とは違い変形した作りになっていますので、その変化が面白いと感じていただけるお客様も多くいらっしゃいますね。当劇場にはご覧のとおり一階にカフェが併設されていますので、女性の団体やお客様が多い公演にも好評を頂いています。この地域在住の役者が多く所属する劇団「丸福ボンバーズ」さんには、公演活動の拠点として当劇場をお使い頂いています。「丸福ボンバーズ」さんは、商店街のイベントに参加することも多く、それがきっかけで地域の方が芝居を観にここへ足を運んでくれることも多いですね。

猪俣さん

カフェが併設されている

観て帰るだけではもったいない!温かくて美味しいカフェご飯を劇場で。

――カフェを一緒に運営されているシアターは珍しいですね!

猪俣さん:私自身演劇が大好きで、ヨーロッパやアメリカなどを度々訪れていました。現地ではどんなに小さい劇場でも必ずカフェやビアホールが併設されていて、みんながドリンクを片手に気軽に演劇を楽しんでいる空気感がとても心地よかったことを覚えています。“カフェの併設”は、私が劇場をするに当たって絶対に外せない条件で、主人は長年バーテンとしての経験もありましたので、このスタイルを実現することができました。カフェでは、個人焙煎の「moicoffee」の豆を使用したオリジナルブレンドコーヒーの他、豆たっぷりのヘルシーな「ダル(豆)カレー」や香草入りのミートボールをトマトソースで和えたモロッコ料理「ケフタ(ミートボール)タジン」などフードメニューも充実。お客様はもちろん、劇団のスタッフさんもカフェご飯を楽しみに来てくれる方が多いですね。カフェ内には、主人が創作した数々のアート作品や海外旅行好きのスタッフが集めてきた珍しいお土産品も多数展示。お芝居を楽しむだけではなく、役者さんやお客様がゆっくりと寛ぎ、交流できる空間もご用意しています。

モンゴル料理「ケフタ(ミートボール)タジン」

お洒落な店内

劇場発のイベントも盛りだくさん!気軽に演劇の世界を。

――今後、力を入れていきたいことはありますか。

猪俣さん:5回目の開催になる、ひとり芝居だけの祭典「APOFES2019」が2019年1月11日から27日まで行われます。ひとり芝居に特化した公演になりまして、20組の役者さんが参加。観て癖になること間違いなし!の盛りだくさんなフェスになっています。全公演を何度でも観られるお得なフリーチケットもご用意しておりますし、期間中5組以上ご観劇のお客様は「オーディエンス賞」選考の権利が得られるのでオススメです。今後も「APOFES2019」を始め、様々な企画を劇場からも発信していきたいと考えています。多くの方にお芝居の楽しさを知っていただけたら嬉しいですね。

店内に陳列されているパートナー「Shozen Kajima」のアート作品

ゆっくりと寛ぎ、交流できる空間

パートナー「Shozen Kajima」のアート作品

すっかり店の看板となっているゴリラくん

住みやすさが魅力の街で、エンターテイメントのある生活を。

――最後に、経堂エリアの魅力についてメッセージをお願いします。

猪俣さん:経堂エリアは都心からのアクセスが良く、緑が多い環境は子育てにも最適。どこか懐かしさを感じる温かい街並み、落ち着いた閑静な住宅街は住みやすさ抜群です。駅周辺は商店街が充実しているので、地元だけでもショッピングが楽しめます。近年は新しい住宅やお店も多く街は活気に溢れているのも良いですね。オススメスポットは、「千歳通り」の桜並木。千歳船橋から馬事公苑まで続くこの通り沿いには桜の木が植えられていて、春には美しい桜の景色でいっぱいになるので、お散歩にも最適です。このエリアには当劇場を始め、楽しい場所や面白い場所がたくさんあるので、街歩きにでかけるのもオススメです。当劇場は、演劇が初めてという方でも大歓迎。近所でお芝居をやっているから行ってみよう!など皆さんが気軽に足を運んでいただける場になれば嬉しいです。演劇関係の方も多く住むエリアですので、お芝居のある生活を身近に感じて欲しいなと思います。

 

今回、お話を聞いた人

APOCシアター

猪俣さん

※掲載の情報は2018(平成30)年12月のものになります。

経堂エリアで演劇の世界をより身近に。アートとアーティストの交流の場「APOCシアター」の魅力とは。
所在地:東京都世田谷区桜丘5-47-4 
電話番号:03-6321-7690
利用時間:10:00~23:00
https://www.apoc-theater.com/

四季を感じ、味わえる。創業60年余、地域から愛される和菓子屋

$
0
0

小田急線「千歳船橋」駅の出口を出て右手を見ると、商店街の中ほどに「秘伝の銘菓千歳虎屋」と書かれた看板が目に入る。ここは1954(昭和29)年に開業した、この界隈では最も古い歴史をもつ和菓子店。千歳船橋駅の開業が1952年なので、駅前に街ができ始めた頃から、この街の成長を見守ってきたという店だ。

現在、この店の代表をされているのは創業者の長女にあたる金子珠美氏。2016(平成28)年まではニューヨークに長く住んでおり、現地では画家として、また座禅道場の当主として活躍されていたが、先代が亡くなってからはこの店の舵取りを任され、一昨年帰国されたのだそう。従業員からは「たまみさん」と呼ばれて慕われている。

この地に生まれ育ち、海外を経て帰ってきた「たまみさん」は、いまどのような思いで、店を継いでいるのだろうか。店への思い、地域への思いについてお話を聞いた。

金子珠美さん

――まずは、お店のことについて教えてください。

金子さん:この「千歳虎屋」というお店は、1954(昭和29)年に私の父と母が作ったお店で、最初はこの道沿いの、3軒奥のところにあったそうです。六畳一間を間借りして、本当に仮店舗のような小さな小さなお店から始めたそうなんですね。この時、まだ父は20そこそこの歳だったと思いますけれども、阿佐ヶ谷の「とらや椿山」というお店で修行をしまして、独立の許可を得て、仮店舗から始めたと聞いています。

父はどちらかと言えば職人というよりも、自分で経営するのが得意だった人でしたから、人を雇って、従業員に作ってもらうっていう形で、最初からやっていたようです。当時はまだまだ世田谷も、畑とか田んぼが、いっぱいあった時代でして、私が子どもの頃には、店の裏のほうに行くと畑が広がっていました。

そのうち、父は「ナポリ」という、虎屋とはまた別の洋菓子店を立ち上げまして、その店舗がいまの「千歳虎屋」の店舗の場所にありました。「ナポリ」は洋菓子店でもあり、喫茶店でもあったのですが、当時、ここから裏のほうに6、7分行ったところに森繁久彌氏が住んでおりました。その森繁邸の横に、松竹のスタジオもあり、いろんな映画の撮影をしていたんですね。

その関係もあって、「ナポリ」には森繁さんはもちろん、監督さんや有名な俳優さんなどもたくさん来られていたんですが、時代が変わって、撮影所も無くなりましたので、うちも洋菓子・喫茶部門をやめまして、そこに和菓子の店を移転しまして、いまの形になっております。

――和菓子作りのこだわりを教えてください。

金子さん:今の時代は防腐剤とか、保存料を使うところが増えていますけれども、うちの店ではそういったものを極力使わないようにしています。「着色料を一切使っていない」かと言われればそうではなく、多少、紅白饅頭の紅などは昔から使っておりますが、それはしっかり安全が確認されたものを使っていますし、父も私も「極力使わない」という方向でやってきました。父は10年前に亡くなりましたけれども、その思いは私が継ぎましたし、今後も変わることはないと思います。

ですので、お客様からは「日持ちがしなくて贈答に使いにくい」などと苦言を頂くこともありますし、商売としても非常に効率が悪いのですが、やはりそれでも、「安心・安全」という部分がまず第一だと思いますので、2代、3代で来ていただいている方の信頼に応えるためにも、「安心・安全、かつ美味しい」という部分は、はずさないようにしています。

「千歳虎屋」外観

「千歳虎屋」店内

――看板菓子がありましたらご紹介ください。

金子さん:一番よく出るのは、「こみち」というお菓子ですね。ここから5分から10分ほど行ったところに、「小径」(こみち)と呼ばれている遊歩道がありまして、そこはもともと湿地だったところなので、いろんな植物が生育しているのですが、そちらでボランティアをされている「船橋小径の会」の方から、「小径のお菓子を作ってほしい」と言われて、このお菓子が生まれました。中は栗きんつばが入っていて、「中花種」(ちゅうかだね)という、どら焼きの皮のようなものでぐるっと巻いて、その上に、四季折々の焼き印を押しています。

一年中置いてあるお菓子ですけれども、デザインは季節ごとに変わりまして、今はもみじの印になっていますが、春夏にはまた違った印になりますし、包みのデザインも変わります。千歳船橋の四季を感じていただけるようなお菓子になっているかと思います。

もうひとつ定番になっているのは「森繁通り饅頭」です。さきほどお話したとおり、この奥のほうに森繁邸がありまして、そこに至る通りが「森繁通り」と言われておりますが、久彌氏が亡くなられた後に、森繁久彌氏の次男さんにお願いされて作ったのが、こちらの饅頭です。

こちらには酒饅頭と黒糖饅頭の2色がありますけれども、特に酒饅頭については、森繁久彌氏が青森の尾崎酒造というところに行った際に、「神の座」というお酒を命名されておりまして、そのお酒を使った饅頭となっています。

そのほかのお菓子は、それはもう四季折々です。年間を通したら100種類以上のお菓子をお出ししています。

――どのようなお客さんが来店されているのでしょうか?

金子さん:もちろん、「お客様が明日来るから」っていうことで、沢山買っていらっしゃる方も多いですし、日々のお菓子ということで買われる方、進物用として買われる方など、いろんな方がいらっしゃいますが、この近くには大きな会社の社長さんなども多く住まわれていらっしゃいますので、まとめて注文される方も多いですし、2代、3代にわたって利用してくださる方が多いですね。あとは、近隣の成城大学や恵泉さん(恵泉女学園)の茶道部さんにも、毎月使っていただいています。

それから、うちでは「7の日の謝恩サービス」というものを、毎月7、17、27の日に行っておりまして、この日は特別に、創作菓子をお出ししています。ちょうど今日もやっていますけれども、ふだん、店頭には並んでいないような創作菓子を3種類から4種類ほど店の外に出して売っておりまして、価格もかなり抑えております。利益は出ないですけれども、みなさまが召し上がっていただいて喜んでいただければ、という、本当に「謝恩サービス」なんですね。これも毎回、楽しみに来て下さる方が多いです。

看板菓子の「こみち」

定番の「森繁通り饅頭」

――季節のイベントに対応して、いろんな企画もされているそうですね!

金子さん:そうですね、うちは特に「うちから季節のイベントを取ったら何も残らないんじゃないか」というぐらい、一生懸命やっていると思います。クリスマスの時には、オレゴンから輸入した本物のモミの木でクリスマスツリーを立てて、そこにオーナメントを飾り付けて、っていうことをやっています

ハロウィンもそうですね。今年のハロウィンの時なんて、お子さんたちが400人以上も見えましたからね。それ用にお菓子を入れたバッグを用意してプレゼントしたら、みんな嬉しそうな顔をして、「ありがとう!」って言ってくれるわけですから、私達のほうが楽しんでいる感じです。

ほかにも、5月の子どもの日の時にも、お子様用にプレゼントを差し上げています。たいしたものではないんですが、おもちゃをプレゼントすると、キラキラ目を輝かせて「持っていっていいんですか?」って言ってくれるんですよ。七夕様の時にも、短冊に願いを書いてもらって、店の前に作った笹の葉にゆわえてもらう、ってことをやっていまして、みなさん、楽しんでいただいています。

それから、そういうイベントの時には、その時だけの上生菓子を、ものすごく手間をかけて作っていまして、これもひとつ300円くらいで売っていまして、大人気商品になっています。大変すぎて儲けは全然出ていないんですけれども(笑)、皆さんに少しでも楽しんでもらえればいいな、と思って続けているものです。

クリスマス仕様のお菓子

豊富な種類のお菓子が陳列されている

――経堂・千歳船橋エリアの魅力を教えてください。

金子さん:やっぱり、自然がまだまだ、あっちこっちに残っていることでしょうか。特にお子さんがいる方などは、自然のふところに抱かれながらお子さんを育てられる環境があって、すごくいいと思いますね。それから、ゆったりしていますよね。東京都ではあるんですが、せかせかした感じがしない場所だと思います。

――お気に入りスポットなどはありますか?

金子さん:やはり先ほどお話した「船橋小径」などは散歩をしてもいいですし、お店だと、森繁通りにある「堀口珈琲」さんなどは、いいものを出していらっしゃると思いますね。私が良く行くのは、「オーランデ・ヴー」さんというレストランです。本当にしょっちゅう行っていますけれども、美味しくて、常連さんに面白い方も多くって。そういうのも楽しいですね。あと、最近は線路の向こう側(南側)に、バルとかレストランがけっこうできていて、「美味しかった」って話もよく聞きます。

――最後に、これからこのエリアに住みたい方にメッセージをお願いします!

金子さん:ここはとても「安全な街」だと思うので、そこがまず、暮らす場所としておすすめしたい点ですね。また、学校も、塾も、いろいろ充実していますし、子どもたちの学力水準も高い地域なので、そういう意味でも、お子さんを育てながらお住みになりたいという方には、すごくいいところだと思います。ここ数年を見ても、ずっと人口が増え続けているということは、世田谷にそれだけ魅力がある、ということなのだと思います。

ショーケースに並ぶお菓子

金子珠美さん

 

今回、お話を聞いた人

千歳虎屋

代表取締役 金子珠美さん

※掲載の情報は2018(平成30)年12月のものになります。

四季を感じ、味わえる。創業60年余、地域から愛される和菓子屋
所在地:東京都世田谷区船橋1-9-22 
電話番号:03-3420-6221
営業時間:9:00~20:00
休日:火曜日、月2回不定休
http://www.chitosetoraya.com

「素材の持ち味を引き出す」ことにこだわる料理人と 「味の違いがわかる人々」が織りなす、四季折々の美食

$
0
0

「美食家が好んで住まう街」と言えば、世田谷区の名前を挙げる人も多いだろう。その世田谷区を横断する小田急線沿線には、腕に覚えのある料理人が営む“小さな名店”が多く存在している。そのひとつが今回ご紹介する「和shoku。の水」である。 この店があるのは経堂駅の北口からわずか1分ほどの好立地。和食一筋の野水店主が営む小料理屋で、開業から十数年もの間変わらない「丁寧な仕事」で評判を集め、食にうるさい人々を中心に愛され続けている。元々はこの地に縁もゆかりも無かったという野水店主だが、今は「ここを離れるつもりはない」と話すほど、経堂の地に惚れ込んでいる。その理由は何なのだろうか。

――まず、お店の歴史を教えてください。

野水さん:私自身は、福島県のいわき市の出身で、ここに来る前は人形町の割烹で15年間、料理長をさせていただいていました。人形町に行くまでの間も、料亭などいろんな店で、20年近く修行しましたし、実家が寿司屋だったので、そこでも少しやっていました。そんな中で「そろそろ独立しよう」と思って物件を探し始めまして、最初は恵比寿、青山、南青山、下北沢、自由が丘などを中心に、1年くらい探し回っていたんですが、1階の路面店では、なかなかいい物件には出会えなかったんですね。 そんな時、たまたま経堂まで来まして、たまたま、ここが空いているのが見えて。そこで内見させていただいたら、広さも希望どおりでしたし、駅からもすぐ近くでしたので、即決しました。運命的な出会いでしたね。経堂にはそれまでほとんど来たことがなかったので、物件を決めてから、まわりのことを初めて調査した、という感じでしたね。

「和shoku。の水」店主・野水さん

――なぜ、独立して開業しようと思われたのですか?

野水さん:美味しい料理を提供したいのですが料理長と言っても、結局は会社員です。当然ですが原価の制限が大きいのでそれが自分のやりたいこと、自分が作りたいものの制限になってしまっていたので、お客様のために「自分が作りたいものを出す」には、自分の店を持たなくてはと思いました。

――お店のポリシーを教えてください。

野水さん:この店は2003年から15年以上やっていますが、一貫して守っているポリシーは「美味しい」「魚は天然物」というのは当たり前で、更に「健康にいいもの、からだに優しいもの」を提供するということです。うちでは砂糖も一切使いませんし、もちろん添加物の入ったものも使いません。作れるものはすべて手づくりです。

――「砂糖を使わない」というのは、和食店でも非常に珍しいですね。

野水さん:そうでしょうね。多くのお客様が驚きます。ただ、私は以前から「鰹節と昆布だけでも十分美味しいのに、なぜ、ここにまだ砂糖を足すのかな」とつねに疑問でした。「砂糖は素材本来の味を壊すもの」だと思っているんです。素材の甘みが消されてしまうだけでなくからだにもストレスを与えると思っていたので、「自分でやるなら、絶対に使わないでやろう」と思って、今もずっと使っていません。

――お薦めのメニューを教えてください。

野水さん:初めて来られたお客様には「の水会席コース」という、5000円ほどのコースをお薦めしています。あとは、季節のコースが人気ですね。冬ならふぐ、あんこうなどのコースもありますし、食材の旬ごとに、鱧(はも)、あわび、鯛しゃぶなどのコースもありますし、夏にはすっぽんもよく出ます。コースだけだと足りないという方が、ほかに単品も頼まれて、お酒を飲まれて楽しむ、というご利用が多いです。 慣れた方は単品だけで組み合わせられる方も多いので、一品料理も人気でして、日々手書きで、おすすめのメニューを書いてご紹介しています。今回お出ししたのは、コースの中から酒菜の一皿と、単品メニューから「本日の造り盛り合わせ」です。造りはファンの方が多いですね。

――食材のこだわり、調理のこだわりを教えてください。

野水さん:仕入れは、もちろん豊洲で自分で買い付けたものがメインですが、ものによっては産地から直送でもらっています。例えばふぐは宮崎、あわびは北茨城から取っていますね。 あと、こだわっているといえば、燻製ですね。肉はもちろん、漬物なども燻製して香り付けをしていて、ご好評をいただいています。ほかにも、からすみやいかの塩辛など、とにかく作れるものは全部手作りしています。

こだわりと技術が詰まっている

鮮やかで美しいひと皿

――どのようなシーンで利用されるお客さんが多いですか?

野水さん:もちろん、接待などもでもよく使っていただいていますし、ご夫婦、カップル、女性同士など、本当にいろいろな利用があります。年代としては、30代後半くらいからが中心ですね。リピーターのお客様が非常に多いです。

敢えて傾向を言えば、「健康志向」の方が多いと思います。私としても、そういった方に来ていただければ、うちの良さをわかっていただけるのかな、と思っています。

――経堂で15年余りご商売をされていて、この街にどのような印象をお持ちですか?

野水さん:いちばん驚いたのは、「食通の方が多い」ということですね。燻り加減とか、微妙な違いをわかるお客様が多いのも嬉しい驚きでした。お客様がおっしゃるには「ここは高級住宅地で、都心で仕事をしていて、接待を受けているから舌は肥えている」とのことでした。そういうお客様が、お休みの日に、「の水」に来ていただいている感じなので、そういう違いもわかっていただけているようです。 でも、開店当初は、(経堂に)全然知り合いもいなかったので、「100日間無休」で精進しましたが「経堂の飲食店で禁煙の店は×」「経堂では安価な店でなければ×」と言われ、軌道に乗るまで我慢の時期がありましたね。でも、一度来ていただければ、その方の口コミでまた広げていただけて、今は本当に素晴らしいお客様に恵まれていますね。

店内の様子

 テーブル席も用意されている

――経堂の「おすすめのスポット」を教えてください。

野水さん:すずらん商店街の「ミートコンパニオン」さんはおすすめですね。とてもこだわっている精肉屋さんですよ。あと、私自身は、この辺りのほかの飲食店にはほとんど行かないんですけれども、「経堂には美味しい飲食店が多い」と、お客様はよくおっしゃっているので、そういう街なんだろうな、とは思っています。

――経堂の魅力とは何でしょうか?

野水さん:「ゆとりがある街」ですよね。新宿、青山にも近いのに昔からの住宅街、飲食店、学校関係も多く治安もよくゆったりと安心して暮らせますので、芸能関係の方も多いですね。うちは決して安いお店ではないんですが、味のわかるお客様に恵まれて有り難いです。経堂には「美味しい飲食店」が揃っていますので、さまざまな世代の方が、美味しいものに出会える街だと思います。

お品書きにも味がある

お店の外観

今回お話を聞いた方

「和shoku。の水」

店主 野水貞博さん

「素材の持ち味を引き出す」ことにこだわる料理人と 「味の違いがわかる人々」が織りなす、四季折々の美食
所在地:東京都世田谷区宮坂3-12-17  ワタナベビル1F
電話番号:03-5799-3124
営業時間 17:30~(L.O 22:00)
定休日 月曜日(祝日の場合は営業)・月曜祝日の翌日
http://www.ne.jp/asahi/n/mz/

子どもたちの安全を第一に。「アミー保育園 三ツ沢園」が取り組む”優しい”保育とは

$
0
0

「アミー保育園 三ツ沢園」は、横浜市営地下鉄ブルーライン「三ツ沢上町」駅から徒歩8分。子どもたちは園庭や遊戯室で遊んだり、お散歩やアートセラピーなどで豊かな感性を育んでいる。保育士の中には紙芝居師もいて、臨場感たっぷりのお話を楽しめるのも魅力だ。今回は鈴木園長に、保育のこだわりや三ツ沢エリアの魅力についてお話を伺った。

母のような優しさで園児を包む

鈴木園長

――まずは貴園の概要を教えてください。

鈴木園長:2013(平成26)年に開園した、私立の認可保育園です。建物はバリアフリーで出入口に段差はなく、中にはエレベーターや車いすの方も利用できるトイレがあります。定員は0歳児6名、1歳児9名、2歳児9名、3歳児12名、4歳児12名、5歳児12名の計60名。定員オーバーでもお引き受けできる場合があるので、まずはお問い合わせいただければと思います。現在は61名の園児が在籍しているほか、延長保育も実施しています。

お散歩を楽しむ園児たち

――保育の特色について教えてください

鈴木園長:当園では、保育の基本である「優しさ」を大切にしています。抱きしめたり、笑顔を見せたり、母性あふれる「優しさ」を軸に子どもたちと接しています。ほかには、よく散歩に行くのが特徴でしょうか。周辺には公園が多く、「滝ノ川あじさいロード」のような遊歩道も整備されているので自然環境も良いです。あとは、地元の方が貸してくださっている園庭前の畑で、枝豆やサツマイモを種や苗から育てて食べているので、良い食育もできていると思います。

目の前に広がる畑

――年間行事にはどんなものがありますか?

鈴木園長:大きな行事は3つ。7月の夕涼み会、「三ツ沢小学校」の体育館を借りて行う9月の運動会、子どもたちが成長した姿を見せる12月の発表会ですね。お誕生日会や避難訓練は毎月行っていますし、保育参観も定期的に行っています。

録画でしっかり防犯・防災対策

見守りカメラ

――園児の安全確保のために、どのような工夫をされていますか?

鈴木園長:セコムを導入していて、玄関や園庭の不審者をチェックしています。また、0歳児の部屋には見守りカメラを設置し、お昼寝の時間に動画を撮らせていただいています。付き添いの職員が目視で安全を確認し、事務室の職員はパソコン越しにチェックします。顔認証システム「みまも。」で、モニターに顔の向きが「UP」「DOWN」で表示されるため、うつぶせ寝による事故防止にとても有効なんです。

職員と遊ぶ園児たち

――防犯だけでなく、災害対策にも力を入れているそうですね

鈴木園長:災害時も子どもたちの安否を迅速に確認できるよう、保護者全員に通信障害に強い連絡ツール「安心伝言板」に登録していただいています。一斉連絡などで普段から使っているので、いざというときも戸惑わずに使えると思います。また、祖父母や隣人など事前に申請していただくことで、保護者以外のお迎えにも適切に対応できるようにしています。

子育てしやすい三ッ沢上町エリア

園庭

――近隣の教育施設と交流はありますか?

鈴木園長:年3回、「三ツ沢小学校」で1年生とふれあう機会があります。ここは保土ヶ谷区なので本来は区内の「常盤台小学校」に行くべきなんですが、園児にはちょっと遠くて。歩いて行ける「三ツ沢小学校」にお願いして、参加させていただいています。交流の場には「三ツ沢幼稚園」や「三ツ沢保育園」など、ほかの園の子たちもいるので、そこで園同士の交流もできています。

2階の遊戯室

――今後、園として力を入れて取り組んでいきたいことについて教えてください。

鈴木園長:当園がめざす“優しい保育”を徹底して続けていきたいと思っています。また、近くにある介護施設にお願いして、施設を利用する高齢者の方と交流できればと考えています。

その日の献立を確認できる給食の見本

――最後に、三ツ沢上町エリアの魅力を教えてください!

鈴木園長:まず、公園がたくさんあること。「うさぎ山プレイパーク」や「三ツ沢公園」、ログハウスのある「神大寺中央公園」など、子どもを遊ばせる場所には困りません。次に、子育て支援が充実しています。産後の不調や育児の悩みについて気軽に相談できる窓口がたくさんあるので、一人で抱え込まずに済むはずです。緑やせせらぎなど豊かな自然が残っている一方で、「横浜」駅にも近く、利便性も高い。本当に暮らしやすい街だと思います。

アミー保育園 三ツ沢園

アミー保育園 三ツ沢園

鈴木日見子園長
所在地 :横浜市保土ヶ谷区峰沢町147
電話番号:045-444-9119
URL:http://a-m-i-corp.com/facilities/mitsuzawa.html
※この情報は2019(令和元)年6月時点のものです。

子どもたちの安全を第一に。
「アミー保育園 三ツ沢園」が取り組む”優しい”保育とは

所在地:神奈川県横浜市保土ヶ谷区峰沢町147 
電話番号:045-444-9119
保育時間:7:30~20:00、土曜日7;30~19:00
休園日:日曜、祝日、年末年始(12/29~1/3)
http://a-m-i-corp.com/facilities/mitsuza..


地域の子どもたちの居場所として。「ふれあいっこ三ツ沢」の取り組みとは

$
0
0

横浜市三ツ沢地区には、地域ボランティアが運営する「ふれあいっこ三ッ沢(子ども食堂)」という取り組みがある。これは、共働き家庭のため、一人で食事をすることが多い子どもたちが集まり、みんなで楽しく夕飯を食べるという活動。今回は「子ども食堂」の会場となっている「三ッ沢東町自治会館」におじゃまして、同団体の会長であり、三ツ沢地区の主任児童委員を務める小川さんに活動内容や三ッ沢エリアの魅力を伺った。

月に1~2回開かれる、限定30食の「子ども食堂」

会場となっている三ツ沢東町自治会館

――まずは「ふれあいっこ三ツ沢」の概要について教えてください。

小川さん:2017(平成29)年9月に始まった、いわゆる「子ども食堂」です。対象は基本的に小・中学生ですが、利用する子どもの保護者や兄弟も利用できます。拠点は「三ッ沢東町自治会館」と「三ッ沢西町自治会館」にあり、東町は毎月第1水曜日、西町は第3火曜日に活動しています。土曜日には東町と西町の合同で、芋掘りや木工などのイベントを行うこともあります。

キッチンでの調理

――この取り組みが始まった経緯を教えてください。

小川さん:「三ツ沢小学校」の校長先生から「朝食を食べておらず、空腹で授業に集中できない子がいる」と聞いたのがきっかけです。最初は町内会館で朝ごはんを提供できないかと考えたのですが、「三ツ沢小学校」では集団登校を行っているため、個別での参加は難しく、断念。しかし、食の大切さを子どもに伝える必要性は強く感じていたので、「ふれあいっこ三ツ沢」を立ち上げることにしました。

好きな場所にすわり、来た人から自由に食べる

――利用するにはどんな手続きが必要ですか?

小川さん:時間にもスペースにも限りがあるため、毎回限定30食としています。だから事前にインターネットで申し込んだ方を優先しています。余裕があれば、申し込んでいなくても来ていただくことはできます。

新鮮なレタス、トマト、わかめのサラダ

――運営スタッフや活動資金はどうされているのですか?

小川さん:ボランティアと寄付で成り立っています。場所は「三ツ沢東町自治会館」と「西町自治会館」に貸していただいていますし、調理は「沢渡三ツ沢地域ケアプラザ」で活動している「男の料理サークル」、配食ボランティアグループである元「ふれあい会」の皆さんにお願いしています。また、近隣の大学生には子どもたちと遊んでもうらうことも。さらに、野菜は市民農園「かなっぱ畑の会」や「藤の会」、茨城県の「大嶋農園」などから、お米は「新子安カトリック教会」、調味料は「生活協同組合ユーコープ」からいただいています。他にも挙げればきりがないほど多くの方々が協力してくださっていて大変感謝しております。

スタッフの方々

――それでも無料というわけにはいかないのですね。

小川さん:残念ながら、そうなんです。幼児は無料ですが、子ども100円、大人200円の代金をいただいています。補助金は食材費には使えないので、足りない食材費はスタッフの有志で賄っている状況です。

居場所を求めるすべての人の支援をめざす

一皿ずつ丁寧にご飯を盛り付ける

――小・中学生が対象とのことですが、実際の利用状況はいかがですか?

小川さん:2018年度の利用者数は延べ346人でした。小学生がほとんどで、中学生は1~2人程度。保護者の方は30代くらいの方が多いです。スタッフは20代と50~70代が主体なので、多世代が集まる貴重な場になっています。食事の前後にはみんなでジェンガやかるたで遊んでいますよ。

大勢で遊べる知育玩具も用意されている

――地域の中で「ふれあいっこ三ツ沢」はどんな役割を果たしているとお考えですか?

小川さん:一番は、小・中学生に放課後の居場所を提供できていることです。三ツ沢地区にはあまり貧困層はいませんが、子どもが一人で食事をせざるを得ない共働きの家庭はたくさんあります。ここは、そういう子どもたちが楽しく夕飯を食べられる場所になっています。一人で食べるより、みんなでワイワイしながら食べる方が楽しいし、おいしいと思いませんか。子どもだけでなく、親御さんの居場所にもなっていますし、若者には貴重な学びの場となっています。子どもの笑顔はシニアにも大きな喜びを与えていますし、当初の想定より多くの役割を果たしていると感じています。

この日の献立はカレーライス、みそ汁、サラダ3品

――利用者の声についても教えていただけますか?

小川さん:子どもたちは、「ここの食事が一番おいしい」や「家族以外の人とワイワイ食べたり、遊んだりするのが楽しい!」と言ってくれます。保護者の方々からも、「ここに来るとほっとする」「子どもの好き嫌いが減った」「大学生のお兄さんやお姉さんたちと遊んでもらえることを、子どもがとても楽しみにしている」などの嬉しいお言葉をいただいています。

にぎやかな食卓

――現状の課題や、今後力を入れて取り組んでいきたいことがあれば教えてください。

小川さん:「子ども食堂」には、貧困やネグレクトなど暗いイメージがあるので、明るく捉えて受け入れてもらえたのは良いことだと思っています。ただ、現状本当にこの支援を必要としている子どもたちに来てもらえていないのではないかという葛藤もあります。今後はさらに色んなアプローチを試して、誰もが安心して来てもらえるような場所にしたいと思っています。子どもだけでなく、一人暮らしの高齢者や外国人、不登校や引きこもりの人など、居場所を求めるすべての人が利用できるように。そして将来的には常設化を目指しています。

――最後に、三ツ沢エリアの魅力を教えてください!

小川さん:車でも電車でも便利なところでしょうか。この立地は大きな魅力だと思います。そして「横浜市神奈川スポーツセンター」や「三ツ沢公園」があるので、運動好きの人にも適した環境です。寺社が多く、地元のお祭りや妙深寺の「坊主バー」、子どもたちが提灯に火を灯して練り歩く「万灯会」など楽しい行事がたくさんあるのも魅力ですね。そして何と言っても、この地域には善意を持った方がたくさんいらっしゃいます。私たちの活動も、地域の理解と支援のおかげで成り立っています。

三ツ沢公園

 

今回、お話を聞いた人

ふれあいっこ三ツ沢

会長 小川真奈美さん
開催地:神奈川県横浜市神奈川区三ツ沢東町2-29 三ツ沢東町自治会館
電話番号:045-320-6792
開催日:毎月第1水曜日(東町)、毎月第3火曜日(西町)
開催時間:16:00~19:00(夏は20:00まで)
URL:https://kodomo-mituzawa.jimdo.com/
※この情報は2019(令和元)年6月時点のものです。

地域の子どもたちの居場所として。
「ふれあいっこ三ツ沢」の取り組みとは

所在地:神奈川県横浜市神奈川区三ツ沢東町2-29 三ツ沢東町自治会館
電話番号:045-320-6792(代表)
開催日:毎月第一水曜日
開催時間:16:00~19:00(夏は~20:00)

https://kodomo-mituzawa.jimdo.com/

教職員の意識を鍛え、子どもの主体性を伸ばす学校をつくる「横浜市立日吉台中学校」の取り組み

$
0
0

「教員こそが最大の教育環境」と話す高橋校長先生は、「横浜市立日吉台中学校」に赴任して以降、さまざまな改革を行ってきた名物校長先生。全校生徒1000人というマンモス校を取りまとめ、地域を巻き込みながら学校経営をしていらっしゃる高橋校長先生に、学校のこと、地域のことを詳しくお伺いした。

全校生徒1000人というマンモス校、横浜市立日吉台中学校

――学校の概要についてお教えください

高橋校長先生:本校は1947(昭和22)年4月に、「横浜市立日吉台小学校」の4教室を間借りして開校したのがはじまりだったと聞いています。昨年70周年を迎え、周年行事も無事に終えたところです。在校生の数が横浜市内2番目という大規模校で、現在1年生8クラス、2年生9クラス、3年生9クラス、個別支援学級が4クラスあり、全校生徒は約1000名。教職員は現在60名おります。本校自慢の大きなグラウンドは市内2番目の広さを誇り、全校生徒が一度に集まれる大きな体育館も特徴的です。

大きな体育館

――教育目標や力を入れている取り組みなどがありましたら、お教えください

高橋校長先生:教育目標は例年のものに加え、特に今年度は「コミュニケーションの徹底(職員間も生徒へも)」と、「主体的で協働的な質の高い仕事(チャレンジ精神)」に重点を置いていきたいと思っています。学校の仕事は、子どもたちの公共心を育て、社会貢献できる人間を育てること。失敗を恐れずにチャレンジするたくましさを育むこと。そして子どもたちの主体性の伸ばすことです。

私は「教員こそが最大の教育環境」と考えていますので、この部分を鍛えて最良の環境をつくり、教育の質を高めていきたいと思います。また横浜市はもともと英語教育に力を入れており、1999(平成11)年度から市内全小学校で1年生から英語授業を組み込み、小中学校9年間を通した英語教育に取り組んでいます。現在本校でも英語授業ではデジタル教材を使用しており、そのお陰で先生の板書の時間が軽減され、生徒とのコミュニケーションの時間を増やすことができました。ネイティブの先生も常駐しておりますし、今後も英語教育には注力していきます。

「共に生きる」と刻まれた石碑

――先生方への研修などにも力を入れていらっしゃるんですね

高橋校長先生:教職員研修も一方的に話を聞くのではなく、先生方に参加してもらうワークショップ形式を取り入れるなど工夫しました。するとその研修を受けた先生方が、今度は自分の授業にワークショップやハンズオンの生徒が参加できる要素を組み込むようになり、結果的に子どもたちが参加しやすい・自分の意見を言いやすい授業を実践しやすくなります。

本校では生徒の「主体性を伸ばす」ことが大きなテーマになっていますので、先生の意識が変われば授業が変わり、自ずと生徒の主体性を育てる教育やインクルーシブな環境ができあがっていきます。最大の教育環境である先生たちには、自分に向き合う3つのCとして“Change, Challenge, and Chance”、他者に対しての3つのSとして“Smile, Simple, and Speedy”という言葉を伝えています。子どものために考え、協力し行動する「チーム日吉台」のメンバーとして先生方を鍛え、彼らの個性を活かす環境をつくるのも私の大きな役割です。

オープンな校長室で先生にも生徒にも安心感を

――先生が赴任されてから、いろいろと学校も変化しているようですね

高橋校長先生:私が赴任して一番最初にした仕事は、校長室のドアの上部をガラスにしたことです。これによって校長室が開放的になり、生徒はもちろん先生方も相談や話に来てくれるようになり、幅の広い情報が私の元に集まるようになったと感じています。時にはクールダウンが必要な生徒が駆け込んできたり、先生方からの相談を受けたり、校長室はいろいろな役割がありますが、必要であればカーテンを閉めてプライバシーに考慮した空間もつくれます。でも基本的には開放してあるので、子どもたちが手を振ってくれたり、「お、秀吉先生いるな」なんて存在確認をしたり、ちょっとした安心材料になってくれればと思います。

高橋秀吉校長の6年間の想い

――日頃の教育活動で先生が心がけていらっしゃることなどはありますか?

高橋校長先生:教育は「未来をつくる仕事」。そういう意味では家庭の子育てと教育は同じです。子どもたちが自分自身で考え、自分の能力を開発して自分らしい人生を生きるために、私たちは日々生徒たちに対峙しています。人は社会に貢献してこそ、人として生きる意味がある。もちろんそのサイズや貢献度は人により違いますが、それでいいんです。子どもたちは、大人の生き方をじっと見ています。子どもが失敗を恐れるのは、大人が失敗を許さないからかもしれないし、子どもが自主的に行動しないのは、大人が言われたことしかやっていないからかもしれない。子どもは大人の姿を映す鏡であり、「子どもは何も悪くない」というのが、私の基本スタンスです。毎日、「大人がどう生きるか」を試されているのだと肝に命じています。

――学校内に特徴的な施設などはありますか?

高橋校長先生:特徴的というほどではないかもしれませんが、特別支援教育の一貫として「STUDY ROOM」という部屋を設けています。これは大勢の中では集中できない生徒や、団体が苦手な生徒などが静かな環境で自分のペースで学べる場です。生徒は自分で勉強のスケジュールを決めて取り組みます。自分で判断してこの部屋に来て、自分で学ぶ内容を決め、分からないことがあれば自分から先生に質問する。これもある意味「自主性」ですね。

今は多様性を認め、いろいろな人がいることを受け止めて柔軟に対応する力が求められる時代です。例えば本校では女子生徒もズボンの制服を着用することも可能です。世の中には障害のある人から情緒が不安定な人、LGBTの人まで多種多様な人がいる、それを認め共存する環境を学校が真っ先につくることで、子どもたちに「多様性」「柔軟性」の意味を伝えられると考えています。

様々な種類の本が並ぶ図書室

子育てサポート体制が整った日吉地区で、仲間と一緒に子どもを育てる

―― 地域と協力して行なっていることなどはありますでしょうか?

高橋校長先生:地域との連携なくして学校は成り立ちません。現在も学校の教育活動には多くの近隣の方々のご協力をいただいています。特に地域コーディネーターの神島さんに今年度からご協力いただいて、地域と学校をつなぐ役割を果たしていただいています。神島さんは長らく小学校でコーディネーターをされていて、地域の方に戦争体験のお話をいただいたり、修学旅行の付き添い大学生を見つけたりと学校の教育活動に必要な地域の人材を見つけて来てくださる方として、学校関係者の間では有名な方です。小学校を別の方に引き継いだというお話を聞いて、すぐにスカウトしました(笑)。

悲しいかな公立学校の教職員は定期的に異動がありますが、日吉地区の人材宝庫の鍵を握る神島さんに異動はない。今後は神島さんと協力しながら、学校での活動に地域の方々をもっともっと巻き込んで、一緒に子どもたちを育てたいと思います。私のライフワークである「ファシリテーション」、これは連携・協働を促すという意味ですが、お互い情報発信をし合いながら様々な人たちを巻き込んで、よりよい方向に進む合言葉でもあります。地域の方が学校に来てくださるだけでなく、中学生たちがもっと街に出て行って一緒に何かすることもできるはず。まだまだたくさんの可能性が眠っている地域との連携・協働の道を探っていきたいと思います。

地域コーディネーターの神島さん

―― 中学校周辺の子育て環境の魅力について教えてください

高橋校長先生:とにかくこの日吉地区は子どもを大切にする地域のようで、多くの団体・グループが子育て世代や子どものサポートを積極的に行っています。例えば、本校のコミュニティスクール施設を利用した子育てサロン「はひふへほ」、自己責任で自由に遊ぶ「鯛ヶ崎公園プレイパーク」、年齢を問わず誰でも集まれる「みんなの広場」「えんがわの家 よってこ しもだ」、日吉地区の子育てを応援する「吉子育て応援ボランティアネットワーク ポコ・ア・ポコ」など、ここには書ききれないほどの子育て応援・子どもサポートの場が溢れています。こういったサポート体制に背中を押されるように、子育て中のお母さんたちも自主的にサークルを立ち上げたり、仲間づくりに積極的で、地域の方々とも連携をとって活動をされているようです。学校からすると、そういった人たちがやがて小学校・中学校と入学してくだされば、学校と地域がより繋がりを深めていくことができるので有難いですね。

「地域で子ども守ろう・育てよう」という意識が、どの世代にも根強くあるように見受けられます。子どもが生まれ、そこから地域との関わりが始まるというご家庭も多いと思いますが、ここ日吉地区では本当に様々な団体・グループが温かく迎えてくれますので、子育てで孤独感や不安を感じることは少ないと思いますよ。ぜひ皆さんも地域の子育てに参加いただければと思います。

横浜市立日吉台中学校 校長 高橋秀吉先生

横浜市立日吉台中学校

校長 高橋秀吉先生
所在地:横浜市港北区日吉本町4-9-1
電話番号:045-561-2183
URL:http://www.edu.city.yokohama.lg.jp/school/jhs/hiyoshidai/
※この情報は2018(平成30)年10月時点のものです。

教職員の意識を鍛え、子どもの主体性を伸ばす学校をつくる「横浜市立日吉台中学校」の取り組み
所在地:神奈川県横浜市港北区日吉本町4-9-1 
電話番号:045-561-2183
https://www.edu.city.yokohama.lg.jp/scho..

都内からも人が訪れる人気の蕎麦処「文楽 東蔵」の魅力とは

$
0
0

中山道の宿場町として栄えた上尾。そこには今も古い街並みが残っているが、中でもひときわ市民に愛される存在と言えば、極上の日本酒とお蕎麦を堪能できる「文楽 東蔵」であろう。このお店は上尾の有名な日本酒の銘柄「文楽」を作る北西酒造株式会社と、こだわりのお蕎麦を提供する蕎麦ダイニング「東蔵」が共同でオープンしたお店だ。世代を問わず、地元客に多く愛される一方で、東京都内から足を運ぶ常連客もいるほどの人気店。今回はこちらで店長を務められている宮井さんに、お店への想いと上尾の魅力についてお話を伺った。

文楽 東蔵 宮井さん

江戸時代から続く蕎麦屋酒の愉しみ

――お店の隣は、創業明治年間という「文楽」の本社と酒蔵ということが、なぜこの場所の蕎麦とお酒のお店が作られたのでしょうか?

宮井さん:もともと「東蔵」は長野県軽井沢に本店を構える「川上庵」という蕎麦ダイニングの系列店なのですが、当時の社長同士が意気投合をして、10年ほど前に日本酒と蕎麦を融合させたこのお店を作ったと聞いています。

文楽 東蔵

宮井さん:江戸時代には、蕎麦屋が居酒屋感覚で住民に愛されていたといわれていますから、日本酒と蕎麦はとても深い関係があるものなんですね。その所以もあって現在でも日本酒好きの方に多くお越しいただいております。もちろん、日本酒とお蕎麦を是非楽しんでいただきたいのですが、開業当初から「家族で来ていただいても楽しめる空間」をコンセプトにしているので、「普段使いができるアットホームなお店」を目指しています。なのでお子様連れの方や、お酒を召し上がらない方でも、ぜひ気軽にお越しいただければと思います。

店内の様子

世代問わず、様々な人が楽しめるお料理

――お店のおすすめのメニューを教えてください。

宮井さん:お昼は主婦層の方も多く来られますので、お蕎麦のほかにさっぱりとした一品料理を作っています。お昼については、プチコースや親子丼、大海老天丼といったガッツリ系ものもリーズナブルな価格でご用意しています。基本的にどのセットメニューにも蕎麦が付きますので、いちばん手軽な親子丼などは約1,000円で親子丼と蕎麦の両方をお楽しみいただけます。 夜になると、お酒に合うように昼よりも味付けを少し濃いめにしたお料理が中心となってきます。看板メニューはもちろん「手打ち蕎麦」です。シンプルな「せいろ」が一番人気なのですが、そのほかにあえておすすめを言うとしたら「鴨」を使ったお料理ですね。当店では埼玉県産の「越谷鴨」を使用しており、それを使った鴨汁で「せいろ」や「鴨南蛮」をお出ししています。そのほか、「鴨のたたき」や「あぶり焼き」などもご用意しております。

文楽 東蔵のおすすめメニュー

もうひとつのおすすめは、お豆腐です。当店は軽井沢発祥のお店ということもあり、毎日の仕込みはまず長野のお豆腐屋さんから毎朝仕入れている豆乳を使った「豆腐作り」から始まります。このお豆腐も美味しいので、ぜひお酒と一緒に楽しんでいただければと思います。ほかにも野沢菜や長野産のくらかけ豆など、長野県産の食材を使った小皿料理も豊富にご用意しています。

――自慢の蕎麦について、こだわりのポイントを教えてください。

宮井さん:蕎麦粉は全国各地でその時々の美味しいものを仕入れるようにしているので、時期によって変わっていきます。いわゆる「二八蕎麦」(小麦粉2対蕎麦粉8の割合で打つ蕎麦)で、製粉した粉と店頭で挽いた粗挽きの蕎麦粉をブレンドしていますが、店頭で挽いたものを多めに入れているので、色が濃くコシも強めで、少し太めの田舎そば風の仕立てになっています。粗挽きならではの香りの良さを是非楽しんでいただければと思います。

手打ち蕎麦を作っている様子

当店の蕎麦は職人が前日に手打ちで仕込み、それを少し熟成させたものを翌日に提供しています。ただ、寝かす時間は時期によっても変わりますし、冷蔵庫の温度や湿度の管理もとても大切なので、その点には非常に気を遣っています。また、そばつゆの味を決める「かえし」についても、最低でも2週間以上は寝かせて塩角の取れたものをご提供しています。

――どんなお客さんが来て、どんな利用をされることが多いですか?

宮井さん:平日のお昼は主婦の方や会社員の方がほとんどですね。平日の夜は女子会や会社の接待、そのほかカップルや夫婦で記念日をお祝いしたりと様々な形で利用して頂いています。また、夜には「文楽」さんの日本酒を飲みながらお食事を楽しんで、最後に蕎麦を召し上がるという蕎麦屋ならではの楽しみ方をされる方が多いですね。また、週末はほとんどがファミリー層で、特に3世代でお越しになる方が多いです。法事や顔合わせなどにお使いになるケースも多いですね。個室は3部屋ありますが、人気ですぐに埋まってしまうので、希望される方は事前にお電話で予約をしていただけると確実です。

「文楽 東蔵」だけのとっておきの日本酒

――このお店限定で楽しめる「文楽」のお酒などはありますか?

宮井さん:当店では「文楽」の全銘柄を常時取りそろえているので、それも当店の特徴の一つだと思います。また、それに加えて12月から1月の新酒の時期になると、その期間限定の新酒をゴールデンウィーク前までご提供しているので、それもこのお店だからこそできることなのかもしれません。
そのほかに珍しいものとしては、年に1度だけ入ってくる「袋吊り」というお酒です。こちらは当店でしか飲むことができないとても貴重なお酒だと思います。 お酒を作る時には通常機械で行う「搾り」という工程があるのですが、このお酒では「文楽」さんが当店のためだけに特別に、巾着袋をさげるようにお酒を搾る「袋吊り」という方法でお酒を作ってくださるんです。このお酒を扱える期間はとても短いのですが、味も香りも他のものとは全く違うので、ぜひその時期を狙ってお越し頂きたいです。

文楽のお酒

――お店の雰囲気作りや接客に関して、大切にされている点はありますか?

宮井さん:「お客さんとの距離感」でしょうか。近からず遠からず、お客様にとって居心地の良い空間を作れるように配慮しています。お店を出る時に、「ありがとう」「おいしかったよ」「ごちそうさま」と言って笑顔で帰っていただきたいので、そのためにはどうすれば良いかということをスタッフがそれぞれ考え、実践するようにしています。なので実はとてもアットホームな雰囲気のお店なんです。初めて来られるお客様からは「一見、高級そうな雰囲気がして緊張した」という声も伺いますが、いざ入ってみるとほかのお客様はそれぞれ思い思いに過ごされていらっしゃいますし、スタッフもフレンドリーなので、一度来ていただいたお客様がリピーターになってくださることはとても多いです。

都心も身近に、豊かな自然に寄り添う暮らし

――最後に、上尾エリアの魅力について教えてください。

宮井さん:私は上尾に来て5年で、家族は都内に住んでいるので週末には都内で過ごすことが多いのですが、やはり都心に電車1本で行けるのは便利ですね。ですが、車で少し行くと自然豊かな場所もあり、すごくローカルな感じもあるんです。

「上尾」駅

荒川の近くには「榎本牧場」があって、搾りたて牛乳のソフトクリームがとても人気ですね。また対岸には「ホンダエアポート」があり、セスナがすぐ上を飛んでいくこともあるんですが、なんせ周りがすべて草原なので、とっても気持ちが良いです。近くにある「上尾丸山公園」は特に紅葉の時期がおすすめですね。都心に近い利便性もありながら、そういう自然の中でのアクティビティが身近にできるのも上尾ならではでしょうね。

上尾丸山公園

宮井さん:もちろん当店にもぜひ来て頂きたいです。店内はガラス張りになっているので、春になれば桜を眺めながら日本酒を飲むこともできます。そういう体験は、都内ではなかなかできないですよね。都心からほどよい近さで、豊かな自然があって、美味しいお酒も楽しめる。そんなところが上尾の魅力なのではないでしょうか。

 

文楽東蔵

店長 宮井猛司さん
所在地 :〒362-0037 埼玉県上尾市上町2-5-5 酒蔵文楽内
電話番号:048-779-3100
URL:http://www.azumagura.com/
※この情報は2018(平成30)年7月時点のものです。

都内からも人が訪れる人気の蕎麦処「文楽 東蔵」の魅力とは
所在地:埼玉県上尾市上町2-5-5 文楽酒造内
電話番号:048-779-3100
営業時間:昼の部 11:00~17:00、夜の部 17:00~23:00(L.O.22:00) ※ 日曜・祝日は~22:00(L.O.21:00)
定休日:無休
https://azumagura.com/

新しい授業方法を取り入れ、進化を加速。生徒の成長を地域で支える「奈良市立富雄南中学校」

$
0
0

「学園前」駅の南に位置し、富雄川へと続く支流のほとりに建つ「奈良市立富雄南中学校」は地域に密着し、地域とともに歩んできた学校。私服での登校が認められている同校には、季節ごとに装いの違う子どもたちが元気に通っています。今回は2018(平成30)年4月から赴任された平尾校長先生に、学校の特色と今後の学校の未来についてお話をお伺いました。

奈良市立富雄南中学校 平尾京一校長先生

――まずは学校の沿革と特色を教えてください。

平尾先生:本校は1981(昭和56)年4月に開校した比較的新しい学校です。近鉄「学園前」駅周辺が開発され、新興住宅地が増え始めたタイミングで生徒数も増加しました。現在は各学年が5クラス、特別支援クラスが4クラスあり、計554名の生徒が在籍しています。
本校の特色としては水はけの良い広大な運動場があることです。大雨の際に、富雄川が氾濫するのを防ぐために水を貯めておける貯水場所として機能しており、まさに地域の安全を支える要所となっています。もう一つの特色は、奈良市内の中学校は全てそうなのですが、学校内に武道場があり、武道を通して礼儀や公を重んじる心を育てる教育を行っている点です。

校内にある武道場

――学習の特色や教育目標について教えてください。

平尾先生:本校では、年度始めに「学びの手引き」という各教科のシラバス(授業計画)を学年ごとにまとめた冊子を生徒に渡しています。学習のねらい、アドバイス、家庭学習への取り組みについて明記しており、各生徒が見通しをもって学習できるようにしています。また、奈良市では本年度からタブレットを使用した学習を取り入れるようになりました。先生が用意した資料をタブレットからWifi経由で全教室にある大型テレビに映し出し、より具体的に授業を理解できるようにというものです。ほかにも、英語の授業ではオンライン英会話を導入し、生徒3~4人ごとにオンライン上の講師1名から英会話を直接学ぶ機会を作る取り組みも始まりました。さらに、月2~3回行う放課後学習会においてもタブレットを使用した自主学習を行えるようにと試験的にソフトを導入。自分が学びたい範囲を読み込み、分からない問題があれば動画解説で学ぶことができです。2019年度から本格的に導入できるように現在進めています。

全教室に大型テレビを配置

多数のタブレットパソコンが並ぶパソコンルーム

――保護者の方との関わりについて教えてください。

平尾先生:私が本校に初めて赴任して来たときに一番印象的だったのは、生徒たちのすばらしい挨拶でした。同校では月に2~3回、登校時にPTAの方が校門の前に立ち、生徒たちに挨拶を行う「挨拶運動」が定着しています。つまり、生徒たちの挨拶はPTAの方々のおかげなのです。「挨拶運動」の後には、PTAの方々との座談会を設け、保護者の皆さんが感じられる不安や疑問を直接お聞きしています。そこで出た問題点や周知の必要がある内容については「学校だより」やHPにてお伝えするなど、保護者の皆さんとの交流が学校づくりに生かされています。

「挨拶運動」の様子(提供:富雄南中学校)

――地域との関わりについて教えてください。

平尾先生:毎年12月に本校にて開催している「防災フェスタin富南2018」では、「奈良西警察署」や「奈良西消防署」、地域の消防団、青年団や公民館などの施設の方々も参加し、「土のうリレー」などのイベントを行うなど、防災について楽しく考える機会となっています。このイベントには地域の人気キャラクター「とみにゃん」も参加します。「とみにゃん」は本校の生徒が発案したキャラクターで、グッズを作ったり、イベントに登場するなど、世代問わず地域の皆さんに愛されています。

「防災フェスタin富南2018」の様子(提供:富雄南中学校)

地域のイベントでは、中学生を中心に構成される「とみにゃん応援隊」という地域ボランティアが活躍します。本年度から「とみにゃんキッズ」という小学生が参加できる地域ボランティアもでき、地域と小・中学生との交流の場になっています。このようにさまざまな地域との交流を通じて、”絆”や”つながり”を育てる環境が当学区にはあると思っています。

富雄南中学校区地域教育協議会マスコットキャラクター「とみにゃん」のグッズ

――今後、どのような教育を目指されますか。

平尾先生:現在、本校では「自主・協力・健康」という言葉を校訓に掲げています。本校での生活を通して、人の思いや意見をしっかりと受け止め、正しい判断と行動ができる生徒になってもらえたらという想いを込めています。これからは、職場体験などのキャリア教育の充実だけでなく、「Society5.0」という新しい社会にも遅れない教育を行うことが大切です。コンピュータ学習などの新しいものはどんどんと取り入れいきたいと考えています。また、本校においてはやはり”家庭”と”地域”と”学校”がお互いに支え合うことこそ、子どもたちを成長させていく上で最も大事なことであるよいう考えのもと、今まで以上に地域との連携を深めていきたいと考えています。

子どもたちの将来について語る平尾校長先生

奈良市立富雄南中学校

校長 平尾京一先生
所在地 :奈良市藤ノ木台1-5-13
電話番号:0742-48-1671
URL:http://www.naracity.ed.jp/tomiominami-j/
※この情報は2019(平成31)年1月時点のものです。

新しい授業方法を取り入れ、進化を加速。
生徒の成長を地域で支える「奈良市立富雄南中学校」

所在地:奈良県奈良市藤ノ木台1-5-13
電話番号:0742-48-1671
http://www.naracity.ed.jp/tomiominami-j/

異学年交流と国際理解教育で、子どもたちの自尊感情を育てる「吹田市立藤白台小学校」

$
0
0

阪急「北千里」駅の東に広がる藤白台は、「古き良さ」を残しつつ、新たな発展を遂げるニュータウンです。大阪の都心部までアクセスが良く、「万博記念公園」と隣接していることもあり自然豊かな環境で、近くに「大阪大学 吹田キャンパス」や「千里金蘭大学」、「関西学院 千里国際中等部・高等部」があるなど、教育施設の多いエリアとしても知られています。今回、その藤白台に建つ「吹田市立藤白台小学校」の井上佐和子校長先生に同校の特徴や藤白台の魅力についてお伺いしました。

吹田市立藤白台小学校 井上佐和子校長先生

「知・徳・体」のバランスの取れた教育を

――藤白台小学校の今までに至るまでの沿革を簡単に教えてください

井上先生:本校は1965(昭和40)年に創立された学校で、かつて全国のニュータウン開発のモデルとされた1960年代の「千里ニュータウン」の開発と1970(昭和45)年の「大阪万博」の開催による人口増加に伴い、児童数が増加し、校舎が増設されました。開発が落ち着くとともに児童数も減りましたが、2005(平成17)年ごろから新たに集合住宅の建替計画が進められ、今では新旧が混在した独自の環境を成しています。児童数もここ数年で増加しており、現在では689名の児童が本校に通っています。

1年生の教室は、天窓から優しい光が差す教室。天井が高く、部屋もとても広い。

――藤白台小学校が目指す教育について教えてください

井上先生:本校の目指す教育としては、「自分の夢を持ち、実現のために努力する心豊かな人を育てる」と「仲間と力を合わせ、明るい未来を築いていける人を育てる」という2つの目標を掲げており、その目標を叶えるために目指す子ども像として、「かしこい子 やさしい子 げんきな子」という 「知・徳・体」のバランスの取れた教育を進めたいと考えています。実は、「かしこい子 やさしい子 げんきな子」というのは本校の校歌にも盛り込まれており、まさに本校の教育を示す言葉となっています。

保護者の教育意識が高く、学習環境が整っている

――井上先生は今年から校長先生に就任されたそうですね?

井上先生:昨年まで本校で教頭を務めていたのですが、やはり校長となると約700人の子どもたちを預かっているという責任感で、緊張の日々です。本校には若い教員が多いのですが、「若いからこそできることをしよう!」と一生懸命に取り組ませ、教員で一致団結して子どもたちの教育にあたっています。

――藤白台は文教エリアとしても知られていますが、藤白台小学校の子どもたちの学力はいかがでしょうか?

井上先生:藤白台の周辺には教育機関が多いことと、子育て環境が恵まれていることもあり、保護者の方の教育への意識は高いと思います。全国学力学習調査でも、全国平均を上回る項目が多いです。

図書室での読み聞かせの授業。図書室は低学年と高学年の2つの部屋に別れている。

――それでは藤白台小学校の具体的な教育の特徴を教えてください。

井上先生:まずはいち早く特例校として、英語を教育課程に入れて進めてきました。英語の授業でコミュニケーションを勉強するのは当然ながら、毎週の水曜日と金曜日を「イングリッシュデイ」と定め、放送委員会による朝の放送を英語で放送したり、掃除の時間にビートルズやカーペンターズなどの洋楽を流したり、自然と英語が耳に入ってくる環境を整えています。また、最大の教育の特徴としては、4年生以上は一部の教科において、「教科担任制」を取っていることです。例えば、1組の先生がその学年(1組から3組まで)の全ての体育を担当するなどです。メリットとしては担任以外の先生の目が入ることで、子どもたちにとって相談しやすい環境が生まれ、教育環境の改善に役立ちます。先生も、その教科の授業力を高められるというメリットがあります。最近では文科省が教科担任制を奨励しはじめているので、まさに本校は一歩先を行く教育環境といえます。

12メートルの小プールと25メートルの大プール。吹田市では「命を守る水泳」に取り組み、6年生になると臨海学習を行う学校が多く、市内の6年生の98%の子どもが平泳ぎ200メートル・クロール50メートルを泳ぐことができる。

地域との関わりで「安心感」を

――今年度、特に力を入れている取り組みを教えてください

井上先生:今年は異学年交流を推し進めております。違った学年の子どもたちと触れ合うことで子どもたちの自尊感情を高めたいという狙いがあり、異学年同士で班を組んで掃除をしたり、遊んだりなど、コミュニケーションを取れる機会を作っています。異学年交流をすることで、高学年は責任や自覚を持ち、下級生にとっての身近なお兄さんお姉さんとしてよいモデルとなり学校を引っ張っていってくれますし、低学年は安心して過ごすことができます。

――子どもの安全を守るために行なっていることを教えてください

井上先生:地域の方による見守りもありますが、「ミマモルメ」という緊急時に保護者にメール配信するシステムを導入し、登下校時の安全対策に役立てています。先日も子どもの引き取り訓練を行ったのですが、「迎えにきてください」「門が開きました」などの状況をメールで逐一、保護者の方の携帯端末に配信していました。

広々とした1年生教室前の多目的ホール

――地域との関わりについて教えてください

井上先生:連合自治会や青少年対策委員会などの地域の方が中心となって、夏祭りや子どもフェスタなど、子どもたちが楽しめるイベントをたくさん開催してくださっています。地区運動会も盛んです。また、最近ではAEDの設置場所や子ども110番の家、さらには地域における危険場所などを明記した防災と防犯に役立つマップを作成しようという動きもあります。今後は、子どもたちにとっての豊かな環境づくりを進めるために、地域と保護者と学校のさらなる連携が大切だと考えおります。

――地域にある関連校との交流について教えてください

井上先生:児童教育学科がある「金蘭千里大学」さんとはさまざまな連携を取っています。学生さんはインターンシップ、教育実習として学校現場を体験するだけでなく、毎年行われる「千里キャンドルロード」では、使用するローソクを入れる紙コップに、本校の子どもたちと絵を書いてくださっています。また、2年生向けに「掛け算教室」というボランティア活動も行いました。それとは別に、吹田市では市内の学校に通う小学6年生のために、「エキスポシティ」にあるOSAKA ENGLISH VILLAGEを1日無料開放していて、その日は「青山台小学校」と本校で組んで英語の体験をすることになっています。それは「青山台中学校」への進学時に「青山台小学校」の子どもたちと一緒になるので、入学前に子ども同士でつながる機会を作るためです。先日、中学校の先生から「入学当初から両校の生徒が和気あいあいだったよ。」と聞いて、改めて交流する機会の大切さを感じました。

きれいに並べられた靴。子どもたちに規則正しい教えが浸透している。

――今後、力入れていきたいことを教えてください

井上先生:まずは教員の授業力の向上が一番です。それを踏まえて力を入れいくのは、今、取り組んでいる異学年交流に加え、国際理解教育をより深めて行きたいということです。最近はどの学校も、外国にルーツを持つ子どもが増えています。本校にも、様々な国をルーツに持つ子どもも多いので、それを大切な財産として他者理解につなげていければと思っています。

時に熱く、時に優しく、子ども思いの井上校長

――最後に、井上校長先生が感じる、藤白台における子育て環境の魅力について教えてください

井上先生:まずは保護者の教育関心度が高く、学力が高いエリアであるということ。そして、駅に近く利便性があり、買物施設も充実していること。加えて、子どもの習い事の環境も整っていて、自然も豊富であること。つまり、子育て環境で必要な全ての条件が揃っていて、まさに子育てに向いているエリアだと思います。私のおすすめしたいスポットとしては、点在する広々とした公園と四季折々の情景が美しい三色彩道の並木道です。放課後、自然の中で活発に遊ぶ子どもたちの光景はニュータウンならではの光景だと思います。

季節よって色づきが変わる三色彩道の並木

吹田市立藤白台小学校 井上佐和子校長先生

吹田市立藤白台小学校

校長 井上佐和子先生
所在地:大阪府吹田市藤白台3-3-3-1
電話番号:06-6872-0366
URL:http://www2.suita.ed.jp/school/es/32-fujisiro/
※この情報は2019(令和元)年6月時点のものです。

異学年交流と国際理解教育で、子どもたちの自尊感情を育てる「吹田市立藤白台小学校」
所在地:大阪府吹田市藤白台3-3-3-1 
電話番号:06-6872-0366
http://www2.suita.ed.jp/school/es/32-fuj..

Viewing all 1125 articles
Browse latest View live