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浦和美園の街開発「みそのウイングシティ」インタビュー Vol.02

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開発が進み、次々と新しい施設も誕生する美園エリア。
ハード面からソフト面の整備へとシフトし始めたまちづくり

「みそのウイングシティ」計画として320ヘクタールにも及ぶまちづくり事業が進む美園エリア。前回街づくりについてお話を伺った2014(平成26)年から街はどのように発展を遂げているのか。美園エリアの開発の進捗やこれからの計画などについて、さいたま市都市局浦和東部まちづくり事務所の堂下和宏さんと、UR都市機構の田部井友葵さんにお話を伺った。

前回お話を伺ってから今まで具体的にどういった変化があったかお教えください

浦和美園の街開発の進捗と今後の取り組みについて

堂下さん:街の変化としては、地区内の区画整理が着々と進んでいます。施設としては「ヤマダ電機テックランド 浦和美園店」が2015(平成27)年5月に開業しています。

また、「アーバンデザインセンターみその(UDCMi)」という施設が同年10月に開業しています。これはまちづくりの拠点となる施設で、行政や大学、浦和美園に可能性を感じている企業が集まって、公・民・学の連携ということで「美園タウンマネジメント協会」という協会が立ち上がり、この協会の活動拠点となっています。この「アーバンデザインセンターみその(UDCMi)」を中心にいろいろな活動が展開されつつあるというのが、ひとつの大きな変化です。

美園コミュニティセンター

2016(平成28)年の1月には、「浦和美園」駅東口前に、行政窓口機能を持つ支所、図書館、コミュニティセンターなどが入った複合公共施設がオープンし、駅周辺の利便性が高まっています。

ヤマダ電機 テックランド浦和美園店

田部井さん:施設関係では、浦和岩槻線沿いの「ヤマダ電機」のほかにも、カーショップやコンビニエンスストアなどもオープンして、徐々に面的な広がりを見せてきています。それに加えて、国道122号沿いに「ケーズデンキ」も着工しています。

※「ケーズデンキ 浦和美園店」は、2016(平成28)年12月1日(木)にオープンしました。

「アーバンデザインセンターみその」では具体的にはどういうことを行っているんですか?

アーバンデザインセンター美園

堂下さん:大きく分けると、サービス・メンテナンス・プロモーション・デザインなどの活動を展開していく中で、街をマネジメントしていこうとしています。例えばサービスでいうと、交通の面で地区が広かったり、高低差があったりするので、レンタサイクルのような形でいろいろな乗り物が使えたらということが考えられていたり、健康増進プログラムのような形で「歩いたり自転車に乗ったりするとポイントがたまる」など、健康になってポイントも貯まるというような試みも始まろうとしています。

ほかの面ではいかがですか?

堂下さん:プロモーションの面ということで、地域の農家さんに「浦和美園」駅前にお店を出していただいたり、サッカーの試合後にキッチンカーを出して賑わいづくりを創出したりもしています。デザイン面では、みその都市デザイン協議会が立ち上がり、これからの街並みをどうしていくか、まちのデザイン、将来像を詳細につくって関係者で共有していこうという将来ビジョンづくりも中心になってやり始めています。

埼玉スタジアム2○○2

田部井さん:今年もさいたま国際マラソンが開催され、さいたまスーパーアリーナをスタートして、浦和美園のまちなかをランナーが走り抜けます。また、国際的なイベントでいえば、「埼玉スタジアム2002」でサッカー日本代表の試合もありますし、2020(平成32)年の「東京オリンピック」の際もサッカーの試合を行うことが決まっていますので、国際的な注目も集まっていくかと思います。

それぞれの計画に対する進歩状況をお教えください

浦和美園の街開発の進捗と今後の取り組みについて

堂下さん:まずさいたま市で担当しているのが、浦和東部第一地区と大門下野田地区になっていて、駅に近い地区の整備が進んでいます。一部の区画では、多様な生活パターンの世帯の間でエネルギー利用の最適化を図る「スマートホームコミュニティ整備事業」の事業者が決まり、現在モデル棟が建ち始めている状況です。さらに、地区内で公園の整備なども進んでいます。

浦和美園の街開発の進捗と今後の取り組みについて

田部井さん:URは、整備を進めてきた地区の中央部と北部で、宅地と道路が完成し地権者の方に土地をお返しすることを進めています。なお、URの工事は今年度末で完了する予定で進んでいます。完了後の来年の3月くらいには新しい町名に切り替わる予定です。

※2017(平成29)年2月18日より、浦和東部第二地区(緑区大字上野田、玄蕃新田、下野田、大門、高畑、寺山、中野田、南部領辻の各一部)において、町名及び地番が変更されました。

順天堂大学付属病院が新設されると聞いたのですが、今後決定している計画について教えて下さい

UNICUS(ウニクス) 浦和美園インタビュー

堂下さん:今後の計画については「ケーズデンキ」の開業と、商業施設の「UNICUS(ウニクス)」ができる予定です。

※「ケーズデンキ 浦和美園店」は2016(平成28)年12月1日に、「UNICUS(ウニクス) 浦和美園」は2017(平成29)年3月9日にオープンしました。

田部井さん:計画では大学院も来ることになってます。今も周りに「浦和大学」や「目白大学」、「慶応大学薬学部」のキャンパスがあり、駅からバスも出ていますが、今後さらに学生が増えるかもしれません。周りに学生が住むと賑わいも出てくると思います。また、大きな病院が来ると、薬局や関連産業も進出してくることになるかと思います。

2020年の東京オリンピックでサッカーの試合会場となりますが、それに向けて具体的に準備・計画されている取り組みはありますか?

埼玉スタジアム2002 歩行者専用通路

堂下さん:まず埼玉高速鉄道の延伸計画については、国の「交通政策審議会」の中で、延伸が有意義な路線ということで位置づけられています。 こちらは検討が始まった段階なのですが、駅とスタジアムの間にある道路は、オリンピックの時もメインの導線になると思うので、ここをサポーターが通るような、美園のメインとなる街並みにしていきたいと思っています。実際にサッカーボールの車止めがあるなど、スタジアムまでの参道的な形で整備しています。

田部井さん:皆さんに楽しく歩いてもらいたいという思いで作っています。歩道もついているので、安心して歩けるような設えにもなっていますし、歩道に段差がないように配慮して整備しています。

イオンモール浦和美園

堂下さん:そのように美しい景観を作っていったり、緑あふれる街にするために例えばルールを作ったり、歩行環境ということで、試合日に車が通らないような歩行者優先のまちづくりをしていきたいと考え始めています。作った空間をどう活かしていくかというソフトな面にもシフトし出したところですね。

田部井さん:建物を建てる方は地権者の方々なので、建てるときに単純な住宅だけではなくカフェやレストランをやってみるなど、そのような賑わいにつながることをやっていただけるとありがたいと思っています。病院が開院すれば働く人も相当増えると思います。病院で働く人が家に帰る前や、浦和美園に電車で帰ってきた人が家に帰る前に一息つけるお店ができたらいいですね。

最後に今後の浦和美園のまちづくりについての課題やテーマ、それに対する思いや意気込みをお聞かせください

みそのウイングシティ航空写真

堂下さん:まず住みやすい街にしたいというのと、働きやすい街にしていきたいというところがあります。あとは、せっかくこういう新しく作った街で、スタジアムなどもあるので、すごく健康的で未来志向な街にしていきたいという思いもあります。地元の方々といろいろな意見交換する中でも、そういったキーワードが出てくるということもあります。行政の立場からすると人を増やしたいと思っています。住む人もですし、イベントなどで訪れる人を増やしたいですね。また、さいたま市ということだけでなく、今の社会的な課題を解決するために、積極的に子育てをどうしていくかや、健康寿命をどう伸ばしていくか、またエネルギーの話のような問題の解決策を見出すような、何か新しい取り組みをどんどんできればと思っています。課題というところでは、公園の整備だったり、この地区に綾瀬川という川がありますが、そこを憩い空間としてどう活用していくかという所がまだ実現できていないので、街のデザインということで検討を進めていきます。新たに住みはじめた方にお話を伺うと、自然環境に期待をしてこられたという方も多くいらっしゃいます。そういった中で、我々や地主、企業の方々が同じ方向を向いて、街の将来に向けてそれぞれできることを、また協力してできることをやっていきたいと思ってます。

みそのウイングシティ

田部井さん:URとしては、今まで住まわれていた方にとってはもちろんここが故郷なのですが、新しく住まわれる方、特に子どもたちにとっては、将来ここが故郷になっていきますので、それにふさわしい街になるように整備を進めていきたいと思います。また、もともと住まわれてる方と新しく住まわれる方とのコミュニティづくりというのを努力して進めてきた結果、今回さいたま市さんの方でもこういう地元の協議会を立ち上げて活性化してきていると思いますが、我々は区画整理事業者として道路や公園などの基盤、拠点となるものを作らせていただきましたので、それをうまく活用していただいて、さらなる発展を遂げていただけたらありがたいと思ってます。私は一児の母なので、ママ目線でいうと、近隣公園の「ちびっこ広場」が今年の3月にできました。駅前のコミュニティセンター中ではこども広場があり、リトミックや小さな子どもたちが身体動かしたりできるイベントも開催されてるみたいなので、子育ての面でも非常に魅力的だと思います。

浦和美園の街開発の進捗と今後の取り組みについて

今回、話を聞いた人

さいたま市都市局浦和東部まちづくり事務所 堂下和宏さん(写真左)
UR都市機構 田部井友葵さん(写真右)
UR都市機構 大谷英基さん

※2016(平成28)年6月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

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