JR総武線「新小岩」駅より徒歩約20分。文化施設「グリーンパレス」内にある「江戸川区共育プラザ中央」は、中高生や子育て世帯の支援を行い多世代の交流を図る施設だ。今回は、共育プラザの役割や取り組み、江戸川区中央エリアの魅力について、館長の迫畑裕之さんにお話を伺った。
区内で一番新しい共育プラザ
――「江戸川区 共育プラザ中央」の施設概要や特徴について教えてください。
迫畑館長 共育プラザは、中高生の活動支援、子育て支援、世代間交流を行う施設です。区内にある7館のうち最も新しく設置されたのが当館で、2020(令和2)年5月30日に利用開始となりました。江戸川区から委託され、認定NPO法人キッズドアが運営しています。乳幼児とその保護者、小学生から高校生まで、幅広く利用できます。
9時に開館し、高校生は21時まで、中学生は19時(学習室は21時)まで、小学生、乳幼児とその保護者は17時まで使えます。休みは年末年始の6日間とグリーンパレスが休館の日のみとなり、土日もGWもお盆もご利用いただけます。
――利用状況や主な利用目的について教えてください。
迫畑館長 令和4年度の利用者の延べ人数は、乳幼児親子が約18,200人、小学生が約9,200人、中学生が約6,900人、高校生が約5,700人。約40,000人と実に多くの皆様に利用していただいています。以前ここに小学生の遊び場があった名残なのか、7館の中では小学生の利用が他の共育プラザと比較するととても多いです。
おしゃべりしたり遊んだりしたくて来る子、宿題やテスト勉強をしに来る子など、目的はバラバラです。やむを得ず学校に行かれない子等も来ます。ここでは小学生が中高生と仲良くなるなど、家や学校とは別のつながりを持つこともできます。また、一人で来て学習室で黙々と勉強する子もいますが、モチベーションを維持するために友だちと一緒に勉強したがる子も多いですね。
子育てひろばは、乳幼児の保護者の情報交換や仲間作りの場となっています。いつでも気軽に子育て相談ができますし、個別相談日も設けています。江戸川区在住の1歳~3歳11か月のお子さんを対象とした一時預かりも行っていて、1回2時間以内、1時間800円。美容院などのリフレッシュ目的でもご利用いただけます。
また、主に不登校の子どもを個別支援するユースサポート事業も行っています。江戸川区在住の不登校等の小学生・中高生が登録することができます。自分のペースで勉強したり、思い思いの活動をすることができ、スタッフがそれをサポートしています。子どもの悩みや心配事の相談、保護者の養育相談なども、専門のユースソーシャルワーカー、ユースカウンセラーが対応をしています。
中高生の自主企画をはじめ、さまざまなイベントを実施
――館内にはどんな部屋があり、どんな職員がいらっしゃるのでしょうか。利用方法も併せて教えてください。
迫畑館長 新館の2階と5階が共育プラザ中央のフロアです。2階にロビー、子育てひろば、遊び場やイベント会場として使われる多目的室1、図書室、学習室、スポーツルーム、こども音楽室があります。5階には多目的室2があり、ゲーム、PC、タブレット、参考書、漫画、ボードゲーム、エレクトーンと、幅広いコンテンツが用意されています。eスポーツコーナーもあり、中高生が話題のeスポーツを楽しむことができます。利用者は2階で受付をして、自分の好きなところに行って過ごします。
子育てひろばで働く職員は、保育士資格や幼稚園教諭、子育て支援員の資格を持っていて、彼らが一時預かりにも対応しています。中高生指導員には教員免許を持つ人をはじめ、心理士や社会福祉士の資格を持っている人も働いています。また、中高生指導員のサポートとして大学生アルバイトも多く、中高生の話をとてもよく聞いてくれています。年齢が近いので中高生は親しみやすいと思います。
――どのようなイベントが開催されていますか?
迫畑館長 子どもたちが楽しめるイベントをたくさん実施しています。対戦ゲームを楽しむ「ゲーム大会」など、子どもたちが企画・運営する自主企画のイベントも多く、高3の子たちが卒業前に何かやりたいと、4階ホールを借りてスポーツイベントを行ったこともあります。
すべての共育プラザで行われている共通事業というものがあり、その一環として、お菓子やハンバーグなどを職員と一緒に作る「中高生kitchen」、みんなで一緒に勉強する「1655cafe」なども実施しています。共育プラザには、共育プラザ7館で協力して実施をする事業もあり、「10代の挑戦EDOGAWA」、「eスポーツ交流大会」、「中高生と赤ちゃんのふれあい体験」などを実施しています。
「10代の挑戦EDOGAWA」は、共育プラザで活動する中高生が、日ごろの活動成果を発表するとともに、自主性・創造性を高めることを目的に実施しています。また、地域・世代間交流・社会貢献活動を通して、多くの区民の方と関わり、地域社会の一員としての意識を醸成することも目的としています。
コロナ禍にオープンした当館はまだ経験がないのですが、江戸川区の区民まつりでも共育プラザは各館協力してブースを出店しています。
「子育てひろば」では、手遊びやリトミック、「わらべうたベビーマッサージ」、毎月のお誕生会などを行っています。
「話しやすい」「土日祝も利用できてありがたい」という利用者の声
――中高生や乳幼児の保護者など、日頃から利用されている方の感想や要望などが届いていれば、お聞かせいただけますか?
迫畑館長 より良い場所にするために、定期的にアンケートをとっています。中高生からは「いろんなところに職員がいるので相談しやすい」「職員が話しやすくて安心する」「共育プラザ中央に来るとすごく楽しい」「いろんなイベントに参加できてうれしい」といった感想をもらっています。
「子育てひろば」の利用者からは、「土日祝も利用できるのがありがたい」という声をたくさんいただいています。「子どもと一緒に過ごせる居場所を作ってもらえることがありがたい。」「ひろばがあるから子育てを頑張れます。」といった言葉も励みになりますね。「子どもの顔と名前をすぐに覚えてくれて嬉しい」という感想も多いです。中高生指導員もよく覚えていますが、「子育てひろば」を担当する子育て指導員は、お子さんの名前を早く覚えるようにしており、利用者が来ると「〇〇くん、おはよう」「〇〇ちゃん、こんにちは」と名前を呼んで迎えることで、心地よい雰囲気づくりを心がけています。
要望としては、ひろば内で写真を撮らせてほしいというものが一番多いです。子育てひろばは親子の居場所であり、保護者の方にお子さんを見ていただいています。写真撮影をしようとすると、どうしても周りが見えなくなってしまうので、遠慮していただいています。また、「もっとイベントを増やしてほしい」という声には、できるだけ対応できるようにしたいと考えています。
親水公園の存在と人の温かさが、江戸川区中央エリアの魅力
――最後に、江戸川区中央エリアの魅力をお聞かせください。
迫畑館長 子どもたちや保護者の方から話を聞いていると、主に2つあると思います。ひとつは「小松川境川親水公園」です。全長約4kmにおよぶ親水公園で、せせらぎ、飛び石、吊り橋など、全部で5つのゾーンに分かれています。ほぼ全域で水遊びができるほか、ウォーキングやアスレチックなど、四季を通じて楽しめます。
この建物の隣にある「東小松川公園」もつながっていて、老若男女を問わず、みんなの憩いの場となっています。桜の名所にもなっており、春先には桜を楽しむこともできます。地域の皆様による見守りの目もあり、親としても子どもを安心して遊ばせられると思います。小川にはカニや魚がいるので、うちのスタッフは子どもたちと一緒にザリガニ釣りに行ったりしていますよ。
もうひとつは、子育てがしやすい地域環境ということです。江戸川区が子育てに力を入れているからでしょう。子育てに対する意識が高い人が多いと感じます。利用者からも地域の人の対応がとても温かいという声をよく聞きます。
共育プラザは、つながりや交流を大事にする施設。これからも地域に貢献していきたいです。
江戸川区 共育プラザ中央
館長 迫畑 裕之さん
所在地:東京都江戸川区松島1-38-1 グリーンパレス新館2F・5F
電話番号:03-5662-7661
URL:https://kyoiku-plaza-chuo.tokyo/
※この情報は2023(令和5)年4月時点のものです。
つながりと交流を大切に。子どもの居場所となり子育て世帯を支える/江戸川区共育プラザ中央(東京都)
所在地:東京都江戸川区松島1-38-1 グリーンパレス新館2F
電話番号:03-5662-7661
開室時間:9:00~17:00
https://kyoiku-plaza-chuo.tokyo/
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