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多世代の「つながる」を応援/踊場公園こどもログハウス スタッフ 七呂さん 

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“ニャンパク砦”の愛称で親しまれている「踊場公園こどもログハウス」は、踊場公園の一角に設けられた横浜市の子ども向け屋内施設だ。木のぬくもりあふれる広々とした空間には、スパイラルコースターやハンモック、地下迷路など、子どもたちがわくわくするような仕掛けが目白押し。子育て支援にも力を入れ、年間を通じて多彩なイベントを実施している。取材日には「お絵かき教室」が開催されており、8組の親子が参加して交流を楽しんでいた。今回はそんな「踊場公園こどもログハウス」のスタッフである七呂さんと、「お絵かき教室」の講師である山形さんにお話しを伺った。

「おはなし会」など多彩な親子向けイベントが人気

――「踊場公園こどもログハウス」の概要について教えてください。

七呂さん:都市の中で失われている木のぬくもりを感じながら、子どもが自由に集い、遊び、成長することのできる場、また親子の触れ合いの場として、25年前に設立されました。最近では、育児の不安やストレスを抱えた保護者をサポートする子育て支援の場という役割も大きくなっています。

遊具も木で作られている

特徴は、建物や遊具などに木のぬくもりが感じられること。それから、対象が乳幼児から中学生までなので、異年齢同士の交流ができる場であることです。赤ちゃんから中学生までが同じ空間で遊んでいると、小さい子がお兄ちゃんお姉ちゃんについていき、年上の子もやさしい声掛けをして、自然と触れ合いが生まれます。

――イベントをたくさん開催しているようですね。

七呂さん:大きく分けて、乳幼児と保護者のためのイベント、小学生に楽しんでもらうイベント、対象を問わず老人会の方や中学生など地域の方のご協力で行うイベントがあります。スタッフが主導して、館内を飾るための簡単な壁紙工作なども定期的に行っています。

お絵かき教室の様子

乳幼児と保護者対象のイベントとしては、2~3歳児と保護者の方が先生と一緒に30分ぐらい体を動かす「親子たいそう」や「お絵かき教室」、年10回の「親子おはなし会」などがあります。小学生向けには、クイズ形式のラリーなど体を動かす遊び、工作、七夕やハロウィンの飾りを作る季節遊びなどがあります。工作では父の日のメッセージカードや、夏休みの科学工作教室として、近くの企業クラブの方のご指導で自由研究を兼ねた風力発電機を作っています。

――今日の「お絵かき教室」は8組の親子さんが参加されて楽しそうでしたね

七呂さん:今年度は全3回で、今回と次回が2~3歳児対象、3回目が0歳後半~1歳児対象です。小さなお子さんがどんな風に描き始めていったらいいのか、クレヨンはどんなものを選んだらいいのかといったことを、美大出身でご自身も2歳児のお母さんでいらっしゃる山形先生に教えていただきながら、お絵かきを楽しみましょうという教室です。

真剣に絵を書く子ども

山形さん:これまでの教室では0歳後半~3歳児までと対象が幅広かったんですが、2~3歳児と1歳児では言葉も絵のレベルも全く違います。そこで、今年度から初めて対象年齢を絞ってみました。教え方としては、幼稚園に上がる前のお子さんたちが対象なので、退屈しないで楽しくお絵かきできるようにということに重点を置いています。そして、保護者の方にも、これなら家でもできるというアイデアを提案するようにしています。今回は初めて絵具を使いましたが、飛び散りが少ない絵具遊びの方法についてお伝えました。

――参加者の方に伺います。「お絵かき教室」に参加してみていかがでしたか?

Aさん:お絵かきを始めたばかりの子への声掛けはこういう風にするのかと参考になりました。スタンプをスポンジで手軽に作ったり、驚きの連続でした。

Bさん:すごく、楽しかったです。ここは雨の日によく利用しています。土日開館で無料ですし、公園の中なので利用しやすいですね。

Cさん:子どもは、一人で描く時より集中して描けているようでしたね。声掛けの方法を教わって、親も一緒に描いてあげることが必要だなと実感しています。ここにはイベントを含めて月2~3回通っていますが、同じ年齢の子とやりとりができるようになったなと感じるし、親子で一緒に遊べるので自分も童心に帰れるのが楽しいですね。

色とりどりの絵を描く子どもたち

――「おはなし会」というイベントも人気があるそうですね。

七呂さん:絵本の読み聞かせと工作やブックトークを組み合わせた約1時間のイベントです。ほぼ毎月、平日の午前中に開催しています。そのうち9回は乳幼児が対象、夏休みだけ小学生向けに自由研究の参考になる本を紹介しています。参加者は0~3歳児と保護者の方がほとんどで、いつも15組前後が集まります。

季節感を大事にしていて、6月なら梅雨にちなんだ読み聞かせの後、外でかたつむりを探して、工作したかたつむりをあじさいの絵の上に貼って館内を飾ります。親御さんにとっても、子どもたちに伝えてあげたい本、読み継がれていく本を紹介するブックトークがあり、勉強になりますよ。

「おはなし会」の様子

創造力を育み、触れ合いを楽しむ場に

――イベントを開催する狙いはどんなことでしょうか?

七呂さん:子どもたちの創造力や学ぶ力、自主性を伸ばせるような場を与えてあげたいという想いが一番にあります。小学生ともなると、工作でこちらが提示した以上のものを作って見せてくれますが、子どもたちの力は大人が思っている以上に広がっていくもので、その創造力には本当に感心させられます。工作やゲームをすること自体が目的ではなく、子ども同士、親御さん同士が触れ合いを楽しんでもらえる場になれば嬉しいですね。

想像力を育むイベント

――イベントで心掛けていらっしゃることはありますか?

七呂さん:一番は安全面です。館内では裸足で遊んでもらうので、カッターやホチキスは使いません。また、工作であれば、子どもたちが上手にできるようにというのではなく、作る嬉しさや楽しさを感じてもらえるように、自分で作れる子には自由に作ってもらい、悩んでいる子には声掛けしながら進めています。

――行事を通じてどのような交流が生まれていますか?

七呂さん:乳幼児のお母さんたちにとっては、お話をする場です。皆さん、子育てに関する会話を楽しんでいらっしゃいます。地域の方にご協力いただくイベントでは、年配の方たちと小さな子たちが触れ合います。年配の方たちは輪投げやコマ回しを教えることですごく元気が出るし、子どもたちもふだんやらない遊びを教えてもらって本当に楽しそうです。外でシャボン玉をしたり、プラパンを作ったりするイベントでは中学生が手伝ってくれますが、中学生は説明が上手で子どもの気持ちもよくわかるので、子どもたちがすごく楽しそうにしていますね。

楽しそうに遊ぶ子ども

長くスタッフをしていると、顔見知りになる常連さんが半分以上います。ここに来てお友達になるお母さん方もいれば、幼稚園や親子サークルのグループで遊びにくる方たちも多いです。最近はお孫さんを預かって遊びに連れてこられる年配の方、土日はお子さん連れのお父さんが増えています。設立から25年建っているので、親子2代で利用してくださっているご家族もいますよ。

豊かな自然に包まれた子育て世帯にやさしい街

――戸塚エリアの魅力について教えてください

桜並木が美しい「柏尾川プロムナード」

七呂さん:一番は自然が多く残っているところでしょうか。都会過ぎず、田舎過ぎないのが魅力ですね。駅が近く、交通アクセスがよくて便利なエリアでありながら、ちょっと行けば里山や田園風景、ホタルが見られるスポットがあります。自然だけでなく、「戸塚スポーツセンター」、「戸塚地区センター」、ケアプラザ、このログハウスと、公共施設も充実していて、近くに住んでいる子どもたちは本当に恵まれているなと思います。グラウンドがたくさんあるせいか、スポーツをしている子、元気でたくましい子が多いですね。お母さん方も、今は情報収集が早いので、イベントごとに公共施設を移動して楽しんでいらっしゃるようです。子育て中の若い方にとっても、住みやすい街だと思いますよ。

踊場公園 七呂さん

踊場公園こどもログハウス

スタッフ 七呂さん
所在地 :横浜市戸塚区汲沢8-11
TEL :045-865-5869
URL:http://log.chiiki-support.jp/
※この情報は2016(平成28)年6月時点のものです。

多世代の「つながる」を応援/踊場公園こどもログハウス スタッフ 七呂さん 
所在地:神奈川県横浜市戸塚区汲沢8-11 
ログハウス開館時間:9:00~17:00
利用料金:無料
利用対象者:乳幼児から中学生(未就学児は保護者同伴)
休館日:毎月第3月曜日、年末年始(12月29日~1月3日)
http://log.chiiki-support.jp


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